やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

Foreword
 This book written by Dr.Hirooka is the result of 30-years accumulated knowledge of periodontal and peri-implant disease,and the clinical application in the treatment of our patients.
 It is30years ago,in fact,that Dr.Hirooka and I received specialist degrees in Periodontology under professors Jan Lindhe and Jan Wennstrom of Goteborg University.In our specialist education,we studied the Swedish approach to the clinical practice based on research findings.Further we learned a concept of treatment planning,not focusing on the single tooth but looking to the mouth as a unit; the different steps of periodontal treatment: treat-evaluate-maintain,focusing on periodontal infection control.Over the30years that have followed,we have continued to work with our patients updating our treatment based on the latest research findings.
 This book is a comprehensive description of different periodontal cases.With the help of clinical photos,diagrams and tables the reader can find,not only the clinical solutions to different problems,but also the scientific rationale that supports these solutions.The purpose of this book is not to present technical solutions that often are operator or material sensitive,but to give the readers the rationale and biological background to approach the clinical problems using their own techniques or instruments.
 The readers will be guided in the Swedish approach to the treatment of periodontal disease and understand why an Italian periodontist such as myself and one from Japan,Dr Hirooka,can have the same approach to the treatment of periodontal disease.
 I hope you enjoy this book!
 Head of the Depertment of Periodontology,Public Dental Service,Boras Hospital,Sweden
 Giovanni Serino,D.D.S.,M.Sc.,Ph.D.

 今回の弘岡先生の著書は,30年にわたる歯周病やインプラント周囲病変に関する知識の蓄積と,それらを患者さんの治療に活かすための臨床応用の成果です.
 私と弘岡先生がイエテボリ大学のJan Lindhe教授とJan Wennstrom教授のもとで歯周病専門医と学位を取得したのは実に今から30年前のことです.イエテボリ大学での専門教育では,われわれは研究成果に基づいたスウェーデン式の臨床的アプローチを学びました.さらに,1本の歯に焦点を当てるのではなく,口腔内を1つの単位としてとらえた治療計画の考え方や,歯周病の感染コントロールに焦点を当てた歯周治療における「治療・評価・維持」という各ステップについても学びました.
 以来,30年以上にわたり,最新の研究成果に基づいて治療法を更新しながら,患者さんと向き合ってきました.本書は,さまざまな歯周病の症例を網羅的に解説しています.臨床写真,図表の提示により,読者はさまざまな問題に対する臨床的な解決策だけでなく,その解決策を支える科学的な根拠も知ることができるでしょう.
 この本の目的は,術者や材料の影響を受けやすい技術的な解決策を提示することではなく,読者が自分の技術や器具を使って臨床的な問題にアプローチするための根拠や生物学的背景を提供することです.
 読者は,歯周病治療に対するスウェーデン式のアプローチに導かれ,なぜ私のようなイタリアの歯周病専門医と弘岡先生のような日本の歯周病専門医が,同じアプローチで歯周治療を行うことができるのかを納得することができるでしょう.
 スウェーデン・ボロースホスピタルスペシャリストクリニック歯周病科
 主任・研究員
 Giovanni Serino,D.D.S.,M.Sc.,Ph.D.


Preface
 1986年4月,ペンシルベニア大学歯学部の地下教室で(後にわかったことだがその教室はイエテボリ大学歯学部の教室をそのまま移設したものだった),当時同大の歯学部部長であったJan Lindhe教授の講義をはじめて聞いた日のことをよく覚えています.
 講義の多くは,自身の教室で行われた研究結果の解説で,講義後,「なぜこんなにも多くの研究をご自身の教室で行っているのですか?」と尋ねた僕に,教授は「私には,大学で学ぶ歯学生,大学院生,歯科衛生士・歯科技工士が将来患者に対応するときに最良の治療方法を提供できるよう教育する責任がある.つまりは,自分たちが経験してきた多くの治療法のなかから,あるいは新しい知見のなかから最善の方法を見いだすために研究を行う必要がある」と答えました.僕は,Lindhe教授の下で臨床歯科学を学び直す決断をしました.
