はじめに
美術解剖学は15世紀の中ごろ,ちょうどイタリア・ルネッサンスの中期に相当する時期に始まったと考えるのが普通であり,レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロはその創始者であると想定されている.もちろん,その当時,美術解剖学などという呼称は存在するはずもなく,当時発展しつつあった解剖学を造形活動に応用し,できるだけ自然な人体を表現しようと努力することによって,自然発生的にこの学問が生まれたのであろう.
なぜ美術家が解剖学を必要としたのかについては「美術解剖学の誕生」の項で改めて述べるが,ダ・ヴィンチやミケランジェロは人体の解剖を通して,単に人体の形態や構造を学んだだけでなく,運動や動作を行うことによって,人体の外形が,内部構造(骨格や筋など)の変化とどのような関係をもちつつ,どう変化してゆくかを研究していたことがよく知られており,この学問の創生のころからすでに,キネシオロジー的な要素が包含されていたことがうかがい知られる.このような時期から,すでに500年を優に越える現在では,美術解剖学の内容は,周辺領域のいろいろな学問と関連をもちながら,簡単には理解しにくいほど,膨大な内容をもつようになってきている.
本書ではこのような膨大な領域をもつ美術解剖学の内容のうち,美術家が必要とする基本的な人体の形態や構造に関する知識を身につけ,これらの骨格や筋群が人体の外形をどのように形作り,どのような仕組みで運動や動作を引き起こし,また,運動や動作とともに人体の外形がどう変化するかについて理解を深めてもらうことを目的に,骨格系と筋系を中心に,人体の形態と構造を体系的に記述することを心がけた.そのため,できるだけ多くの図を掲載するとともに,各章ごとに作例をあげ,自然の人体と実際に造形表現された人体との間にどのような異同が認められるかについて,美術解剖学的立場から解説してある.
本書は,2編・9つの章から成り立っているが,第I編の1章から5章には,美術解剖学の定義,その発生と現状,美術解剖学用語,人体の区分,ヒトの生物としての特徴,変異などについてその概略を述べてある.美術解剖学の成立の過程を知れば,人体の表現に解剖学的な知識がいかに大切であるかが理解されよう.
美術解剖学について何かを述べたり,記載する場合には,混乱を避けるため,誰もが共通に理解できる用語の統一が必要である.このため,美術解剖学用語が必要であるが,後に述べるように,美術解剖学独特の用語が採用されている場合を除き,基本的には解剖学用語に準拠することが決められている.しかし,解剖学用語のなかには,用語の決定にあたって,簡便さを重視したためであろうか,JISの漢字体系にない独自のものも含まれている.たとえば,頚を頸,脛を●,瞼を●,臍を●,橈を●と著すことになっており,学生のなかには疑義を抱く人もいるようではある.しかし,これらの名称は用語として決定されたものであるから,必ずしも略字以外の使用を禁止していないものの,これを変更するには所定の手続きを経る必要がある.本書でも日本解剖学用語に従って頚,●,●,●,●の文字を用いているので,あらかじめ知っておいていただきたい.また,3章には人体の区分について述べてあるが,これも,正しくは体表から見た人体の区分であり,内部構造から見た人体の区分とは,かなりの差があることも理解しておく必要がある.
第II編の6章は骨格について,また,7章は筋について述べてあるが,特に筋については紙数や時間的制約もあって,体表のレリーフを作る筋を中心に記述してある.また,8章の頭部の感覚器,9章のプロポーションと体型についても同様の事情から省略せざるを得なかった点が少なくない.したがって,本書は不十分である点も少なくないが,本書を十分活用してその成果を造形活動に生かしていただければ幸いである.
なお,本書の執筆に当たっては,多くの方々のご協力をいただいたが,東京芸術大学美術学部美術解剖学講座の研究生伊藤恵夫博士には本文の校正および文献や索引の検索を,また,解剖図の作成には同講座助手平田有佳博士の献身的なご協力をいただいたことを記して感謝申し上げる.最後に,本書の完成に至る間,始終ご鞭撻いただいた医歯薬出版株式会社の吉原巖氏に厚く御礼申し上げる.
