第4版の序
本書の初版を上梓してから16年が経ちました.この間,世の中ではいろいろなことがありました.iPS細胞のノーベル賞受賞は再生医療の夢を大いに膨らませてくれましたが,現実には実際の患者さんへの応用が普及する目途はまだみえてきません.本書のテーマである腎臓病診療の分野にも大きな目覚ましい進歩があったとはいえませんが,着実に少しずつ前進しているような気がします.これまでの経験の上に新しい情報を正しく積み上げて,患者さんに還元する努力を続けることの大切さを改めて痛感します.
最近は各学会による診療ガイドライン作りが盛んで,数々のガイドラインが次々に発表されています.本書でもこうしたガイドラインの内容は網羅するようにしています.しかし,こうした診療ガイドラインの記述は一定の基準などが提供されていますが,これを知っていればすぐに診療ができるわけではありません.それを診療上に反映させるための技能が必要です.またガイドラインの内容は診療の参考となっても,個々の患者さんは,それぞれ年齢,性別,体格などはもちろん,生活の状況や習慣などが違いますので,実際の診療上では患者さんごとに考慮する必要があります.「病気をみずに,病人をみよ」という言葉がありますが,つまり疾病自体にばかりとらわれずに,疾病をもつ個人として患者さんとその病気をみていこうということです.
本書は,この1冊で腎臓病診療のほぼ全貌が簡潔・容易に見渡せ,しかも痒いところに手が届くような記述となるように工夫しました.幸いに読者の支持を得て再版を重ね,このたび最新の情報を取り入れて刷新し,「第4版」刊行の運びとなりました.
初版以来,多大なご尽力をしていただいた医歯薬出版編集部の方々に改めて厚く御礼を申し上げます.
平成27年6月 爽やかな初夏の窓辺で
中尾俊之
初版の序
腎臓病の患者さんが近年増加しています.これは,わが国だけではなく,世界的な傾向です.一口に腎臓病といってもさまざまな病気があります.大部分の腎臓病では,もしも進行してしまって腎機能がゼロに近くなっても心配はいりません.人工透析療法をきちんと受ければ,生命をおとすようなことはありません.健康な人に近い社会生活を送れます.また機会があれば腎臓移植を受けることもできます.このように,腎臓病はたとえ進行しても,現代では代替えの治療ができるので心配はないのです.とはいっても,人工透析を受けるとなると時間もとられますし,たいへんであることは確かですので,なるべく悪化させないに越したことはありません.
この本では,腎臓病の専門病院で日頃行われている医療を具体的に再現することを心がけました.したがって個々の腎臓病や治療法の説明だけではなく,患者さんが病院を受診した場合に,どのような手順で診療が行われるのかという点にもわかりやすい解説を加えてあります.この本の読者としては,腎臓病の患者さんはむろんのこと,初めて腎臓病患者さんを受け持つ医師や看護婦,管理栄養士,薬剤師,技師などの方々を対象としています.この本によって,患者さんには自分の病気の理解や養生法をわかっていただき,また医療スタッフには患者さんへの指導のヒントを得ていただければ幸いです.
最後に,この本の出版に多大なご尽力をしていただいた医歯薬出版株式会社の編集部の方々に厚くお礼を申しあげます.
平成11年8月
中尾俊之
本書の初版を上梓してから16年が経ちました.この間,世の中ではいろいろなことがありました.iPS細胞のノーベル賞受賞は再生医療の夢を大いに膨らませてくれましたが,現実には実際の患者さんへの応用が普及する目途はまだみえてきません.本書のテーマである腎臓病診療の分野にも大きな目覚ましい進歩があったとはいえませんが,着実に少しずつ前進しているような気がします.これまでの経験の上に新しい情報を正しく積み上げて,患者さんに還元する努力を続けることの大切さを改めて痛感します.
最近は各学会による診療ガイドライン作りが盛んで,数々のガイドラインが次々に発表されています.本書でもこうしたガイドラインの内容は網羅するようにしています.しかし,こうした診療ガイドラインの記述は一定の基準などが提供されていますが,これを知っていればすぐに診療ができるわけではありません.それを診療上に反映させるための技能が必要です.またガイドラインの内容は診療の参考となっても,個々の患者さんは,それぞれ年齢,性別,体格などはもちろん,生活の状況や習慣などが違いますので,実際の診療上では患者さんごとに考慮する必要があります.「病気をみずに,病人をみよ」という言葉がありますが,つまり疾病自体にばかりとらわれずに,疾病をもつ個人として患者さんとその病気をみていこうということです.
