やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第3版の序
 本実習書の初版の刊行は2008年3月で,この改訂版は内容全体についての2度の見直しを経た版となる.本書はこれまで国内の多くの歯科大学・歯学部において学生諸氏の基礎実習ならびに臨床実習の場で活用されてきた.現在各大学で実施されている小児歯科学の基礎実習の内容は多岐にわたっており,毎回の実習で学生諸氏はカリキュラムに合わせて模型類や器材のほとんどを持参することを求められる.実習時にはそれらが机上に置かれ,さらに本書や各大学で作成されたマニュアル類も参照できるよう準備しておく必要がある.本書を参照しつつ実習を進めることを前提に,初版以来製本スタイルの検討が行われてきたが,この第3版ではコンパクト化を重視してB5版とした.多少ではあるが持ち運びや実習机上での利用に有利と考えている.最近はタブレット端末やスマートフォンを講義や実習に活用する工夫がされており,今後さらに利用価値の高い携帯型の電子機器が開発される可能性も十分にある.本書を含めた専門書の利用については,著作権保護に十分留意したうえで,学生諸氏がそれらの機器も有効活用しながら,ねらい通りに実習の目標を達成できるよう工夫することが望まれる.
 初版の序にも書かれているとおり,文部科学省の主導により2005年から「共用試験」が実施され現在に至っている.共用試験ではコンピュータを用いた客観試験CBTと,臨床に直結する技能・態度についての学修レベルを評価するための客観的臨床能力試験OSCEの2つが行われており,臨床実習に臨む学生の能力・適性について全国的に一定の水準を確保することが導入理由の一つ,とされている.この共用試験導入に先だって「歯学教育モデル・コア・カリキュラム―教育内容ガイドライン―」が作成されており,現時点での歯学教育ならびに共用試験は,2016年に公開された「歯学教育モデル・コア・カリキュラム改訂版」に基づいて実施されている.このたびの本実習書の改訂では,この歯学教育モデル・コア・カリキュラム改訂版に準拠することはもちろんのこと,各大学での小児歯科学教育において,教員が「学生の能力・適性についての全国的に一定の水準」をどのレベルに設定すればよいかの判断資料としても役立てていただけるよう内容を吟味した.
 文部科学省によって歯学教育の課題の第一に「診療参加型臨床実習の充実」が挙げられている.その中でも学生が経験する自験症例や症例数についての大学間格差が改善点として指摘されている.大学病院の小児歯科外来では,一般の歯科医院では治療困難との理由で紹介され来院する患者さんの比率が高い.それらの中には障害児や有病児に加えて虐待や貧困が背景に隠れているケースも含まれており,担当する小児歯科医には高い対応能力が求められている.本書ではこのような小児歯科医療の現況を踏まえ,医療面接や診察時の心構え,技法なども詳しく記載した.本書を小児歯科医療への理解と能力の向上に幅広く活用していただけることを願っている.
 2021年2月
 編者
 白川哲夫 朝田芳信
 苅部洋行 木本茂成
 清水武彦 牧 憲司


初版の序
 21世紀を迎え,すでにわが国は少子高齢社会へと移行した.それにともないあらゆる領域で「構造改革」が進められ,歯科医学・医療の分野においても多様なニーズを踏まえた改革が実践されている.歯科医学教育の具体的命題は,基本的な臨床能力を有する学生を育成することにあり,これにより良質な歯科医師を育成することにある.
 文部科学省は,「21世紀における医学・歯学教育の改善の方策について」の報告書のなかで,歯科医学教育の具体的な方法として,厚生労働省が実施する歯科医師国家試験のほかに,平成17年から「共用試験」を実施した.「共用試験」では,臨床実習開始に先立ち基本的知識はもとより,技能・態度まで問われる.「共用試験」では,歯科医学モデル・コア・カリキュラムの運用とその評価がなされているが,運用解釈の冒頭に「歯科医師として求められる基本的な資質」についての記載が設けられ,「歯科医師としての業務を遂行する職業人として必要な実践的能力(統合された知識,技能,態度・行動にもとづく総合的診療能力)を有する」ことが求められている.