1997年6月20日 高橋 彬
美術解剖学は15世紀の中ごろ,ちょうどイタリア・ルネッサンスの中期に相当する時期に始まったと考えるのが普通であり,レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロはその創始者であると想定されている.もちろん,その当時,美術解剖学などという呼称は存在するはずもなく,当時発展しつつあった解剖学を造形活動に応用し,できるだけ自然な人体を表現しようと努力することによって,自然発生的にこの学問が生まれたのであろう.
なぜ美術家が解剖学を必要としたのかについては「美術解剖学の誕生」の項で改めて述べるが,ダ・ヴィンチやミケランジェロは人体の解剖を通して,単に人体の形態や構造を学んだだけでなく,運動や動作を行うことによって,人体の外形が,内部構造(骨格や筋など)の変化とどのような関係をもちつつ,どう変化してゆくかを研究していたことがよく知られており,この学問の創生のころからすでに,キネシオロジー的な要素が包含されていたことがうかがい知られる.このような時期から,すでに500年を優に越える現在では,美術解剖学の内容は,周辺領域のいろいろな学問と関連をもちながら,簡単には理解しにくいほど,膨大な内容をもつようになってきている.
本書ではこのような膨大な領域をもつ美術解剖学の内容のうち,美術家が必要とする基本的な人体の形態や構造に関する知識を身につけ,これらの骨格や筋群が人体の外形をどのように形作り,どのような仕組みで運動や動作を引き起こし,また,運動や動作とともに人体の外形がどう変化するかについて理解を深めてもらうことを目的に,骨格系と筋系を中心に,人体の形態と構造を体系的に記述することを心がけた.そのため,できるだけ多くの図を掲載するとともに,各章ごとに作例をあげ,自然の人体と実際に造形表現された人体との間にどのような異同が認められるかについて,美術解剖学的立場から解説してある.
本書は,2編・9つの章から成り立っているが,第I編の1章から5章には,美術解剖学の定義,その発生と現状,美術解剖学用語,人体の区分,ヒトの生物としての特徴,変異などについてその概略を述べてある.美術解剖学の成立の過程を知れば,人体の表現に解剖学的な知識がいかに大切であるかが理解されよう.
美術解剖学について何かを述べたり,記載する場合には,混乱を避けるため,誰もが共通に理解できる用語の統一が必要である.このため,美術解剖学用語が必要であるが,後に述べるように,美術解剖学独特の用語が採用されている場合を除き,基本的には解剖学用語に準拠することが決められている.しかし,解剖学用語のなかには,用語の決定にあたって,簡便さを重視したためであろうか,JISの漢字体系にない独自のものも含まれている.たとえば,頚を頸,脛を●,瞼を●,臍を●,橈を●と著すことになっており,学生のなかには疑義を抱く人もいるようではある.しかし,これらの名称は用語として決定されたものであるから,必ずしも略字以外の使用を禁止していないものの,これを変更するには所定の手続きを経る必要がある.本書でも日本解剖学用語に従って頚,●,●,●,●の文字を用いているので,あらかじめ知っておいていただきたい.また,3章には人体の区分について述べてあるが,これも,正しくは体表から見た人体の区分であり,内部構造から見た人体の区分とは,かなりの差があることも理解しておく必要がある.
第II編の6章は骨格について,また,7章は筋について述べてあるが,特に筋については紙数や時間的制約もあって,体表のレリーフを作る筋を中心に記述してある.また,8章の頭部の感覚器,9章のプロポーションと体型についても同様の事情から省略せざるを得なかった点が少なくない.したがって,本書は不十分である点も少なくないが,本書を十分活用してその成果を造形活動に生かしていただければ幸いである.