本書は,この1冊で腎臓病診療のほぼ全貌が簡潔・容易に見渡せ,しかも痒いところに手が届くような記述となるように工夫しました.幸いに読者の支持を得て再版を重ね,このたび最新の情報を取り入れて刷新し,「第4版」刊行の運びとなりました.
初版以来,多大なご尽力をしていただいた医歯薬出版編集部の方々に改めて厚く御礼を申し上げます.
平成27年6月 爽やかな初夏の窓辺で
中尾俊之
初版の序
腎臓病の患者さんが近年増加しています.これは,わが国だけではなく,世界的な傾向です.一口に腎臓病といってもさまざまな病気があります.大部分の腎臓病では,もしも進行してしまって腎機能がゼロに近くなっても心配はいりません.人工透析療法をきちんと受ければ,生命をおとすようなことはありません.健康な人に近い社会生活を送れます.また機会があれば腎臓移植を受けることもできます.このように,腎臓病はたとえ進行しても,現代では代替えの治療ができるので心配はないのです.とはいっても,人工透析を受けるとなると時間もとられますし,たいへんであることは確かですので,なるべく悪化させないに越したことはありません.
この本では,腎臓病の専門病院で日頃行われている医療を具体的に再現することを心がけました.したがって個々の腎臓病や治療法の説明だけではなく,患者さんが病院を受診した場合に,どのような手順で診療が行われるのかという点にもわかりやすい解説を加えてあります.この本の読者としては,腎臓病の患者さんはむろんのこと,初めて腎臓病患者さんを受け持つ医師や看護婦,管理栄養士,薬剤師,技師などの方々を対象としています.この本によって,患者さんには自分の病気の理解や養生法をわかっていただき,また医療スタッフには患者さんへの指導のヒントを得ていただければ幸いです.
最後に,この本の出版に多大なご尽力をしていただいた医歯薬出版株式会社の編集部の方々に厚くお礼を申しあげます.
平成11年8月
中尾俊之
1 腎臓病の診療と患者指導はどのように行われるか
腎臓病の発見から診断まで
(1)腎臓病は静かに発症し,静かに進行する
1−無症状のうちに進む
2−検尿の異常
(2)検診による腎臓病の発見
(3)患者さん自身が気づく場合
慢性腎臓病(CKD)
(1)CKDが注目されている
(2)CKDが注目される理由
(3)CKDのたんぱく尿・アルブミン尿による区分
(4)CKDのステージ(病期)分類
腎臓病の診断から治療へ
腎臓病の治療
(1)薬物療法
(2)食事療法
(3)人工透析療法
腎臓病の診療体制
腎臓病治療のなかの患者教育
腎臓病の診療:外来と入院
(1)腎臓病で入院が必要となる場合
(2)診療所(クリニック)と病院
2 腎臓の構造と働き
腎臓の構造はどうなっているか
(1)腎・尿路系の構成と概観
(2)ネフロンという腎単位
1−糸球体
2−尿細管
尿の生成
腎臓はどのような働きをしているのか15
(1)尿を産生することにより行われること
1−終末代謝産物(老廃物)の排泄
2−体液の量の調整
3−細胞外液の電解質濃度や酸塩基平衡(pH)の維持
(2)ホルモンの産生
3 腎臓病の症状と出方
自覚症状
検尿の異常と腎臓病
尿の混濁
1−血尿
2−膿尿
尿量の異常
むくみの出方
(1)身体の部位とむくみ
1−足のむくみ
2−顔のむくみ
3−手のむくみ
4−腰部・背部のむくみ
5−陰部のむくみ
6−胸水,腹水
7−内臓のむくみ
(2)むくみによる体重の増加
(3)腎臓病でむくみが出る原因
1−水分・食塩の排泄障害
2−血管内に水分を引く力(膠質浸透圧)の低下
高血圧
(1)腎臓病で高血圧となる原因
1−循環血漿量(血管内血液量)の増加
2−血圧を調節するホルモンの異常
(2)血圧の基準値
(3)白衣高血圧
腎臓病と痛み
腎臓病と発熱
尿毒症
腎臓病の進行と症状の出方
(1)かなり進行するまで無症状のことが多い
