やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

最新歯科衛生士教本の監修にあたって─歯科衛生学の確立へ向けて─
 生命科学や科学技術を基盤とした医学・歯学の進歩により,歯科衛生士養成を目的とした教育内容の情報量は著しく増加し,医療分野の専門化と技術の高度化が進んでいます.この間,歯科衛生士の養成教育にも質的・量的な充実が要求され,たび重なる法制上の整備や改正が行われてきました.2005(平成17)年4月には,今日の少子高齢化の進展,医療の高度化・多様化など教育を取り巻く環境の変化に伴い,さらなる歯科衛生士の資質向上をはかることを目的として,歯科衛生士学校養成所指定規則の改正が行われ,2010(平成22)年にすべての養成機関で修業年限が3年制以上となり,2013(平成25)年3月の卒業生はすべて3年以上の教育を受けた者となりました.
 21世紀を担っていく歯科衛生士には,さまざまな課題が課せられています.今日では,健康志向の高まりや口腔機能の重要性が叫ばれるなか,生活習慣病としてのう蝕や歯周病はもちろん,全身疾患,摂食・嚥下障害を有する患者や介護を要する高齢者の増加に対して,これまで以上に予防や食べる機能を重視し,口腔と全身の関係を考慮し他職種と連携しながら対応していくことが求められています.また,新しい歯科材料の開発やインプラントなどの高度先進医療が広く普及するに伴って患者のニーズも多様化しつつあり,それらの技術に関わるメインテナンスなどの新たな知識の習得も必須です.歯科衛生士には,こうした社会的ニーズに則したよりよい支援ができる視点と能力がますます必要になってきており,そのためには業務の基盤となる知識と技術の習得が基本となります.
 平成25年に設立50周年を迎えた全国歯科衛生士教育協議会では,このような社会的要請に対応すべく,活動の一環として,1972(昭和47)年,本協議会最初の編集となる「歯科衛生士教本」,1982(昭和57)年修業年限が2年制化された時期の「改訂歯科衛生士教本」,1991(平成3)年歯科衛生士試験の統一化に対応した「新歯科衛生士教本」を編集しました.そして今回,厚生労働省の「歯科衛生士の資質向上に関する検討会」で提示された内容および上記指定規則改正を踏まえ,本協議会監修の全面改訂版「最新歯科衛生士教本」を発刊するに至りました.
 本シリーズは,歯科衛生士の養成教育に永年携わってこられ,また歯科医療における歯科衛生士の役割などに対して造詣の深い,全国の歯科大学,歯学部,医学部,歯科衛生士養成機関,その他の関係機関の第一線で活躍されている先生方に執筆していただき,同時に内容・記述についての吟味を経て,歯科衛生士を目指す学生に理解しやすいような配慮がなされています.
 本協議会としては,歯科衛生士養成教育の充実発展に寄与することを目的として,2010(平成22)年3月に「ベーシック・モデル・カリキュラム」を作成し,3年制教育への対応をはかりました.その後,2012(平成24)年3月には,著しく膨大化した歯科衛生士の養成教育を「歯科衛生学」としてとらえ,その内容を精選し,歯科衛生士としての基本的な資質と能力を養成するために,卒業までに学生が身に付けておくべき必須の実践能力の到達目標を提示した「歯科衛生学教育コア・カリキュラム」を作成したところです.今後の歯科衛生士教育の伸展と歯科衛生学の確立に向け,本シリーズの教育内容を十分活用され,ひいては国民の健康およびわが国の歯科医療・保健の向上におおいに寄与することを期待しています.
 最後に本シリーズの監修にあたり,多くのご助言とご支援,ご協力を賜りました先生方,ならびに全国の歯科衛生士養成機関の関係者に心より厚く御礼申し上げます.
 2017年3月
 全国歯科衛生士教育協議会会長
 眞木 吉信


発刊の辞
 今日,歯科衛生士は,高齢社会に伴う医療問題の変化と歯科衛生士の働く領域の拡大などの流れのなか,大きな転換期に立たされています.基礎となる教育に求められる内容も変化してきており,社会のニーズに対応できる教育を行う必要性から2005(平成17)年4月に歯科衛生士学校養成所指定規則が改正され,歯科衛生士の修業年限は2年以上から3年以上に引き上げられ,2010年4月からは全校が3年以上となりました.