なお,本書の執筆に当たっては,多くの方々のご協力をいただいたが,東京芸術大学美術学部美術解剖学講座の研究生伊藤恵夫博士には本文の校正および文献や索引の検索を,また,解剖図の作成には同講座助手平田有佳博士の献身的なご協力をいただいたことを記して感謝申し上げる.最後に,本書の完成に至る間,始終ご鞭撻いただいた医歯薬出版株式会社の吉原巖氏に厚く御礼申し上げる.
1997年6月20日 高橋 彬
はじめに
I.美術解剖学概論
1.美術解剖学とは……2
2.美術解剖学の誕生……8
1)ルネッサンス運動と美術解剖学……8
(1)ギリシャ市民とリアリズム/8
(2)ルネッサンス前後の解剖学/9
(3)美術解剖学の誕生/11
(4)日本における美術解剖学/11
3.身体の区分……12
1)美術解剖学用語について……12
(1)位置や方向を示す用語/12
(1)軸について/12
(2)面について/12
(3)方向を示す用語について/14
(4)位置について/14
2)人体の区分……14
4.ヒトの特徴……16
1)ヒトの生物学的位置とその特徴……16
2)歩行と関連した特徴……17
(1)下肢の骨格/17
(1)骨盤とその周りの筋/17
(2)下肢の骨格と筋群/18
(2)脊柱・胸郭と頭蓋/19
(1)脊柱と胸郭/19
(2)頭蓋/19
3)脳の発達と歯の退化に関連する特徴……19
(1)脳の発達/19
(2)歯の退化/20
5.形態の変異(差)……21
1)性差……21
(1)からだの大きさとプロポーション/21
(2)骨格と筋/23
(3)皮膚と毛/23
(4)乳房/23
(5)喉頭隆起(アダムの林檎(りんご))/23
2)年齢差……24
3)人種差……25
(1)白色(コーカシア)人種/25
(2)黄色(モーコ)人種/25
(3)黒色(エチオピア)人種/25
4)左右差……26
II.美術解剖学各論
6.骨格系……28
1)はじめに……28
2)骨の構造……30
(1)骨質/30
(2)軟骨質/31
(3)骨髄/31
(4)骨膜/31
3)骨の発生……31
(1)結合組織性骨発生/32
(2)軟骨性骨発生/32
(1)軟骨外骨化/32
(2)軟骨内骨化/32
4)骨の連結……33
(1)不動性の連結/33
(1)線維性の連結/33
靭帯結合/33
縫合/34
(2)軟骨性の連結/34
(3)骨結合/34
(2)可動性の連結/34
(1)関節の構造/34
(2)関節の分類/35
関節を作る骨の数による分類/35
運動軸の数による分類/35
関節面の形による分類/35
5)頸部と体幹の骨格……37
(1)脊柱/37
(1)椎骨の形/37
胸椎/37
頸椎/37
腰椎/40
仙椎(仙骨)/40
(2)椎骨の連結/40
(3)脊柱全体の形/41
(4)脊柱の運動/42
(5)体表から見た椎骨/43
(2)胸郭/45
(1)胸骨/45
(2)肋骨/45
(3)胸郭全体の形/46
(4)胸郭の運動/48
(5)体表から見た胸郭/48
6)上肢の骨格……51
(1)上肢帯/51
(1)鎖骨/51
(2)肩甲骨/53
(2)自由上肢骨/54
(1)上腕骨/54
(2)前腕骨/55
尺骨/55
橈骨/56
(3)手の骨/57
手根骨/57
中手骨/57
〔手の〕指の骨/57
7)下肢の骨格……58
(1)下肢帯/58
(1)寛骨/58
(2)骨盤/61
(2)自由下肢骨/62
(1)大腿骨/62
(2)下腿の骨/62
(3)足の骨/64
足根骨/64
中足骨/66
〔足の〕指の骨/66
8)頭蓋……66
(1)頭蓋に見られる年齢差/66
(2)頭蓋に見られる性差/69
(1)眉弓/69