(2)尿毒症症状はいつごろ出るか
全身の病気により腎臓も障害される場合
4 腎臓病の種類と特徴
腎臓病のいろいろな見地からの分類
(1)急性に起こる腎臓病と,慢性的に経過する腎臓病
(2)血尿が主体の腎臓病と,たんぱく尿が主体の腎臓病
(3)障害される腎臓の部位による分類
(4)若年者に多い腎臓病と,壮年期および老年期に多い腎臓病
(5)原因がはっきりしていない腎臓病と,原因がはっきりしている腎臓病
(6)治る腎臓病と,治りにくい腎臓病
代表的な腎臓病とその特徴
(1)糸球体腎炎
1−急性糸球体腎炎
2−急速進行性糸球体腎炎
3−慢性糸球体腎炎
(2)ネフローゼ症候群
1−原発性(一次性)ネフローゼ症候群
2−続発性(二次性)ネフローゼ症候群
(3)糖尿病性腎症
(4)高血圧と腎障害
1−本態性高血圧
2−腎実質性高血圧
3−腎血管性高血圧
(5)腎硬化症
1−良性腎硬化症
2−悪性腎硬化症
(6)膠原病による糸球体疾患
1−全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)
2−そのほかの膠原病
(7)腎不全
1−急性腎不全
2−慢性腎不全
(8)尿細管間質性腎炎
1−急性尿細管間質性腎炎
2−慢性尿細管間質性腎炎
(9)妊娠高血圧症候群
(10)特発性浮腫
(11)遺伝性腎疾患
1−多発性胞腎
2−アルポート症候群
(12)肥満と腎臓
1−肥満とは
2−肥満とたんぱく尿
(13)腎尿路感染症
(14)尿路結石
(15)腎腫瘍
(16)水腎症
5 腎臓病の診断と治療の実際
腎臓病の診断はどのようにして行われるか
(1)病院を受診するまで
(2)症状からの診断の手がかり
1−むくみ(浮腫)
2−体重増加
3−肉眼的血尿
4−排尿に関する異常
5−尿量の異常
6−腰背部痛
7−皮疹
8−眼の症状
9−咳,血痰
(3)診察の手順
1−問診
2−理学的診察
3−血圧の測定とその評価
(4)検査の手順
1−尿・血液検査
2−画像検査
3−腎生検
腎臓病の治療はどのようにして行われるか
(1)治療の3つの考え方と使い分け
(2)無治療で経過をみるとき
(3)腎臓病の完治をめざす治療
(4)腎臓病を悪化させない治療
1−血圧の管理
2−食事療法
3−貧血に対する治療
4−高尿酸血症に対する治療
5−脂質異常症に対する治療
6−抗血小板薬による治療
7−抗凝固薬による治療
8−そのほかの保存的治療
(5)治療の効果はどのようにして判定するか――血液・尿検査の経過の見方
1−尿たんぱく量の推移
2−腎機能の推移
3−血尿の推移
6 腎臓病と検査
尿検査
(1)たんぱく尿
1−アルブミン尿
2−微量アルブミン尿
3−低分子たんぱく尿
4−オーバーフローたんぱく尿
(2)血尿
(3)白血球尿
(4)尿糖
(5)円柱
(6)尿細胞診
血液検査
(1)末梢血検査
(2)生化学検査
(3)免疫学的検査
(4)ホルモン検査
(5)血液ガス分析
蓄尿検査
(1)尿たんぱく量
(2)腎臓の機能を調べる検査
(3)食塩摂取量
(4)たんぱく質摂取量
腎臓の形態を調べる検査(画像検査)
1−超音波検査
2−CTスキャン
3−単純X線撮影
4−経静脈的腎盂造影
5−腎血管造影
6−核磁気共鳴法(MRI)
7−核医学検査
腎生検
7 腎臓病と薬
腎臓病の患者さんに用いられる代表的な薬
(1)副腎皮質ステロイド薬
(2)免疫抑制薬,生物学的製薬
1−シクロスポリン(ネオーラル)
2−シクロホスファミド(エンドキサン)76
3−ミゾリビン(ブレディニン)
4−リツキシマブ(リツキサン)
(3)抗血小板薬
(4)抗凝固薬
(5)降圧薬
1−カルシウム拮抗薬
2−アンジオテンシン変換酵素阻害薬
3−アンジオテンシンII受容体拮抗薬
4−直接的レニン阻害薬
5−α遮断薬
6−β遮断薬
7−中枢神経抑制薬
8−アルドステロンブロッカー
