序文
このたび,『免疫疾患―state of arts』を改訂することになった.初版は1995年3月に刊行されており,早7年が経過したことになる.いうまでもなく,免疫学の領域はつねに医学・生物学の最先端を歩み続けており,それだけにその内容はめまぐるしく変わってきている.
そのような領域を編纂するのは至難の業であるが,前回と同じ編者によりなんとか企画することができた.
時代とともに免疫学の取り扱う範囲が変化していることもあり,今回の企画では一見免疫学に含まれないようにみえるが,免疫学と不可分の領域も含むようにした.たとえば,それらにはアポトーシス,酸化ストレスなどがある.
全体としての構成は前回をほぼ踏襲している.
第1章の“免疫疾患をめぐる基礎的研究の進歩”では,各種免疫担当細胞についての最近の進歩について解説されている.前回にはなかった新しいNKT細胞についても触れられている.また,免疫応答についても同様であるが,とくにシグナル伝達についての話題が含まれている.さらに,サイトカインについても新しいサイトカインであるIL-18などをはじめ,ケモカインには多くの項目を割いてみた.ケモカインはたんに炎症性サイトカインというだけでなく,さまざまな生物学的な役割を担っていることが明らかになってきている.また,前述したようにその他の話題としてアポトーシスの問題や酸化ストレスの最新の知見にも触れてみた.
第2章の“病態に関する基礎的研究の進歩”では,自己免疫の機構,アレルギーの機構,感染症と免疫,疾患モデルの各セクションに分けてみた.自己免疫の機構では中枢性,末梢性トレランスの機構,レセプターエディティングなどについて解説した.アレルギーの機構ではシグナリングを含めて最新の研究成果に触れてもらった.感染症と免疫の項では各種細菌およびウイルス感染症とサイトカインの役割について解説してもらい,さらに感染症における免疫の役割について記述した.疾患モデルでは前回と同様であるが,今回の特徴は遺伝子操作により作出したモデル動物が中心となった.
第3章の“治療をめぐる最近の進歩”では,遺伝子治療,細胞・免疫治療,移植・再生,新しい話題の項に分けた.遺伝子治療の進歩はめざましく,すでに諸外国では数千例に上るヒトへの治療が試みられている.わが国ではヒトへの応用についてはかなり遅れているのが現状である.しかし,基礎研究は盛んであり,世界の最先端を行っているといっても過言ではない.ここでは,臨床の現状,新しい手法を用いた遺伝子治療の基礎研究などについて解説している.細胞・免疫治療では最近盛んに試みられるようになってきた新しいタイプの免疫療法,細胞療法の研究成果について述べられている.再生医療は最近のもっともホットな話題を提供している分野である.しかし,あまりにも広範にわたるので,ここではわずか1つだけに絞ってみた.また,新しい話題としてDNAチップ,プロテオミクスなどを取り上げた.
第4章の“主要疾患―現況・病態・診断・治療“では,自己免疫疾患,先天性免疫不全,AIDS/ATL,アレルギー,新しい話題の項に分けた.自己免疫疾患の項では全身性および臓器特異的自己免疫疾患の2つの面から解説してもらった.さらに,いくつかの自己免疫疾患を取り上げてみた.先天性免疫不全,AIDS/ATL,アレルギーの項では最新の研究の成果をまとめてみた.最後の“新しい話題”では粘膜免疫やそれを利用したワクチン,抗サイトカイン療法などについて取り上げた.
以上のように,本書は免疫疾患を中心軸に据え,免疫学の基礎から臨床応用にいたるまで広範囲に網羅し,最近の研究成果をまとめたものである.本書が免疫学の最新の潮流を理解していただく一助になれば幸いである.
最後に,本書の刊行にさいしてお骨折りをいただいた医歯薬出版の関係各位に深謝いたします.
2002年3月 編 者
このたび,『免疫疾患―state of arts』を改訂することになった.初版は1995年3月に刊行されており,早7年が経過したことになる.いうまでもなく,免疫学の領域はつねに医学・生物学の最先端を歩み続けており,それだけにその内容はめまぐるしく変わってきている.
そのような領域を編纂するのは至難の業であるが,前回と同じ編者によりなんとか企画することができた.
時代とともに免疫学の取り扱う範囲が変化していることもあり,今回の企画では一見免疫学に含まれないようにみえるが,免疫学と不可分の領域も含むようにした.たとえば,それらにはアポトーシス,酸化ストレスなどがある.