(2)乳様突起/70
(3)頭頂結節/70
(4)前頭結節/70
(5)外後頭隆起/70
(3)頭蓋の外観/71
(1)前から見た頭蓋/71
(2)側方から見た頭蓋/73
(3)上から見た頭蓋/74
(4)後ろから見た頭蓋/74
(4)頭蓋の形のいろいろ/74
(1)頭長幅指数/74
(2)顔指数/76
(3)長高指数/76
(4)側面角/76
7.筋系……78
1)はじめに……78
(1)筋の外形/78
(2)筋の作用/80
(1)屈曲と伸展/80
(2)内転と外転/80
(3)回旋/80
(4)括約と散大/81
(5)挙上と下制/81
(6)対立/81
(3)筋の付属器/81
(1)滑液包/81
(2)滑液鞘(腱鞘)/81
(3)種子骨/82
(4)滑車/82
(5)筋膜/82
2)頸部の筋……82
(1)頚部の筋の種類/82
(1)皮下頚筋/82
広頚筋/83
(2)側頚筋/83
胸鎖乳突筋/83
(3)前頚筋/84
舌骨上筋/84
舌骨下筋/84
(4)後頚筋/85
(2)頚の運動/85
(1)頚の前屈/85
(2)頚の後屈/85
(3)頚の側屈/85
(4)頚の回旋/85
(3)頚部の外貌/86
(1)頚部に見られる体表のレリーフ/86
顎下三角/86
頚動脈三角/86
頚窩(頚静脈窩)/86
小鎖骨上窩/86
外側頚三角/86
大鎖骨上窩/86
(2)頚部の皮膚を通して観察される血管と神経/86
外頚静脈/86
前頚静脈/87
大耳介神経/87
小後頭神経/87
頚横神経/87
鎖骨上神経/87
(4)頚部の作例/87
3)胸部の筋……90
(1)胸部の筋の種類/90
(1)浅胸筋/90
大胸筋/90
前鋸筋/91
(2)深胸筋/91
外肋間筋/91
内肋間筋/91
胸横筋/92
肋骨挙筋/92
(3)横隔膜/92
(2)胸部の筋の作例/92
4)腹部の筋……94
(1)腹部の筋の種類/94
(1)前腹筋/94
腹直筋/94
錐体筋/94
(2)側腹筋/94
外腹斜筋/95
内腹斜筋/95
腹横筋/96
(3)後腹筋/96
腰方形筋/96
(2)腹部の作例/97
5)背部の筋……98
(1)背部の筋の種類/98
(1)浅背筋/98
僧帽筋/98
広背筋/99
(2)深背筋/100
鋸筋/100
固有背筋/100
(2)背部の筋の作例/100
6)上肢の筋……101
(1)肩甲筋/101
三角筋/101
大円筋/102
小円筋/102
棘下筋/103
(2)上腕の筋/103
(1)屈筋群/103
上腕二頭筋/103
烏口腕筋/104
上腕筋/104
(2)伸筋群/104
上腕三頭筋/104
肘筋/104
(3)前腕の筋/105
(1)屈筋群/105
円回内筋/105
橈側手根屈筋/105
長掌筋/106
尺側手根屈筋/106
浅指屈筋/107
(2)伸筋群/107
腕橈骨筋/107
長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋/107
〔総〕指伸筋/107
小指伸筋/107
尺側手根伸筋/108
回外筋/108
長母指外転筋・短母指伸筋/108
長母指伸筋/108
示指伸筋/108
(4)手の筋/108
(1)母指球筋/108
(2)小指球筋/109
短掌筋/109
(3)中手骨筋/109
虫様筋/109
掌側骨間筋・背側骨間筋/109
(5)上肢の作例/109
7)下肢の筋……110
(1)寛骨筋/111
(1)内寛骨筋/111
(2)外寛骨筋/111
大殿筋/111
中殿筋/112
大腿筋膜張筋/112
(2)大腿の筋/113
(1)伸筋/113
縫工筋/113