 スカンジナビアの歯周治療学は,臨床上の試行錯誤に拠るのではなく,科学的根拠に基づいた概念とアプローチを本格的に受け入れた学問体系として発展してきました.1965年にLoeらがプラークと歯周病の真の因果関係を解明して以降,歯周病における「スカンジナビアンアプローチ」は感染(炎症)のコントロールを目標としてきました.その後,Lindhe教授をはじめとするスカンジナビアの研究者グループにより,プラークコントロールを主体とした非外科処置,適切な外科処置,抗菌薬の付加的な応用に加え,サポーティブセラピー(SPT)によって歯周組織の改善と安定が図られることが明らかになりました.さらには,感染除去後に支持組織あるいは固定源が十分でない症例に対する矯正治療,残存する少数歯また歯周支持組織を維持し審美・機能性を回復するための歯周補綴なども応用され,現在では,抜歯が避けられない重度歯周炎症例に対しても歯周組織再生療法により歯の保存が可能になり,歯周病で歯を失った歯列にはデンタルインプラントが応用されるようになっています.これらLindhe教授の下で学んだ「スカンジナビアンアプローチ」を30年近く日本の診療室で忠実に実践してきて,この治療概念はエビデンスに基づいた真に患者主体のものであると確信しました.
 前著『Dr.弘岡に訊く 臨床的ペリオ講座1・2』(医歯薬出版)では,テーマごとに1編のエビデンスを紹介するとともに,エビデンスに沿って治療をした臨床例を提示しました.しかしながら,初版から10年が経過し,新しいエビデンスや治療技術の進歩により改訂の必要性を感じていました.そこで,この2冊を包括した本書では,この間に出された多くの論文から,日常臨床に必要な,これからの「ゴールドスタンダード」となる論文を選定し,新たに解説を加えました.また,前著で紹介した症例のその後の経過も可能な限り紹介し,著者が30年にわたって実践してきたスカンジナビアンアプローチに基づく長期症例を提示し,選択した治療方法のバックグラウンドになるエビデンスについて詳説しました.
 大きな改訂点としては,この10年の間に日常臨床で応用する機会が多くなった歯周組織再生療法,歯周病患者におけるインプラント治療の記載を充実させたことが挙げられます.特に7章「歯周病患者のインプラント治療」は古くからの友人でもあるスウェーデン・クリスチャンスタード大学のStefan Renvert教授に共同執筆をお願いしました.本著が患者に寄り添った「スカンジナビアンアプローチ」の実践にすこしでも役に立てたら幸いです.
 2021年秋,沖縄県中頭郡読谷村 星のや沖縄にて
 弘岡秀明

 ※本著で紹介されている症例の補綴装置はラボラトリースウェーデンデンタルセンター・七五三泰彦,およびフェスタデンタルテクノロジー・山口芳正両技工士の製作です.出版にあたって多くの時間をともに過ごした医歯薬出版の山ア聡子さん,スウェーデンデンタルセンターの折居雄介先生,弘岡明夢先生に感謝いたします.
 Foreword
 Preface
 本書を読む前に
 歯周病の新分類
1章 歯周病を知る
 1.正常な歯周組織とはどのようなものか
  「正常」と「健康」の違い
  歯周組織―Periodontium
  歯肉―Gingiva
  歯根セメント質―Root cementum
  固有歯槽骨―Alveolar bone proper
  歯周靱帯―Periodontal ligament
  Column 正常な歯周組織像の説明で用いられる図は,下顎の頬舌的な断面が多いのはなぜ?