(6)利尿薬
1−ループ利尿薬
2−サイアザイド系利尿薬
3−カリウム保持性利尿薬
4−トルバプタン(サムスカ)
(7)降圧薬,利尿薬の合剤
1−カルシウム拮抗薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の合剤
2−サイアザイド利尿薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の合剤
(8)腎性貧血治療薬(赤血球造血刺激因子製剤)
(9)高リン血症治療薬
(10)活性型ビタミンD製剤
(11)副甲状腺機能亢進症治療薬
(12)アルカリ化薬
(13)高カリウム血症治療薬
(14)鉄剤
(15)経口吸着薬
(16)高尿酸血症治療薬
(17)脂質異常症治療薬
(18)漢方薬
(19)掻痒症治療薬
腎機能に応じた薬の量の調節
腎臓病の患者さんにとって注意すべき薬
1−非ステロイド性解熱消炎鎮痛薬
2−ヨード造影剤,MRI用造影剤
3−抗菌薬
4−マグネシウム,アルミニウムを含む薬
5−そのほかに注意すべき薬
ジェネリック薬の考え方
8 腎臓病と食事
栄養素
腎臓病の食事基準
(1)急性腎臓病
(2)慢性腎臓病
(3)透析療法
食事療法の第一歩
(1)患者さんの社会的背景の把握
(2)計量器具をそろえる
(3)家族の協力が食事療法成功への近道
食塩のとり方
1−調味料に含まれている食塩量
2−食品に含まれている食塩量
3−減塩食の工夫
4−外食での食塩管理
5−食塩と水分の関係
治療用特殊食品
1−低甘味ブドウ糖重合体製品
2−中鎖脂肪酸製品
3−でんぷん製品
4−たんぱく質調整食品
5−食塩調整食品
エネルギー,たんぱく質のとり方
(1)1日の食品構成表で食事療法を行う方法
(2)食品交換表を使用して食事療法を行う方法
1−腎臓病食品交換表
2−糖尿病食品交換表
3−糖尿病性腎症の食品交換表
(3)食品成分表を使用する方法
(4)宅配食を利用する方法
たんぱく質の質
カリウム
リン,カルシウム
アルコール
外食,旅行中の食事
透析患者さんの食事
食事療法を成功させるために
9 腎臓病と運動・仕事・日常生活
腎臓病と日常生活
(1)生活管理の重要性
(2)安静が必要か
腎臓病の進行程度や病状に合わせた生活指導
(1)成人の生活指導区分と生活指導基準
(2)小児の生活指導区分と生活指導指針
腎臓病と運動
(1)腎臓病の患者さんにとっての運動
(2)どの程度の運動が許容されるか
(3)運動の強さの目安の取り方
(4)新しく運動をはじめる人へ
腎臓病と妊娠・出産
禁煙
10 透析予防のための保存療法
治る腎臓病と治りにくい腎臓病
(1)治る腎臓病
(2)治りにくい腎臓病
治らなくても進行しなければ心配はない
腎不全に至る腎臓病の種類
1−糖尿病性腎症
2−慢性糸球体腎炎
3−腎硬化症
4−そのほか
腎不全に至る過程
(1)腎臓病の進行と,糸球体・尿細管の荒廃(糸球体硬化と尿細管間質線維化)
(2)たんぱく尿の高度持続と腎機能低下の進行
(3)残存糸球体の過剰濾過と腎不全の進行
(4)糸球体内血液凝固
腎臓病は静かに進行する
腎臓病の進行を抑制し,透析を予防する方法
(1)原因を取り除く
1−糖尿病性腎症
2−糸球体腎炎
3−腎硬化症
(2)残存糸球体と尿細管の荒廃を防ぐ
1−高血圧のコントロール
2−薬物療法
3−低塩・低たんぱく食事療法
(3)腎障害の追加原因を避ける
腎機能が高度低下状態(腎不全)での透析予防
(1)保存療法とチーム医療
(2)保存的食事療法
(3)薬物療法
腎臓病養生のための5つの“はかり”
1−体重をはかる
2−血圧をはかる
3−尿量・尿成分をはかる
4−食事量をはかる
5−血液成分をはかる
11 透析療法
人工透析療法とは
(1)人工透析の働き
(2)人工透析療法と社会生活
(3)人工透析の2つの方法