大腿四頭筋/113
膝関節筋/114
(2)内転筋/114
薄筋/114
長内転筋/114
(3)屈筋/115
大腿二頭筋/115
半腱様筋・半膜様筋/115
(3)下腿の筋/116
(1)伸筋/116
前脛骨筋/116
長母指伸筋/116
長指伸筋/116
第3腓骨筋/116
(2)腓骨筋/116
長腓骨筋・短腓骨筋/116
(3)屈筋/117
下腿三頭筋/117
(4)足の筋/118
(1)足背の筋/118
短母指伸筋/118
短指伸筋/118
(2)足底の筋/118
(5)下肢の作例/118
8)頭部の筋……120
(1)咀嚼筋/120
側頭筋/120
咬筋/121
(2)顔面(表情)筋/121
(1)目の周りの皮膚に停止する筋/121
後頭前頭筋/121
皺眉筋/122
眉毛下制筋/122
鼻根筋/122
眼輪筋/124
(2)鼻の周りの皮膚に停止する筋/124
鼻筋/124
鼻中隔下制筋/124
(3)耳の周りに停止する筋/124
上耳介筋/125
前耳介筋/125
後耳介筋/125
(4)口の周りの筋/125
上唇鼻翼筋/125
上唇挙筋/125
小頬骨筋/125
口角挙筋/125
大頬骨筋/125
口輪筋/125
笑筋/126
頬筋/126
下唇下制筋/126
口角下制筋/126
オトガイ筋/126
オトガイ横筋/127
(3)表情と表情運動/127
(1)表情運動/127
笑い顔/128
泣き顔/130
怒り顔/130
驚きの顔/130
(2)特殊表情と異常表現/130
特殊表情/131
異常表現/131
9)頭部の感覚器……131
(1)目とその周辺/132
(1)眼球/132
(2)副眼器/133
眉毛/133
眼瞼/134
内眼角と外眼角/136
眼筋/137
(2)鼻/138
(3)耳/140
(1)耳輪/141
(2)耳珠/141
(3)耳垂/141
(4)口/142
(1)口唇/142
上唇/142
人中と赤(色)唇縁/143
(2)頬/143
(3)口の周囲の溝/144
(4)歯と歯肉/144
(5)舌/144
8.皮膚とその付属器……146
1)皮膚……146
2)皮膚の付属器……147
(1)皮膚腺/147
(1)汗腺/147
(2)脂腺/147
(2)線条/148
(3)毛/148
(1)毛の構造/148
(2)毛の種類/149
(3)毛の長さと寿命/149
(4)毛の色調/149
(5)毛の湾曲/150
(6)毛流/150
(4)爪/150
(5)毛と爪の作例/150
(6)乳房/151
(1)乳房の形/152
皿状乳房/152
半球状乳房/152
三角状乳房/152
垂体状乳房/152
山羊状乳房/152
経産婦型乳房/152
(2)乳房の方向/153
(3)乳房の発生と発育/153
乳房の発生/153
乳房の発育/154
9.プロポーションと体型……156
1)プロポーションについて……156
2)美術のためのプロポーション……157
(1)モデュールによる表現法/157
(2)パーセントによる表現法/157
(3)黄金分割/158
3)プロポーションの実際……158
(1)古代と中世のプロポーション/158
(2)ルネッサンス時代のプロポーション/159
(1)クーザンのプロポーション/160
(2)ロマーツオのプロポーション(17世紀)/160
(3)ツァイジングのプロポーション(19世紀)/161
(4)脊柱の長さや胴長を根とするプロポーション/161
(5)シュトラッツとリッシェのプロポーション/161
(6)ペルンコップフのプロポーション/161
(7)東洋で考案されたプロポーション/162
4)体型とは……162
