序文
本書は,これまでの歯科衛生士教本「歯科臨床概論・診療補助総論」を二つに分離して教育の流れをより充実したものにしようという意図で編集されている.歯科診療補助は,「歯科診療の補助」と「歯科診療に対する介助」で構成される.平たくいえば,歯科衛生士が術者として患者に対応する業務と歯科医の求めに応じて歯科診療の介添えをする業務からなっている.一方,歯科臨床概論は,歯科診療についてのおおよその知識を授けることを目標にしているので,概念的あるいは想念的にまとめられた教科である.これに対して,歯科診療補助は歯科衛生士が臨床の現場でどのように活動すればよいかの指針を与えるためにまとめられた実践的指導書である.
歯科診療補助を行うにあたっては,その内容を具体的に理解し,診療の流れにそって歯科衛生士が活動するために自分自身の置かれた立場をわきまえ,業務に対する責任感をもつことが必要である.
I編総論の1章では,歯科衛生士の診療室での活動の基本姿勢を知るために必要な事項がまとめられている.2章,3章では診療環境の整備,器材管理,事務処理などについての要点が述べられている.これらの事項が適切に処理されていないと,診療室で合理的あるいは合法的基準が満たされた診療が行われるとはいいにくい.
II編基礎実習では,歯科診療補助のマニュアルに該当する事項が取り扱われている.取り扱う器材の種類は多く,しかもそれぞれについて器材固有の取り扱い方がある.また,同種の製品でも,メーカーによって操作法が異なっていることが多い.教本では,限られた製品について例示的に説明しているため,個々の製品を用いるときにはそれぞれの指示書の内容を的確に守ることが必要である.また,本基礎実習では,個々の器材の取り扱い法とともに共同動作のマニュアルについて取り上げている.術者とタイミングを合わせた共同動作を行うには,修練が必要である.
III編相互実習は,患者ごとに日常行われる患者誘導,患者介助,頻度の多い共同動作や対面行為あるいは模型製作や写真撮影に習熟するために行う実技実習である.
IV編,V編は主として診療前後および診療中の点検事項および医療事故対策を取り上げ,診療が安全に行われるための留意事項について触れている.
なお,歯科診療補助の具体的内容は本書に取り上げた以外にも数多いので,それを理解・習熟するには自らの努力により対応する必要がある.
以上のように,各種の教科項目について概要を述べ留意点を指摘してきたが,もう一つ重要な問題として心構えの問題がある.歯科診療の現場では,歯科診療に対する理解を深め,技術を磨くと同時に患者への思いやりが必要である.この教本では,アメニティの側面をとくに取り上げてはいないが,それは当然満たされているという前提で書かれていることを忘れずに研鑽をつまれることを希望する.
本書の執筆にあたっては,I編1〜3章を石川,槙石,II編1章を鈴木,2章I〜IVを赤松,V,VIを角田,VII〜Xを村地,3章を油井,4章を高阪,5章I〜IVを山中,V〜VIIを白鳥,VIII,IXを本間,6章を嶋野,III編1,2章を福本,3,4章を中島,5章を嶋野,6章を吉田,IV編1,2章を吉田,V編1〜3章を大沢がそれぞれ担当した.
1995年3月 著者一同
推薦の序
厚生省健康政策局歯科衛生課長 佐治靖介
近年,わが国では,人口の急速な高齢化に伴い,疾病構造が変化してきていることなどから保健医療サービスに対する住民のニーズが急速に高まってきており,良質な保健医療の供給を行いうる体制を整備するため,資質の高い保健医療関係者の養成を行うことが重要な課題となっている.
歯科衛生士の資質向上を図るため,歯科衛生士学校養成所の修業年限の延長,学科課程の改正等が昭和58年に行われ,5年後の昭和63年よりすべての養成所で新カリキュラムによる教育が行われるようになった.本改正により,保健指導や歯科予防処置に関する教科内容の充実が図られた.そして,平成元年6月には,歯科衛生士法の一部が改正され,歯科衛生士の業務に歯科保健指導が加わるとともに,免許権者が都道府県知事から厚生大臣に改められた.