1−血液透析(HD)
2−腹膜透析(PD)
(4)透析時基本体重(ドライウエイト)
(5)透析療法と食事療法の重要な関係
血液透析
(1)血液透析に必要な器具,装置,薬品と実際
1−必要な医療器具
2−人工腎臓装置
3−血液透析液
4−抗凝固薬
5−バスキュラーアクセス
6−血液と透析液の流れ
(2)血液透析中に起こりやすい合併症と対応
(3)血液透析中のトラブル・事故と対処
(4)血液透析患者さんに対する教育・指導
1−指導開始時期
2−内シャントの管理
3−体重管理
4−内服薬の管理
5−高カリウム血症
(5)感染症対策
1−標準予防策
2−医療スタッフの健康管理
3−特別な配慮を要する病原微生物と対応
腹膜透析
(1)腹膜透析に必要な器具,装置,薬品
(2)腹膜透析の実際
1−腹膜透析の原理
2−腹膜透析の方法
3−透析液の種類と効果
(3)腹膜透析の導入と在宅透析による長期維持へ
(4)CAPD患者さんの在宅療法のための管理
1−在宅CAPD患者さんに対する院内体制と支援体制
2−看護師の役割
3−CAPD導入後のケア
4−段階的腹膜透析導入法(stepwise initiation of peritoneal dialysis using Moncrief and Popovich technique:SMAP)
(5)在宅CAPDに向けての指導
1−CAPD指導計画
2−バッグ交換
3−自己管理
4−カテーテルケア
5−入浴方法
6−薬品・物品の管理
7−チューブ交換
8−腹膜機能検査
(6)緊急時の対処方法
1−注液・排液困難
2−カテーテル出口部異常
3−接続部汚染
4−器材の破損
5−血性排液
6−腹膜炎
7−溢水
8−脱水
(7)病院への連絡
(8)定期診察
(9)訪問看護
(10)日常生活の注意事項
長期透析の合併症と予防策
12 腎移植の知識
腎移植の目的
腎移植の現況
(1)世界の腎移植の現状
(2)わが国の現状と成績
ドナーの適応
(1)生体腎移植ドナー
(2)献腎移植ドナー
(3)ABO血液型不適合腎移植
レシピエントの選択
腎移植手術
免疫抑制療法
(1)代表的免疫抑制薬
1−アザチオプリン
2−シクロスポリンA
3−タクロリムス
4−ミゾリビン
5−エベロリムス
6−塩酸グスペリムス
7−抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン
8−ミコフェノール酸モフェチル
9−バシリキシマブ
(2)多剤併用療法と薬剤感受性
拒絶反応
腎臓の保存
腎移植後合併症
(1)感染症
1−サイトメガロウイルス
2−EBウイルス
3−ヘルペスウイルス
4−カンジダ
5−深在性真菌症
6−レジオネラ肺炎,カリニ肺炎
7−結核
(2)腎移植後糖尿病
(3)骨病変
(4)腎移植後白内障
トピックス
(1)膵腎同時移植
(2)移植コーディネーター
(3)生体腎移植ドナーの腎摘出術
索引
腎臓病の発見から診断まで
(1)腎臓病は静かに発症し,静かに進行する
1−無症状のうちに進む
2−検尿の異常
(2)検診による腎臓病の発見
(3)患者さん自身が気づく場合
慢性腎臓病(CKD)
(1)CKDが注目されている
(2)CKDが注目される理由
(3)CKDのたんぱく尿・アルブミン尿による区分
(4)CKDのステージ(病期)分類
腎臓病の診断から治療へ
腎臓病の治療
(1)薬物療法
(2)食事療法
(3)人工透析療法
腎臓病の診療体制
腎臓病治療のなかの患者教育
腎臓病の診療:外来と入院
(1)腎臓病で入院が必要となる場合
(2)診療所(クリニック)と病院
2 腎臓の構造と働き
腎臓の構造はどうなっているか
(1)腎・尿路系の構成と概観
(2)ネフロンという腎単位
1−糸球体
2−尿細管
尿の生成
腎臓はどのような働きをしているのか15
(1)尿を産生することにより行われること