 本書は,共用試験,新教授要綱,さらに歯科医師国家試験ガイドラインを踏まえて編集した.とくに,基礎実習は各大学で実習時間,設備などの条件が異なるため実習課題に大きな違いがみられる.そこで,全国15歯科大学(歯学部)の小児歯科担当者が,学問領域の進展にともなって避けることのできない肥大化する知識量を学ぶ側に立って効率的に整理統合した.具体的には,編集過程で必要な実習手順などの内容にまで立ち入って大学間の調整を可能なかぎり行い,各大学の独自性を保ちながらも,普遍性のある実習書としての完成をめざした.また,近年の臨床教育では,実習の学生が患者に医療行為を直接行うことが困難となり,とくに小児歯科医療においては機会が少なくなりつつあり,卒後研修に委ねられる傾向が進みつつある.卒前臨床実習では必然的に見学,診療の補助行為が臨床実習の中心となっている.そこで,本書の臨床編では,患者に接する前に十分に理解すべき診察・診断のための検査法,治療の手順,器材の準備,薬剤などわかりやすく解説した.また,症例編では,小児歯科臨床で多く遭遇する齲蝕,外傷,咬合誘導について臨場感をもたせた症例提示がなされた.
 近年の教育手法は,過去の知識を「記憶」することを中心とした知識教育から,学生みずからが自主的に問題意識をもち解決する「問題解決型」の教育へと変わりつつある.医療は元来,問題解決型の領域であることを踏まえ,本書では基礎,臨床との有機的な連携が希薄であった従来の実習内容を反省し,「基礎的」「臨床的」内容を「問題解決」の一助とすることに重点を置いた.
 本書は大学の実習に利用されるだけでなく,将来「小児歯科臨床」を指導するための教科書でもあり,小児歯科専門医をめざす歯科医師の入門編でもある.また,地域で臨床活動を展開している臨床家においても,本書をベースにさまざまなアレンジを加え,新しい小児歯科医療の構築に活用していただければと願っている.
 2008年3月
 編者
 大東道治
 土屋友幸
 前田隆秀
 宮沢裕夫


第2版の序
 これからの歯科医師が真に社会の期待に応えるためには,歯学教育の場において「歯科医師としての業務を遂行する職業人として必要な実践的能力を身につける」ために必要な教育カリキュラムが各歯科大学・歯学部で整備され,実行に移されている必要がある.そのような教育カリキュラムには各大学の個性を生かした独自性が盛り込まれることが望ましいが,一方で学生あるいは卒後間もない歯科医師の基本的な臨床能力において,大学間で格差が生じることはけして好ましいことではない.
 平成13年に「医学・歯学教育の在り方に関する調査研究協力者会議」が,「歯学教育モデル・コア・カリキュラム―教育内容ガイドライン―」を作成し,わが国のすべての学生が履修すべき必須の教育内容を精選して提示するという作業を本格化させた.平成21年には「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」による「確かな臨床能力を備えた歯科医師養成方策」の提言を受け,平成22年度「先導的大学改革推進委託事業」を通じて委託された歯学調査研究チームにより,「歯学教育モデル・コア・カリキュラム―教育内容ガイドライン―(平成22年度改訂版)」が作成された.この改訂では,臨床実習における一般目標,到達目標が明確にされ,歯学教育モデル・コア・カリキュラム全体の中での臨床実習の位置づけが明確にされた.
 このような流れの中で,文部科学省は「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」に沿った事業として,一定水準を確保するための全国共通の標準評価試験である「共用試験」を平成17年から開始した.共用試験は,コンピュータを用い総合的知識を評価するCBTと,実技試験により基本的診療技能と態度を評価するOSCE(客観的臨床能力試験)で構成され,OSCEでは臨床実習開始にあたって必要な基本的知識はもとより技能・態度まで問われる.本実習書の初版の刊行は平成20年3月であり,編集の際に,全国15歯科大学・歯学部の小児歯科担当者が大学間の調整を可能な限り行い,各大学の独自性を保ちながらも普遍性のある実習書となるよう努力が払われた.このたびの改訂版においては,初版での編集理念を継承しつつも,時代の要請に合わせた実習内容を盛り込むことに重きをおいた.
 近年の大学の臨床実習の場では,学生が患者に医療行為を直接行う機会が減り,見学,診療の補助行為が臨床実習の中心となっている.本書の臨床編では,このような臨床教育現場の実情を踏まえ,診察・診断のための検査法や治療の手順,器材の準備から薬剤の使用法に至るまで,具体的にわかりやすく解説した.また症例編では,小児歯科臨床で多く遭遇する齲蝕,外傷,咬合誘導についてPBL(Problem Based Learning)に準じた内容になるよう工夫した.大学の実習に限らず,小児歯科専門医をめざす歯科医師の臨床能力の向上や,一般の歯科医師の日常の小児歯科医療に本書を役立てていただけることを願っている.