 また,「日本歯科衛生学会」が2006年11月に設立され,歯科衛生士にも学術研究や医療・保健の現場における活躍の成果を発表する場と機会が,飛躍的に拡大しました.さらに,今後ますます変化していく歯科衛生士を取り巻く環境に十分対応しうる歯科衛生士自身のスキルアップが求められています.
 「最新歯科衛生士教本」は上記を鑑み,前シリーズである「新歯科衛生士教本」の内容を見直し,現在の歯科衛生士に必要な最新の内容を盛り込むため,2003年に編集委員会が組織されて検討を進めてまいりましたが,発足以来,社会の変化を背景に,多くの読者からの要望が編集委員会に寄せられるようになりました.そこで,この編集委員会の発展継承をはかり,各分野で歯科衛生士教育に関わる委員を迎えて2008年から編集委員の構成を新たにし,改めて編集方針や既刊の教本も含めた内容の再点検を行うことで,発行体制を強化しました.
 本シリーズでは「考える歯科衛生士」を育てる一助となるよう,読みやすく理解しやすい教本とすることを心がけました.また,到達目標を明示し,用語解説や歯科衛生士にとって重要な内容を別項として記載するなど,新しい体裁を採用しています.
 なお,重要と思われる事項については,他分野の教本と重複して記載してありますが,科目間での整合性をはかるよう努めています.
 この「最新歯科衛生士教本」が教育で有効に活用され,歯科衛生士を目指す学生の知識修得,および日頃の臨床・臨地実習のお役に立つことを願ってやみません.
 2017年3月
 最新歯科衛生士教本編集委員会
 松井恭平*  合場千佳子 遠藤圭子  栗原英見  高阪利美
 白鳥たかみ 末瀬一彦  田村清美  戸原 玄  畠中能子
 福島正義  藤原愛子  前田健康  眞木吉信  升井一朗
 松田裕子  水上美樹  森崎市治郎 山田小枝子 山根 瞳
 (*編集委員長,五十音順)


第2版の序
 最新歯科衛生士教本の歯科診療補助論が出版されたのは,2007年4月でした.歯科衛生士教育のカリキュラムが大綱化され,歯科衛生士の主要な科目に「論」が付き基礎や応用に理論的な考え方を取り入れた教育内容が求められました.それから10年が経過した2017年に第2版の編集を行うことになり,現在の歯科衛生士活動が広がりつつあるなか,知識や技能を含めた高い専門性が歯科診療補助に求められ,今後の展開を見据えた内容を提供することも必要不可欠となりました.
 日本は超高齢社会を迎え,歯科診療所に来院する患者の年齢構成割合は,60歳代以上の高齢患者が急激に増加しています.また,歯科治療の需要をみるとう蝕治療は減少傾向で,高齢者を対象とする口腔機能の回復が中核となり,治療の難度も高まり全身的な疾患を抱えた患者に対応する場面も増えてきました.さらに,歯科診療所だけではなく,チーム医療が基盤となる在宅や入院患者への対応は避けられない時代となり,歯科衛生士は個々の知識や技能の水準を高め,社会のニーズに応える意識を持ち続ける必要があります.
 これらの背景から本書は,歯科医療における歯科診療補助と歯科衛生士がかかわる医科疾患患者の二編で構成しました.I編は,歯科衛生士にとって診療の補助は臨床における主要な業務である,という考えをもとに言及しています.法的な変化について述べ,歯科診療補助のみならず広く歯科衛生士の活動にかかわる医療安全と感染予防の知識を示しました.また,臨床歯科医学に相当するさまざまな治療に対するアシスタントワークは,歯科医療の知識があっての技術であり歯科衛生士の専門性を理解するために必要な内容です.本書は,治療にかかわる診療補助についての記載を増やしています.
 II編では,歯科診療所だけではなく病院や在宅で多く出会う有病者に関する内容を示しました.具体的には,全身疾患の基礎知識とその患者への対応や周術期における口腔機能管理の概要,さらに歯科訪問診療の流れから器材準備,訪問時のマナーや歯科衛生士が行う口腔ケアまでを解説しています.現在では,訪問診療だけでなく口腔健康管理や摂食嚥下リハビリテーションにまで業務がおよぶことも増えてきているようです.巻末には,多職種と情報を共有できる歯科衛生士の養成に少しでも役立つよう検査値のデータシートをまとめました.