全体としての構成は前回をほぼ踏襲している.
第1章の“免疫疾患をめぐる基礎的研究の進歩”では,各種免疫担当細胞についての最近の進歩について解説されている.前回にはなかった新しいNKT細胞についても触れられている.また,免疫応答についても同様であるが,とくにシグナル伝達についての話題が含まれている.さらに,サイトカインについても新しいサイトカインであるIL-18などをはじめ,ケモカインには多くの項目を割いてみた.ケモカインはたんに炎症性サイトカインというだけでなく,さまざまな生物学的な役割を担っていることが明らかになってきている.また,前述したようにその他の話題としてアポトーシスの問題や酸化ストレスの最新の知見にも触れてみた.
第2章の“病態に関する基礎的研究の進歩”では,自己免疫の機構,アレルギーの機構,感染症と免疫,疾患モデルの各セクションに分けてみた.自己免疫の機構では中枢性,末梢性トレランスの機構,レセプターエディティングなどについて解説した.アレルギーの機構ではシグナリングを含めて最新の研究成果に触れてもらった.感染症と免疫の項では各種細菌およびウイルス感染症とサイトカインの役割について解説してもらい,さらに感染症における免疫の役割について記述した.疾患モデルでは前回と同様であるが,今回の特徴は遺伝子操作により作出したモデル動物が中心となった.
第3章の“治療をめぐる最近の進歩”では,遺伝子治療,細胞・免疫治療,移植・再生,新しい話題の項に分けた.遺伝子治療の進歩はめざましく,すでに諸外国では数千例に上るヒトへの治療が試みられている.わが国ではヒトへの応用についてはかなり遅れているのが現状である.しかし,基礎研究は盛んであり,世界の最先端を行っているといっても過言ではない.ここでは,臨床の現状,新しい手法を用いた遺伝子治療の基礎研究などについて解説している.細胞・免疫治療では最近盛んに試みられるようになってきた新しいタイプの免疫療法,細胞療法の研究成果について述べられている.再生医療は最近のもっともホットな話題を提供している分野である.しかし,あまりにも広範にわたるので,ここではわずか1つだけに絞ってみた.また,新しい話題としてDNAチップ,プロテオミクスなどを取り上げた.
第4章の“主要疾患―現況・病態・診断・治療“では,自己免疫疾患,先天性免疫不全,AIDS/ATL,アレルギー,新しい話題の項に分けた.自己免疫疾患の項では全身性および臓器特異的自己免疫疾患の2つの面から解説してもらった.さらに,いくつかの自己免疫疾患を取り上げてみた.先天性免疫不全,AIDS/ATL,アレルギーの項では最新の研究の成果をまとめてみた.最後の“新しい話題”では粘膜免疫やそれを利用したワクチン,抗サイトカイン療法などについて取り上げた.
以上のように,本書は免疫疾患を中心軸に据え,免疫学の基礎から臨床応用にいたるまで広範囲に網羅し,最近の研究成果をまとめたものである.本書が免疫学の最新の潮流を理解していただく一助になれば幸いである.
最後に,本書の刊行にさいしてお骨折りをいただいた医歯薬出版の関係各位に深謝いたします.