また,わが国における歯科保健対策の動きについて目を向けると,近年,80歳になっても20本以上の歯を保つことを目的とした8020(ハチマル・ニイマル)運動が全国各地で広がってきている.平成4年度老人保健事業第3次計画において歯の重点健康教育・重点健康相談に併せて歯科衛生士による在宅寝たきり老人に対する訪問口腔衛生指導が実施されており,歯科保健事業の充実強化が図られるようになってきている.また,本年は世界口腔保健デーや世界口腔保健年として歯科界挙げて口腔保健の推進に邁進している.そして,歯の健康づくりに対する国民の関心は年々高まってきており,歯科保健指導や歯科予防処置等の業務を通じて,国民の歯の健康づくりに従事する歯科衛生士の果たす役割は今後ますます重要となると考えられる.
資質の高い歯科衛生士が養成されるためには,最新の歯科保健医療に関する知識および技術が,効果的に学生に対して教授されることが必要である.このようなときに新しい歯科衛生士教本が発刊され,内容の見直しが行われることは誠に意義深く,歯科衛生士教育の充実強化とともに,わが国における歯科保健対策を推進していくうえで要となると確信している.
本書が多くの歯科衛生士教育機関において十分に活用され,よりよい歯科衛生士が養成されることを期待し,推薦の序としたい.
1994年6月
本書は,これまでの歯科衛生士教本「歯科臨床概論・診療補助総論」を二つに分離して教育の流れをより充実したものにしようという意図で編集されている.歯科診療補助は,「歯科診療の補助」と「歯科診療に対する介助」で構成される.平たくいえば,歯科衛生士が術者として患者に対応する業務と歯科医の求めに応じて歯科診療の介添えをする業務からなっている.一方,歯科臨床概論は,歯科診療についてのおおよその知識を授けることを目標にしているので,概念的あるいは想念的にまとめられた教科である.これに対して,歯科診療補助は歯科衛生士が臨床の現場でどのように活動すればよいかの指針を与えるためにまとめられた実践的指導書である.
歯科診療補助を行うにあたっては,その内容を具体的に理解し,診療の流れにそって歯科衛生士が活動するために自分自身の置かれた立場をわきまえ,業務に対する責任感をもつことが必要である.
I編総論の1章では,歯科衛生士の診療室での活動の基本姿勢を知るために必要な事項がまとめられている.2章,3章では診療環境の整備,器材管理,事務処理などについての要点が述べられている.これらの事項が適切に処理されていないと,診療室で合理的あるいは合法的基準が満たされた診療が行われるとはいいにくい.
II編基礎実習では,歯科診療補助のマニュアルに該当する事項が取り扱われている.取り扱う器材の種類は多く,しかもそれぞれについて器材固有の取り扱い方がある.また,同種の製品でも,メーカーによって操作法が異なっていることが多い.教本では,限られた製品について例示的に説明しているため,個々の製品を用いるときにはそれぞれの指示書の内容を的確に守ることが必要である.また,本基礎実習では,個々の器材の取り扱い法とともに共同動作のマニュアルについて取り上げている.術者とタイミングを合わせた共同動作を行うには,修練が必要である.
III編相互実習は,患者ごとに日常行われる患者誘導,患者介助,頻度の多い共同動作や対面行為あるいは模型製作や写真撮影に習熟するために行う実技実習である.
IV編,V編は主として診療前後および診療中の点検事項および医療事故対策を取り上げ,診療が安全に行われるための留意事項について触れている.
なお,歯科診療補助の具体的内容は本書に取り上げた以外にも数多いので,それを理解・習熟するには自らの努力により対応する必要がある.
以上のように,各種の教科項目について概要を述べ留意点を指摘してきたが,もう一つ重要な問題として心構えの問題がある.歯科診療の現場では,歯科診療に対する理解を深め,技術を磨くと同時に患者への思いやりが必要である.この教本では,アメニティの側面をとくに取り上げてはいないが,それは当然満たされているという前提で書かれていることを忘れずに研鑽をつまれることを希望する.
本書の執筆にあたっては,I編1〜3章を石川,槙石,II編1章を鈴木,2章I〜IVを赤松,V,VIを角田,VII〜Xを村地,3章を油井,4章を高阪,5章I〜IVを山中,V〜VIIを白鳥,VIII,IXを本間,6章を嶋野,III編1,2章を福本,3,4章を中島,5章を嶋野,6章を吉田,IV編1,2章を吉田,V編1〜3章を大沢がそれぞれ担当した.