 2014年9月
 編者
 前田隆秀
 福田理
 白川哲夫
 牧 憲司
Part I 基礎実習編
 第1章 医療面接(苅部洋行・河上智美)
  1.医療面接の概要
   1)医療面接の役割
   2)医療面接の目的
   3)医療面接を円滑に進めるには
  2.小児歯科における医療面接
   1)小児患者・保護者と歯科医師の関係
   2)小児歯科での医療面接のポイント
  3.医療面接の一般的基本技術
   1)医療者の態度
   2)質問法
   3)傾聴法
   4)解釈モデル
   5)言語・非言語コミュニケーション
  4.インフォームドコンセント
  5.医療面接の修得:ロールプレイ
   医療者の態度類型ロールプレイ
  6.口腔内の診察・記録
   1)口腔内の診察実習
   2)実習における態度の評価基準
 第2章 画像検査
  1.エックス線撮影法(白川哲夫)
   1)小児歯科臨床におけるエックス線画像検査の目的
   2)口内法
   3)パノラマエックス線撮影法
  2.口内法エックス線画像の観察・スケッチ(大須賀直人)
   1)デンタルエックス線画像の観察・スケッチ
   2)咬翼法エックス線画像の観察・スケッチ
  3.パノラマエックス線画像の観察・スケッチ(島村和宏)
   1)観察にあたっての注意点
   2)画像とスケッチ
   3)観察にあたっての要点
 第3章 乳歯の形態(清水武彦)
  1.乳歯の特徴
   1)歯冠
   2)歯根
   3)歯髄
  2.乳歯のスケッチと歯型彫刻
   1)器材の準備
   2)スケッチ
   3)歯型彫刻
 第4章 ラバーダム(木本茂成・浅里 仁)
  1.適用すべき処置
  2.ラバーダムを行う際の注意点
   1)装着前の注意点
   2)施術中の注意点
  3.ラバーダムの実際
   1)器材の準備
   2)乳臼歯部のラバーダム
   3)乳前歯のラバーダム
   4)幼若永久歯(第一大臼歯)のラバーダム
 第5章 乳歯の歯冠修復(朝田芳信・守安克也)
  1.各種修復法
   1)適応症
   2)利点・欠点および選択上の留意点
  2.コンポジットレジン修復
   1)適応症(一般的適応症)
   2)考慮すべき乳歯の特性
   3)器材の準備
   4)窩洞形成の実際
   5)隔壁とウェッジの装着
   6)修復の手順
 第6章 乳歯生活歯髄切断法(牧 憲司・佐伯 桂)
  1.適応症
  2.術式
   1)器材の準備
   2)歯列模型のマネキンへの装着
   3)ラバーダム
   4)患歯および手術野の清掃・消毒
   5)齲窩の開拡・齲蝕罹患歯質の除去
   6)天蓋の除去
   7)歯冠部歯髄の除去
   8)歯髄切断
   9)切断糊剤の貼付
   10)セメント裏層
   11)咬合関係の確認
 第7章 乳歯用冠(齊藤正人・倉重圭史)
  1.乳歯用既製金属冠(乳歯冠)
   1)適応症
   2)利点・欠点
   3)器材の準備
   4)支台歯形成の実際
   5)乳歯冠の選択と留意点
   6)乳歯冠の調整法
  2.コンポジットレジン冠
   1)適応症
   2)利点・欠点
   3)器材の準備
   4)支台歯形成の実際
   5)クラウンフォームを用いた修復手順
   6)咬合調整,仕上げ,研磨
   7)修復時の留意点
   8)クラウンフォームを用いたコンポジットレジン冠の製作手順
 第8章 乳歯の抜去(清水武彦・清水邦彦)
  1.適応症
   1)病的状態の乳歯(保存不可能な乳歯)
   2)咬合誘導上抜去を要する乳歯
   3)その他
  2.実習手順
   1)器材の準備
   2)乳前歯の抜去
   3)乳臼歯の抜去
  3.乳歯抜去時の臨床的注意点
 第9章 保隙装置
  1.ループ型保隙装置(クラウンループ保隙装置)(島村和宏・舟山敦雄)
   1)適応症
   2)器材の準備
   3)製作手順
   4)クラウンループ保隙装置の設計,製作
   5)クラウンループ保隙装置の管理
  2.ディスタルシュー保隙装置
   1)適応症
   2)器材の準備
   3)製作手順
   4)ディスタルシュー保隙装置の設計,製作
