やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

発刊にあたって

 日頃から月刊『歯科技工』誌をご愛読いただき,大変ありがとうございます.お蔭様をもちまして,弊社も本年(1991年)の10月をもって創業70年を迎えることになります.そして『歯科技工』も本年の5月号をもちまして,通巻150号という節目を迎えました.
 『歯科技工』は,1973年11月に隔月刊誌として創刊し,その後1984年1月より月刊化となりまして今日を迎えたわけですが,これもひとえに,ご執筆いただいた諸先生方,読者諸氏のご支援の賜物にほかあリません.
 この創業70年,通巻150号を記念いたしまして,本年の6月1・2日(土・日)の2日間にわたり,「適合・機能・審美一歯科臨床と歯科技工」と題したシンポジウムを東京・有楽町マリオンの朝日新聞記念会館において開催いたしましたところ,大変なご好評をいただき,関係者一同感激いたした次第です.
 振り返れば,「歯科技工』創刊15周年を記念いたしまして,「セラミックステクノロジーNOW」と題して1987年6月13・14日に同会場にてシンポジウムを開催しましたことが,つい昨日のことのように、思い出されます.これからも,先生方のお仕事に役立ついろいろな情報を,いろいろなかたちでご提供申しあげまして,出版社としての使命を果たしてまいりたいと存じます.
 ところで,着実に迎えます高齢化社会にありまして,歯科補綴の重要性が高まり,それにつれて歯科技工士の方々の役割もまた,一層その重要度を増してきております.今回は,第一線で活躍されている先生方に,お忙しいなかをシンポシストとしてお願いして,2日間にわたりシンポジウムを開催いたしましたが,本シンポジウムの内容はご参加の皆様方のご期待に添えただけでなく,残念ながらご参加いただけなかった方々にとりましても充実した内容であると確信いたし,ここに別冊として発刊する次第です.
 医歯薬出版株式会社 代表取締役社長 三浦裕士
 基調講演 歯科臨床において歯科技工士は何をなすべきか…桑田正博

Part.1 適合――その目的・目標および模型と口腔内との調整
 日常臨床における適合性の意義…下川尚・内藤正裕
 軟組織と有床義歯との適合――ラボサイドでの適合性の追求…堤嵩嗣
 軟組織と有床義歯との適合――臨床家サイドでの適合性の追求…横山隆道
 ディスカッション 下川尚・内藤正裕 堤嵩嗣・横山隆道 桑田正博<座長>

Part.2 機能――咀嚼効率・生体の維持などの目的と形との接点
 有床義歯の機能と咬合のあり方…斉木好太郎・深水こう三
 術後経過とパーシャルデンチャーの構造…上野秀夫
 術後経過からパーシャルデンチャーの可能性を探る――近未来のパーシャルデンチャーとは…江上勝ニ
 ディスカッション 斉木好太郎・深水コウ三 江上勝二・上野秀夫 青嶋仁<座長>

Part.3 審美――患者の要望と歯科医師・歯科技工士の技術的調和
 多様化するポーセレン修復物とその適切な選択・使用…坂井隆・柏田聰明
 口腔・顔貌の健康的な美しさとコンプリートデンチャー…玉木大介
 人工臓器としての機能を果たす義歯を求めて…佐藤幸司
 ディスカッション 坂井隆・柏田聡明 佐藤幸司・玉木大介 田村勝美<座長>

まとめ より良い歯科臨床のための歯科医師と歯科技工士との接点――患者の喜びをともにわかちあう歯科技工…加藤武彦

 発刊にあたって
 編集後記