(1)相貌学・精神医学的立場からの研究/162
(2)人類学・解剖学的立場からの研究/163
(3)美術解剖学的立場からの研究/164
文献……166
収載図版一覧……167
索引……169
I.美術解剖学概論
1.美術解剖学とは……2
2.美術解剖学の誕生……8
1)ルネッサンス運動と美術解剖学……8
(1)ギリシャ市民とリアリズム/8
(2)ルネッサンス前後の解剖学/9
(3)美術解剖学の誕生/11
(4)日本における美術解剖学/11
3.身体の区分……12
1)美術解剖学用語について……12
(1)位置や方向を示す用語/12
(1)軸について/12
(2)面について/12
(3)方向を示す用語について/14
(4)位置について/14
2)人体の区分……14
4.ヒトの特徴……16
1)ヒトの生物学的位置とその特徴……16
2)歩行と関連した特徴……17
(1)下肢の骨格/17
(1)骨盤とその周りの筋/17
(2)下肢の骨格と筋群/18
(2)脊柱・胸郭と頭蓋/19
(1)脊柱と胸郭/19
(2)頭蓋/19
3)脳の発達と歯の退化に関連する特徴……19
(1)脳の発達/19
(2)歯の退化/20
5.形態の変異(差)……21
1)性差……21
(1)からだの大きさとプロポーション/21
(2)骨格と筋/23
(3)皮膚と毛/23
(4)乳房/23
(5)喉頭隆起(アダムの林檎(りんご))/23
2)年齢差……24
3)人種差……25
(1)白色(コーカシア)人種/25
(2)黄色(モーコ)人種/25
(3)黒色(エチオピア)人種/25
4)左右差……26
II.美術解剖学各論
6.骨格系……28
1)はじめに……28
2)骨の構造……30
(1)骨質/30
(2)軟骨質/31
(3)骨髄/31
(4)骨膜/31
3)骨の発生……31
(1)結合組織性骨発生/32
(2)軟骨性骨発生/32
(1)軟骨外骨化/32
(2)軟骨内骨化/32
4)骨の連結……33
(1)不動性の連結/33
(1)線維性の連結/33
靭帯結合/33
縫合/34
(2)軟骨性の連結/34
(3)骨結合/34
(2)可動性の連結/34
(1)関節の構造/34
(2)関節の分類/35
関節を作る骨の数による分類/35
運動軸の数による分類/35
関節面の形による分類/35
5)頸部と体幹の骨格……37
(1)脊柱/37
(1)椎骨の形/37
胸椎/37
頸椎/37
腰椎/40
仙椎(仙骨)/40
(2)椎骨の連結/40
(3)脊柱全体の形/41
(4)脊柱の運動/42
(5)体表から見た椎骨/43
(2)胸郭/45
(1)胸骨/45
(2)肋骨/45
(3)胸郭全体の形/46
(4)胸郭の運動/48
(5)体表から見た胸郭/48
6)上肢の骨格……51
(1)上肢帯/51
(1)鎖骨/51
(2)肩甲骨/53
(2)自由上肢骨/54
(1)上腕骨/54
(2)前腕骨/55
尺骨/55
橈骨/56
(3)手の骨/57
手根骨/57
中手骨/57
〔手の〕指の骨/57
7)下肢の骨格……58
(1)下肢帯/58
(1)寛骨/58
(2)骨盤/61
(2)自由下肢骨/62
(1)大腿骨/62
(2)下腿の骨/62
(3)足の骨/64
足根骨/64
中足骨/66
〔足の〕指の骨/66
8)頭蓋……66
(1)頭蓋に見られる年齢差/66
(2)頭蓋に見られる性差/69
(1)眉弓/69
(2)乳様突起/70
(3)頭頂結節/70
(4)前頭結節/70
(5)外後頭隆起/70
(3)頭蓋の外観/71
(1)前から見た頭蓋/71
(2)側方から見た頭蓋/73
(3)上から見た頭蓋/74