1995年3月 著者一同
推薦の序
厚生省健康政策局歯科衛生課長 佐治靖介
近年,わが国では,人口の急速な高齢化に伴い,疾病構造が変化してきていることなどから保健医療サービスに対する住民のニーズが急速に高まってきており,良質な保健医療の供給を行いうる体制を整備するため,資質の高い保健医療関係者の養成を行うことが重要な課題となっている.
歯科衛生士の資質向上を図るため,歯科衛生士学校養成所の修業年限の延長,学科課程の改正等が昭和58年に行われ,5年後の昭和63年よりすべての養成所で新カリキュラムによる教育が行われるようになった.本改正により,保健指導や歯科予防処置に関する教科内容の充実が図られた.そして,平成元年6月には,歯科衛生士法の一部が改正され,歯科衛生士の業務に歯科保健指導が加わるとともに,免許権者が都道府県知事から厚生大臣に改められた.
また,わが国における歯科保健対策の動きについて目を向けると,近年,80歳になっても20本以上の歯を保つことを目的とした8020(ハチマル・ニイマル)運動が全国各地で広がってきている.平成4年度老人保健事業第3次計画において歯の重点健康教育・重点健康相談に併せて歯科衛生士による在宅寝たきり老人に対する訪問口腔衛生指導が実施されており,歯科保健事業の充実強化が図られるようになってきている.また,本年は世界口腔保健デーや世界口腔保健年として歯科界挙げて口腔保健の推進に邁進している.そして,歯の健康づくりに対する国民の関心は年々高まってきており,歯科保健指導や歯科予防処置等の業務を通じて,国民の歯の健康づくりに従事する歯科衛生士の果たす役割は今後ますます重要となると考えられる.
資質の高い歯科衛生士が養成されるためには,最新の歯科保健医療に関する知識および技術が,効果的に学生に対して教授されることが必要である.このようなときに新しい歯科衛生士教本が発刊され,内容の見直しが行われることは誠に意義深く,歯科衛生士教育の充実強化とともに,わが国における歯科保健対策を推進していくうえで要となると確信している.
本書が多くの歯科衛生士教育機関において十分に活用され,よりよい歯科衛生士が養成されることを期待し,推薦の序としたい.
1994年6月
I編 総 論
1章 歯科診療補助の意味
I 歯科診療補助と歯科衛生士
1.共同動作,歯科診療の補助,歯科診療の介助
2.歯科診療の補助と範囲と法的責任
II 共同動作の基本
1.共同動作の意義
2.共同動作のルール
3.共同動作における位置と姿勢
2章 歯科診療の流れと診療補助
I 診療の流れの理解
II 使用器材についての知識の充実
1.診療設備
2.歯科材料の保管と補給
3章 診療室の管理についての理解
I 診療室の環境整備
1.診療環境の整備
2.器械の整備
II 感染予防対策と滅菌・消毒
1.滅菌・消毒の意義
2.滅菌・消毒の方法と器具
3.煮沸消毒法
4.薬液消毒法
5.蒸気滅菌法
6.ガス滅菌法
7.その他の消毒法
8.感染予防対策
III 薬品の管理
1.薬局の整備
2.薬品取り扱い上の一般的心得
IV 診療室から排出される廃棄物に対する理解と分別
1.感染性廃棄物
2.廃棄物の管理
V 事務的管理
1.初診時の受付事務
2.健康保険患者の受付
3.診療録
4.歯科衛生士の業務記録
5.その他の文書の整理
6.写真記録
7.X線写真
8.スタディモデル
II編 基礎実習
1章 綿球,ロールワッテ,カット綿,小折ガーゼ作製実習
I 基礎実習の考え方とねらい
1.歯科診療チームの一員となるための学習であることを常に心がける
2.歯科診療補助を行うには,臨床科目などの知識を基礎にして行うことが大切である
3.各歯科治療内容に必要な器材の名称・用途・取り扱い方を理解し,準備できるようにする
4.感染防止のための器材の滅菌・消毒の知識およびその方法について修得する
5.円滑な診療が行えるように共同動作の方法を修得する
6.歯科材料の名称と用途を理解し,基本的な取り扱い方を学ぶ
7.歯科材料を取り扱うには,歯科材料の性質を知ることが重要である
8.歯科材料の使用量を知る
9.歯科器材の日常の管理法について知る
10.新しい情報の収集も行い,新製品にも対応できるようにする
11.診療中における事故などに備え,救急法について体得する
12.業務記録実習では,基本的な記録方法について学ぶ
II 綿球,ロールワッテ,カット綿,小折ガーゼの作製実習
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
5.セルフチェック
付) ブローチ綿花の作製
