やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版改訂の序

 栄養士法の一部改正が行われ,平成14年4月1日から施行されることとなった.
 これによって,栄養士および管理栄養士の定義が明確となり業務の内容も管理栄養士の専門性が問われるものとなった.
 今後の栄養指導について,専門知識とそれに伴う技術が一層重要となる.このような現状のなかで,栄養士養成における栄養指導実習の授業内容はより深い内容の充実が望まれることになる.
 平成11年に,栄養指導業務のなかの重要な柱となる「日本人の栄養所要量―食事摂取基準―」の第六次改定が行われた.これは今までの栄養所要量と比較すると画期的な国際的視野に立脚した内容である.今回は主にこれをどのように栄養指導実習に取り入れるか,またこれを活用するにはどのような実習が必要かということと,これからの栄養士は,人と人とのかかわりのなかで仕事を行う場面が多くなると考えられ,職業人としてのマナーも大切になってくると思われるところからこの点にも注目して改訂を行った.
 本書について各方面からのご意見をいただくことを著者一同が心から願っている.今回の改訂にあたり,多くの方々の著書や論文を参考にさせていただいたことに心よりお礼申しあげ,さらに医歯薬出版株式会社に感謝申しあげる.
 2000年12月 著者一同
第1章 栄養指導実習の意義…1
 1.栄養指導実習のポイント…1
 2.「栄養指導論実習」の範囲と計画…1

第2章 栄養指導の方法とテクニック…5
 1.栄養指導の進め方…5
 2.栄養指導の実際…5
  1)栄養指導対象者の実態把握…5
  2)栄養指導の計画(Plan)…5
   (1)目標設定の手順 5 (2)栄養指導計画 7
  3)栄養指導の実施(Do)…7
  4)栄養指導の評価(See)…7
  5)栄養指導評価の判定(Check)…7
 3.栄養指導の実習…8
  1)栄養士としての心がまえ…8
  2)自分の考えを上手に表現する…10
   (1)手順を考える(自己紹介の場合の例) 10 (2)話す内容の原稿を準備する 10 (3)話し方のポイント 10
  3)集団のなかで自分の考えを上手に表現する「集団討議法」…12
  4)個別の栄養指導…13
  5)集団別の栄養指導…21
  6)集団への効果的栄養指導…39
  7)院内 外来 在宅患者訪問栄養食事指導…41
   (1)院内ベッドサイドでの個別指導 41 (2)外来患者への個別指導 42 (3)在宅患者訪問栄養食事指導 44
 4.栄養指導のための情報収集…47
  1)栄養関係文献の検索方法…47
  2)栄養指導関係データの収集…48

第3章 栄養指導実習の基礎…49
 1.栄養価算定に関する実習…49
  1)日本食品標準成分表の使い方…49
   (1)食品標準成分表の食品群・収載食品数 49 (2)成分項目 49 (3)五訂成分表使用上の留意点 49
  2)栄養価計算方法…51
   (1)栄養価の算定 51 (2)栄養価記入上の留意点 51
 2.食品構成に関する実習…53
  1)食品構成表の作成…53
   (1)作成の手順 53 (2)食品構成量から栄養量の算出 55
  2)糖尿病食品交換表の日常食への応用…57
   (1)糖尿病食品交換表の仕組み 57 (2)食品構成と献立作成 58
 3.献立作成に関する実習…62
  1)献立の条件…62
  2)献立作成の手順…62
 4.栄養所要量(食事摂取基準)に関する実習…66
  1)第六次改定日本人の栄養所要量の使い方…66
  2)栄養所要量の内容…73
   (1)エネルギー所要量 73 (2)脂質所要量 73 (3)たんぱく質所要量 73 (4)ビタミン類 73 (5)無機質(ミネラル) 73
  3)エネルギー所要量の算定…73
  4)栄養所要量(食事摂取基準)を求める…80
 5.国民栄養調査成績の活用…82
 6.身体状況の把握に関する実習…85

第4章 食生活・栄養・運動・休養に関する調査…89
 1.調査の進め方…89
 2.栄養素等摂取状況調査…90
  1)食物摂取状況…90
   (1)個人票 90 (2)食物摂取状況 90 (3)栄養素等摂取状況 90 (4)食品群別摂取状況 90
  2)脂肪酸摂取状況の評価法…95
  3)摂取たんぱく質栄養価の評価法…98
   (1)プロテインスコアの計算方法 98 (2)アミノ酸価の計算方法 98 (3)ケミカルスコアの計算方法 98
 3.栄養診断…100
  1)栄養素摂取量・食品群別摂取量の診断…100
  2)栄養比率・食品比率・摂取食品数…100
 4.食生活状況調査…105
  1)食習慣調査…105
  2)嗜好調査…105
  3)その他の食生活に関する調査…107
  4)郷土料理の調査…107
 5.運動と休養に関する調査…107

第5章 栄養指導調査の統計処理…111
 1.統計処理の方法…111
  1)データの整理…112
   (1)度数分布表・累積度数分布表 112 (2)ヒストグラム 114
  2)平均値…116
  3)散布度…116
   (1)分散 116 (2)標準偏差 117 (3)変動係数 118
  4)相関係数…119
   (1)相関 119 (2)相関係数 120
  5)統計的仮説検定…123
   (1)帰無仮説と対立仮説 123 (2)母平均の検定 124 (3)平均値の差の検定―少数例の場合― 125 (4)χ2検定 126
 2.コンピュータ処理…127

第6章 栄養指導の調査結果のまとめ方と展開…129
 1.論文をまとめるうえでの条件…129
 2.レポート・論文のまとめ方…129
 3.レポート・論文執筆にあたっての留意点…130
 4.口頭研究発表にあたっての留意点…131

参考文献…132