2002年3月 編 者
第1章 免疫疾患をめぐる基礎的研究の進歩
■免疫担当細胞
1.免疫担当細胞―Overview 湊 長博
2.リンパ系細胞の初期分化 桂 義元・河本 宏
3.T細胞―胸腺内分化とセレクションの分子機序 木村元子・中山俊憲
4.B細胞の分化経路と亜集団 安達貴弘・鍔田武志
5.抗原提示細胞―抗原提示機構と免疫応答制御 伊豫田智典・稲葉カヨ
6.γδ型T細胞 吉開泰信
7.NKT細胞 三宅幸子
■免疫応答
8.免疫応答―Overview 石井保之・淀井淳司
9.T細胞活性化とシグナル伝達 山崎 晶・斉藤 隆
10.B細胞の活性化 井鍋一則・黒崎知博
11.ヒトγδT細胞の活性化 田中義正
12.Th1とTh2分化の制御機構 久保充人
13.記憶細胞 高橋宜聖・竹森利忠
14.HLAと免疫応答 松下 祥
15.CD1-感染免疫のあらたなパラダイム 楢崎秀彦・杉田昌彦
16.インテグリンと免疫シナプス 木梨達夫
17.B7系補助シグナル分子 上出利光
■サイトカイン
18.サイトカイン―Overview 菅村和夫
19.造血発生とサイトカイン 原 孝彦
20.SMAD/TGF-βシグナル 中尾篤人
21.IL-1シグナル伝達 辻 順・松本邦弘
22.IL-18 上田晴康・岡村春樹
■ケモカイン
23.ケモカイン―Overview 米山博之・松島綱治
24.リンパ球サブセットとケモカイン受容体 中山隆志・義江 修
25.ケモカインと接着分子 田中良哉
26.ケモカインと造血 長澤丘司
27.ケモカインと癌免疫 藤原大美
28.アレルギー性炎症とケモカイン 茆原順一・山田佳之
■新しい話題
29.デスレセプターとアポトーシス 矢島伸之・米原 伸
30.脱髄疾患におけるアポトーシスの役割―多発性硬化症モデルの病態とカスパーゼ 柿沼由彦・三浦正幸
31.Innate immunity-Toll like receptor 竹内 理・審良静男
32.MD分子によるLPSシグナル認識制御機構 赤司祥子・三宅健介
33.酸化型・還元型マクロファージ 羽室淳爾
34.ガレクチン―神が創造した知恵のある糊 平島光臣
35.トレフォイルファクターファミリー(TTF)―構造および消化管における生理学的機能 金井陸行
36.蛋白質分解系の免疫系への寄与 岩井一宏
■神経・内分泌・免疫/Stress Signal
37.酸化ストレスによる遺伝子制御 増谷 弘
38.グルココルチコイドレセプターのシグナル伝達機構 田中廣壽
39.ストレスとチオレドキシンファミリー 中村 肇・淀井淳司
40.免疫系酸化ストレスシグナル 中島 泉
第2章 病態に関する基礎的研究の進歩
■自己免疫の機構
41.自己免疫の機構―Overview 山本一彦
42.中枢性トレランスのメカニズム 高浜洋介
43.末梢性トレランスのメカニズム 堀 昌平・坂口志文
44.BCR,TCRのレセプターエディチング 清水健之・東 隆親
45.膠原病の感受性遺伝子―モデルマウスゲノミクス 能勢眞人
46.自己抗体――病態形成と産生のメカニズム 三森経世
■アレルギーの機構
47.アレルギーの機構―Overview 大嶋勇成・眞弓光文
48.アレルギー性炎症のコンダクターとしてのマスト細胞(mast cell universe) 鈴木勝宏・羅 智靖
49.マスト細胞のシグナル伝達 浅井康一・川上敏明
50.酸化ストレスとアレルギー 橋本 修
51.GIF 石井保之
52.好酸球・好塩基球 平井浩一
53.ホスフォリパーゼとアレルギー 山口正雄
■感染症と免疫
54.リステリア感染におけるサイトカイン産生 光山正雄・河村伊久雄
55.Helicobacter pyloriによる病態形成とサイトカイン 山岡吉生
56.CpG DNAの免疫活性 山本三郎
57.ノックアウトマウスを用いた感染防御におけるサイトカインの役割 喜多正和
58.HIVに対する感染免疫機構 市村 宏
59.ウイルスの感染免疫からの回避機構 榮鶴義人
60.C型肝炎の病態と免疫 林 紀夫・考藤達哉
■疾患モデル
61.Chediak-Higashi症候群とベージュミュータント動物 森 政之