2章 主要歯科材料の取り扱い実習/54
I 模型材(歯科用石こう)の取り扱い
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
II 合着材・接着材の取り扱い
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
III 修復材の取り扱い
1.コンポジットレジン修復
2.グラスアイオノマーセメント修復
3.アマルガム修復
IV 仮封材・暫間被覆冠の取り扱い
1.仮封材
2.暫間被覆冠
V 印象材の取り扱い
1.アルジネート印象材
2.寒天印象材
3.合成ゴム質印象材
VI 歯肉圧排
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
VII 歯肉包帯材の取り扱い
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
5.セルフチェック
VIII 小外科手術時の器材の取り扱い
1.局所麻酔時の器材の準備と取り扱い
2.替刃メスの準備と取り扱い
3.縫合用器材の準備と取り扱い
4.セルフチェック
IX 修復物の研磨
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
5.セルフチェック
X その他の歯科用材料の取り扱い
1.リベース材
2.ティッシュコンディショナー
3.仮着材
4.セルフチェック
3章 器具の受け渡し実習/111
I 実習目的
II 実習準備
III 実習手順と留意点
1.ペングリップによる受け渡し
2.パームグリップによる受け渡し
3.注射器の手渡し
4.小器具の受け渡し
5.セルフチェック
4章 手指の消毒,滅菌・消毒器材の取り扱い実習
I 知識の整理
1.滅 菌
2.消 毒
3.滅菌・消毒法の種類
4.消毒薬の種類・用途および使用濃度
5.消毒剤の持続効果(使用期限)
II 手指消毒法実習
1.手指消毒の目的と関連する知識
2.手指消毒実習
III 器材の滅菌・消毒実習
1.実習準備
2.実習手順と留意点
5章 セッティング実習
I 1日の診療開始前準備
1.診療室準備
2.受付準備
3.待合室準備
II 診査用器材の準備
1.予備診査(問診表)
2.診 査
III 保存修復用器材のセッティング
1.共通の必要器材
2.成形修復
3.鋳造修復
IV 歯内療法用器材のセッティング
1.歯髄保存療法
2.歯髄除去療法
3.根管治療(感染根管治療,根管拡大形成)セッティング
4.根管充填(固形体根管充填,糊剤根管充填)セッティング
5.歯内療法における歯科衛生士の役割
V 歯周治療用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
3.患者の観察と気配り
4.チェアサイドアシスタント
5.器材の後始末
6.患者指導
VI 小児歯科治療用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
VII 矯正歯科治療用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
3.患者指導
4.器材の管理
VIII 口腔外科小手術用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
IX 歯科補綴用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
6章 業務記録実習
I 歯科衛生士の業務記録
II 業務記録の意義
1.日常業務を証明するものとなる
2.記憶の補完となる
3.チームメンバー間の検討会の資料となり,コミュニケーションの手段となる
4.患者とのコミュニケーションの資料となる
5.法的根拠――すべての人を法的に保護する
6.実施した業務の評価の資料となり,業務内容の質の向上につながる
7.研究の資料となり,自己教育となる
8.事後の継続的指導管理や処置の資料となる
III 記録の方法
1.診療所における業務記録
2.歯科訪問指導記録用紙例
IV 症例による業務記録実習
1.う蝕多発傾向者への指導記録実習
2.歯周治療 PI型での業務記録実習
III編 相互実習
1章 患者誘導,ポジション,姿勢,ライティング実習
I 相互実習の目的
II 患者誘導,ポジション,姿勢,ライティング実習
1.実習目的
2.実習準備
3.実習手順と留意点
4.セルフチェック
2章 口腔内洗浄・バキューム操作実習/223
I 実習目的
