序 文
歯科医学の進歩にともなって歯科医療も高度化し,多様化してきました. また国民誰しもQOL(クオリティオブライフ)の向上を願い,歯科医療に対する期待も大きくなりつつあります. 歯科医師がこれに真に応えられるようになるためには,まずもって卒直後に総合的な歯科診療能力の基礎を修得しておかなければなりません.
それには,幅広い知識をきちんと整理して,基本にのっとった確かな技術に熟練することはもちろんですが,医の倫理にもとづいて,医療人の一員としてふさわしい態度や礼儀をしっかりと身につけ,患者さんから信頼されるようにならなければなりません. また,コデンタルスタッフとの協力関係を築くことも大切です.
平成8年6月に歯科医師法の一部改正によって,歯科医師の卒後の臨床研修が制度化されました. 各歯科大学(歯学部)における卒前の臨床実習が必ずしも十分に行われていないとされる現在,この臨床研修は歯科医師としての基盤を養成するためにきわめて重要な意味を持っています.
各臨床研修施設には,それぞれの特徴を生かした研修プログラムが用意されていますが,臨床研修の成果が自らの学ぶ姿勢と努力とに大きく左右されるのは言うまでもありません. そこであらゆる機会をとらえて,指導医に指示・指導を仰ぎつつ,自分から積極的に臨床に取り組んでいくことがなによりも重要です. また研修の進行状況を自ら点検,自己評価して,以後の研修に役立てることも求められます.
本書は,厚生省から発表された「卒後臨床研修目標」をもとに,初期研修に必要とされる総合的な診断・治療の具体的内容を簡潔に,わかりやすく解説したものです.
研修メモ では,患者さんと接した際の臨床ヒント,技術上のワンポイントアドバイスなど,実際の臨床研修に役立つ知識をコンパクトにまとめました.
執筆者には,各分野で教育および臨床経験豊かな先生方にお願いいたしました. チェアーサイドでも気軽に使えるので,ぜひ積極的に利用して下さい. また,大学での臨床実習にも十分活用できる内容となっています.
本書が日々の診療に役立つことを編者一同,心から願っています.
最後に,本書の刊行に尽力いただいた医歯薬出版(株)の編集部に深甚なる感謝の意を表します.
1997年4月
編 者
歯科医学の進歩にともなって歯科医療も高度化し,多様化してきました. また国民誰しもQOL(クオリティオブライフ)の向上を願い,歯科医療に対する期待も大きくなりつつあります. 歯科医師がこれに真に応えられるようになるためには,まずもって卒直後に総合的な歯科診療能力の基礎を修得しておかなければなりません.
それには,幅広い知識をきちんと整理して,基本にのっとった確かな技術に熟練することはもちろんですが,医の倫理にもとづいて,医療人の一員としてふさわしい態度や礼儀をしっかりと身につけ,患者さんから信頼されるようにならなければなりません. また,コデンタルスタッフとの協力関係を築くことも大切です.
平成8年6月に歯科医師法の一部改正によって,歯科医師の卒後の臨床研修が制度化されました. 各歯科大学(歯学部)における卒前の臨床実習が必ずしも十分に行われていないとされる現在,この臨床研修は歯科医師としての基盤を養成するためにきわめて重要な意味を持っています.
各臨床研修施設には,それぞれの特徴を生かした研修プログラムが用意されていますが,臨床研修の成果が自らの学ぶ姿勢と努力とに大きく左右されるのは言うまでもありません. そこであらゆる機会をとらえて,指導医に指示・指導を仰ぎつつ,自分から積極的に臨床に取り組んでいくことがなによりも重要です. また研修の進行状況を自ら点検,自己評価して,以後の研修に役立てることも求められます.
本書は,厚生省から発表された「卒後臨床研修目標」をもとに,初期研修に必要とされる総合的な診断・治療の具体的内容を簡潔に,わかりやすく解説したものです.