62.Fcレセプター欠損マウス 中村 晃・高井俊行
63.慢性関節リウマチのマウスモデル 坂口教子・坂口志文
64.BCL6欠損と免疫記憶異常 徳久剛史
65.自己免疫疾患マウスモデル 石原克彦
66.白血病・悪性リンパ腫モデルマウス 本田浩章 ・平井久丸
67.HAM/TSPのラットモデル 石津明洋・吉木 敬
68.老化モデル動物 鍋島陽一
69.リンパ球遊走,ホーミングの制御機構―遺伝子操作マウスからのレッスン 福井宣規
70.1型糖尿病ラット 横井伯英
第3章 治療をめぐる最近の進歩
■遺伝子治療
71.遺伝子治療―Overview 大野典也
72.免疫遺伝子治療クリニカルトライアルの現状と課題 谷 憲三朗
73.腫瘍ワクチンによる免疫遺伝子治療 増田茂夫・平井久丸
74.樹状細胞を用いた免疫遺伝子治療 角田卓也・田原秀晃
75.サイトカイン遺伝子による免疫遺伝子治療 浅田秀基・他
76.重症複合型免疫不全症の遺伝子治療 小澤敬也
77.慢性関節リウマチの遺伝子治療 上阪 等
78.造血幹細胞遺伝子治療 服部 豊
■細胞・免疫治療
79.癌に対する細胞・免疫治療の現況 河上 裕
80.免疫細胞療法 若杉 尋・田野崎隆二
81.サイトカイン療法―最近の進歩 硲 彰一・岡 正朗
82.NY-ESO-1-癌組織における発現と宿主免疫応答の解析 野口雄司・中山睿一
83.造血幹細胞移植 中畑龍俊
84.甦ったBCG-CWS 林 昭
■移植・再生
85.移植における革新的技術 池原 進
86.幹細胞システムと再生医学 依馬秀夫・中内啓光
■新しい話題
87.プロテオミクス 三井 彰
88.抗IgE抗体 山下直美
第4章 主要疾患―現況・病態・診断・治療
■自己免疫疾患
89.全身性自己免疫疾患 大矢直子・尾崎承一
90.臓器特異的自己免疫病のNK/NKT細胞による調節 山村 隆
91.白血球自律神経支配と自己免疫疾患 安保 徹
92.慢性関節リウマチ―現況と展望 宮坂信之
93.ANCAと血管炎 橋本博史
94.抗リン脂質抗体症候群―自己免疫性血栓症候群 古川 真・小池隆夫
95.複雑な自己免疫性肝炎の病態・治療 各務伸一
■先天性免疫不全
96.重症複合免疫不全症 久間木 悟
97.先天性免疫不全症の遺伝子異常 宮脇利男・金兼弘和
■AIDS/ATL
98.AIDS 満屋裕明
99.成人T細胞白血病 松岡雅雄
■アレルギー
100.気管支喘息の発症に関与する分子メカニズム 大田 健
101.アレルギー性鼻炎,花粉症の病態と治療 今野昭義・寺田修久
102.薬剤アレルギー 高藤 繁
103.アトピー性皮膚炎 横関博雄・西岡 清
104.過敏性肺臓炎(肺炎)―特発性肺線維症と誤診しないために 吉澤靖之・稲瀬直彦
■新しい話題
105.粘膜ワクチンの展開 岩谷綱一・清野 宏
106.潰瘍性大腸炎と腸管粘膜IL-7/IL-7受容体機構 渡辺 守・岡本隆一
107.間質性肺炎―IL-18投与により誘導される新規ヒト間質性肺炎モデルの樹立 星野友昭
108.TNF阻害療法 竹内 勤
109.抗IL-6レセプター抗体療法 杉本正道・吉崎和幸
110.マイクロキメリズムと疾患 村田秀行・住田孝之
111.COX-1,COX-2と炎症 川合眞一
112.血球貪食症候群 熊倉俊一・他
サイドメモ
Primitive hematopoiesisとdefinitive hematopoiesis
bHLH蛋白質とld蛋白質
TNF/TNFRファミリー
熱ショック蛋白
IL-15
自然免疫と獲得免疫
調節性T細胞(regulatory Tcell)
Raft
ITAM(immunorecptor tyrosine based activation motif)
非ペプチド性抗原
ホットドッグモデル
抗酸菌
Inside-outシグナルとoutside-inシグナル
造血幹細胞の分化転換
ユビキチン化
IL-18結合蛋白(IL-18BP)
ヘパラン硫酸プロテオグリカン
STAT4
好酸球にもTh1様とTh2様がある
線虫と哺乳類のアポトーシス
NF-κ B活性化機構
ロイシンリッチリピート
消化管粘膜上皮細胞の創傷治癒機転
ユビキチン様蛋白質