 2.歯周組織はどのように発生するのか
  歯冠部の発生
  歯周組織の発生
  Column 発生機序の研究から生まれたエムドゲイン療法
 3.歯肉炎と歯周炎,何が違うのか
  歯周病とは
  バイオフィルムとは
  歯肉炎と歯周炎の違い
 4.歯周治療の目的とは
  歯周治療の目標
  バイオフィルムの除去
  感染の除去,BoPの消失
  そのほかの臨床的指標と治療目標
  Column 歯周治療の目標
 5.BoPは何を意味するのか
  歯肉の炎症を評価するための指標
  歯肉からの出血が意味すること
  BoPは治療の指標となるか
  プロービングの基準
  Evidence 1-1 歯周炎進行の指標としてのBoPの予知性(Lang NPら,1990)
 6.プロービングから何がわかるのか
  ポケットデプスとプロービングポケットデプス
  クリニカルアタッチメントレベル
  根分岐部のプロービング
  歯周治療の成果
  Evidence 1-2 プロービングポケットデプス(PPD)の臨床的意義(Fowler Cら,1982)
  Column 炎症の進行に伴う歯周組織の変化
 7.X線写真から何がわかるか
  X線写真の限界
  水平性骨吸収と垂直性骨吸収
  楔状骨欠損と下顎大臼歯の近心傾斜
  Evidence 1-3 X線上での明瞭な歯槽硬線の有無と歯周病の進行度との関係(Rams TEら,1994)
  Column 骨欠損の種類
 8.CBCTから何がわかるのか
  歯周組織の診査・診断
  CTの歯科への応用とCBCTの誕生
  CBCTの有用性
  上顎臼歯部の根分岐部病変とCBCT
  歯周病の診断・治療計画におけるCBCTの有用性と
  適切な応用のための原則
  Evidence 1-4 上顎の根分岐部病変におけるCTの有用性(Walter Cら,2010)
 9.歯周病はうつるのか
  歯周病原細菌とは
  歯周病菌のキーワード「グラム陰性嫌気性菌」
  歯周病原細菌はうつるのか
  伝播と感染・発症の違い
  Evidence 1-5 配偶者間での歯周病原細菌の伝播(Van Steenbergen TJら,1993)
  <1章Case Supplements>
   1.歯槽硬線と歯周組織の安定
   2.臨床におけるX線写真の有用性
   3.根分岐部病変の診断にCTを応用したケース(根分割とトンネリング)
   4.CBCTの応用で確実な診断ができるようになったケース
2章 ブラッシングのエビデンス
 1.どのような歯ブラシを選べばよいのか
  歯ブラシの選択
  ブラッシング方法による効果の違い
  歯周病患者へのブラッシング指導
  Evidence 2-1 歯ブラシのデザインによるプラーク除去率の違い(Claydon N,Addy M,1996)
 2.手用歯ブラシと電動歯ブラシ,効果に違いはあるのか
  電動歯ブラシの利点
  音波歯ブラシと回転式歯ブラシ
  手用歯ブラシとの比較
  電動歯ブラシが有効な場合
  Evidence 2-2 電動歯ブラシと手用歯ブラシのプラーク除去率の違い(Tritten CB,Armitage GC,1996)
 3.ブラッシングだけで歯肉炎は治るのか
  歯周病の特徴
  プラークが歯肉炎を引き起こす
  歯肉炎は治すことができる
  優先順位を理解する
  Evidence 2-3 歯肉炎に対するブラッシングの効果(Loe Hら,1965)
 4.ブラッシングだけで歯周炎は治るのか
  歯肉縁上のプラークコントロールの効果
  もっとも有効な歯周治療とは
  Evidence 2-4 重度歯周炎に対する歯肉縁上のプラークコントロールの効果(Westfelt Eら,1998)
  <2章Case Supplements>
   1.非外科処置(SRP)で対応した重度歯周炎患者の縁上プラークコントロール
   2.歯根が露出した患者へのプラークコントロール
3章 SRPのエビデンス
 1.SRPの効果は証明されているのか
  SRPの最終目標
  スケーリング・ルートプレーニングとは
  SRPの評価と適切な手順
  SRPの長期的な有効性を示す研究
  Evidence 3-1 深い歯周ポケットに対する非外科処置の効果(Badersten Aら,1984)
 2.SRPの効果を得るための前提条件とは
  SRPを評価するための指標
  口腔衛生指導を繰り返すことの重要性
  歯肉縁上のプラークコントロールの重要性
  軟組織の治癒に要する期間
  デブライドメントの前提条件
  Evidence 3-2 非外科処置後の歯肉縁上のプラークコントロールの必要性(Magnusson Iら,1984)
  Column 歯周基本治療後の再検査の時期
 3.セメント質を除去する必要はあるのか
  歯石の付着様式