II 患者・術者・補助者の3人1組での実習
1.バキュームの操作実習
2.スリーウェイシリンジの基本操作実習
3.口腔内洗浄実習
4.歯の切削時における部位ごとのバキューム操作実習
5.セルフチェック
III 患者・術者の2人1組でのバキューム操作実習
3章 ラバーダム防湿実習
I 実習目的
II 実習準備
III 実習手順と留意点
1.1歯露出(装着)法
2.2歯露出(装着)法
3.多数歯露出(装着)法
4.相互実習における留意点
5.セルフチェック
4章 模型作製実習
I 実習目的
II スタディモデル作製
1.実習準備
2.実習手順と留意点
III 矯正用模型の作製
5章 口腔内写真撮影実習
I 実習目的と口腔内写真の意義
1.患者が自分の口腔内の現状を明確に理解できる
2.歯科医師が総合診断をくだすための有力な資料となる
3.歯科保健指導の重要な媒体となる
4.歯科医師・スタッフの技量チェックの資料となる
5.スタッフ間のコミュニケーションに役立つ
II 知識の整理
1.口腔内写真撮影用カメラ
2.フィルム
3.口角鉤
4.口腔内写真撮影用ミラー
5.使用器材の消毒
6.撮影記録用紙
III 実習手順と留意点
1.カメラの点検準備
2.フィルムの装填
3.カメラの構え方とピント合わせ
4.口角鉤の挿入
5.部位別撮影法
6.相互実習と相互評価
7.後始末
8.現像後のフィルムの取り扱いと管理
9.セルフチェック
6章 患者介助実習
I はじめに
II 患者応対にあたっての留意事項
1.高齢者
2.障害者
3.精神遅滞者
4.在宅者・寝たきり者
III 実習手順と留意点
1.車椅子の基本操作実習
2.車椅子から診療台への移動動作の介助実習
3.視覚障害者の歩行介助実習
IV編 臨床実習に臨んで
1章 診療室オリエンテーション
I 歯科診療所における臨床実習
II 歯科診療室における実習心得
1.歯科診療補助と歯科診療介助
2.歯科診療室においての留意事項
2章 診療前,診療中,診療後の注意事項
I 実習前確認
1.歯科診療所の構成と配置
2.チェアーやユニットの作動方法
3.器材の名称と使用方法
II 診療前準備
1.メインスイッチを入れる
2.清掃,消毒をする
3.滅菌・消毒済みの器具を所定の場所に置く
4.キャビネット,ブラケット,必要器材の点検・補充
5.カルテの準備と診療予定の把握
III 診療中のチェック
IV 診療後の後始末
1.使用器材の後始末
2.使用器具の滅菌・消毒
3.キャビネット,ブラケットの点検
4.整理整頓および清掃,消毒
5.メインスイッチを切る
V編 歯科診療中におけるおもな事故とその対策
1章 術前検査の補助
I 術前検査の目的
II 歯科外来における術前検査
1.問 診
2.脈拍の触診
3.血圧の測定
2章 おもな事故とその対策
I 原 因
1.術者側に原因がある場合
2.患者側に原因あるいは素因がある場合
II 脳貧血(失神,迷走-迷走神経反射)
1.脳貧血とショックのちがい
2.脳貧血発作の機序
3.対 策
III 気道内異物
1.異物を落としたときの処置
2.胸部X線写真の撮影
IV 異常出血
1.異常出血の原因
2.持続出血の処置
3章 精神鎮静法についての基礎知識
I 精神鎮静法に用いる薬剤およびボンベの取り扱い
1.使用薬剤
2.ボンベ
3.ボンベの装着
4.ボンベの内容
II 笑気吸入鎮静法
1.鼻マスクの装着
2.流用計について
III 静脈内鎮静法
参考図書
さくいん
1章 歯科診療補助の意味
I 歯科診療補助と歯科衛生士
1.共同動作,歯科診療の補助,歯科診療の介助
2.歯科診療の補助と範囲と法的責任
II 共同動作の基本
1.共同動作の意義
2.共同動作のルール
3.共同動作における位置と姿勢
2章 歯科診療の流れと診療補助
I 診療の流れの理解
II 使用器材についての知識の充実
1.診療設備
2.歯科材料の保管と補給
3章 診療室の管理についての理解
I 診療室の環境整備
1.診療環境の整備
2.器械の整備
II 感染予防対策と滅菌・消毒
1.滅菌・消毒の意義
2.滅菌・消毒の方法と器具
3.煮沸消毒法
4.薬液消毒法
5.蒸気滅菌法
6.ガス滅菌法
7.その他の消毒法
8.感染予防対策
III 薬品の管理
1.薬局の整備
2.薬品取り扱い上の一般的心得
IV 診療室から排出される廃棄物に対する理解と分別
1.感染性廃棄物
2.廃棄物の管理
V 事務的管理
1.初診時の受付事務
2.健康保険患者の受付
3.診療録
4.歯科衛生士の業務記録
5.その他の文書の整理
6.写真記録
7.X線写真
8.スタディモデル