   5)ディスタルシュー保隙装置の管理
  3.リンガルアーチ
   1)適応症
   2)器材の準備
   3)製作手順
   4)リンガルアーチの設計,製作
   5)リンガルアーチの管理
  4.Nanceのホールディングアーチ
   1)適応症
   2)器材の準備
   3)製作手順
   4)Nanceのホールディングアーチの設計,製作
   5)Nanceのホールディングアーチの管理
  5.Adamsのクラスプ(飯沼光生)
   1)適応症
   2)特徴
   3)器材の準備
   4)構造
   5)製作手順
  6.可撤(床型)保隙装置
   1)適応症
   2)器材の準備
   3)構造
   4)製作手順
 第10章 スペースリゲーナー
  1.スプリングを用いたスペースリゲーナー(飯沼光生)
   1)適応症
   2)器材の準備
   3)構造
   4)製作手順
  2.拡大ネジを用いたスペースリゲーナー(森川和政・齊藤桂子)
   1)器材の準備
   2)製作手順
   3)装着後の注意
  3.拡大ネジを用いた側方拡大装置
   1)器材の準備
   2)製作手順
   3)装着後の注意
 第11章 歯の外傷(尾崎正雄)
  1.外傷の診察・検査
  2.乳歯の外傷
  3.永久歯の外傷
  4.受傷歯の予後
   1)受傷歯(乳歯,永久歯)への影響
   2)乳歯外傷の永久歯胚への影響
  5.消炎処置と感染防止
  6.患児と保護者への注意事項
   1)処置後の注意事項
   2)経過観察の必要性
 第12章 齲蝕予防処置(苅部洋行・河上智美)
  1.フッ化物歯面塗布法
   1)フッ化物の種類
   2)フッ化物の齲蝕予防機序
   3)フッ化物の急性毒性
   4)フッ化物の誤摂取時の対応
   5)フッ化物歯面塗布の処置
  2.予防填塞(フィッシャーシーラント)
   1)予防填塞材の種類
   2)予防填塞材の処置
Part II 臨床実習編
 第13章 小児歯科の臨床システム(木本茂成・井上吉登)
  1.口腔の健康の維持・増進
  2.小児期の口腔管理の対象と内容
  3.小児期の口腔管理の臨床システム
   1)初診
   2)保護者指導(患者指導)
   3)診察,検査
   4)診断,管理計画
   5)口腔管理計画のインフォームドコンセントとその実施,および定期健診
  4.管理のための医療面接,問診,診察,検査
   1)医療面接および問診
   2)一般診察(現症を含む)
   3)全身の診察
   4)頭部・顔面・顎関節の診察
   5)口腔の診察(軟組織,硬組織),歯列・咬合検査
   6)エックス線検査
   7)口腔機能の検査
   8)予防管理のための検査
  5.治療計画
  6.患者指導
 第14章 医療面接法(苅部洋行・河上智美)
  1.医療面接時の環境
   1)面接場所の設定
   2)面接の準備
   3)位置関係
  2.医療面接の進め方
   1)来院の動機
   2)主訴
   3)現病歴
   4)既往歴
   5)家族歴
   6)胎児期から現在に至るまでの発育経過と既往歴
   7)抗菌薬の使用経験
   8)麻酔の使用経験
   9)輸血経験
   10)歯科治療経験
   11)機能障害
   12)習癖
   13)特異行動
   14)一般検査
   15)生活習慣
  3.診療録への記入
  4.実習の評価
  5.医療面接時の留意点
   1)医療面接で留意すべき点
   2)保護者と小児患者に説明や質問をするときの注意事項
 第15章 小児の診かた(清水武彦)
  1.小児の行動観察
  2.全身の診察
   1)身体の発育状態
   2)歩行の観察
   3)言語の発達
   4)生理的数値
   5)手指,爪
  3.頭部・顔面・顎関節の診察
  4.口腔内の診察
   1)口腔内の診察の仕方
   2)歯の診察
   3)歯列の診察
   4)咬合の診察
   5)軟組織の診察
 第16章 歯科用コーンビームCT画像検査(新井嘉則・澤田久仁彦)
  1.歯科用コーンビームCT撮影法
   1)撮影法の背景
   2)画像検査の意義