  セメント質の内毒素
  過不足ないアプローチの難しさ
  Evidence 3-3 汚染されたセメント質を除去する必要性(Nyman Sら,1988)
 4.SRPでアプローチできる歯周ポケットの限界は何mmか
  歯石の取り残し
  部位別の歯石残存率
  Evidence 3-4 手用インスツルメントによるSRPでアプローチできるPPDの限界(Waerhaug J,1978)
 5.インスツルメントの先端は根分岐部まで届くのか
  複根歯のSRPは難しい
  根分岐部の形態
  SRPの限界
  歯周病に罹患した大臼歯に対するSRPの効果
  Evidence 3-5 根分岐部に対するSRPの効果(Nordland Pら,1987)
 6.SRPは繰り返したほうがよいのか
  繰り返しのSRPは効果的なのか
  術者が変わればSRPの結果も変わるか
  1回のSRPで適切な処置は可能
  Evidence 3-6 SRPを繰り返すことによる効果(Badersten Aら,1984)
  Column 術者の違いによってSRPの結果は変わるのか
 7.超音波スケーラーvs手用インスツルメント,どちらが効果的か
  超音波スケーラーとは
  エアスケーラーとは
  超音波スケーラーの臨床効果
  インスツルメントによる効果の差
 8.超音波スケーラーには薬液を併用したほうがよいのか
  歯周治療に用いられる抗菌薬・消毒薬
  ポビドンヨードの応用
  Evidence 3-7 SRPにおけるポビドンヨードの応用(Rosling Bら,2001)
 9.SRPの全顎1回法と分割法,効果は異なるか
  「全顎1回法」vs「分割法」
  超音波スケーラーを用いた全顎1回法
  研究デザインと実際の臨床の相違点
  全顎1回法成功の要件とは
  Evidence 3-8 歯周基本治療における全顎1回法と4分割法の効果の違い(Wennstrom JLら,2005)
  Column 全顎1回法で対応した症例
  <3章Case Supplements>
   1.SRP後の歯石の取り残し
   2.SRP時の注意点
   3.根分岐部への外科的対応
4章 歯周治療における抗菌薬の応用
 1.抗菌薬の全身投与はSRPに補助的効果をもたらすか
  SRPの限界
  抗菌薬による歯周治療
  歯周治療に用いられるおもな抗菌薬
  メトロニダゾール服用による効果
  抗菌薬の全身応用について
  メトロニダゾールとアモキシシリンの併用による効果
  アジスロマイシンの効果
  侵襲性歯周炎に対する抗菌薬の効果
  Evidence 4-1 重度歯周炎患者へのメトロニダゾールとアモキシシリンの併行投与の有効性(Berglundh Tら,1998)
 2.抗菌薬の局所応用はSRPに補助的効果をもたらすか
  全身投与と局所応用の違い
  局所応用に用いられるおもな抗菌薬
  根分岐部病変への抗菌薬の局所応用
  SPT期間中の抗菌薬の局所応用
  抗菌薬のポケット内イリゲーションの効果
  Evidence 4-2 SRPとメトロニダゾールの局所応用による効果(Hirooka H,1993)
  <4章Case Supplements>
   抗菌薬の全身投与を行ったケース
5章 歯周基本治療と歯周外科治療 成功の要件
 1.歯周基本治療と歯周外科治療 成功の要件
  感染除去のためのSRP
  歯周外科処置が必要な部位
  抗菌療法
  SRPの次の手は?
  Evidence 5-1 SRPによって歯周組織は再生するか(Caton Jら,1980)
  Evidence 5-2 再発した歯周炎患者への抗菌薬投与の効果(Serino Gら,2001)
 2.歯周外科処置の種類と効果
  歯周外科処置の対象
  再評価
  歯周外科処置の目的
  代表的な歯周外科処置の種類
  歯周外科の種類による効果の違い
  楔状骨欠損への対応
  楔状骨欠損と歯周組織再生療法
  歯周外科処置の禁忌
  Evidence 5-3 歯周外科の各術式による結果の比較(Rosling Bら,1976)
 3.非外科処置と外科処置の選択基準
  残ってしまった感染
  クリティカルプロービングデプス
  非外科処置,外科処置の選択基準
  Evidence 5-4 初診時のPPDと術後のクリニカルアタッチメントレベルの関係(Lindhe Jら,1982)
 4.非外科処置と外科処置の効果
  術式の違いと治療成績
  SRPと歯周外科処置の長期評価
  単根歯と複根歯における効果の違い
  Evidence 5-5 非外科処置・外科処置の違いによって歯周組織の治癒に差はあるか(Westfelt Eら,1985)
 5.根分岐部病変への外科処置
  根分岐部病変の治療と選択基準
  根分岐部病変の治療術式
  歯根切除の成功率