1−終末代謝産物(老廃物)の排泄
2−体液の量の調整
3−細胞外液の電解質濃度や酸塩基平衡(pH)の維持
(2)ホルモンの産生
3 腎臓病の症状と出方
自覚症状
検尿の異常と腎臓病
尿の混濁
1−血尿
2−膿尿
尿量の異常
むくみの出方
(1)身体の部位とむくみ
1−足のむくみ
2−顔のむくみ
3−手のむくみ
4−腰部・背部のむくみ
5−陰部のむくみ
6−胸水,腹水
7−内臓のむくみ
(2)むくみによる体重の増加
(3)腎臓病でむくみが出る原因
1−水分・食塩の排泄障害
2−血管内に水分を引く力(膠質浸透圧)の低下
高血圧
(1)腎臓病で高血圧となる原因
1−循環血漿量(血管内血液量)の増加
2−血圧を調節するホルモンの異常
(2)血圧の基準値
(3)白衣高血圧
腎臓病と痛み
腎臓病と発熱
尿毒症
腎臓病の進行と症状の出方
(1)かなり進行するまで無症状のことが多い
(2)尿毒症症状はいつごろ出るか
全身の病気により腎臓も障害される場合
4 腎臓病の種類と特徴
腎臓病のいろいろな見地からの分類
(1)急性に起こる腎臓病と,慢性的に経過する腎臓病
(2)血尿が主体の腎臓病と,たんぱく尿が主体の腎臓病
(3)障害される腎臓の部位による分類
(4)若年者に多い腎臓病と,壮年期および老年期に多い腎臓病
(5)原因がはっきりしていない腎臓病と,原因がはっきりしている腎臓病
(6)治る腎臓病と,治りにくい腎臓病
代表的な腎臓病とその特徴
(1)糸球体腎炎
1−急性糸球体腎炎
2−急速進行性糸球体腎炎
3−慢性糸球体腎炎
(2)ネフローゼ症候群
1−原発性(一次性)ネフローゼ症候群
2−続発性(二次性)ネフローゼ症候群
(3)糖尿病性腎症
(4)高血圧と腎障害
1−本態性高血圧
2−腎実質性高血圧
3−腎血管性高血圧
(5)腎硬化症
1−良性腎硬化症
2−悪性腎硬化症
(6)膠原病による糸球体疾患
1−全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)
2−そのほかの膠原病
(7)腎不全
1−急性腎不全
2−慢性腎不全
(8)尿細管間質性腎炎
1−急性尿細管間質性腎炎
2−慢性尿細管間質性腎炎
(9)妊娠高血圧症候群
(10)特発性浮腫
(11)遺伝性腎疾患
1−多発性胞腎
2−アルポート症候群
(12)肥満と腎臓
1−肥満とは
2−肥満とたんぱく尿
(13)腎尿路感染症
(14)尿路結石
(15)腎腫瘍
(16)水腎症
5 腎臓病の診断と治療の実際
腎臓病の診断はどのようにして行われるか
(1)病院を受診するまで
(2)症状からの診断の手がかり
1−むくみ(浮腫)
2−体重増加
3−肉眼的血尿
4−排尿に関する異常
5−尿量の異常
6−腰背部痛
7−皮疹
8−眼の症状
9−咳,血痰
(3)診察の手順
1−問診
2−理学的診察
3−血圧の測定とその評価
(4)検査の手順
1−尿・血液検査
2−画像検査
3−腎生検
腎臓病の治療はどのようにして行われるか
(1)治療の3つの考え方と使い分け
(2)無治療で経過をみるとき
(3)腎臓病の完治をめざす治療
(4)腎臓病を悪化させない治療
1−血圧の管理
2−食事療法
3−貧血に対する治療
4−高尿酸血症に対する治療
5−脂質異常症に対する治療
6−抗血小板薬による治療
7−抗凝固薬による治療
8−そのほかの保存的治療
(5)治療の効果はどのようにして判定するか――血液・尿検査の経過の見方
1−尿たんぱく量の推移
2−腎機能の推移
3−血尿の推移
6 腎臓病と検査
尿検査
(1)たんぱく尿
1−アルブミン尿
2−微量アルブミン尿
3−低分子たんぱく尿
4−オーバーフローたんぱく尿
(2)血尿
(3)白血球尿
(4)尿糖
(5)円柱
(6)尿細胞診
血液検査
(1)末梢血検査
(2)生化学検査
(3)免疫学的検査
(4)ホルモン検査
