私は,「歯科ほど面白い職業はない」 というのがこの本のコンセプトである,と第1版の冒頭で書いたのを良く覚えている.それが1990年6月と記してあるから,この第2版が刊行される7年も前の記述である.7年という年月は決して短くない.今年(1997年6月),我々の研究所に卒直後の研修医として入所してきた歯科医師たちは,この本の第1版が出版された翌年に歯科大学(歯学部)に入学したことになる.その間,歯科界はその環境も技術も教育システムも大きな変革の渦に巻き込まれてきていた.しかし,実際にその現実を直視し,自己を含めその変革に対応しようとしている歯科医師は少ない.驚くほど楽観的である.むしろ,それを肌で実感しているのが,実は卒業したばかりの若き歯科医師たちなのである.例えば,就職環境,開業の難しさ,患者とそれに伴う収入の激減,そして,制度としての卒直後の在り方,彼らにとってそれらの全てが直面した,しかし,解決しなくてはならない当面の難問ばかりなのである.
歯科を含めた医療環境は,医療費の抑制政策を引き合いに出すまでもなく,間違いなく悪くなる方向に進んでいる.社会の成熟過程では医療は正義であり,最も華やかで,人々の仰望の対象とされてきた.しかし,社会が成熟を成し遂げ,成熟したが故のさまざまな矛盾や不公平が露呈してくると,社会はむしろ,今まで仰望されてきた対象を敵視するようになる.あたかも,それが現在の社会悪の根元であるかのような論調を張ることとなる.役人の腐敗もその結果としての社会悪であり,環境破壊も成熟を支えてきた「快適」さへの代償であったことに社会は気がつくこととなる.そして,我々の信じてきた医療も,実はそれを糧にしてきた人にしか理解できないイントレラントな価値観で何とかやり過ごしてきたのにすぎないことを,医療人としての我々は身をもって実感させられることになる.
しかし,私は7年前に,この本の冒頭で書いた「歯科ほど面白い職業はない」という考えを取り下げる気持ちは全くない.むしろ,この7年間でいよいよその感を強くしている.
何故だろう?
それは,我々を取りまく医療環境の悪化を差し引いても余りある魅力が歯科医療にはあるからに他ならない.例えば,インプラントの進歩を見て欲しい.7年前では,現在のインプラントの普及など考えも及ばなかった.そして,インプラントを取りまく技術開発,研究の成果は他の科学技術分野をも凌駕するほど目覚ましいものがある.歯周病領域でも補綴分野でも,歯科医療全般でその傾向は全く揺るぎないものとなってきている.
この第2版では,現在(いま)を多方向から捉えて,第1版より専門性を重視した.
それは,上述したとおり,歯科における技術開発,その応用が目覚ましいばかりでなく,卒直後の若き歯科医師にとって,なるべく早い時期にそれらを理解し,技術の修得の目標にしっかりと据えておく必要性を実感したからである.
しかし,専門性を重視したからといってこの本の「使い方」は第1版と特別の変化はない.従来どおり2年間での研修を前提に編集してはあるが,その期間にこだわる必要はないだろう.この本を利用する若き歯科医師たちは,なるべく早く自分が生涯に亘って興味を持ち続けられるテーマを見つけて欲しいと思う.だから,あまりに基礎トレーニングにこだわりすぎてそれを見過ごすぐらいなら,まず,歯科医師としてのアイデンティティーを持ったほうが,これからの社会には適応しやすいと我々は考えている.これも7年前とは異なった考え方と言えよう.
前述したとおり,この第2版では専門性,あるいは最新の情報の提供を重要視した.そのため,今回は第1版の著者に加え,多くの専門家にも参画をお願いした.その結果,第1版ではどうしても言い尽くせなかった臨床の「背景」のようなものにかなり言及できたものと思う.しかし,専門性が強いが故の 「堅さ」 はできるだけ排除して,この本の持つ分かりやすさを前提とした「雰囲気」みたいなものは損なわないように工夫したつもりである.そんな,やっかいな仕事をお引き受け頂いた多くの著者の先生方に心よりお礼申し上げたい.