研修メモ では,患者さんと接した際の臨床ヒント,技術上のワンポイントアドバイスなど,実際の臨床研修に役立つ知識をコンパクトにまとめました.
執筆者には,各分野で教育および臨床経験豊かな先生方にお願いいたしました. チェアーサイドでも気軽に使えるので,ぜひ積極的に利用して下さい. また,大学での臨床実習にも十分活用できる内容となっています.
本書が日々の診療に役立つことを編者一同,心から願っています.
最後に,本書の刊行に尽力いただいた医歯薬出版(株)の編集部に深甚なる感謝の意を表します.
1997年4月
編 者
歯科医師としての心構えと一般的知識/1
1 歯科医師と患者との関係…2
2 診療録(カルテ)とは…4
3 診療録(カルテ)の記載法…7
4 保険診療の基礎知識…10
5 診断書の書き方…12
6 処方箋の書き方…14
7 紹介状の書き方…17
8 歯科技工指示書の書き方…20
9 診療ユニットの取り扱い方…22
10 コデンタルスタッフ…24
11 歯科医療情報の収集と管理…26
12 臨床研修と自己評価…28
基本的診察法/31
13 面接(インタビュー)…32
14 問診のしかた…34
15 バイタルサイン…36
16 視診…38
17 触診・打診…40
18 画像診査…42
19 咬合診査(診断用顎模型を含む)…46
20 臨床検査とその評価…48
21 全身疾患と口腔内所見…50
22 治療計画…52
感染予防/55
23 感染症…56
24 感染予防の基本…58
25 診療器具,器材の消毒・滅菌法…60
歯科領域の麻酔/63
26 局所麻酔法…64
27 精神鎮静法…67
齲蝕・硬組織疾患の基本的治療法/71
28 齲蝕・硬組織疾患の診査法…72
29 罹患歯質はどこまでとるか…74
30 修復法の種類…76
31 光重合型レジン修復…78
32 光硬化型グラスアイオノマーセメント修復…80
33 メタル修復…82
34 セラミック修復…85
35 歯の漂白法…88
36 象牙質知覚過敏症…90
37 くさび状欠損…92
38 小児の歯冠修復処置…94
歯髄・根尖性歯周組織疾患の基本的治療法/97
39 歯髄疾患の鑑別診断…98
40 ラバーダム防湿法…102
41 覆髄法…104
42 断髄法…106
43 抜髄法…108
44 根管の解剖学的特徴…110
45 根管長(作業長)測定法…112
46 細菌培養検査…114
47 感染根管治療…116
48 根管拡大・根管形成…118
49 根管貼薬…120
50 根管充填法…122
51 外科的歯内療法…124
52 小児の歯内療法…126
歯周疾患の基本的治療法/129
53 歯周疾患の診査法…130
54 歯周治療の進め方…133
55 モチベーション…136
56 プラークコントロール…138
57 スケーリングとルートプレーニング…140
58 歯周外科…142
59 咬合調整…144
60 固定法…146
咬合・咀嚼障害の基本的治療法/149
61 基本的診査法…150
62 ブリッジ…153
63 パーシャルデンチャーの設計手順…157
64 全部床義歯…160
65 人工歯排列…164
66 義歯の修理…166
67 義歯のリライニングとリベース…169
68 顎関節症…172
69 小児の咬合誘導…174
70 矯正治療の概要…176
顎・口腔粘膜疾患の基本的治療法/179
71 顎・口腔粘膜疾患の診査・診断…180
72 切開および縫合…183
73 抜歯の適応と禁忌…186
74 抜歯の基本術式…189
75 埋伏智歯の抜歯…193
76 口腔内消炎手術…196
77 小手術の術式…198
78 抗菌剤,鎮痛剤の投与法…200
歯科疾患の予防/205
79 歯科疾患の予防…206
80 齲蝕予防処置…208
81 歯科保健指導…210
82 障害(児)者の歯科診療…212
歯科における救急処置/215