(4)後ろから見た頭蓋/74
(4)頭蓋の形のいろいろ/74
(1)頭長幅指数/74
(2)顔指数/76
(3)長高指数/76
(4)側面角/76
7.筋系……78
1)はじめに……78
(1)筋の外形/78
(2)筋の作用/80
(1)屈曲と伸展/80
(2)内転と外転/80
(3)回旋/80
(4)括約と散大/81
(5)挙上と下制/81
(6)対立/81
(3)筋の付属器/81
(1)滑液包/81
(2)滑液鞘(腱鞘)/81
(3)種子骨/82
(4)滑車/82
(5)筋膜/82
2)頸部の筋……82
(1)頚部の筋の種類/82
(1)皮下頚筋/82
広頚筋/83
(2)側頚筋/83
胸鎖乳突筋/83
(3)前頚筋/84
舌骨上筋/84
舌骨下筋/84
(4)後頚筋/85
(2)頚の運動/85
(1)頚の前屈/85
(2)頚の後屈/85
(3)頚の側屈/85
(4)頚の回旋/85
(3)頚部の外貌/86
(1)頚部に見られる体表のレリーフ/86
顎下三角/86
頚動脈三角/86
頚窩(頚静脈窩)/86
小鎖骨上窩/86
外側頚三角/86
大鎖骨上窩/86
(2)頚部の皮膚を通して観察される血管と神経/86
外頚静脈/86
前頚静脈/87
大耳介神経/87
小後頭神経/87
頚横神経/87
鎖骨上神経/87
(4)頚部の作例/87
3)胸部の筋……90
(1)胸部の筋の種類/90
(1)浅胸筋/90
大胸筋/90
前鋸筋/91
(2)深胸筋/91
外肋間筋/91
内肋間筋/91
胸横筋/92
肋骨挙筋/92
(3)横隔膜/92
(2)胸部の筋の作例/92
4)腹部の筋……94
(1)腹部の筋の種類/94
(1)前腹筋/94
腹直筋/94
錐体筋/94
(2)側腹筋/94
外腹斜筋/95
内腹斜筋/95
腹横筋/96
(3)後腹筋/96
腰方形筋/96
(2)腹部の作例/97
5)背部の筋……98
(1)背部の筋の種類/98
(1)浅背筋/98
僧帽筋/98
広背筋/99
(2)深背筋/100
鋸筋/100
固有背筋/100
(2)背部の筋の作例/100
6)上肢の筋……101
(1)肩甲筋/101
三角筋/101
大円筋/102
小円筋/102
棘下筋/103
(2)上腕の筋/103
(1)屈筋群/103
上腕二頭筋/103
烏口腕筋/104
上腕筋/104
(2)伸筋群/104
上腕三頭筋/104
肘筋/104
(3)前腕の筋/105
(1)屈筋群/105
円回内筋/105
橈側手根屈筋/105
長掌筋/106
尺側手根屈筋/106
浅指屈筋/107
(2)伸筋群/107
腕橈骨筋/107
長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋/107
〔総〕指伸筋/107
小指伸筋/107
尺側手根伸筋/108
回外筋/108
長母指外転筋・短母指伸筋/108
長母指伸筋/108
示指伸筋/108
(4)手の筋/108
(1)母指球筋/108
(2)小指球筋/109
短掌筋/109
(3)中手骨筋/109
虫様筋/109
掌側骨間筋・背側骨間筋/109
(5)上肢の作例/109
7)下肢の筋……110
(1)寛骨筋/111
(1)内寛骨筋/111
(2)外寛骨筋/111
大殿筋/111
中殿筋/112
大腿筋膜張筋/112
(2)大腿の筋/113
(1)伸筋/113
縫工筋/113
大腿四頭筋/113
膝関節筋/114
(2)内転筋/114
薄筋/114
長内転筋/114
(3)屈筋/115
大腿二頭筋/115
半腱様筋・半膜様筋/115
(3)下腿の筋/116
(1)伸筋/116