そして,最後になるが,卒直後の教育に私とともに長い間尽力してきてくれた荒木久生明海大学歯学部講師(PDI↑*↑ 埼玉歯科診療所副所長),申 基 明海大学歯学部講師(同医局長)にもこの第2版では編集者として,より若い感覚で編集に取り組んでもらった.その成果が読者に満足して頂けることを期待してやまない.
歯科を含めた医療環境は,医療費の抑制政策を引き合いに出すまでもなく,間違いなく悪くなる方向に進んでいる.社会の成熟過程では医療は正義であり,最も華やかで,人々の仰望の対象とされてきた.しかし,社会が成熟を成し遂げ,成熟したが故のさまざまな矛盾や不公平が露呈してくると,社会はむしろ,今まで仰望されてきた対象を敵視するようになる.あたかも,それが現在の社会悪の根元であるかのような論調を張ることとなる.役人の腐敗もその結果としての社会悪であり,環境破壊も成熟を支えてきた「快適」さへの代償であったことに社会は気がつくこととなる.そして,我々の信じてきた医療も,実はそれを糧にしてきた人にしか理解できないイントレラントな価値観で何とかやり過ごしてきたのにすぎないことを,医療人としての我々は身をもって実感させられることになる.
しかし,私は7年前に,この本の冒頭で書いた「歯科ほど面白い職業はない」という考えを取り下げる気持ちは全くない.むしろ,この7年間でいよいよその感を強くしている.
何故だろう?
それは,我々を取りまく医療環境の悪化を差し引いても余りある魅力が歯科医療にはあるからに他ならない.例えば,インプラントの進歩を見て欲しい.7年前では,現在のインプラントの普及など考えも及ばなかった.そして,インプラントを取りまく技術開発,研究の成果は他の科学技術分野をも凌駕するほど目覚ましいものがある.歯周病領域でも補綴分野でも,歯科医療全般でその傾向は全く揺るぎないものとなってきている.
この第2版では,現在(いま)を多方向から捉えて,第1版より専門性を重視した.
それは,上述したとおり,歯科における技術開発,その応用が目覚ましいばかりでなく,卒直後の若き歯科医師にとって,なるべく早い時期にそれらを理解し,技術の修得の目標にしっかりと据えておく必要性を実感したからである.
しかし,専門性を重視したからといってこの本の「使い方」は第1版と特別の変化はない.従来どおり2年間での研修を前提に編集してはあるが,その期間にこだわる必要はないだろう.この本を利用する若き歯科医師たちは,なるべく早く自分が生涯に亘って興味を持ち続けられるテーマを見つけて欲しいと思う.だから,あまりに基礎トレーニングにこだわりすぎてそれを見過ごすぐらいなら,まず,歯科医師としてのアイデンティティーを持ったほうが,これからの社会には適応しやすいと我々は考えている.これも7年前とは異なった考え方と言えよう.
前述したとおり,この第2版では専門性,あるいは最新の情報の提供を重要視した.そのため,今回は第1版の著者に加え,多くの専門家にも参画をお願いした.その結果,第1版ではどうしても言い尽くせなかった臨床の「背景」のようなものにかなり言及できたものと思う.しかし,専門性が強いが故の 「堅さ」 はできるだけ排除して,この本の持つ分かりやすさを前提とした「雰囲気」みたいなものは損なわないように工夫したつもりである.そんな,やっかいな仕事をお引き受け頂いた多くの著者の先生方に心よりお礼申し上げたい.
そして,最後になるが,卒直後の教育に私とともに長い間尽力してきてくれた荒木久生明海大学歯学部講師(PDI↑*↑ 埼玉歯科診療所副所長),申 基 明海大学歯学部講師(同医局長)にもこの第2版では編集者として,より若い感覚で編集に取り組んでもらった.その成果が読者に満足して頂けることを期待してやまない.