レドックス制御
化学反応誘導性自己免疫病
ライム病(Lyme disease)
制御性T細胞(regulatory Tcell:Treg)
レセプターリビィジョン
ポリジーン疾患(polygenic disease)
遺伝子多型
Fc ε RI β鎖の機能
IgEによるFc ε RIの発現増強とマスト細胞の生存調節
MAPKスーパーファミリー
MIF(macrophage migration inhibitory factor)
抗IL-5抗体療法
ホスフォリパーゼC,D
リステリオリシンO(LLO)
cDNAアレイ
CpG DNAのアジュバント活性
細胞内伝達因子KOマウス
DC-SIGN-樹状細胞のHIV-1結合レセプター
ハプロタイプ(haplotype)
シンテニー(synteny)の保存
Homeostatic proliferation
トランスジェニックマウスとノックインマウス
HTLV-I細胞内増殖効率の種差とCRM1
ヒト1型糖尿病の遺伝解析
CD40リガンド(CD40L ;CD154)
Lymphotactin(Lptn)
樹状細胞を中心とした腫瘍免疫の機序
EBVリポプレックス法
サイクリン依存性キナーゼ阻害因子
HLAテトラマー/腫瘍エスケープ機構
抗腫瘍効果が期待される新しいサイトカイン
造血幹細胞のex vivo増幅
脱分化と分化転換
リン酸化蛋白質特異的同定方法
マイクロキメリズム
NK1細胞とNK2細胞
顆粒球と組織障害
TNF-α
血管炎の新しい治療の動向
ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)
自己免疫性肝炎の病態の難解さ
Genotypeとphenotype
Omenn症候群とRAG変異
薬物耐性HIV-1変異株の出現
RANK/RANK ligand
ヒト化抗IgE抗体療法
慢性過敏性肺臓炎(肺炎)と特発生肺線維症との鑑別
KL-6
避妊ワクチン
IL-7
ヒト間質性肺炎動物モデルと間質性肺炎の原因遺伝子
COX-1とCOX-2のノックアウトマウス
自己免疫関連血球貪食症候群(AAHS)
■免疫担当細胞
1.免疫担当細胞―Overview 湊 長博
2.リンパ系細胞の初期分化 桂 義元・河本 宏
3.T細胞―胸腺内分化とセレクションの分子機序 木村元子・中山俊憲
4.B細胞の分化経路と亜集団 安達貴弘・鍔田武志
5.抗原提示細胞―抗原提示機構と免疫応答制御 伊豫田智典・稲葉カヨ
6.γδ型T細胞 吉開泰信
7.NKT細胞 三宅幸子
■免疫応答
8.免疫応答―Overview 石井保之・淀井淳司
9.T細胞活性化とシグナル伝達 山崎 晶・斉藤 隆
10.B細胞の活性化 井鍋一則・黒崎知博
11.ヒトγδT細胞の活性化 田中義正
12.Th1とTh2分化の制御機構 久保充人
13.記憶細胞 高橋宜聖・竹森利忠
14.HLAと免疫応答 松下 祥
15.CD1-感染免疫のあらたなパラダイム 楢崎秀彦・杉田昌彦
16.インテグリンと免疫シナプス 木梨達夫
17.B7系補助シグナル分子 上出利光
■サイトカイン
18.サイトカイン―Overview 菅村和夫
19.造血発生とサイトカイン 原 孝彦
20.SMAD/TGF-βシグナル 中尾篤人
21.IL-1シグナル伝達 辻 順・松本邦弘
22.IL-18 上田晴康・岡村春樹
■ケモカイン
23.ケモカイン―Overview 米山博之・松島綱治
24.リンパ球サブセットとケモカイン受容体 中山隆志・義江 修
25.ケモカインと接着分子 田中良哉
26.ケモカインと造血 長澤丘司
27.ケモカインと癌免疫 藤原大美
28.アレルギー性炎症とケモカイン 茆原順一・山田佳之
■新しい話題
29.デスレセプターとアポトーシス 矢島伸之・米原 伸
30.脱髄疾患におけるアポトーシスの役割―多発性硬化症モデルの病態とカスパーゼ 柿沼由彦・三浦正幸
31.Innate immunity-Toll like receptor 竹内 理・審良静男
32.MD分子によるLPSシグナル認識制御機構 赤司祥子・三宅健介
33.酸化型・還元型マクロファージ 羽室淳爾
34.ガレクチン―神が創造した知恵のある糊 平島光臣
