やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第6版 改訂の序
 昭和39年にこの「栄養士課程実習ノート」が刊行されてから,多くの方々のご支援,ご利用を得て今日を迎えることができ,先代に代わり謝意を表したい.
 この間には,新しく著者を加えたり,資料の更新をするなど,修正を重ねてきた.
 永年にわたって中心的存在であった著者の熊沢昭子氏は平成20年4月に他界されたが,同氏の労を無にすることなく,実習のあり方についての精神的な基盤を引き続き生かしていきたいと祈願している.
 第6版刊行にあたり,平成20年に改正された「学校給食実施基準」の一部および平成21年に新たに策定された「日本人の食事摂取基準(2010年版)」に関連する表記や数値について見直し,さらに新しく著者を加え,実習の現場に則した加筆・訂正を行った.
 今日的な視野で実習に臨めるように努めたつもりではあるが,不備な点もあると思われるので,ご批判,ご助言をいただければまことに幸いである.
 本改訂版にあたり,ご尽力くださった医歯薬出版株式会社編集部に感謝申し上げる.
 平成22年1月

補訂の序
 第6版第7刷では,厚生労働省により策定された「日本人の食事摂取基準(2015年版)」,文部科学省が一部改正した「学校給食実施基準」(平成25年4月1日施行)などにもとづき,最新情報をそれぞれの項目に反映させた.
 平成27年1月
 著者の代表として
 相良多喜子

第5版(補訂) 改訂の序
 第5版の改訂の主な点は本書における給食施設実習の中に福祉施設を取り入れたことである.福祉施設の中でも老人福祉施設における実習の項を設けることとした.これは高齢化社会に対応して老人福祉施設が増加し,そこでの栄養士の必要性も高まってきたことなどを考慮したものである.
 平成17年に「日本人の食事摂取基準(2005年版)」が新たに策定され,また同年に栄養教諭制度がスタートし,介護保険の改正も行われ,平成18年春には診療報酬の大幅な改正も実施となった.今回の第5版(補訂)では,それらに伴う見直しを行った.
 課題についても各施設における実習目標をさらに明確にして実習に取り組めるようにと若干の変更をした.
 このたびも,学生の実践力の育成に役立つことを願いつつ改訂を進めた次第である.
 平成18年12月
 著者一同

初版の序
 現代の栄養士養成課程での校外実習や学内給食管理実習は,専門的知識と相まって技術を十分みがき,社会に出た場合の実践能力を養うことである.いうまでもなく,栄養改善の指導者として地域社会の人々を導くことができる能力や,組織体のなかにあっての有機的,合理的運営などができる実力をそなえた人物を養成することである.
 さて,このような広い基盤を要求される実習のあり方を追及してみると,平面的,羅列的に,ただ「何々をする」というのでは十分とはいえない.すなわち立体的に掴み取られなければ意義はいたって少ない.したがって,「如何にするか」という吟味が十分に重ねられるべきである.私どもは,この実習をかなりのあいだ担当してみて,かぎられた期間の学校教育のなかで,その扱い方には,ずいぶん苦労を重ねてきた.
 このたび,これらわたくしたちの越えてきた経験の結果をまとめてみてはとの,医歯薬出版株式会社のすすめにより,微力をかえりみず筆をとった次第である.
 今後,実習の内容をより深めてゆくためには,教師も実習施設の指導者も,実習生の一人一人にも,おしなべてこの意義がよく把握され,徹底した実践がなされなければならない.このノートが,こうした実習のあり方の確立と実践の手がかりとなれば,望外のよろこびである.
 おわりにあたって,教科担当の先生がたや,施設で直接実習生の指導にあたっておられるかたがたの,ご忠言と指導を心からお願いする次第である.
 昭和39年11月
 篠田美恵子
 熊沢昭子
はじめに
 準拠する法令等,実習の種類および単位数
 実習施設,実習の目的
 実習にあたっての心得
 実習のプログラム
 臨地(校外)実習票
 実習日程表,実習記録の記入例
 オリエンテーション等のおぼえがき
I 学内給食経営管理実習
 1.実習の目的
 2.関係法令
 3.給食経営管理の手段
 4.実習の企画
 5.食事摂取基準
 6.食品構成
 7.作業分担
 8.発注
 9.検収
 10.帳簿類
 11.給食費
 12.実習室平面図
 13.課題
 14.実習日程表
 15.実習記録(実習内容および反省)
 16.実習のおぼえがき
II 特定給食施設における実習
 1.実習の目的
 2.関係法令
 3.特定給食施設の種類
 4.老人福祉施設給食
 5.課題〈特定給食施設実習の共通課題〉
 6.課題〈福祉施設実習の課題〉
 7.実習のおぼえがき
III 学校における実習
 1.実習の目的
 2.関係法令
 3.学校給食の目標
 4.教育課程における学校給食の位置づけ
 5.調理方式
 6.学校給食の食事形態
 7.学校給食用物資
 8.給食経費
 9.学校給食における栄養所要量の基準
 10.学校給食における食品構成
 11.学校給食における衛生管理
 12.学校給食栄養管理者(学校栄養職員,栄養教諭)の職務
 13.給食時の指導
 14.課題
 15.実習のおぼえがき
IV 病院における実習
 1.実習の目的
 2.関係法令
 3.患者食〈一般食〉
 4.患者食〈特別食〉
 5.入院時食事療養に係る費用
 6.課題
 7.実習のおぼえがき
V 保健所における実習
 1.実習の目的
 2.関係法令
 3.保健所の事業
 4.国民健康づくり対策
 5.母子保健の向上に関する措置
 6.老人保健福祉計画
 7.地区組織活動
 8.都道府県等および市町村における栄養改善業務
 9.課題
 10.実習のおぼえがき

実習日程表(1)・実習記録
実習日程表(2)・実習記録
実習日程表(3)・実習記録
実習日程表(4)・実習記録