上巻
1 患者と接する……2
患者とは何か? ―― 患者は歯科医に何を求めているのか?……2
歯科医療へのイメージが大きく変わろうとしている/2
患者と接する/3
患者の訴えを診断する/5
カルテ(診療録)を書く……7
カルテ(診療録)は公文書である/7
院内感染を予防する……11
歯科診療における院内感染の経路/11
歯科臨床における滅菌と消毒の実際/11
HIVとHBV・HCV/14
2 カリエスの処置……16
歯の構造を知る……16
接着修復を知る/18
的確なう蝕象牙質除去のテクニック……19
窩洞形成の手順を踏む/19う蝕検知液を応用する/19
正しい修復材料を選ぶ/21歯髄保護と仮封の実際/22
歯を削る――歯科医療の出発点……25
タービン入門/25
手用切削器具を使う/26
各種回転切削器具の用途を知る/27
窩洞形成の実際とポイント……29
接着性修復材,合着材による窩洞形成(主にコンポジットレジン修復)◆
前歯歯頚部/29
前歯隣接面/29
臼歯歯頚部の楔状欠損/29
臼歯咬合面/30
臼歯隣接面/30
前歯のコンポジットレジン充填のテクニック/32
3 歯科麻酔学入門……34
麻酔を打つ――その両刃の剣……34
まず,解剖学と三叉神経の分布をおさらいしてみよう/34
局所麻酔剤の特性を知る/36
伝達麻酔のテクニック/37
アナフィラキシーショック/38
笑気吸入鎮静法の実際……39
笑気吸入鎮静法とは/39
笑気吸入鎮静法の注意事項/39
デンタルショックとその対応……40
4 歯髄の処置……44
デンタルX線写真を読む……44
歯髄の臨床診断の実際とデンタルX線写真/44
よいデンタルX線写真を撮る/46
知覚過敏症への対応……48
知覚過敏症とは/48
ラバーダムのテクニック……50
なぜラバーダムが必要か? 歯髄処置の成否を握るラバーダム/50
ラバーダムのテクニック/50
確実な抜髄操作をマスターする……52
チャンバーオープン――まず根管口の位置を頭に描く/52
抜髄操作の手順を確実に覚える/54
感染根管の処置……56
感染根管治療の難症例/56
根管充填のテクニック……57
根管充填のチャンスを見逃すな/57
アペキシフィケーション(apexification)とは/61
細菌培養試験は絶対か ―― 細菌培養試験の実際/61
エンドの臨床症状に的確に対応する……62
エンドの薬剤を知る――この限りなき細菌との戦い/62
エンドドンティックサージェリーとは/64
5 歯周治療入門……66
歯肉をどうみるか?……66
ペリオの診査/68
ペリオの診査に使用するチャート/73
歯周治療の一般的な流れ……74
急性のペリオの対応を知る……75
プラークコントロールへのアプローチ……76
モチベーションの実際/76
オーレリーのプラークコントロールレコードの臨床応用/77
メインテナンスとその管理/78
超音波スケーラーの機能を知る……81
超音波スケーラーの原理/81
超音波スケーラーの適応症を知る/82
超音波スケーラーの臨床テクニック/82
グレーシーのスケーラーを使いこなす……83
キュレットタイプが代表的なグレーシーのスケーラーだ/83
確実なシャープニングをマスターする/83
ルートプレーニングのテクニック――歯周治療の要……85
ルートプレーニングの原理を知る/85
ルートプレーニングの基本テクニック/86
6 簡単な口腔外科手術……90
抜歯学入門……90
いよいよ抜歯を始める―― 抜歯の心構え/90
抜歯の武器を使いこなす――2つの神器・鉗子とエレベーター/91
切開と縫合のテクニックをマスターする/94
術後の対応/98
埋伏智歯の抜歯に挑戦する……99
歯根尖切除術のテクニック……100
ヘミセクションのテクニック……102
ヘミセクションとは/102
ヘミセクションのテクニック/102
投薬の実際……103
小児の投薬の実際……105
7 咬合の基礎……107
咬合をむずかしく考えてはいけない.要は,患者がよく噛めるようにするための学問と心得るべし……107