 これからは,患者を中心とした医療の展開を歯科医師とともに担える歯科衛生士が求められ,そこではマネジメント能力を発揮することが期待されると思います.本書は学生だけでなく,臨床で活躍する歯科衛生士にも熟読していただき,歯科衛生士のプロフェッショナリズムを高めるテキストとなることを願っています.
 2017年3月
 編集委員 合場 千佳子



第1版の序
 平成16年9月に歯科衛生士養成所学校指定規則が改正され,歯科衛生士の養成は教育年限3年以上となった.平成17年から5年間の移行期間を経て,平成22年には全国どこでも3年以上の教育が実施されることになる.さらに歯科衛生業務の広がりを意識して教育の内容も大幅に見直され,国民のニーズに応えるカリキュラムが各校で作成されている.そのなかの歯科衛生士の主要なる業務の一つである「歯科診療補助」は,社会的情勢や歯科医療の高度化にともなって歯科衛生士としての専門性を多く発揮できる領域でもある.
 今回の最新歯科衛生士教本は,従来のカリキュラムを大綱化した「歯科診療補助論 9単位」を基盤として作成した.歯科診療補助論を歯科衛生士の専門性を取り入れて習得するためには,基礎的理論と基礎的技術の理解が必要である.そこで本書では,診療環境のマネジメントや歯科診療の流れを理解したうえでのアシスタントワーク,さらには患者の健康状態のアセスメントなどを盛り込んだ内容となっている.
 具体的に各章の特徴を述べておく.1章は,歯科診療補助の業務体系を法律的に解説している.2章は,歯科医療の現場で必要とされる感染予防の基礎をまとめている.3章,4章では,歯科治療を行う歯科医師と円滑なチーム医療を実現するための診療の補助について,写真を多く用いてまとめている.5章は,高齢社会に対応するために全身疾患をもつ患者や在宅における診療補助の概要を解説している.
 なお,臨床各科の診療における補助については,臨床歯科医学の最新教本のなかで「歯科衛生士の役割」という章を設けており,本書では省略した.
 歯科衛生業務関連科目の最新教本の編集趣旨として,この教本を使って講義や実習を行うのは,歯科衛生士の専任教員,さらに臨床・臨地実習先での歯科衛生士指導者であることが前提になっている.
 本書は,編集委員をはじめとして20名近い歯科衛生士が執筆を担当して作成した.それぞれ日常の教育や業務の合間に写真撮影や資料集めなどに時間を費やしたはずである.臨床に即した場面では,協力者なくしては完成できなかったと思われる.執筆に関わっていただいたすべての方々に感謝する.
 本書が授業のさらなる充実に役立つよう願うとともに,これから臨床の現場に復帰しようと考えている歯科衛生士の方々にも,診療補助のガイドブックとして活用していただければ幸いである.
 2007年3月
 執筆者代表 合場 千佳子
I編 歯科医療における歯科診療補助
1章 歯科診療補助の概念
 1−診療の補助とは
  1.歯科衛生士の業務と歯科診療補助
   1)歯科衛生士の行う歯科診療の補助
  2.看護師の行う診療の補助
  3.診療補助業務と他の医療職種
 2−診療の補助の範囲の法的な変化
2章 医療安全と感染予防
 1−医療安全
  1.医療安全
  2.歯科診療での補助業務
   1)歯科診療時の偶発事故
   2)勤務中のインシデント(ヒヤリハット)経験
   3)事故報告とインシデント事例報告
   Clinical Point KYT(危険予知訓練)
  3.医療法と医療安全対策
   1)医療法の改正
   2)医療安全での歯科衛生士の役割
  4.救急処置
   Clinical Point 歯科衛生業務での危険性(不安全)
   1)緊急事態の予防対策
   2)救急処置の準備
   3)救命の連鎖
  5.救命処置のアルゴリズム
   1)一次救命処置(BLS)のアルゴリズム
 2−感染予防
  1.歯科医療における感染症の概念
   1)感染症と感染予防対策
   2)標準予防策(スタンダードプレコーション)
   3)リスクアセスメント
  2.歯科医療における感染予防対策
   1)医療従事者としての対応
   2)環境感染予防対策(診療室,診療機器の感染予防)
   3)感染事故時の対応
  3.手指衛生(手指消毒)
   1)手指衛生の分類
   2)感染を予防するための基本的手法
   3)擦式手指消毒の手順
  4.グローブ装着・脱着の手順