II編 基礎実習
1章 綿球,ロールワッテ,カット綿,小折ガーゼ作製実習
I 基礎実習の考え方とねらい
1.歯科診療チームの一員となるための学習であることを常に心がける
2.歯科診療補助を行うには,臨床科目などの知識を基礎にして行うことが大切である
3.各歯科治療内容に必要な器材の名称・用途・取り扱い方を理解し,準備できるようにする
4.感染防止のための器材の滅菌・消毒の知識およびその方法について修得する
5.円滑な診療が行えるように共同動作の方法を修得する
6.歯科材料の名称と用途を理解し,基本的な取り扱い方を学ぶ
7.歯科材料を取り扱うには,歯科材料の性質を知ることが重要である
8.歯科材料の使用量を知る
9.歯科器材の日常の管理法について知る
10.新しい情報の収集も行い,新製品にも対応できるようにする
11.診療中における事故などに備え,救急法について体得する
12.業務記録実習では,基本的な記録方法について学ぶ
II 綿球,ロールワッテ,カット綿,小折ガーゼの作製実習
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
5.セルフチェック
付) ブローチ綿花の作製
2章 主要歯科材料の取り扱い実習/54
I 模型材(歯科用石こう)の取り扱い
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
II 合着材・接着材の取り扱い
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
III 修復材の取り扱い
1.コンポジットレジン修復
2.グラスアイオノマーセメント修復
3.アマルガム修復
IV 仮封材・暫間被覆冠の取り扱い
1.仮封材
2.暫間被覆冠
V 印象材の取り扱い
1.アルジネート印象材
2.寒天印象材
3.合成ゴム質印象材
VI 歯肉圧排
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
VII 歯肉包帯材の取り扱い
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
5.セルフチェック
VIII 小外科手術時の器材の取り扱い
1.局所麻酔時の器材の準備と取り扱い
2.替刃メスの準備と取り扱い
3.縫合用器材の準備と取り扱い
4.セルフチェック
IX 修復物の研磨
1.知識の整理
2.実習目的
3.実習準備
4.実習手順と留意点
5.セルフチェック
X その他の歯科用材料の取り扱い
1.リベース材
2.ティッシュコンディショナー
3.仮着材
4.セルフチェック
3章 器具の受け渡し実習/111
I 実習目的
II 実習準備
III 実習手順と留意点
1.ペングリップによる受け渡し
2.パームグリップによる受け渡し
3.注射器の手渡し
4.小器具の受け渡し
5.セルフチェック
4章 手指の消毒,滅菌・消毒器材の取り扱い実習
I 知識の整理
1.滅 菌
2.消 毒
3.滅菌・消毒法の種類
4.消毒薬の種類・用途および使用濃度
5.消毒剤の持続効果(使用期限)
II 手指消毒法実習
1.手指消毒の目的と関連する知識
2.手指消毒実習
III 器材の滅菌・消毒実習
1.実習準備
2.実習手順と留意点
5章 セッティング実習
I 1日の診療開始前準備
1.診療室準備
2.受付準備
3.待合室準備
II 診査用器材の準備
1.予備診査(問診表)
2.診 査
III 保存修復用器材のセッティング
1.共通の必要器材
2.成形修復
3.鋳造修復
IV 歯内療法用器材のセッティング
1.歯髄保存療法
2.歯髄除去療法
3.根管治療(感染根管治療,根管拡大形成)セッティング
4.根管充填(固形体根管充填,糊剤根管充填)セッティング
5.歯内療法における歯科衛生士の役割
V 歯周治療用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
3.患者の観察と気配り
4.チェアサイドアシスタント
5.器材の後始末
6.患者指導
VI 小児歯科治療用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
VII 矯正歯科治療用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
3.患者指導
4.器材の管理
VIII 口腔外科小手術用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
