やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第1版序文

 本問題集の前身は,1986年に第1版を発行し,第4版まで版を重ねた『注解歯科技工士国家試験問題集』である.このたび,以下に述べる事情を考慮し,新たに『新編注解歯科技工士国家試験問題集』として,第1版を発行することにした.
 この間,1992年には歯科技工士養成所指定規則が改正され,それに基づいて歯科技工士学校・養成所の教授要綱が改正された.
 この新しい教授要綱に基づいて全国歯科技工士教育協議会編集により,1994年から1995年にかけてまったく新しく「歯科技工士教本」が発刊された.また,1996年7月には,1988年から8年ぶりに「歯科技工士試験出題基準」が改正された.この「新出題基準」に基づく新試験が1997年春より実施されたところである.
 新出題基準では,これまでの学説試験に加えて,新たに顎口腔機能学が導入された.また,歯科理工学・歯科鋳造学が1本化され,歯科理工学となるなど,科目の再編が行われた.さらに,「試験が妥当な範囲と適切な水準で行われることを期待」して,出題基準の大・小項目が示され,あわせて「問題作成にあたっては,歯科技工士の業務に関連のある範囲にとどめる」よう,備考欄で注記を行っている.そしてこれらが「顎口腔機能学の解説並びに歯科技工士試験出題基準」として,厚生省健康政策局歯科衛生課監修,全国歯科技工士教育協議会編集として出版され,公にされたことは受験生にとっても,また教育関係者にとってもまことに有意義なことであり,全技協会長渡辺嘉一先生のご尽力に対し満腔の謝意を表するものである.
 本問題集では,新出題基準の前述の考えに基づき,主として1997年出題の問題のなかから適切な問題を収載し,それに注解・解答をつけた.また,既出問題に適切な問題がない分野については,オリジナル問題を作りその項目への対応ができるようにした.
 さらに,章のはじめには「知識の整理と重要事項」を設け,教科書等の内容をコンパクトに理解できるように配慮した.本項目の執筆にあたっては,全国歯科技工士教育協議会編集の歯科技工士教本を主に参考にさせていただいた.引用・転載については該当個所にそれぞれ明記したが,全国歯科技工士教育協議会および教本の著者各位に対して,改めて謝意を表したい.
 本シリーズが,旧シリーズと同様,学生諸君はもとより歯科技工士試験にかかわる関係者に引きつづきご支持いただけることを念願するしだいである.
 1997年11月20日 関西地区歯科技工士学校連絡協議会 会長 奥野善彦
第1章 顎口腔系器官の機能の概説
 知識の整理と重要事項…1
 問題/注解・解答…6
第2章 下顎位
 知識の整理と重要事項…21
 問題/注解・解答…24
第3章 下顎運動とその基準
 知識の整理と重要事項…31
 問題/注解・解答…37
第4章 咬合器
 知識の整理と重要事項…49
 問題/注解・解答…56
第5章 I 歯の接触様式
 知識の整理と重要事項…71
 問題/注解・解答…77
第5章 II 義歯および修復物の咬合
 知識の整理と重要事項…89
 問題/注解・解答…96
総合問題
問題/注解・解答…106

☆チェック項目リスト(索引)…127
☆平成10,11年 顎口腔機能学 出題基準と出題傾向…124

■ミニ・アドバイス■
三点接触についての問題点…30
横文字に惑わされないで!55
理解して解いていますか?70
語呂合わせ記憶法…88
下顎運動を決定する要素をまとめてみよう!104
昔のものさし(長さの基準)は手や足だった!?…123