やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 本書は,はり師・きゅう師およびあん摩マッサージ指圧師の養成課程における必修科目である「東洋医学概論」の○×解答式の問題集である.東洋医学概論は,用語や概念を理解することは難しいが,従来,国家試験は出題傾向がはっきりしており,基本事項を暗記していれば点数のとりやすい科目であった.しかし近年においては,暗記だけでは解答できない問題や,臨床に関連する問題も多数出題されており,難題複雑化してきている.そこで本書では,○×方式の問題を解いてゆく過程で,東洋医学概論を基礎から徐々に理解しながら記憶できるように構成し,設問には詳しい解説をつけるとともに,必要に応じて参照事項として学習内容を理解しやすいようにまとめた図表を掲載し,効率よく学べるように工夫した.
 本書の内容には,現行の国家試験の範囲を超え,難易度の高い設問も掲載されているが,今後の出題傾向の難題化,複雑化,さらに平素の授業や定期試験,または卒後学習への利用も考慮した結果である.
 本書が,読者の東洋医学概論の理解を深める一助となれば,著者として幸いである.
 最後に,本書の企画・制作にあたって多大なる助言をいただいた医歯薬出版の竹内 大,戸田健太郎両氏に深謝いたします.
 平成19年10月 編著者一同
第1章 東洋医学の特徴と歴史
 1.東洋医学の特徴
 2.東洋医学の歴史
  2.1 気の思想
  2.2 治療法の種類と発祥地
  2.3 中国の古典医学書
  2.4 日本の古典医学書
第2章 陰陽五行論
 1.陰陽概念の起源と特徴
 2.分類法としての陰陽
  2.1 自然界の陰陽分類
  2.2 人体の陰陽分類
  2.3 診断の陰陽分類
  2.4 陰陽可分
 3.陰陽の法則
  3.1 陰陽の制約
  3.2 陰陽の互根
  3.3 陰陽の消長平衡
  3.4 陰陽の相互転化
  3.5 陰陽の医学における応用
 4.三陰三陽の分類
 5.五行論
  5.1 五行の特徴
  5.2 自然界における五行分類
  5.3 人体における五行分類
  5.4 五行の相生と相克
第3章 東洋医学の人体観
 1.精と,気血津液の生成とその作用
  1.1 精の生成とその作用
  1.2 気の生成とその作用
  1.3 血の生成とその作用
  1.4 津液の生成とその作用
 2.神の分類とその作用
 3.蔵象論
  3.1 臓腑の概念
  3.2 臓腑の表裏関係
  3.3 臓の生理
  3.4 六腑の生理
  3.5 奇恒の腑の生理
第4章 東洋医学の疾病観
 1.病因
  1.1 病因の分類
  1.2 外因
  1.3 内因
  1.4 代表的な不内外因
 2.東洋医学の病理
 3.弁証
  3.1 八綱弁証
  3.2 気血津液弁証
  3.3 臓腑弁証
  3.4 十二経脈病証
  3.5 奇経八脈病証
  3.6 六経弁証
  3.7 東洋医学の疾病名
第5章 東洋医学の診察法
 1.診察法の分類
 2.望診
  2.1 望診の意義
  2.2 顔面診
  2.3 舌診
  2.4 虎口三関の脈
 3.聞診
  3.1 呼吸と声音
  3.2 五臓と五声
  3.3 五臓と五臭
 4.問診
  4.1 寒熱
  4.2 発汗
  4.3 口の症状
  4.4 排尿と排便
  4.5 疼痛
  4.6 過労と五臓
 5.切診
  5.1 脈診
  5.2 腹診
  5.3 切経
第6章 治療法
 1.治療原則
  1.1 標本に応じた原則
  1.2 虚実に応じた原則
 2.古典における刺法
  2.1 九刺
  2.2 十二刺
  2.3 五刺
  2.4 刺法の応用問題
 3.補瀉法
  3.1 鍼の補瀉手技
  3.2 灸の補瀉手技
  3.3 難経六十九難に基づく補瀉

 索引