   1)未滅菌グローブの装着手順
   2)滅菌グローブの装着手順
   3)グローブのはずし方
   Clinical Point ラテックスアレルギー
  5.滅菌と消毒
   1)滅菌・消毒・洗浄の定義
   2)滅菌法
   3)滅菌のモニタリング
   4)消毒法
   5)洗浄(超音波洗浄器)
   6)歯科用器材の滅菌・消毒と管理
 3−医療廃棄物の取扱い
  1.廃棄物の概要
   1)分類と分別
   2)保管
   3)処理
  2.歯科診療室で発生する廃棄物
3章 歯科診療における基礎知識
 1−歯科診療室の基礎知識
  1.歯科診療室の環境
   1)照明・空調
   2)粉塵・エアロゾル
   3)給排水
  2.歯科診療室の構造と設備
   1)受付
   2)待合室
   3)カルテ保管・在庫室
   4)歯科用チェアユニット
   5)歯科用キャビネット
   6)洗口コーナー
   7)カウンセリングルーム
   8)エックス線診療室(撮影室)
   9)滅菌・消毒コーナー
   10)歯科技工室
   11)機械室
   12)口腔外バキューム
   13)AED
  3.歯科用チェアユニット
  4.その他の設備
   1)酸素吸入器
   2)レーザー治療器
   3)歯科用マイクロスコープ
   4)生体情報モニター
  5.特殊な設備がある歯科診療室(手術室)
 2−歯科診療所における受診の流れ
  1.歯科診療所における患者対応の基本
  2.特別な配慮が必要な患者対応
   1)小児
   2)高齢者
   3)障害を有する患者
   Clinical Point 急患への対応
 3−共同動作
  1.共同動作の概念
   1)安全性の確保
   2)歯科診療の効率化
   3)共同動作における行動パターンの確立
  2.術者・補助者・患者のポジショニング
   1)術者の位置と姿勢
   2)補助者の位置と姿勢
   3)患者の姿勢
  3.診療時のライティング
  4.フォーハンデッドデンティストリー
   1)基本
   2)応用
  5.器具の受け渡し
   1)受け渡しに適した位置と受け渡しを避ける位置
   2)ペングリップとパームグリップによる受け渡し
   3)小器具等の取り扱い
  6.バキュームテクニック
   1)バキュームの基本技法
  7.スリーウェイシリンジテクニック
   1)スリーウェイシリンジの使用目的
   2)操作方法
   Clinical Point フォーハンデッドデンティストリーの始まり
 4−歯科領域に必要な臨床検査
  1.臨床検査の補助の目的,役割
  2.検査の準備と患者への説明
  3.検査の種類
   1)生体検査
   2)検体検査
   3)口腔領域の検査
 5−画像検査
  1.エックス線写真撮影
   1)口内法エックス線撮影
   2)パノラマエックス線撮影
   3)頭部エックス線規格撮影
   4)歯科用コーンビームCT(CBCT)撮影
  2.口腔内写真撮影
  3.画像の管理
 6−薬品(薬物)・歯科材料の管理
  1.基本的知識
   1)薬品(薬物)の管理
   2)処方せんで取り扱う薬品(処方せん医薬品)
   3)歯科材料の管理
  2.取り扱いの実際
   1)歯科用医薬品・歯科材料の取り扱い
 7−ラバーダム防湿
  1.基礎知識
   1)ラバーダム防湿の目的
   2)ラバーダム防湿の利点
   3)ラバーダム防湿の欠点
   4)ラバーダム防湿用の器具の名称と用途
   5)ラバーダム防湿の手順
   6)臨床におけるケース
 8−歯肉圧排
  1.基礎知識
   1)クランプによる歯肉圧排法
   2)歯肉圧排糸による歯肉圧排法
   3)外科的切除法
  2.歯肉圧排(排除)用薬剤の種類
  3.歯肉圧排糸を用いた歯肉圧排の手順
   1)準備
   2)歯肉圧排糸による歯肉圧排法
  4.その他の歯肉圧排用材料
4章 歯科臨床と診療補助
 1−保存修復時の診療補助
  1.保存修復治療と診療補助の特徴
  2.保存修復治療の例と診療補助の流れ
   1)直接修復
   2)間接修復
   3)漂白法(オフィスブリーチング)
 2−歯内療法時の診療補助
  1.歯内療法と診療補助の特徴
  2.歯内療法の例と診療補助の流れ
   1)歯髄処置(麻酔抜髄法)
   2)根管処置(根管充?)
