改訂にあたって

　最近，歯科用語の確立により，新語彙，新意義などの不足を感じていたところ，前編集委員の勧めもあり，今回の改訂を引きうけた次第です．進行途上においていろいろの問題に直面しましたが，前編集委員の温情のこもった激励により，1年半近くかかり，やっと発行までこぎつけることが出来ました．
　改訂に際しては新語彙の採録，訳語の刷新に努めると共に，特に今回は従来の優れた特徴を一層発展させ，引きやすく，使いやすくすることを目標としました．縦判にし，独語に性をつけ，各科の語句配列に新しい工夫を加えたことは，歯科麻酔学の補充と共に利用範囲が広まったものと信じます．まだ歯科用語が完全に統一されていない現在，不充分な点が多々あることと思いますが，これは次回の編集委員の改訂を期待してやみません．
　なお，前編委員の方々のご協力に感謝すると共に，ご氏名は略させていただきますが，語彙の検討，校正などの数々の繁雑な仕事に貴重な時間をさいて下さった諸先生方のご援助に対して，ここに心からお礼申し上げます．最後に私共の無理な注文に理解と協力を惜しまれなかった医歯薬出版株式会社の皆様に感謝致します．
　昭和41年6月
　編集委員　東　光夫，石黒慶一，太田忠興，木村興雄，小野　繁，小野富昭，笹山隆男，野口規久男，早川　巌，坂東永一，茂木健司，又吉道子

改訂のことば

　前編集委員の方々がこの本を改訂されてから，早くも30年の月日が流れました．前編集委員からの勧めもあって，今回の改訂を引き受けることになりました．それから1年かかってやっと発刊にたどりつくことができました．
　改訂を行うにあたって，30年の時間の流れのなかで不必要になったもの（特にドイツ語）を削り，ただむやみに用語をのせることに意味を見いだすのではなく，実際に臨床実習を行っている私たちが，治療の流れにそって用語を集めることに意義があると考えました．というのも現在，多くの歯科用語集や辞書などがすでに存在し，ただ単に日本語と外国語の比較をするならば，そちらの方がはるかにすぐれていると思われるからです．
　今回の改訂はかなりの変更を加えたため，前編集委員の方々からみるとまるで別の本とお思いになるかもしれませんが，30年という時間があまりにも長すぎたということでご理解いただきたいと思います．また次回の改訂を行う編集委員のみなさんも歴史や過去にとらわれず，そのときそのときに適合した改訂を行っていただければよいと信じています．
　最後に，今回の改訂にかかわったすべての方々に，心から感謝いたします．
　1996年10月
　編集委員
　出口　繁，河合桐男，黒原一人，小林宏明，古屋純一

改訂のことば

　発行以来長らく御愛用戴きました歯科用語集も第9刷を数え，各方面，ことに前編集委員よりの強い要望に応えて今度改訂に着手した次第です．歯科用語の確立も着々進められている折から改訂により一層正確かつ充実したものに出来ればと考え，新たな熱意と責任を感じました．
　改訂に当りましては根本的かつ徹底的な討論を重ね，従来の用語集の改訂に努力する一方，新たに矯正学ならびに小児歯科学用語を補充致しました．また索引の採用により本集の機動性を倍加出来たものと信じます．まだ不十分な点が多々あるものと思いますが，これにつきましては次回編集委員に大いに期待して止みません．
　終りに第1回編集委員のご尽力に敬意を表するとともに，今回の改訂に当り御協力を賜りました東医歯大歯学部長中沢先生はじめ諸先生方，諸先輩並びに医歯薬出版株式会社の皆様に深く感謝致します．
　昭和37年9月
　編集委員　小沢　実，坂本征三郎，佐藤孝史，佐藤敏郎，柴崎好伸，進来晋二，杉森孝志，中川健三，中島民雄，布施信義

はじめに

　〔1〕この本は歯学部の学生が臨床に出た時に日常使う用語を編集したものです．
　〔2〕記載の順序は原則として次の通りです．
　日本語英語ドイツ語ラテン語
　〔3〕予診の項は東京医科歯科大学予診室において現在行なわれている予診要領，記載方法をまとめたものです．
　〔4〕歯科学術用語がまだ正式に定められていませんので，ここに集めた用語は暫定的なものです．
　〔5〕短期間でまとめたため不備な点もあることと思います．
　次版の編者に改訂を期待しております．
　〔6〕原稿を作るにあたり，種々ご配慮，ご指導下さった諸先生方，先輩および出版の面倒をみて下さった医歯薬出版株式会社の方々に厚くお礼申しあげます．
　1960年6月　編集委員
　東京医科歯科大学
　歯学部三年
　堀内　博
　宮武光吉
　森　弘子