序
食品学の分野は,大きく分けて食品学総論と食品学各論とに分けられている.個別の食品に共通の食品成分や物性を対象とする総論に対して,各論では当然のことながら,さまざまな食品の備えている,それぞれの性質・性状に触れることになり,その分野はたいへん多岐にわたっている.さらに,時代の推移とともにこれまで食卓にのらなかった食品も新規に登場してきた.品種改良や産地の拡大などの条件から,同一食品といっても実質は変わっている食品もある.
このような状況の中で,食品学各論は常に新しいものが求められる.日本食品標準成分表も,10数年にわたって使用されてきた四訂版から五訂版へと,食品・成分項目など,新たな装いでの刊行が準備されている.また,管理栄養士国家試験制度の改革をはじめ,栄養士養成をめぐる教育分野にも新しい動きがみられている.
一方,ジャーナリズムや生産側からはますます多彩な食品関係情報が提供され,時として消費者は溢れる情報に惑わされかねない現象も表れている.このような時代なればこそ,正確で基本的な食品知識が求められているといえよう.
そこで本書では,こうした時代に対応するものとして,特に次の諸点に留意して,基本となる食品知識を取りまとめた.
1.大学,短大,専門学校で食品関係学科を学ぶためのテキストとすることを前提としながら,管理栄養士国家試験受験のための参考書としても使えるように配慮した.
2.できるだけ日本食品標準成分表五訂版新規食品編に収載された食品も取りあげた.また,従来カロチン,カロチイドと呼ばれていた呼称は日本食品標準成分表五訂版新規食品編に準じてカロテン,カロテノイドとした(日本化学会もこれによっている).
3.日本の伝統的な食文化の理解を助けるため,また正確な用語を正しく読めるよう考慮して,食品名の単語や日常なじみのない単語にはルビをふった.
4.生産・消費の実態については,参考となるものを巻末にまとめた.さらに新しいデータを身近なところから入手できるように,手軽な情報源としての参考書籍をあげて検索の便をはかった.
執筆に際しては,多くの先輩諸氏の著書を参考にさせていただいた.執筆者を代表してお礼申しあげる.
1999年初夏 沢野 勉
食品学の分野は,大きく分けて食品学総論と食品学各論とに分けられている.個別の食品に共通の食品成分や物性を対象とする総論に対して,各論では当然のことながら,さまざまな食品の備えている,それぞれの性質・性状に触れることになり,その分野はたいへん多岐にわたっている.さらに,時代の推移とともにこれまで食卓にのらなかった食品も新規に登場してきた.品種改良や産地の拡大などの条件から,同一食品といっても実質は変わっている食品もある.
このような状況の中で,食品学各論は常に新しいものが求められる.日本食品標準成分表も,10数年にわたって使用されてきた四訂版から五訂版へと,食品・成分項目など,新たな装いでの刊行が準備されている.また,管理栄養士国家試験制度の改革をはじめ,栄養士養成をめぐる教育分野にも新しい動きがみられている.
一方,ジャーナリズムや生産側からはますます多彩な食品関係情報が提供され,時として消費者は溢れる情報に惑わされかねない現象も表れている.このような時代なればこそ,正確で基本的な食品知識が求められているといえよう.
そこで本書では,こうした時代に対応するものとして,特に次の諸点に留意して,基本となる食品知識を取りまとめた.
1.大学,短大,専門学校で食品関係学科を学ぶためのテキストとすることを前提としながら,管理栄養士国家試験受験のための参考書としても使えるように配慮した.
2.できるだけ日本食品標準成分表五訂版新規食品編に収載された食品も取りあげた.また,従来カロチン,カロチイドと呼ばれていた呼称は日本食品標準成分表五訂版新規食品編に準じてカロテン,カロテノイドとした(日本化学会もこれによっている).
3.日本の伝統的な食文化の理解を助けるため,また正確な用語を正しく読めるよう考慮して,食品名の単語や日常なじみのない単語にはルビをふった.
4.生産・消費の実態については,参考となるものを巻末にまとめた.さらに新しいデータを身近なところから入手できるように,手軽な情報源としての参考書籍をあげて検索の便をはかった.
執筆に際しては,多くの先輩諸氏の著書を参考にさせていただいた.執筆者を代表してお礼申しあげる.