前脛骨筋/116
長母指伸筋/116
長指伸筋/116
第3腓骨筋/116
(2)腓骨筋/116
長腓骨筋・短腓骨筋/116
(3)屈筋/117
下腿三頭筋/117
(4)足の筋/118
(1)足背の筋/118
短母指伸筋/118
短指伸筋/118
(2)足底の筋/118
(5)下肢の作例/118
8)頭部の筋……120
(1)咀嚼筋/120
側頭筋/120
咬筋/121
(2)顔面(表情)筋/121
(1)目の周りの皮膚に停止する筋/121
後頭前頭筋/121
皺眉筋/122
眉毛下制筋/122
鼻根筋/122
眼輪筋/124
(2)鼻の周りの皮膚に停止する筋/124
鼻筋/124
鼻中隔下制筋/124
(3)耳の周りに停止する筋/124
上耳介筋/125
前耳介筋/125
後耳介筋/125
(4)口の周りの筋/125
上唇鼻翼筋/125
上唇挙筋/125
小頬骨筋/125
口角挙筋/125
大頬骨筋/125
口輪筋/125
笑筋/126
頬筋/126
下唇下制筋/126
口角下制筋/126
オトガイ筋/126
オトガイ横筋/127
(3)表情と表情運動/127
(1)表情運動/127
笑い顔/128
泣き顔/130
怒り顔/130
驚きの顔/130
(2)特殊表情と異常表現/130
特殊表情/131
異常表現/131
9)頭部の感覚器……131
(1)目とその周辺/132
(1)眼球/132
(2)副眼器/133
眉毛/133
眼瞼/134
内眼角と外眼角/136
眼筋/137
(2)鼻/138
(3)耳/140
(1)耳輪/141
(2)耳珠/141
(3)耳垂/141
(4)口/142
(1)口唇/142
上唇/142
人中と赤(色)唇縁/143
(2)頬/143
(3)口の周囲の溝/144
(4)歯と歯肉/144
(5)舌/144
8.皮膚とその付属器……146
1)皮膚……146
2)皮膚の付属器……147
(1)皮膚腺/147
(1)汗腺/147
(2)脂腺/147
(2)線条/148
(3)毛/148
(1)毛の構造/148
(2)毛の種類/149
(3)毛の長さと寿命/149
(4)毛の色調/149
(5)毛の湾曲/150
(6)毛流/150
(4)爪/150
(5)毛と爪の作例/150
(6)乳房/151
(1)乳房の形/152
皿状乳房/152
半球状乳房/152
三角状乳房/152
垂体状乳房/152
山羊状乳房/152
経産婦型乳房/152
(2)乳房の方向/153
(3)乳房の発生と発育/153
乳房の発生/153
乳房の発育/154
9.プロポーションと体型……156
1)プロポーションについて……156
2)美術のためのプロポーション……157
(1)モデュールによる表現法/157
(2)パーセントによる表現法/157
(3)黄金分割/158
3)プロポーションの実際……158
(1)古代と中世のプロポーション/158
(2)ルネッサンス時代のプロポーション/159
(1)クーザンのプロポーション/160
(2)ロマーツオのプロポーション(17世紀)/160
(3)ツァイジングのプロポーション(19世紀)/161
(4)脊柱の長さや胴長を根とするプロポーション/161
(5)シュトラッツとリッシェのプロポーション/161
(6)ペルンコップフのプロポーション/161
(7)東洋で考案されたプロポーション/162
4)体型とは……162
(1)相貌学・精神医学的立場からの研究/162
(2)人類学・解剖学的立場からの研究/163
(3)美術解剖学的立場からの研究/164
文献……166
収載図版一覧……167
索引……169