IX 歯科補綴用器材のセッティング
1.実習準備
2.実習手順と留意点
6章 業務記録実習
I 歯科衛生士の業務記録
II 業務記録の意義
1.日常業務を証明するものとなる
2.記憶の補完となる
3.チームメンバー間の検討会の資料となり,コミュニケーションの手段となる
4.患者とのコミュニケーションの資料となる
5.法的根拠――すべての人を法的に保護する
6.実施した業務の評価の資料となり,業務内容の質の向上につながる
7.研究の資料となり,自己教育となる
8.事後の継続的指導管理や処置の資料となる
III 記録の方法
1.診療所における業務記録
2.歯科訪問指導記録用紙例
IV 症例による業務記録実習
1.う蝕多発傾向者への指導記録実習
2.歯周治療 PI型での業務記録実習
III編 相互実習
1章 患者誘導,ポジション,姿勢,ライティング実習
I 相互実習の目的
II 患者誘導,ポジション,姿勢,ライティング実習
1.実習目的
2.実習準備
3.実習手順と留意点
4.セルフチェック
2章 口腔内洗浄・バキューム操作実習/223
I 実習目的
II 患者・術者・補助者の3人1組での実習
1.バキュームの操作実習
2.スリーウェイシリンジの基本操作実習
3.口腔内洗浄実習
4.歯の切削時における部位ごとのバキューム操作実習
5.セルフチェック
III 患者・術者の2人1組でのバキューム操作実習
3章 ラバーダム防湿実習
I 実習目的
II 実習準備
III 実習手順と留意点
1.1歯露出(装着)法
2.2歯露出(装着)法
3.多数歯露出(装着)法
4.相互実習における留意点
5.セルフチェック
4章 模型作製実習
I 実習目的
II スタディモデル作製
1.実習準備
2.実習手順と留意点
III 矯正用模型の作製
5章 口腔内写真撮影実習
I 実習目的と口腔内写真の意義
1.患者が自分の口腔内の現状を明確に理解できる
2.歯科医師が総合診断をくだすための有力な資料となる
3.歯科保健指導の重要な媒体となる
4.歯科医師・スタッフの技量チェックの資料となる
5.スタッフ間のコミュニケーションに役立つ
II 知識の整理
1.口腔内写真撮影用カメラ
2.フィルム
3.口角鉤
4.口腔内写真撮影用ミラー
5.使用器材の消毒
6.撮影記録用紙
III 実習手順と留意点
1.カメラの点検準備
2.フィルムの装填
3.カメラの構え方とピント合わせ
4.口角鉤の挿入
5.部位別撮影法
6.相互実習と相互評価
7.後始末
8.現像後のフィルムの取り扱いと管理
9.セルフチェック
6章 患者介助実習
I はじめに
II 患者応対にあたっての留意事項
1.高齢者
2.障害者
3.精神遅滞者
4.在宅者・寝たきり者
III 実習手順と留意点
1.車椅子の基本操作実習
2.車椅子から診療台への移動動作の介助実習
3.視覚障害者の歩行介助実習
IV編 臨床実習に臨んで
1章 診療室オリエンテーション
I 歯科診療所における臨床実習
II 歯科診療室における実習心得
1.歯科診療補助と歯科診療介助
2.歯科診療室においての留意事項
2章 診療前,診療中,診療後の注意事項
I 実習前確認
1.歯科診療所の構成と配置
2.チェアーやユニットの作動方法
3.器材の名称と使用方法
II 診療前準備
1.メインスイッチを入れる
2.清掃,消毒をする
3.滅菌・消毒済みの器具を所定の場所に置く
4.キャビネット,ブラケット,必要器材の点検・補充
5.カルテの準備と診療予定の把握
III 診療中のチェック
IV 診療後の後始末
1.使用器材の後始末
2.使用器具の滅菌・消毒
3.キャビネット,ブラケットの点検
4.整理整頓および清掃,消毒
5.メインスイッチを切る
V編 歯科診療中におけるおもな事故とその対策
1章 術前検査の補助
I 術前検査の目的
II 歯科外来における術前検査
1.問 診
2.脈拍の触診
3.血圧の測定
2章 おもな事故とその対策
I 原 因
1.術者側に原因がある場合
2.患者側に原因あるいは素因がある場合
II 脳貧血(失神,迷走-迷走神経反射)
1.脳貧血とショックのちがい
2.脳貧血発作の機序
3.対 策
III 気道内異物
1.異物を落としたときの処置
2.胸部X線写真の撮影
IV 異常出血
1.異常出血の原因
2.持続出血の処置
3章 精神鎮静法についての基礎知識
I 精神鎮静法に用いる薬剤およびボンベの取り扱い
1.使用薬剤
2.ボンベ
3.ボンベの装着
4.ボンベの内容
II 笑気吸入鎮静法
1.鼻マスクの装着
2.流用計について
III 静脈内鎮静法
参考図書
さくいん