1999年初夏 沢野 勉
序文
1 食生活と食品学各論 沢野 勉
1:食品学各論の位置づけ……1
1.食品学総論と食品学各論……1
2.食品成分表……1
3.食品の種類と分類……2
2:食品と食物……3
1.食品の条件……3
2.食品に関する用語……3
3.食品の性状と成分……4
3:現代の食生活と食品……4
1.風土と食品……4
2.商品としての食品の特性……5
3.食の国際化と課題……6
2 植物性食品
1:穀類 森高初恵……7
1.米……8
2.小麦……11
3.大麦……14
4.その他の麦類……15
5.トウモロコシ……15
6.ソバ……18
7.その他の穀類……19
2:イモ類 鵜飼光子……19
1.ジャガイモ……20
2.サツマイモ……21
3.サトイモ……22
4.ヤマノイモ……22
5.コンニャクイモ……23
6.キャッサバ……23
7.キクイモ……24
8.その他のイモ……24
3:豆類 四十九院成子……24
1.大豆……26
2.小豆……29
3.落花生……30
4.インゲン豆……31
5.その他の豆……31
4:種実類 鵜飼光子……34
1.アーモンド……34
2.ギンナン……35
3.栗……35
4.クルミ……35
5.ゴマ……36
6.カシューナッツ……36
7.ペカン……36
8.ヘーゼルナッツ……36
9.マカダミアナッツ……37
10.その他の種実類……37
5:野菜類 橋本定夫……38
1.白菜……40
2.キャベツ類……41
3.レタス類……41
4.ホウレンソウ……42
5.春菊……43
6.モロヘイヤ……43
7.カリフラワー……44
8.ブロッコリー……44
9.エディブルフラワー……45
10.セロリ……45
11.アスパラガス……46
12.玉ネギ……46
13.ニンニク……47
14.大根……47
15.ニンジン……49
16.ゴボウ……50
17.レンコン……50
18.カブ……51
19.ナス……51
20.トマト類……52
21.キュウリ……53
22.カボチャ……53
23.ピーマン・唐辛子……54
24.オクラ……55
25.ハーブ……55
26.中国野菜……56
6:果実類 鵜飼光子……57
1.リンゴ……57
2.梨……58
3.温州みかん……58
4.オレンジ……59
5.グレープフルーツ……60
6.レモン……60
7.柿……60
8.ブドウ……61
9.イチゴ……61
10.桃……62
11.スイカ……62
12.メロン……62
13.バナナ……63
14.梅……63
15.ビワ……64
16.アンズ……64
17.イチジク……64
18.ザクロ……64
19.ベリー類……65
20.オウトウ……65
21.パインアップル……65
22.マルメロ……66
23.カリン……66
24.ヤマモモ……66
25.アケビ……66
26.熱帯果実・輸入果実類……66
7:キノコ類 山辺重雄……69
1.エノキタケ……70
2.キクラゲ……71
3.シイタケ……71
4.シメジ……71
5.ナメコ……71
6.マッシュルーム……72
7.マツタケ……72
8:藻類 山辺重雄……72
1.アマノリ……74
2.テングサ……74
3.昆布……75
4.ワカメ……75
5.ヒジキ……76
6.モズク……76
7.ヒトエグサ……76
3 動物性食品
1:食肉(牛肉,豚肉,鶏肉,馬肉,羊肉,山羊肉,兎肉,鯨肉) 森高初恵……77
1.食肉の構造……77
2.分割法と肉の部位……78
3.各種の肉の特徴……82
4.食肉成分……84
5.死後硬直と熟成……87
2:牛乳 柴田克己……91
1.乳の成分……92
2.飲用乳の規格……98
3.試験法……99
4.殺菌……100
5.各種の乳製品……100
3:卵類 沢野 勉……103
1.鶏卵の構造……103
2.鶏卵の商品特性……105
3.鶏卵の成分……105
4.鶏卵の調理加工特性……107
5.鶏卵の鮮度と保存……107
6.鶏卵の食品素材,機能性成分としての利用……108
4:魚介類 柴田克己……109
1.種類……109
2.魚介肉の組織と成分……111
3.鮮度の判定……117
4.主な魚介類の特徴と加工・調理特性……118
マグロ/118カジキ/118カツオ/119サメ/119イワシ/119サバ/120アジ/120ブリ/121サンマ/121サワラ/121ニシン/121スズキ/121フグ/122ボラ/122キス/122アイナメ/122オコゼ/122タラ類/122メルルーサ/123ヒラメ/123カレイ/123タイ/123アンコウ/123サケ/123マス/124ウナギ/124アユ/124シシャモ/124ワカサギ/124コイ/124その他の淡水魚/124エビ類/125カニ/125イカ/125タコ/126二枚貝/126巻貝/127ウニ/127ナマコ/127ホヤ/127クラゲ/127