83 救急(緊急)処置法…216
84 救急蘇生法…219
付録/221
1 歯科医師の卒後臨床研修目標と自己評価表
2 ヘルシンキ宣言
3 主な歯科診療点数早見表
4 主な略称
5 ブリッジの適応症例
6 医療保険の種類
7 検査法の種類および正常値
文献/245
索引/249
1 歯科医師と患者との関係…2
2 診療録(カルテ)とは…4
3 診療録(カルテ)の記載法…7
4 保険診療の基礎知識…10
5 診断書の書き方…12
6 処方箋の書き方…14
7 紹介状の書き方…17
8 歯科技工指示書の書き方…20
9 診療ユニットの取り扱い方…22
10 コデンタルスタッフ…24
11 歯科医療情報の収集と管理…26
12 臨床研修と自己評価…28
基本的診察法/31
13 面接(インタビュー)…32
14 問診のしかた…34
15 バイタルサイン…36
16 視診…38
17 触診・打診…40
18 画像診査…42
19 咬合診査(診断用顎模型を含む)…46
20 臨床検査とその評価…48
21 全身疾患と口腔内所見…50
22 治療計画…52
感染予防/55
23 感染症…56
24 感染予防の基本…58
25 診療器具,器材の消毒・滅菌法…60
歯科領域の麻酔/63
26 局所麻酔法…64
27 精神鎮静法…67
齲蝕・硬組織疾患の基本的治療法/71
28 齲蝕・硬組織疾患の診査法…72
29 罹患歯質はどこまでとるか…74
30 修復法の種類…76
31 光重合型レジン修復…78
32 光硬化型グラスアイオノマーセメント修復…80
33 メタル修復…82
34 セラミック修復…85
35 歯の漂白法…88
36 象牙質知覚過敏症…90
37 くさび状欠損…92
38 小児の歯冠修復処置…94
歯髄・根尖性歯周組織疾患の基本的治療法/97
39 歯髄疾患の鑑別診断…98
40 ラバーダム防湿法…102
41 覆髄法…104
42 断髄法…106
43 抜髄法…108
44 根管の解剖学的特徴…110
45 根管長(作業長)測定法…112
46 細菌培養検査…114
47 感染根管治療…116
48 根管拡大・根管形成…118
49 根管貼薬…120
50 根管充填法…122
51 外科的歯内療法…124
52 小児の歯内療法…126
歯周疾患の基本的治療法/129
53 歯周疾患の診査法…130
54 歯周治療の進め方…133
55 モチベーション…136
56 プラークコントロール…138
57 スケーリングとルートプレーニング…140
58 歯周外科…142
59 咬合調整…144
60 固定法…146
咬合・咀嚼障害の基本的治療法/149
61 基本的診査法…150
62 ブリッジ…153
63 パーシャルデンチャーの設計手順…157
64 全部床義歯…160
65 人工歯排列…164
66 義歯の修理…166
67 義歯のリライニングとリベース…169
68 顎関節症…172
69 小児の咬合誘導…174
70 矯正治療の概要…176
顎・口腔粘膜疾患の基本的治療法/179
71 顎・口腔粘膜疾患の診査・診断…180
72 切開および縫合…183
73 抜歯の適応と禁忌…186
74 抜歯の基本術式…189
75 埋伏智歯の抜歯…193
76 口腔内消炎手術…196
77 小手術の術式…198
78 抗菌剤,鎮痛剤の投与法…200
歯科疾患の予防/205
79 歯科疾患の予防…206
80 齲蝕予防処置…208
81 歯科保健指導…210
82 障害(児)者の歯科診療…212
歯科における救急処置/215
83 救急(緊急)処置法…216
84 救急蘇生法…219
付録/221
1 歯科医師の卒後臨床研修目標と自己評価表
2 ヘルシンキ宣言
3 主な歯科診療点数早見表
4 主な略称
5 ブリッジの適応症例
6 医療保険の種類
7 検査法の種類および正常値
文献/245
索引/249