やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3版改訂の序

 本書をご採用いただいた給食管理実習ご担当の先生方,また学生の皆さんに,心よりお礼申し上げる.また,いつもご助言・ご指導くださる先生方に深謝する.
 1997年12月に第2版改訂を行い,衛生管理の一部分訂正と資料追加および調味料の使用割合などの加筆を行った.今回増刷にあたって,第6次改定の日本人の栄養所要量(平成12年度より平成16年度使用)が発表されたので,栄養管理計画の栄養基準量を第6次改定に改め,その基準に合う献立になるよう一部変更し,関連の部分を訂正した.
 併せて衛生面の対応についても,厚生省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」に照らし合わせると,表現などで一致しない部分があったので,この機会に見直し,できるだけ「大量調理施設衛生管理マニュアル」に準拠した内容になるよう訂正を試みた.
 これからもできるだけ大量調理施設現場での現状に沿った内容のてびき書になるように,諸先生方のご提言・ご指導をいただきながら,さらに改訂を重ねていきたいと思っている.
 今後とも,本書が給食管理の実習書として,旧版にも増してご活用いただければと願っている.
 1999年8月 西川貴子 深津智惠美 清水典子



 栄養士養成の必修科目である給食管理実習は,学内・学外を合わせて2単位以上と規定されている.
 学内実習は,学内の集団給食施設を使用して,担当教員の指導のもとに,学生自らが自主的に計画を立てて,各自が分担の作業を果たしながら,協力と責任の重要性を学び,給食運営の手順・方法などを修得する基礎的な実習である.
 そこで本書では,著者らの経験をふまえて,学生がplan・do・seeのサイクルをたどりながら積極的かつ研究的に実習が進められるように構成したつもりである.
 理解しやすいように,イラストや図表などをできるだけ多く用い,また各所に参考となる基礎資料を加え,機械使用法などはマニュアル的な要素も加味して,有効に活用できるように配慮した.
 しかし,まだまだ未熟な著者らであるゆえ,不備な点も多々あると思われる.先輩の諸先生方,また本書を使われる学生の皆さんに,お気づきの点をご忠言・ご指導いただき,今後改訂,補足をしていきたいと思っている.
 なお,本書を出版するにあたって,ご援助賜った医歯薬出版株式会社の皆様に深謝するとともに,参考文献として使わせていただいた諸先生方に厚く謝意を表す.
 1996年4月

第2版改訂の序

 1996年4月に初版を刊行し,2年余りが経過した.その間本書をご採用いただいた給食管理実習ご担当の先生方に心より御礼申しあげる.
 初版発行3カ月後に,腸管出血性大腸菌O157が原因の食中毒が集団発生し,厚生省の衛生管理に関する内容がより強化されたこともあり,今回,その関連箇所の見直しを行うとともに,ご採用いただいた諸先生方からのご指導をもとに,この改訂の機会に,調味料の使用割合等についても,より細かく,具体的にするために加筆を試みた.
 本書は学生が自らの手で,試行錯誤しながら,積極的かつ研究的に実習を進めるための参考に供することを目的に構成したものであるため,献立作成にあたってはより利用されやすいように改訂したつもりである.
 これからも諸先生方のご提言・ご指導をいただきながら,さらに改訂を重ねていきたいと思っている.
 今後とも,本書が給食管理の実習書として,旧版にも増してご活用いただければと願っている.
 1997年12月
I 給食管理実習オリエンテーション
 1.実習の意義と目的
 2.実習の進め方
 3.実習に当たっての心がまえ
 4.携行品
 5.個人の衛生について
   1)ふん便の細菌検査
   2)服装
   3)身体の衛生
   4)当日の健康状態
 6.実習方法の一例
   1)役割分担
   2)実習日程
   3)食事計画
   4)調理実習当日の時間配分

II 給食管理実習プロセス
<1> 計画(plan)
 1.給与栄養基準量の算出
 2.食品群別荷重平均成分表作成
 3.食品構成表作成
 4.献立計画
   1)献立の組み合わせ方の基本
   2)献立作成の手順と留意点
 5.試作
   1)手順
   2)試作計画
   3)検討
   4)調理作業時間測定(time study)
 6.調理作業計画
   1)給食作業の種類
   2)作業計画の立て方
 7.発注・出庫計画
   1)発注計画
   2)出庫計画
   3)発注・出庫量計算
 8.栄養教育媒体の作成
   1)媒体の役割
   2)媒体の種類
   3)媒体づくりの注意点
   4)媒体づくりの方法
 9.アンケート調査内容計画
   1)アンケート調査の定義
   2)アンケート調査のプロセス
   3)アンケートの質問項目
   4)アンケート集計および結果の報告
<2> 実施(do)
 1.発注・出庫
   1)発注方法の種類
   2)発注時期
   3)発注方法
   4)出庫方法
 2.検収・保管
   1)検収
   2)保管
 3.喫食室の準備
   1)床・テーブルの準備
   2)献立表の掲示
   3)ポスター・卓上メモの設置
   4)アンケート用紙・筆記用具の準備
   5)雰囲気づくり
   6)お茶の準備
   7)台ふきんの準備
   8)食卓花
   9)調味料スタンドの用意
 4.大量調理実習
   1)大量調理の特徴
   2)大量調理実習の手順
 5.盛りつけ
   1)食器
   2)盛りつけの手順
   3)盛りつけのポイント
 6.検食・検査用保存食
   1)検食
   2)検査用保存食
 7.供食(配膳・喫食)
   1)配膳の方法
   2)喫食者の心得
 8.食器返却・回収と洗浄・消毒
   1)食器の返却と回収
   2)食器の洗浄のポイント
   3)自動食器洗浄機の使い方
   4)食器の消毒・乾燥
 9.後かたづけ
   1)調理器具類の清浄・消毒
   2)調理室の清掃
   3)喫食室の清掃
   4)厨芥物の処理
 10.点検
   1)実習後の後始末(毎日の点検)
   2)定期的な管理
<3> 検討(see)
 1.1回の実習における記録と検討
 2.実習全体を通しての検討
 3.栄養報告書

III 給食管理における調査
 1.残食・嗜好調査
   1)残食調査
   2)嗜好調査
 2.アンケートのまとめ方
   1)アンケート集計の方法
   2)グラフの活用
   3)考察
 3.廃棄率調査
 4.衛生検査
   1)食器の衛生検査
   2)手指の衛生検査
 5.乾物の吸水調査(もどし率)
 6.揚げ物の吸油率と揚げ衣の割合調査
 7.価格調査

参考文献