  歯根分割をしないという選択
  歯根分割とインプラント
  歯根分割の注意点
  Evidence 5-6 根分岐部病変に歯根切除を行った場合の長期予後(Carnevale Gら,1998)
 6.歯周組織再生療法(その1) GTR法
  歯周組織の再生とは
  歯周外科処置の限界
  GTR法(Guided Tissue Regeneration)
  GTR法の適応症
  GTR法の非適応症
  Evidence 5-7 歯肉縁下にはどのような外科処置が有効か(Laurell Lら,1998)
 7.歯周組織再生療法(その2) エムドゲイン療法
  エムドゲインとは
  GTR法とエムドゲイン療法
  エムドゲイン療法の適応症
  GTR法との比較
  リグロス
  Evidence 5-8 楔状骨欠損に対するエムドゲイン療法の効果〜エムドゲイン療法の適応(1) 楔状骨欠損(Heijl L,1997)
  Evidence 5-9 どの歯周組織再生療法が効果的か(Sculean Aら,2008)
  Evidence 5-10 歯周組織再生療法の限界と可能性(Cortellini Pら,2011)
  Column 歯周組織再生療法後の効果の確認
  <5章 Case Supplements>
   1.どのような場合に外科処置が必要になるか
   2.歯肉切除
   3.歯肉弁根尖側移動術
   4.SRP後の感染の残存に対して歯周外科処置(MWF)で対応したケース
   5.ファーケーションプラスティ(オドントプラスティ,オステオプラスティ)
   6.ルートセパレーション
   7.ルートアンプテーション
   8.ヘミセクション
6章 歯周治療に必要な知識
 1.動揺歯・咬合性外傷と歯周病
  歯の動揺
  臨床での考え方
  Evidence 6-1 動揺歯の固定が歯周炎の進行に与える影響(Ericsson Iら,1993)
 2.歯周病患者と歯科矯正
  歯周病医と矯正歯科医の連携による可能性
  歯周治療における歯科矯正の役割
  歯の移動と固定源
  Evidence 6-2 歯の傾斜移動がイヌの歯周組織に与える影響(Ericsson Iら,1977)
 3.全身疾患と歯周病
  ペリオドンタルメディシン
  糖尿病
  全身疾患とインプラント周囲病変との関係
  肺疾患
  心臓血管疾患
  早産・低出生体重児出産
  Evidence 6-3 糖尿病罹患の有無による歯周治療後の治癒・維持への影響(Westfelt Eら,1996)
 4.歯周病と喫煙
  歯周病のリスクファクター
  歯周病と喫煙
  喫煙者と非喫煙者の歯周組織の比較
  喫煙者への歯周治療
  喫煙者へのインプラント治療
  Evidence 6-4 GTR法実施後の治癒に対する喫煙の影響(Tonetti MSら,1995)
 5.根面齲蝕と歯周病
  スカンジナビアではなぜ齲蝕が少ないのか
  歯周病患者の根面齲蝕リスクが高い理由
  根面齲蝕の好発部位
  根面齲蝕の予防方法
  根面齲蝕の治療
  罹患リスク部位とリスクファクターの認識を
  Evidence 6-5 歯周治療後の根面齲蝕好発部位とリスクファクター(Ravald Nら,1986)
  Column イエテボリメソッド
 6.歯周補綴
  歯周補綴とは
  歯周補綴のエビデンス
  歯周補綴に生じた問題
  歯周補綴における数少ない生物学的な併発症とは
  歯周インプラント補綴(Perio-Implant Prosthesis)
  補綴治療におけるスカンジナビアンアプローチの原則
  Evidence 6-6 重度歯周炎患者における歯周補綴の有効性(Yi SWら,1995)
  Column 歯周インプラント補綴
   歯周補綴とインプラント
   歯科医師と歯科衛生士の連携
 7.角化層の必要性―付着歯肉・角化粘膜は必要か
  角化層と歯周治療の予後との関連を考える
  歯肉の解剖学的形態
  どれだけの付着歯肉幅が必要か
  十分な付着歯肉は炎症への抵抗力を示すか
  遊離歯肉移植術の必要性
  インプラント周囲に角化粘膜は必要か
  Evidence 6-7 付着歯肉の感染防御機能(Wennstrom J,Lindhe J 1983)
  Column 歯肉の厚みと幅について
  <6章Case Supplements>
   1.歯周補綴
   2.歯周インプラント補綴(PIPタイプIII)
7章 歯周病患者におけるインプラント治療
 1.インプラントは天然歯の代用になるのか
  歯周病患者におけるインプラント治療
  無歯顎患者への応用から部分欠損患者への応用へ
  天然歯の歯周組織とインプラントにおける周囲組織の違い
  Evidence 7-1 部分欠損歯列に用いられたインプラントの生存率(Lekholm Uら,1999)