35.トレフォイルファクターファミリー(TTF)―構造および消化管における生理学的機能 金井陸行
36.蛋白質分解系の免疫系への寄与 岩井一宏
■神経・内分泌・免疫/Stress Signal
37.酸化ストレスによる遺伝子制御 増谷 弘
38.グルココルチコイドレセプターのシグナル伝達機構 田中廣壽
39.ストレスとチオレドキシンファミリー 中村 肇・淀井淳司
40.免疫系酸化ストレスシグナル 中島 泉
第2章 病態に関する基礎的研究の進歩
■自己免疫の機構
41.自己免疫の機構―Overview 山本一彦
42.中枢性トレランスのメカニズム 高浜洋介
43.末梢性トレランスのメカニズム 堀 昌平・坂口志文
44.BCR,TCRのレセプターエディチング 清水健之・東 隆親
45.膠原病の感受性遺伝子―モデルマウスゲノミクス 能勢眞人
46.自己抗体――病態形成と産生のメカニズム 三森経世
■アレルギーの機構
47.アレルギーの機構―Overview 大嶋勇成・眞弓光文
48.アレルギー性炎症のコンダクターとしてのマスト細胞(mast cell universe) 鈴木勝宏・羅 智靖
49.マスト細胞のシグナル伝達 浅井康一・川上敏明
50.酸化ストレスとアレルギー 橋本 修
51.GIF 石井保之
52.好酸球・好塩基球 平井浩一
53.ホスフォリパーゼとアレルギー 山口正雄
■感染症と免疫
54.リステリア感染におけるサイトカイン産生 光山正雄・河村伊久雄
55.Helicobacter pyloriによる病態形成とサイトカイン 山岡吉生
56.CpG DNAの免疫活性 山本三郎
57.ノックアウトマウスを用いた感染防御におけるサイトカインの役割 喜多正和
58.HIVに対する感染免疫機構 市村 宏
59.ウイルスの感染免疫からの回避機構 榮鶴義人
60.C型肝炎の病態と免疫 林 紀夫・考藤達哉
■疾患モデル
61.Chediak-Higashi症候群とベージュミュータント動物 森 政之
62.Fcレセプター欠損マウス 中村 晃・高井俊行
63.慢性関節リウマチのマウスモデル 坂口教子・坂口志文
64.BCL6欠損と免疫記憶異常 徳久剛史
65.自己免疫疾患マウスモデル 石原克彦
66.白血病・悪性リンパ腫モデルマウス 本田浩章 ・平井久丸
67.HAM/TSPのラットモデル 石津明洋・吉木 敬
68.老化モデル動物 鍋島陽一
69.リンパ球遊走,ホーミングの制御機構―遺伝子操作マウスからのレッスン 福井宣規
70.1型糖尿病ラット 横井伯英
第3章 治療をめぐる最近の進歩
■遺伝子治療
71.遺伝子治療―Overview 大野典也
72.免疫遺伝子治療クリニカルトライアルの現状と課題 谷 憲三朗
73.腫瘍ワクチンによる免疫遺伝子治療 増田茂夫・平井久丸
74.樹状細胞を用いた免疫遺伝子治療 角田卓也・田原秀晃
75.サイトカイン遺伝子による免疫遺伝子治療 浅田秀基・他
76.重症複合型免疫不全症の遺伝子治療 小澤敬也
77.慢性関節リウマチの遺伝子治療 上阪 等
78.造血幹細胞遺伝子治療 服部 豊
■細胞・免疫治療
79.癌に対する細胞・免疫治療の現況 河上 裕
80.免疫細胞療法 若杉 尋・田野崎隆二
81.サイトカイン療法―最近の進歩 硲 彰一・岡 正朗
82.NY-ESO-1-癌組織における発現と宿主免疫応答の解析 野口雄司・中山睿一
83.造血幹細胞移植 中畑龍俊
84.甦ったBCG-CWS 林 昭
■移植・再生
85.移植における革新的技術 池原 進
86.幹細胞システムと再生医学 依馬秀夫・中内啓光
■新しい話題
87.プロテオミクス 三井 彰
88.抗IgE抗体 山下直美
第4章 主要疾患―現況・病態・診断・治療
■自己免疫疾患
89.全身性自己免疫疾患 大矢直子・尾崎承一
90.臓器特異的自己免疫病のNK/NKT細胞による調節 山村 隆
91.白血球自律神経支配と自己免疫疾患 安保 徹
92.慢性関節リウマチ―現況と展望 宮坂信之
93.ANCAと血管炎 橋本博史
94.抗リン脂質抗体症候群―自己免疫性血栓症候群 古川 真・小池隆夫
95.複雑な自己免疫性肝炎の病態・治療 各務伸一