5.魚介類の加工品……128
4 油脂食品 山辺重雄
1:食品中の脂質の一般的性質……132
1.構成脂肪酸の組成と性状……132
2.トリグリセリドの構造と融点……132
3.油脂の特数と変数……132
2:植物性油脂……133
1.大豆油……133
2.菜種油……133
3.綿実油……134
4.トウモロコシ油(コーン油)……134
5.米糠油(米油)……134
6.ゴマ油……134
7.ヤシ油(コプラ油)……135
8.サフラワー油……135
9.パーム油……135
10.オリーブ油……135
11.その他の油……136
3:動物性油脂……136
1.豚脂……136
2.牛脂……136
4:食用加工油脂……137
1.硬化油……137
2.マーガリン……137
3.ショートニング……138
5 食品の嗜好材料 渡邉 靜
1:甘味料……139
1.砂糖……139
2.ブドウ糖……141
3.果糖……141
4.異性化糖……141
5.各種のオリゴ糖……141
6.アスパルテーム……141
7.ステビオサイド……142
2:塩味料……142
1.食塩……142
3:調味料……144
1.醤油……145
2.味噌類……146
3.食酢……148
4.ソース……148
5.たれ類……149
6.トマト加工品……149
4:香辛料……150
6 嗜好飲料類 鵜飼光子
1:茶……153
1.緑茶……153
2.紅茶……154
3.中国茶……155
2:コーヒー……155
3:ココア……156
4:清涼飲料……156
5:その他の嗜好飲料……15
7 微生物利用食品 鵜飼光子
1.アルコール発酵とアルコール飲料……159
2.清酒……160
3.ビール……161
4.ワイン……162
5.焼酎……163
6.ウイスキー……164
7.ブランデー……164
8.みりん……164
9.その他の酒類……165
8 調理加工食品 沢野 勉
1:調理加工食品の増加……167
2:冷凍食品……167
1.食品の保存と冷凍の歴史……167
2.冷凍食品増加の背景……168
3.冷凍食品の定義……168
4.主な冷凍食品……169
3:レトルトパウチ食品……171
1.JASによる定義……171
2.レトルトパウチ食品の特徴……171
3.種類……171
4.消費の動向……172
資料と検索の手引き……173
索引……175
1 食生活と食品学各論 沢野 勉
1:食品学各論の位置づけ……1
1.食品学総論と食品学各論……1
2.食品成分表……1
3.食品の種類と分類……2
2:食品と食物……3
1.食品の条件……3
2.食品に関する用語……3
3.食品の性状と成分……4
3:現代の食生活と食品……4
1.風土と食品……4
2.商品としての食品の特性……5
3.食の国際化と課題……6
2 植物性食品
1:穀類 森高初恵……7
1.米……8
2.小麦……11
3.大麦……14
4.その他の麦類……15
5.トウモロコシ……15
6.ソバ……18
7.その他の穀類……19
2:イモ類 鵜飼光子……19
1.ジャガイモ……20
2.サツマイモ……21
3.サトイモ……22
4.ヤマノイモ……22
5.コンニャクイモ……23
6.キャッサバ……23
7.キクイモ……24
8.その他のイモ……24
3:豆類 四十九院成子……24
1.大豆……26
2.小豆……29
3.落花生……30
4.インゲン豆……31
5.その他の豆……31
4:種実類 鵜飼光子……34
1.アーモンド……34
2.ギンナン……35
3.栗……35
4.クルミ……35
5.ゴマ……36
6.カシューナッツ……36
7.ペカン……36
8.ヘーゼルナッツ……36
9.マカダミアナッツ……37
10.その他の種実類……37
5:野菜類 橋本定夫……38
1.白菜……40
2.キャベツ類……41
3.レタス類……41
4.ホウレンソウ……42
5.春菊……43
6.モロヘイヤ……43
7.カリフラワー……44
8.ブロッコリー……44
9.エディブルフラワー……45
10.セロリ……45
11.アスパラガス……46
12.玉ネギ……46
13.ニンニク……47
14.大根……47
15.ニンジン……49
16.ゴボウ……50
17.レンコン……50
18.カブ……51
19.ナス……51
20.トマト類……52
21.キュウリ……53
22.カボチャ……53
23.ピーマン・唐辛子……54
24.オクラ……55
25.ハーブ……55
26.中国野菜……56
6:果実類 鵜飼光子……57
1.リンゴ……57
2.梨……58
3.温州みかん……58
4.オレンジ……59
5.グレープフルーツ……60
6.レモン……60
7.柿……60
8.ブドウ……61
9.イチゴ……61