  Column インプラントの「生存率」と「成功率」
 2.歯周病患者へのインプラントの応用
  インプラント治療の前に
  歯周病患者の特徴とインプラント治療にあたっての注意
  インプラントを応用した場合の予後
  Evidence 7-2 歯周病患者へのインプラントの応用(Karoussis IKら,2003)
  Column CISTとは
 3.インプラント周囲病変とは
  インプラント周囲組織とプラーク
  インプラント周囲病変への認識
  実験的に動物に惹起させたインプラント周囲の病変
  ヒトにおける臨床研究
  良好なプラークコントロールとインプラント周囲炎
  インプラント周囲病変の定義
  インプラント周囲病変の有病率
  Evidence 7-3 インプラント治療後の骨の病的喪失(Fransson Cら,2005)
  Column インプラント周囲病変に関する用語について
 4.インプラント周囲組織の検査
  インプラント周囲組織の検査
  インプラント周囲にプロービングをしてよいか
  インプラント周囲組織へのプロービングにおける問題点
  インプラントのプロービングにおける注意点
  Evidence 7-4 インプラント周囲組織のプロービングの有効性(Schouら,2002)
  Column プロービングとインプラントの上部構造
 5.歯周病患者のインプラント治療―埋入の工夫とCBCTの応用
  歯周病患者のインプラント治療
  ショートインプラントと傾斜埋入
  カンチレバー
  CBCTによるインプラントの治療計画の立案―コンピューターガイデッドサージェリー
  インプラント治療におけるリエントリーとCBCT
  インプラント周囲炎とCBCT
  Evidence 7-5 傾斜埋入がインプラントの辺縁骨レベルに与える影響(Koutouzis T,Wennstrom JL,2007)
 6.インプラント周囲病変の治療
  インプラント周囲病変の治療方法
  (1)インプラント周囲粘膜炎に対する治療
   患者さん自身によるプラークコントロール
   インプラント周囲粘膜炎への非外科処置
  (2)インプラント周囲炎に対する治療
   インプラント周囲炎に対する非外科処置
  インプラント周囲炎に対する外科処置
  インプラントの除去
  Evidence 7-6 インプラント周囲炎への外科処置:切除療法(Serino Gら,2011)
 7.インプラントのサポーティブセラピー
  インプラント周囲病変の予防の必要性
  インプラント治療後のSPT
  インプラントのサポーティブセラピー
  インプラント周囲炎治療後のSPT
  インプラントのSPTにおける患者さんへの情報提供
  Evidence 7-7 歯周病患者へのインプラント治療におけるSPTの重要性(Roccuzzo Mら,2010)
  Evidence 7-8 インプラント周囲炎の外科処置後のサポーティブセラピーの効果(Serino Gら,2021)
  <7章Case Supplements>
   1.歯周病患者のインプラント治療へのCBCTの応用
   2.インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎の治療
8章 サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)
 1.SPTの必要性とSPTプログラム
  プラーク除去の重要性
  SPTとは
  SPTの必要性
  SPTプログラム
  Evidence 8-1 歯周外科処置後のSPTの効果(Nyman Sら,1975)
 2.SPTの有効性―長期にわたる研究から
  歯の喪失からみたSPTの効果
  SPTと喪失歯
  Axelssonのカールスタッド研究からわかること
  SPTの意義
  SPTにおける効果的なPMTC
  Evidence 8-2 6年間の研究におけるSPTの有効性(カールスタッド研究)(Axelsson P,Lindhe J,1981)
  Evidence 8-3 30年間の長期研究におけるSPTの有効性(Axelsson Pら,2004)
  Column PTC・PMTCとは
 3.SPTの効果と再治療
  再感染への対応
  適切なリコール間隔とは
  SPT時の再治療の必要性
  再治療を行う基準
  Evidence 8-4 歯周治療後の適切なリコール間隔は?(Westfelt Eら,1983)
  Evidence 8-5 SPTの効果と再治療の必要性(Lindhe J,Nyman S,1984)
  Evidence 8-6 再治療の基準(Matuliene Gら,2008)

 症例編
  エビデンスに基づく歯周治療の一症例

 索引