 3−歯周外科治療の診療補助
  1.歯周外科治療と診療補助の特徴
  2.歯周外科治療の例と診療補助の流れ
   1)歯周外科治療時の業務
   2)フラップ手術
   Clinical Point 歯周組織再生療法
 4−補綴治療時の診療補助
  1.補綴治療の例と診療補助の特徴
  2.補綴治療の例と診療補助の流れ
   1)遊離端部分床義歯
   2)クラウン・ブリッジ
   3)インプラント
 5−口腔外科治療時の診療補助
  1.口腔外科治療と診療補助の特徴
  2.口腔外科治療の例と診療補助の流れ
   1)抜歯時の業務
   2)普通抜歯
   3)難抜歯
 6−歯科麻酔時の診療補助
  1.歯科麻酔時の診療補助の特徴
  2.局所麻酔の基礎的知識
   1)疼痛・反射の抑制法
   2)局所麻酔薬の種類
   3)局所麻酔の適応と使用法
   4)使用時の注意事項
  3.局所麻酔の例と診療補助の流れ
  4.吸入鎮静・静脈内鎮静の例と診療補助の流れ
   1)精神鎮静法の概要
   2)吸入鎮静の例
   Clinical Point 配管について:配管端末器(アウトレット)
   3)静脈内鎮静の例
  5.全身麻酔での診療補助の流れ
   1)全身麻酔の概要
   2)全身麻酔の流れ
 7−矯正治療時の診療補助
  1.矯正治療と診療補助の特徴
   1)矯正治療に関する患者指導
   2)口腔筋機能療法(MFT)の診療補助
  2.矯正治療の例と診療補助の流れ
   1)矯正装置の装着
   2)矯正装置の撤去
 8−小児歯科治療時の診療補助
  1.小児の診療と診療補助の特徴
   1)診療時の配慮
   2)診療時のポジションとフォーハンドシステム
   3)小児の対応法
   4)局所麻酔
   5)ラバーダム防湿
   6)エックス線検査
  2.小児の治療の例と診療補助の流れ
   1)保存修復
   2)外傷
   Clinical Point 虐待の早期発見における歯科衛生士の役割
5章 歯科診療で扱う歯科材料
 1−印象採得
  1.基礎知識
   1)印象採得の補助
   2)嘔吐反射に対する対応
  2.アルジネート印象材による概形印象採得
   1)種類
   2)使用する器材の準備
   3)印象材の計量
   4)練和法
   5)印象採得
   6)印象面の処理(唾液・血液など)
   7)模型材の注入と印象体の保管
   8)模型材の撤去
   9)トレーの後始末
  3.寒天印象採得の補助
   1)寒天印象材の準備
   2)寒天−アルジネート連合印象
  4.合成ゴム質印象の補助
   1)シリコーンゴム印象材(パテ+インジェクションタイプ)による精密印象採得の補助
   2)個人トレー・個歯トレーを使用した精密印象
  5.その他の印象材の取扱い
   1)モデリングコンパウンド
   2)酸化亜鉛ユージノール印象材
 2−模型の作製
  1.歯科用石膏の基礎知識
   1)歯科用石膏の種類
  2.歯科用石膏の練和
   1)石膏の練和法
   2)スタディモデル(研究用模型)の作製
   3)不要になった石膏模型の処理
  3.歯科用石膏の管理方法
   1)石膏の保存方法
 3−合着・接着の補助
  1.合着材・接着材の基礎知識
  2.練和法
   1)練和の基本
   2)一括練和(粉末・液タイプ)
   3)一括練和(ペーストタイプ)
   4)筆積法または混和法
   5)分割練和
   Clinical Point 内側性窩洞と外側性窩洞の合着材・接着材応用の違い
   6)余剰セメントの除去
  3.合着・接着の際に患者に説明しておくべき事項
   Clinical Point 前処理について
 4−成形歯冠修復の補助
  1.基礎知識
  2.成形歯冠修復材の種類
   1)即時重合型レジン
   2)コンポジットレジン
   3)グラスアイオノマーセメント
  3.コンポジットレジンの取り扱い
   1)オールインワンアドヒーシブシステム
  4.グラスアイノマーセメントの取り扱い
   1)レジン添加型グラスアイオノマーセメント
 5−仮封・仮着の補助
  1.基礎知識