咬合を知りたくば,まず歯を知れ/107
咀嚼筋の役割を知る/108
偏心運動とはなんだろう/109
偏心運動は咬合様式を決定する/110
中心位の概念を知る……111
下顎位(Mandibular position)/111
中心位(Centric relation)/111
8 顎関節とその周辺……113
顎関節とその周辺を知る……113
開閉口時における関節円板と下顎頭の位置……116
顎関節のX線診断……117
撮影法/117
顎関節形態の変化/121
顎関節内障/121
9 咬合の診査……122
咬合診査の方法とその適応を知る――咬合診査を日常臨床に活用する……122
口腔内診査は咬合診査の基本/122
筋触診法をマスターする(クロポールセンの方法)/126
10 咬合器を使いこなす……128
咬合器の多様な機能を知る……128
臨床的な咬合器の使い方/129
パントグラフトレーシングの実際(ディナーパントグラフ)/130
全調節性咬合器の調整方法(ディナー SE咬合器)/131
フェイスボウトランスファーのテクニック……134
フェイスボウトランスファーの実際/134
11 小児の歯科治療……138
乳歯列完成まで―― 生後約6カ月〜3歳になる頃まで……138
咬合管理/138
う蝕予防/139
う蝕治療/140
乳歯列期(約3歳〜6歳頃まで)……140
咬合管理/140
う蝕予防/141
う蝕治療/141
混合歯列期(約6歳〜12歳頃まで)……147
咬合管理/147
う蝕予防および治療/148
12 歯冠補綴へのアプローチ 〈1〉 支台築造……151
支台築造の実際/154
13 歯冠補綴へのアプローチ 〈2〉 プロビジョナルレストレーション……161
プロビジョナルレストレーションの意義……161
プロビジョナルレストレーションに求められる条件……162
プロビジョナルレストレーションの作製法……162
直接法によるプロビジョナルレストレーションの作製……163
14 歯冠補綴へのアプローチ 〈3〉 ペリオと補綴……170
ペリオと補綴,この両者の深い関係を知る……170
補綴にさいし,なぜ歯周治療を優先させなくてはいけないのか/170
15 歯冠補綴のテクニック……174
支台歯形成の基本……174
バーの使い方とプレパレーションのデザインを熟知する/174
フルキャストクラウンのテクニック……177
フルキャストクラウンのプレパレーション/177
寒天+アルジネート印象材の連合印象をマスターする/178
フルキャストクラウンの咬合採得/180
フェイスボウトランスファー/181
単冠のフルキャストクラウンに使う咬合器/181
フルキャストクラウンの調整と装着まで/182
パーシャルベニアクラウンのプレパレーションのテクニック……183
上顎4/5冠/183
下顎4/5冠/185
上顎7/8冠/187
犬歯ハーフクラウン/189
クラウンブリッジの圧排と印象のテクニック……191
圧排とダブルユーセージテクニック/191
ハイドロコロイドによる全顎印象の前準備/192
ハイドロコロイドによる全顎印象/193
索引/巻末
下巻
16 欠損補綴へのアプローチ……202
欠損補綴の診断と治療計画/202
欠損補綴のコンサルティングのノウハウを知る/206
17 欠損補綴〈1〉ブリッジのテクニック……208
ブリッジの適応症を知る/208
ブリッジの臨床テクニック/211
ブリッジの咬合採得,チェックバイトをマスターする/213
18 欠損補綴〈2〉パーシャルデンチャーをつくる……218
現在の状態を的確に知る(診査)/218
パーシャルデンチャーを設計してみよう/219
義歯の動揺に対策を立てる/225
パーシャルデンチャー完成までのプロセスを知る/226
人工歯を知る/231
人工歯配列のテクニック/232
パーシャルデンチャーの咬合/232
パーシャルデンチャーの装着,調整とアフターケア/233
パーシャルデンチャーの経時的変化への対応/235
19 フルデンチャーのテクニック……236