■先天性免疫不全
96.重症複合免疫不全症 久間木 悟
97.先天性免疫不全症の遺伝子異常 宮脇利男・金兼弘和
■AIDS/ATL
98.AIDS 満屋裕明
99.成人T細胞白血病 松岡雅雄
■アレルギー
100.気管支喘息の発症に関与する分子メカニズム 大田 健
101.アレルギー性鼻炎,花粉症の病態と治療 今野昭義・寺田修久
102.薬剤アレルギー 高藤 繁
103.アトピー性皮膚炎 横関博雄・西岡 清
104.過敏性肺臓炎(肺炎)―特発性肺線維症と誤診しないために 吉澤靖之・稲瀬直彦
■新しい話題
105.粘膜ワクチンの展開 岩谷綱一・清野 宏
106.潰瘍性大腸炎と腸管粘膜IL-7/IL-7受容体機構 渡辺 守・岡本隆一
107.間質性肺炎―IL-18投与により誘導される新規ヒト間質性肺炎モデルの樹立 星野友昭
108.TNF阻害療法 竹内 勤
109.抗IL-6レセプター抗体療法 杉本正道・吉崎和幸
110.マイクロキメリズムと疾患 村田秀行・住田孝之
111.COX-1,COX-2と炎症 川合眞一
112.血球貪食症候群 熊倉俊一・他
サイドメモ
Primitive hematopoiesisとdefinitive hematopoiesis
bHLH蛋白質とld蛋白質
TNF/TNFRファミリー
熱ショック蛋白
IL-15
自然免疫と獲得免疫
調節性T細胞(regulatory Tcell)
Raft
ITAM(immunorecptor tyrosine based activation motif)
非ペプチド性抗原
ホットドッグモデル
抗酸菌
Inside-outシグナルとoutside-inシグナル
造血幹細胞の分化転換
ユビキチン化
IL-18結合蛋白(IL-18BP)
ヘパラン硫酸プロテオグリカン
STAT4
好酸球にもTh1様とTh2様がある
線虫と哺乳類のアポトーシス
NF-κ B活性化機構
ロイシンリッチリピート
消化管粘膜上皮細胞の創傷治癒機転
ユビキチン様蛋白質
レドックス制御
化学反応誘導性自己免疫病
ライム病(Lyme disease)
制御性T細胞(regulatory Tcell:Treg)
レセプターリビィジョン
ポリジーン疾患(polygenic disease)
遺伝子多型
Fc ε RI β鎖の機能
IgEによるFc ε RIの発現増強とマスト細胞の生存調節
MAPKスーパーファミリー
MIF(macrophage migration inhibitory factor)
抗IL-5抗体療法
ホスフォリパーゼC,D
リステリオリシンO(LLO)
cDNAアレイ
CpG DNAのアジュバント活性
細胞内伝達因子KOマウス
DC-SIGN-樹状細胞のHIV-1結合レセプター
ハプロタイプ(haplotype)
シンテニー(synteny)の保存
Homeostatic proliferation
トランスジェニックマウスとノックインマウス
HTLV-I細胞内増殖効率の種差とCRM1
ヒト1型糖尿病の遺伝解析
CD40リガンド(CD40L ;CD154)
Lymphotactin(Lptn)
樹状細胞を中心とした腫瘍免疫の機序
EBVリポプレックス法
サイクリン依存性キナーゼ阻害因子
HLAテトラマー/腫瘍エスケープ機構
抗腫瘍効果が期待される新しいサイトカイン
造血幹細胞のex vivo増幅
脱分化と分化転換
リン酸化蛋白質特異的同定方法
マイクロキメリズム
NK1細胞とNK2細胞
顆粒球と組織障害
TNF-α
血管炎の新しい治療の動向
ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)
自己免疫性肝炎の病態の難解さ
Genotypeとphenotype
Omenn症候群とRAG変異
薬物耐性HIV-1変異株の出現
RANK/RANK ligand
ヒト化抗IgE抗体療法
慢性過敏性肺臓炎(肺炎)と特発生肺線維症との鑑別
KL-6
避妊ワクチン
IL-7
ヒト間質性肺炎動物モデルと間質性肺炎の原因遺伝子
COX-1とCOX-2のノックアウトマウス
自己免疫関連血球貪食症候群(AAHS)