   3)画像検査の目的
  2.歯科用コーンビームCT画像の読像と診断
   1)上顎正中過剰埋伏歯の画像検査
   2)外傷歯(歯冠・歯根破折)の画像検査
  3.歯科用コーンビームCT画像検査の留意点
 第17章 分析・治療計画
  1.側面頭部エックス線規格写真分析(白川哲夫)
   1)計測方法
   2)角度分析の計測項目の意味と計測値の解釈
   3)プロフィログラム法
  2.診断用模型の製作と分析
   1)発達期の診断用模型の役割
   2)診断用平行模型の製作
   3)模型分析の実際
  3.歯列周長分析
   1)側方歯群の萌出に必要な歯列長の予測
   2)小野の回帰方程式を用いた歯列周長分析の手順
   3)Moyersの推定表を用いる方法
   4)萌出余地の評価
  4.治療計画(新谷誠康)
   1)治療計画立案の基本
   2)治療計画に関する考え方
   3)処置の順序
   4)治療計画立案の実際(多数歯齲蝕症例)
 第18章 プラークコントロール(星野倫範)
  1.齲蝕・歯周疾患のリスクファクター
   1)齲蝕のリスクファクター
   2)歯周疾患のリスクファクター
  2.齲蝕活動性試験
   1)齲蝕活動性試験とは
   2)小児歯科臨床での応用
   3)齲蝕活動性試験の所要条件
  3.食生活
   1)食事指導の実際
   2)年齢別食事指導
  4.口腔清掃
   1)PMTC
   2)ブラッシング
   3)フロッシング
 第19章 齲蝕予防処置(苅部洋行・河上智美)
  1.フッ化物歯面塗布法
   塗布術式
  2.予防填塞(フィッシャーシーラント)の術式
   1)適応歯の選択
   2)予防填塞材の種類
   3)填塞術式
   4)その他の注意事項
 第20章 小児への対応
  1.診療環境(外山敬久・福田 理)
   1)位置関係
   2)診療体制
  2.基本的対応
   1)診療時間
   2)診療時のコミュニケーション
  3.行動変容法(名和弘幸・福田 理)
   1)系統的脱感作法
   2)オペラント条件づけ法(道具的条件づけ法)
   3)さまざまなオペラント条件づけ法
   4)モデリング法(モデリング学習法)
   5)シェイピング法(形成化法)
  4.抑制的対応法
  5.笑気吸入鎮静法
 第21章 局所麻酔の実際(早ア治明・岩瀬陽子)
  1.局所麻酔法の種類
   1)表面麻酔法
   2)浸潤麻酔法
   3)伝達麻酔法
  2.局所麻酔に使用する薬剤および器具
   1)局所麻酔薬
   2)注射器
   3)注射針
  3.局所麻酔の注意点
   1)小児における局所麻酔薬の安全性
   2)局所麻酔時の注意点
   3)局所麻酔時の偶発症
 第22章 乳歯・幼若永久歯の歯冠修復
  1.乳歯の歯冠修復(朝田芳信・守安克也)
   1)患児および保護者への説明
   2)器材の準備
  2.臨床における治療の流れ
   1)浸潤麻酔の実施
   2)ラバーダム
   3)処置に応じたポジショニング
   4)形成部位の確認
   5)ハンドピースの保持とレストの設定
  3.窩洞形成の実際(朝田芳信・守安克也〔1)〕,齊藤正人・倉重圭史〔2)〜4)〕)
   1)コンポジットレジン修復
   2)インレー修復
   3)乳歯用既製金属冠(乳歯冠)修復
   4)コンポジットレジン冠(クラウンフォーム)による修復
  4.幼若永久歯の歯冠修復(コンポジットレジン修復)(朝田芳信・守安克也)
   1)各種修復法の適応症
   2)前歯部のコンポジットレジン修復
   3)臼歯部のコンポジットレジン修復
 第23章 乳歯・幼若永久歯の歯内療法(牧 憲司・藤田優子)
  1.小児の歯内療法
   1)歯髄疾患および根尖性歯周炎の診察と検査
   2)歯内療法に際して留意すべき乳歯および幼若永久歯の特徴
   3)歯髄疾患および根尖性歯周炎と歯内療法
  2.乳歯の歯内療法
   1)歯髄鎮静法
   2)間接覆髄法
   3)直接覆髄法
   4)暫間的間接覆髄(IPC)法〔歯髄温存療法(AIPC法)〕
   5)生活歯髄切断法(生活断髄法)
   6)抜髄法および感染根管治療法