高齢化社会とフルデンチャー/236
フルデンチャーにおける難症例/251
20 ペリオをより深く学ぶ……255
歯周外科に挑戦する/255
暫間固定のテクニック/275
21 簡単な MTM……279
MTMの適応条件を熟知する/279
22 咬合をより深く学ぶ……292
咬合分析の日常応用/291
23 顎関節症とは――この現代病を知る……297
複雑な顎関節症の病態を分析する/297
24 高度な補綴を学ぶ――コーヌスクローネ……313
コーヌステレスコープによる欠損補綴のテクニック/313
25 歯科審美学入門……319
観念的だが,患者が最も欲しているもの/319
歯肉の審美回復のテクニック/322
前歯の審美補綴のテクニック/323
26 審美歯周外科のテクニック……329
歯周における審美とは/329
27 総合的な治療計画を立てる……340
病名をすべてピックアップしてみよう/340
総合治療計画の実際例 ―― イニシャルプレパレーションから咬合の再構成まで/343
28 難症例に挑戦する……348
難症例とは何か/348
身障者の歯科治療/351
定義 ―― 心身障害者とは/352
口腔難症例に対する中国医薬の応用/357
29 口腔粘膜疾患と舌への対応……370
口腔粘膜疾患の診察をするときは口腔内科医であれ/370
舌の疾患と口腔外科的処置/376
30 外傷の応急処置のノウハウ……378
処置可能な外傷かどうか,迅速に判断せよ/378
抜いたら元には戻せない.抜歯の前に保存の道を考えよ/381
骨折の治療は咬合関係の回復に主眼をおく/383
31 インプラントの臨床応用……384
インプラントの現状をよく理解する/384
インプラント手術の準備/386
インプラントの臨床テクニックを知る/388
32 開業をめざして ―― 歯科医院経営概論……402
歯科医院経営を取り巻く諸環境の変化/402
歯科医院経営の仕組み/403
独習への道しるべ……410
索引/巻末
1 患者と接する……2
患者とは何か? ―― 患者は歯科医に何を求めているのか?……2
歯科医療へのイメージが大きく変わろうとしている/2
患者と接する/3
患者の訴えを診断する/5
カルテ(診療録)を書く……7
カルテ(診療録)は公文書である/7
院内感染を予防する……11
歯科診療における院内感染の経路/11
歯科臨床における滅菌と消毒の実際/11
HIVとHBV・HCV/14
2 カリエスの処置……16
歯の構造を知る……16
接着修復を知る/18
的確なう蝕象牙質除去のテクニック……19
窩洞形成の手順を踏む/19う蝕検知液を応用する/19
正しい修復材料を選ぶ/21歯髄保護と仮封の実際/22
歯を削る――歯科医療の出発点……25
タービン入門/25
手用切削器具を使う/26
各種回転切削器具の用途を知る/27
窩洞形成の実際とポイント……29
接着性修復材,合着材による窩洞形成(主にコンポジットレジン修復)◆
前歯歯頚部/29
前歯隣接面/29
臼歯歯頚部の楔状欠損/29
臼歯咬合面/30
臼歯隣接面/30
前歯のコンポジットレジン充填のテクニック/32
3 歯科麻酔学入門……34
麻酔を打つ――その両刃の剣……34
まず,解剖学と三叉神経の分布をおさらいしてみよう/34
局所麻酔剤の特性を知る/36
伝達麻酔のテクニック/37
アナフィラキシーショック/38
笑気吸入鎮静法の実際……39
笑気吸入鎮静法とは/39
笑気吸入鎮静法の注意事項/39
デンタルショックとその対応……40
4 歯髄の処置……44
デンタルX線写真を読む……44
歯髄の臨床診断の実際とデンタルX線写真/44
よいデンタルX線写真を撮る/46
知覚過敏症への対応……48
知覚過敏症とは/48
ラバーダムのテクニック……50
なぜラバーダムが必要か? 歯髄処置の成否を握るラバーダム/50
ラバーダムのテクニック/50
確実な抜髄操作をマスターする……52
チャンバーオープン――まず根管口の位置を頭に描く/52