10.桃……62
11.スイカ……62
12.メロン……62
13.バナナ……63
14.梅……63
15.ビワ……64
16.アンズ……64
17.イチジク……64
18.ザクロ……64
19.ベリー類……65
20.オウトウ……65
21.パインアップル……65
22.マルメロ……66
23.カリン……66
24.ヤマモモ……66
25.アケビ……66
26.熱帯果実・輸入果実類……66
7:キノコ類 山辺重雄……69
1.エノキタケ……70
2.キクラゲ……71
3.シイタケ……71
4.シメジ……71
5.ナメコ……71
6.マッシュルーム……72
7.マツタケ……72
8:藻類 山辺重雄……72
1.アマノリ……74
2.テングサ……74
3.昆布……75
4.ワカメ……75
5.ヒジキ……76
6.モズク……76
7.ヒトエグサ……76
3 動物性食品
1:食肉(牛肉,豚肉,鶏肉,馬肉,羊肉,山羊肉,兎肉,鯨肉) 森高初恵……77
1.食肉の構造……77
2.分割法と肉の部位……78
3.各種の肉の特徴……82
4.食肉成分……84
5.死後硬直と熟成……87
2:牛乳 柴田克己……91
1.乳の成分……92
2.飲用乳の規格……98
3.試験法……99
4.殺菌……100
5.各種の乳製品……100
3:卵類 沢野 勉……103
1.鶏卵の構造……103
2.鶏卵の商品特性……105
3.鶏卵の成分……105
4.鶏卵の調理加工特性……107
5.鶏卵の鮮度と保存……107
6.鶏卵の食品素材,機能性成分としての利用……108
4:魚介類 柴田克己……109
1.種類……109
2.魚介肉の組織と成分……111
3.鮮度の判定……117
4.主な魚介類の特徴と加工・調理特性……118
マグロ/118カジキ/118カツオ/119サメ/119イワシ/119サバ/120アジ/120ブリ/121サンマ/121サワラ/121ニシン/121スズキ/121フグ/122ボラ/122キス/122アイナメ/122オコゼ/122タラ類/122メルルーサ/123ヒラメ/123カレイ/123タイ/123アンコウ/123サケ/123マス/124ウナギ/124アユ/124シシャモ/124ワカサギ/124コイ/124その他の淡水魚/124エビ類/125カニ/125イカ/125タコ/126二枚貝/126巻貝/127ウニ/127ナマコ/127ホヤ/127クラゲ/127
5.魚介類の加工品……128
4 油脂食品 山辺重雄
1:食品中の脂質の一般的性質……132
1.構成脂肪酸の組成と性状……132
2.トリグリセリドの構造と融点……132
3.油脂の特数と変数……132
2:植物性油脂……133
1.大豆油……133
2.菜種油……133
3.綿実油……134
4.トウモロコシ油(コーン油)……134
5.米糠油(米油)……134
6.ゴマ油……134
7.ヤシ油(コプラ油)……135
8.サフラワー油……135
9.パーム油……135
10.オリーブ油……135
11.その他の油……136
3:動物性油脂……136
1.豚脂……136
2.牛脂……136
4:食用加工油脂……137
1.硬化油……137
2.マーガリン……137
3.ショートニング……138
5 食品の嗜好材料 渡邉 靜
1:甘味料……139
1.砂糖……139
2.ブドウ糖……141
3.果糖……141
4.異性化糖……141
5.各種のオリゴ糖……141
6.アスパルテーム……141
7.ステビオサイド……142
2:塩味料……142
1.食塩……142
3:調味料……144
1.醤油……145
2.味噌類……146
3.食酢……148
4.ソース……148
5.たれ類……149
6.トマト加工品……149
4:香辛料……150
6 嗜好飲料類 鵜飼光子
1:茶……153
1.緑茶……153
2.紅茶……154
3.中国茶……155
2:コーヒー……155
3:ココア……156
4:清涼飲料……156
5:その他の嗜好飲料……15
7 微生物利用食品 鵜飼光子
1.アルコール発酵とアルコール飲料……159
2.清酒……160
3.ビール……161
4.ワイン……162
5.焼酎……163
6.ウイスキー……164
7.ブランデー……164
8.みりん……164
9.その他の酒類……165
8 調理加工食品 沢野 勉
1:調理加工食品の増加……167
2:冷凍食品……167
1.食品の保存と冷凍の歴史……167
2.冷凍食品増加の背景……168
3.冷凍食品の定義……168
4.主な冷凍食品……169
3:レトルトパウチ食品……171
1.JASによる定義……171
2.レトルトパウチ食品の特徴……171
3.種類……171
4.消費の動向……172
資料と検索の手引き……173
索引……175