(5)血液ガス分析
蓄尿検査
(1)尿たんぱく量
(2)腎臓の機能を調べる検査
(3)食塩摂取量
(4)たんぱく質摂取量
腎臓の形態を調べる検査(画像検査)
1−超音波検査
2−CTスキャン
3−単純X線撮影
4−経静脈的腎盂造影
5−腎血管造影
6−核磁気共鳴法(MRI)
7−核医学検査
腎生検
7 腎臓病と薬
腎臓病の患者さんに用いられる代表的な薬
(1)副腎皮質ステロイド薬
(2)免疫抑制薬,生物学的製薬
1−シクロスポリン(ネオーラル)
2−シクロホスファミド(エンドキサン)76
3−ミゾリビン(ブレディニン)
4−リツキシマブ(リツキサン)
(3)抗血小板薬
(4)抗凝固薬
(5)降圧薬
1−カルシウム拮抗薬
2−アンジオテンシン変換酵素阻害薬
3−アンジオテンシンII受容体拮抗薬
4−直接的レニン阻害薬
5−α遮断薬
6−β遮断薬
7−中枢神経抑制薬
8−アルドステロンブロッカー
(6)利尿薬
1−ループ利尿薬
2−サイアザイド系利尿薬
3−カリウム保持性利尿薬
4−トルバプタン(サムスカ)
(7)降圧薬,利尿薬の合剤
1−カルシウム拮抗薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の合剤
2−サイアザイド利尿薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の合剤
(8)腎性貧血治療薬(赤血球造血刺激因子製剤)
(9)高リン血症治療薬
(10)活性型ビタミンD製剤
(11)副甲状腺機能亢進症治療薬
(12)アルカリ化薬
(13)高カリウム血症治療薬
(14)鉄剤
(15)経口吸着薬
(16)高尿酸血症治療薬
(17)脂質異常症治療薬
(18)漢方薬
(19)掻痒症治療薬
腎機能に応じた薬の量の調節
腎臓病の患者さんにとって注意すべき薬
1−非ステロイド性解熱消炎鎮痛薬
2−ヨード造影剤,MRI用造影剤
3−抗菌薬
4−マグネシウム,アルミニウムを含む薬
5−そのほかに注意すべき薬
ジェネリック薬の考え方
8 腎臓病と食事
栄養素
腎臓病の食事基準
(1)急性腎臓病
(2)慢性腎臓病
(3)透析療法
食事療法の第一歩
(1)患者さんの社会的背景の把握
(2)計量器具をそろえる
(3)家族の協力が食事療法成功への近道
食塩のとり方
1−調味料に含まれている食塩量
2−食品に含まれている食塩量
3−減塩食の工夫
4−外食での食塩管理
5−食塩と水分の関係
治療用特殊食品
1−低甘味ブドウ糖重合体製品
2−中鎖脂肪酸製品
3−でんぷん製品
4−たんぱく質調整食品
5−食塩調整食品
エネルギー,たんぱく質のとり方
(1)1日の食品構成表で食事療法を行う方法
(2)食品交換表を使用して食事療法を行う方法
1−腎臓病食品交換表
2−糖尿病食品交換表
3−糖尿病性腎症の食品交換表
(3)食品成分表を使用する方法
(4)宅配食を利用する方法
たんぱく質の質
カリウム
リン,カルシウム
アルコール
外食,旅行中の食事
透析患者さんの食事
食事療法を成功させるために
9 腎臓病と運動・仕事・日常生活
腎臓病と日常生活
(1)生活管理の重要性
(2)安静が必要か
腎臓病の進行程度や病状に合わせた生活指導
(1)成人の生活指導区分と生活指導基準
(2)小児の生活指導区分と生活指導指針
腎臓病と運動
(1)腎臓病の患者さんにとっての運動
(2)どの程度の運動が許容されるか
(3)運動の強さの目安の取り方
(4)新しく運動をはじめる人へ
腎臓病と妊娠・出産
禁煙
10 透析予防のための保存療法
治る腎臓病と治りにくい腎臓病
(1)治る腎臓病
(2)治りにくい腎臓病
治らなくても進行しなければ心配はない
腎不全に至る腎臓病の種類
1−糖尿病性腎症
2−慢性糸球体腎炎
3−腎硬化症
4−そのほか
腎不全に至る過程