  2.仮封材・仮着材の種類
  3.セメント系の取り扱い
   1)ユージノール系セメント
   2)非ユージノール系セメント
   3)カルボン酸系セメント
  4.水硬性仮封材の取り扱い
  5.仮封用軟質レジンの取り扱い
   1)化学重合型(粉液タイプ)の取り扱い
   2)光重合型(1 ペーストタイプ)の取り扱い
  6.テンポラリーストッピングの取り扱い
   1)練成充?器を用いる場合の取り扱い
   2)ストッピングキャリアを用いる場合の取り扱い
  7.サンダラックバーニッシュの取り扱い
 6−ワックス
  1.基礎知識
  2.ワックスの種類と用途
   1)インレーワックス
   2)レディキャスティングワックス
   3)シートワックス
   4)パラフィンワックス
   5)スティッキーワックス
   6)ボクシングワックス
   7)ユーティリティーワックス
   8)バイトワックス
II編 歯科衛生士がかかわる医科疾患患者
1章 主な全身疾患とその対応
 1−主な全身疾患の基礎知識と歯科診療上の注意点
  1.代謝・内分泌疾患
   1)糖尿病
   2)骨粗鬆症
   3)甲状腺疾患
  2.消化器疾患
   1)胃・食道逆流症(GERD)
   2)胃炎と胃がん
   3)胃潰瘍・十二指腸潰瘍
   4)肝炎・肝硬変
  3.循環器疾患
   1)心疾患・不整脈
   2)高血圧・低血圧
  4.血液疾患
   1)貧血
   2)白血病
   3)血友病
  5.呼吸器疾患
   1)肺炎・誤嚥性肺炎・呼吸器感染症
   2)気管支喘息
   3)慢性閉塞性肺疾患(COPD)
   4)肺結核
   5)睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  6.腎・泌尿器疾患
   1)腎疾患
   2)前立腺疾患
  7.免疫・膠原病
   1)アレルギー
   2)膠原病(シェーグレン症候群を除く)
   3)シェーグレン症候群
   4)アトピー性皮膚炎
  8.感染症
   1)ウイルス性肝炎(急性,慢性の違い)
   2)カンジダ症
   3)AIDS
  9.神経系疾患
   1)脳血管疾患
   2)てんかん
   3)認知症
   4)神経難病
  10.精神疾患
   1)心身症・神経症
   2)うつ病
   3)統合失調症
   4)発達障害
  11.がん
   1)がん
   2)口腔がん
  12.産科・婦人科疾患
   1)妊娠による変化
   2)更年期障害
2章 周術期における歯科診療の補助
 1−周術期における口腔機能管理
  1.周術期口腔機能管理の概要
   1)対象となる患者
   2)周術期口腔機能管理の流れ
   3)周術期における医療連携
  2.病態の把握
   1)化学療法・放射線治療
   2)全身麻酔下で行う悪性腫瘍患者における外科療法
  3.治療時の対応
   1)周術期の歯科治療への対応
   2)専門的口腔衛生処置の実施
  付−保険制度における周術期口腔機能管理
3章 歯科訪問診療における対応
 1−歯科訪問診療補助
  1.歯科訪問の診療補助の概要
   1)歯科訪問診療の概要
   2)歯科訪問診療の対象者
   3)歯科訪問診療の内容
  2.歯科訪問診療の流れ
   1)歯科訪問診療の基本的な流れ
   2)ポータブルの診療セット
   3)診療に必要な器材
   4)歯科訪問診療における感染予防対策
   5)訪問先とのコミュニケーション
   Clinical Point ターミナルケア(終末期ケア)へのかかわり
  付1−臨床検査値データシート
  1.血液学検査
   1)血球検査
   2)糖
  2.生化学検査
   1)タンパク
   2)含窒素成分
   3)脂質代謝関連
   4)生体色素
   5)酵素
  3.免疫学的検査
   1)感染性免疫抗体
  4.病態と代表的な検査との関連
  5.特定健康診査
  6.腫瘍マーカー
  付2−歯科訪問診療用器材セットの例
  付3−歯科訪問診療における保険の考え方
  付4−診療室環境設備 チェックリスト(例)

 索引