抜髄操作の手順を確実に覚える/54
感染根管の処置……56
感染根管治療の難症例/56
根管充填のテクニック……57
根管充填のチャンスを見逃すな/57
アペキシフィケーション(apexification)とは/61
細菌培養試験は絶対か ―― 細菌培養試験の実際/61
エンドの臨床症状に的確に対応する……62
エンドの薬剤を知る――この限りなき細菌との戦い/62
エンドドンティックサージェリーとは/64
5 歯周治療入門……66
歯肉をどうみるか?……66
ペリオの診査/68
ペリオの診査に使用するチャート/73
歯周治療の一般的な流れ……74
急性のペリオの対応を知る……75
プラークコントロールへのアプローチ……76
モチベーションの実際/76
オーレリーのプラークコントロールレコードの臨床応用/77
メインテナンスとその管理/78
超音波スケーラーの機能を知る……81
超音波スケーラーの原理/81
超音波スケーラーの適応症を知る/82
超音波スケーラーの臨床テクニック/82
グレーシーのスケーラーを使いこなす……83
キュレットタイプが代表的なグレーシーのスケーラーだ/83
確実なシャープニングをマスターする/83
ルートプレーニングのテクニック――歯周治療の要……85
ルートプレーニングの原理を知る/85
ルートプレーニングの基本テクニック/86
6 簡単な口腔外科手術……90
抜歯学入門……90
いよいよ抜歯を始める―― 抜歯の心構え/90
抜歯の武器を使いこなす――2つの神器・鉗子とエレベーター/91
切開と縫合のテクニックをマスターする/94
術後の対応/98
埋伏智歯の抜歯に挑戦する……99
歯根尖切除術のテクニック……100
ヘミセクションのテクニック……102
ヘミセクションとは/102
ヘミセクションのテクニック/102
投薬の実際……103
小児の投薬の実際……105
7 咬合の基礎……107
咬合をむずかしく考えてはいけない.要は,患者がよく噛めるようにするための学問と心得るべし……107
咬合を知りたくば,まず歯を知れ/107
咀嚼筋の役割を知る/108
偏心運動とはなんだろう/109
偏心運動は咬合様式を決定する/110
中心位の概念を知る……111
下顎位(Mandibular position)/111
中心位(Centric relation)/111
8 顎関節とその周辺……113
顎関節とその周辺を知る……113
開閉口時における関節円板と下顎頭の位置……116
顎関節のX線診断……117
撮影法/117
顎関節形態の変化/121
顎関節内障/121
9 咬合の診査……122
咬合診査の方法とその適応を知る――咬合診査を日常臨床に活用する……122
口腔内診査は咬合診査の基本/122
筋触診法をマスターする(クロポールセンの方法)/126
10 咬合器を使いこなす……128
咬合器の多様な機能を知る……128
臨床的な咬合器の使い方/129
パントグラフトレーシングの実際(ディナーパントグラフ)/130
全調節性咬合器の調整方法(ディナー SE咬合器)/131
フェイスボウトランスファーのテクニック……134
フェイスボウトランスファーの実際/134
11 小児の歯科治療……138
乳歯列完成まで―― 生後約6カ月〜3歳になる頃まで……138
咬合管理/138
う蝕予防/139
う蝕治療/140
乳歯列期(約3歳〜6歳頃まで)……140
咬合管理/140
う蝕予防/141
う蝕治療/141
混合歯列期(約6歳〜12歳頃まで)……147
咬合管理/147
う蝕予防および治療/148
12 歯冠補綴へのアプローチ 〈1〉 支台築造……151
支台築造の実際/154
13 歯冠補綴へのアプローチ 〈2〉 プロビジョナルレストレーション……161
プロビジョナルレストレーションの意義……161
プロビジョナルレストレーションに求められる条件……162
プロビジョナルレストレーションの作製法……162
直接法によるプロビジョナルレストレーションの作製……163