(1)腎臓病の進行と,糸球体・尿細管の荒廃(糸球体硬化と尿細管間質線維化)
(2)たんぱく尿の高度持続と腎機能低下の進行
(3)残存糸球体の過剰濾過と腎不全の進行
(4)糸球体内血液凝固
腎臓病は静かに進行する
腎臓病の進行を抑制し,透析を予防する方法
(1)原因を取り除く
1−糖尿病性腎症
2−糸球体腎炎
3−腎硬化症
(2)残存糸球体と尿細管の荒廃を防ぐ
1−高血圧のコントロール
2−薬物療法
3−低塩・低たんぱく食事療法
(3)腎障害の追加原因を避ける
腎機能が高度低下状態(腎不全)での透析予防
(1)保存療法とチーム医療
(2)保存的食事療法
(3)薬物療法
腎臓病養生のための5つの“はかり”
1−体重をはかる
2−血圧をはかる
3−尿量・尿成分をはかる
4−食事量をはかる
5−血液成分をはかる
11 透析療法
人工透析療法とは
(1)人工透析の働き
(2)人工透析療法と社会生活
(3)人工透析の2つの方法
1−血液透析(HD)
2−腹膜透析(PD)
(4)透析時基本体重(ドライウエイト)
(5)透析療法と食事療法の重要な関係
血液透析
(1)血液透析に必要な器具,装置,薬品と実際
1−必要な医療器具
2−人工腎臓装置
3−血液透析液
4−抗凝固薬
5−バスキュラーアクセス
6−血液と透析液の流れ
(2)血液透析中に起こりやすい合併症と対応
(3)血液透析中のトラブル・事故と対処
(4)血液透析患者さんに対する教育・指導
1−指導開始時期
2−内シャントの管理
3−体重管理
4−内服薬の管理
5−高カリウム血症
(5)感染症対策
1−標準予防策
2−医療スタッフの健康管理
3−特別な配慮を要する病原微生物と対応
腹膜透析
(1)腹膜透析に必要な器具,装置,薬品
(2)腹膜透析の実際
1−腹膜透析の原理
2−腹膜透析の方法
3−透析液の種類と効果
(3)腹膜透析の導入と在宅透析による長期維持へ
(4)CAPD患者さんの在宅療法のための管理
1−在宅CAPD患者さんに対する院内体制と支援体制
2−看護師の役割
3−CAPD導入後のケア
4−段階的腹膜透析導入法(stepwise initiation of peritoneal dialysis using Moncrief and Popovich technique:SMAP)
(5)在宅CAPDに向けての指導
1−CAPD指導計画
2−バッグ交換
3−自己管理
4−カテーテルケア
5−入浴方法
6−薬品・物品の管理
7−チューブ交換
8−腹膜機能検査
(6)緊急時の対処方法
1−注液・排液困難
2−カテーテル出口部異常
3−接続部汚染
4−器材の破損
5−血性排液
6−腹膜炎
7−溢水
8−脱水
(7)病院への連絡
(8)定期診察
(9)訪問看護
(10)日常生活の注意事項
長期透析の合併症と予防策
12 腎移植の知識
腎移植の目的
腎移植の現況
(1)世界の腎移植の現状
(2)わが国の現状と成績
ドナーの適応
(1)生体腎移植ドナー
(2)献腎移植ドナー
(3)ABO血液型不適合腎移植
レシピエントの選択
腎移植手術
免疫抑制療法
(1)代表的免疫抑制薬
1−アザチオプリン
2−シクロスポリンA
3−タクロリムス
4−ミゾリビン
5−エベロリムス
6−塩酸グスペリムス
7−抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン
8−ミコフェノール酸モフェチル
9−バシリキシマブ
(2)多剤併用療法と薬剤感受性
拒絶反応
腎臓の保存
腎移植後合併症
(1)感染症
1−サイトメガロウイルス
2−EBウイルス
3−ヘルペスウイルス
4−カンジダ
5−深在性真菌症
6−レジオネラ肺炎,カリニ肺炎
7−結核
(2)腎移植後糖尿病
(3)骨病変
(4)腎移植後白内障
トピックス
(1)膵腎同時移植
(2)移植コーディネーター
(3)生体腎移植ドナーの腎摘出術
索引