  3.幼若永久歯の歯内療法
   1)間接覆髄法
   2)直接覆髄法
   3)暫間的間接覆髄(IPC)法〔歯髄温存療法(AIPC法)〕
   4)生活歯髄切断法(生活断髄法)
   5)抜髄法および感染根管治療法
 第24章 外科処置(有田憲司)
  1.乳歯の抜去
   1)医療面接,診察,画像検査による適応症診断
   2)乳歯の抜去
   3)患児や保護者への注意
  2.上顎正中埋伏過剰歯の抜去
   1)画像検査
   2)抜歯時期
   3)術前の留意点
   4)器材の準備
   5)基本術式
   6)術後および経過観察
  3.小帯異常の処置
   1)上唇小帯切除術
   2)舌小帯切除術
  4.粘液嚢胞の処置
   基本術式
 第25章 外傷歯の治療(尾崎正雄)
  1.脱臼
   1)脱臼歯の診断
   2)脱臼歯の処置
   3)固定法の種類
   4)再植にあたっての留意点
  2.歯冠破折
   1)歯冠破折歯の診断
   2)歯冠破折歯の処置
 第26章 咬合誘導
  1.症例に応じた咬合誘導(名和弘幸)
   1)乳前歯舌側への後継永久歯の萌出
   2)第一大臼歯の近心転位
   3)低位乳歯
   4)少数歯の反対咬合
   5)正中離開
   6)歯列弓の狭窄
   7)アーチレングスディスクレパンシー
   8)早期接触
   9)永久前歯の埋伏
  2.口腔習癖の除去,口腔筋機能療法(MFT)(飯沼光生)
   1)適応症
   2)処置法(除去法)
  3.反対咬合・上顎前突の早期治療
   1)適応症
   2)処置の実際
 第27章 障害児の歯科治療(白川哲夫)
  1.障害児の歯科医療の困難性
   1)治療に対する理解と適応性の不足または欠如
   2)コミュニケーションの困難性
   3)運動・姿勢の制御の困難性
   4)医学的管理の問題
  2.知的能力障害
  3.Down症候群
   1)歯科的所見
   2)歯科治療上の留意点
  4.脳性麻痺(CP)
   1)原因
   2)歯科的所見
   3)歯科治療上の留意点
  5.自閉スペクトラム症(ASD)
   1)原因
   2)歯科的所見
   3)歯科治療上の留意点
  6.注意欠如・多動症(ADHD)
   1)原因
   2)歯科的所見
   3)歯科治療上の留意点
  7.限局性学習症
   1)原因
   2)歯科的所見
   3)歯科治療上の留意点
  8.障害児の保護者への口腔保健指導
 第28章 全身疾患を有する小児の歯科治療(大須賀直人)
  1.全身疾患と口腔内所見・歯科治療上の注意点
   1)遺伝性疾患
   2)染色体異常
   3)感染症
   4)骨代謝疾患
   5)内分泌疾患
   6)血液疾患
   7)代謝性疾患
   8)腎疾患
   9)循環器疾患
  2.全身疾患と薬物
   1)抗菌薬
   2)抗てんかん薬
   3)副腎皮質ステロイド
   4)インスリン
   5)抗ウイルス薬
 第29章 リコール(齊藤正人・倉重圭史)
  1.小児歯科における検診と健診の相違
   1)検診の診察項目
   2)健診の診察項目
  2.定期健診の意義
  3.定期健診の時期と間隔
  4.リコールの方法
  5.定期健診時の資料
   1)健診用紙:診療録(定期健診用紙)
   2)エックス線検査
   3)写真撮影
   4)口腔内模型
   5)口腔衛生指導用資料
   6)全身的資料
 第30章 医療安全(新谷誠康)
  1.用語の定義
   1)ヒヤリ・ハット
   2)医療事故(アクシデント)
   3)インシデント
   4)リスクマネジメント
   5)バイタルサイン
  2.医療安全の考え方
  3.事故発生時の対応
   救命・救急措置の最優先
  4.医療事故の事例とその対応法
   1)救命・救急処置
   2)局所麻酔による事故
   3)誤飲・誤嚥による事故
   4)治療器具による軟組織の損傷
   5)院内感染の防止
Part III 症例編
 齲蝕/咬合誘導
  1.齲蝕(木本茂成・中村州臣)
  2.咬合誘導(木本茂成・大谷茉衣子)

 参考文献
 索引