14 歯冠補綴へのアプローチ 〈3〉 ペリオと補綴……170
ペリオと補綴,この両者の深い関係を知る……170
補綴にさいし,なぜ歯周治療を優先させなくてはいけないのか/170
15 歯冠補綴のテクニック……174
支台歯形成の基本……174
バーの使い方とプレパレーションのデザインを熟知する/174
フルキャストクラウンのテクニック……177
フルキャストクラウンのプレパレーション/177
寒天+アルジネート印象材の連合印象をマスターする/178
フルキャストクラウンの咬合採得/180
フェイスボウトランスファー/181
単冠のフルキャストクラウンに使う咬合器/181
フルキャストクラウンの調整と装着まで/182
パーシャルベニアクラウンのプレパレーションのテクニック……183
上顎4/5冠/183
下顎4/5冠/185
上顎7/8冠/187
犬歯ハーフクラウン/189
クラウンブリッジの圧排と印象のテクニック……191
圧排とダブルユーセージテクニック/191
ハイドロコロイドによる全顎印象の前準備/192
ハイドロコロイドによる全顎印象/193
索引/巻末
下巻
16 欠損補綴へのアプローチ……202
欠損補綴の診断と治療計画/202
欠損補綴のコンサルティングのノウハウを知る/206
17 欠損補綴〈1〉ブリッジのテクニック……208
ブリッジの適応症を知る/208
ブリッジの臨床テクニック/211
ブリッジの咬合採得,チェックバイトをマスターする/213
18 欠損補綴〈2〉パーシャルデンチャーをつくる……218
現在の状態を的確に知る(診査)/218
パーシャルデンチャーを設計してみよう/219
義歯の動揺に対策を立てる/225
パーシャルデンチャー完成までのプロセスを知る/226
人工歯を知る/231
人工歯配列のテクニック/232
パーシャルデンチャーの咬合/232
パーシャルデンチャーの装着,調整とアフターケア/233
パーシャルデンチャーの経時的変化への対応/235
19 フルデンチャーのテクニック……236
高齢化社会とフルデンチャー/236
フルデンチャーにおける難症例/251
20 ペリオをより深く学ぶ……255
歯周外科に挑戦する/255
暫間固定のテクニック/275
21 簡単な MTM……279
MTMの適応条件を熟知する/279
22 咬合をより深く学ぶ……292
咬合分析の日常応用/291
23 顎関節症とは――この現代病を知る……297
複雑な顎関節症の病態を分析する/297
24 高度な補綴を学ぶ――コーヌスクローネ……313
コーヌステレスコープによる欠損補綴のテクニック/313
25 歯科審美学入門……319
観念的だが,患者が最も欲しているもの/319
歯肉の審美回復のテクニック/322
前歯の審美補綴のテクニック/323
26 審美歯周外科のテクニック……329
歯周における審美とは/329
27 総合的な治療計画を立てる……340
病名をすべてピックアップしてみよう/340
総合治療計画の実際例 ―― イニシャルプレパレーションから咬合の再構成まで/343
28 難症例に挑戦する……348
難症例とは何か/348
身障者の歯科治療/351
定義 ―― 心身障害者とは/352
口腔難症例に対する中国医薬の応用/357
29 口腔粘膜疾患と舌への対応……370
口腔粘膜疾患の診察をするときは口腔内科医であれ/370
舌の疾患と口腔外科的処置/376
30 外傷の応急処置のノウハウ……378
処置可能な外傷かどうか,迅速に判断せよ/378
抜いたら元には戻せない.抜歯の前に保存の道を考えよ/381
骨折の治療は咬合関係の回復に主眼をおく/383
31 インプラントの臨床応用……384
インプラントの現状をよく理解する/384
インプラント手術の準備/386
インプラントの臨床テクニックを知る/388
32 開業をめざして ―― 歯科医院経営概論……402
歯科医院経営を取り巻く諸環境の変化/402
歯科医院経営の仕組み/403
独習への道しるべ……410
索引/巻末