やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 柔道整復師における国家試験は年ごとに厳しくなって参りましたが,今後もその傾向は続くと考えられます.問題内容,問題形式にも大きな変化が見られます.今後,柔道整復理論を学ぶにあたって,1) 臨床上の応用力,2) リスク回避のための理論と判断基準をより具体的に理解することが必要となります.そのためには,個々の問題を独自に思考し,逐一,知識の整理と確認を行うことが重要となります.
 本書は,国家試験問題に限らずオリジナルの問題を加え,整形外科の用語も豊富に取りいれて作られています.臨床上の参考書としても使用できることを目的としました.学生さんをはじめ,柔道整復師の皆さんの知識の整理のお役に立てば幸甚です.
 最後に,本書の作成にあたって,数々の助言とご指導をいただきました医歯薬出版の竹内大氏に深謝の意を表します.
 平成16年8月
 竹内 義享


本書の特徴と使い方
 本書は○×方式で問題を作成しており,解答を進めるにつれ,重要と思われる内容に対して理解が深まるようにしてあります.問題には,十分な解説を加えるとともに,解説の中でも特に重要な用語は赤字とし,添付の赤色下敷きを用いることでさらに穴あき問題として知識の再確認にも使用できます.
 設問と解答の解説以外に[参照事項]として,まとめの図表や少し
踏み込んだ事項を示しました.また[英語]に,これくらいは記憶し
てほしい重要な用語の英語を示し,解説中にE用語として記載しま
した.当該用語に複数の英語が用いられる場合は[英語]欄にカンマ(,)で区切り羅列しました.さらにコロン(:)は略語を示します.
 本書が,柔道整復理論,整形外科の知識の再確認と,臨床でのさらなる応用への礎となることを願います.
〇×トライアル 柔道整復理論・整形外科 目次

 序
 本書の特徴と使い方

第1章 運動器の基礎知識
 1.骨
 2.関 節
  2.1 関節の構造
  2.2 関節の構成組織
 3.筋 ・ 腱
 4.神 経

第2章 骨の損傷
 1.定義・分類
 2.症 状
 3.小児・高齢者の骨損傷
  3.1 小 児
  3.2 高齢者
 4.治癒経過
 5.合併症
  5.1 併発症・続発症
  5.2 後遺症

第3章 関節・筋・腱・神経の損傷
 1.関節の損傷
  1.1 捻 挫
  1.2 脱 臼
 2.筋損傷
  2.1 分 類
  2.2 症状・予後
 3.腱損傷
 4.神経損傷
  4.1 分 類
  4.2 症状・治癒経過

第4章 評価法・検査法・治療法
 1.評価法と検査法
  1.1 歩容・良肢位
  1.2 計 測
  1.3 反射・MMT
  1.4 関節穿刺・画像診断
 2.治療法
  2.1 応急処置・整復法・固定
  2.2 理学療法

第5章 骨 折
 1.頭部・顔面
  1.1 頭蓋骨骨折
  1.2 上顎骨・鼻骨骨折
 2.胸 部
  2.1 肋骨骨折
  2.2 胸骨骨折
 3.脊 椎
  3.1 頸椎骨折
  3.2 胸椎・腰椎骨折
 4.鎖骨・肩甲骨
  4.1 鎖骨骨折
  4.2 肩甲骨骨折
 5.上腕骨近位
  5.1 上腕骨骨頭・解剖頸骨折
  5.2 上腕骨外科頸骨折
  5.3 上腕骨大結節・小結節骨折,近位骨端線離開
 6.上腕骨中央
 7.上腕骨遠位
  7.1 上腕骨顆上骨折
  7.2 上腕骨外顆骨折
  7.3 上腕骨内側上顆骨折ほか
 8.前腕骨近位
  8.1 橈骨頭・頸部骨折
  8.2 肘頭骨折
 9.前腕骨中央
  9.1 橈骨単独骨折
  9.2 ガレアッジ骨折
  9.3 尺骨単独骨折
  9.4 モンテギア骨折
  9.5 橈・尺両骨骨幹部骨折
 10.前腕骨遠位
 10.1 コーレス骨折
 10.2 スミス骨折
 10.3 骨端線離開ほか
 11.手 ・ 指
 11.1 手根部骨折
 11.2 中手骨骨折
 11.3 手指骨骨折
 12.骨 盤
 12.1 デュベルネ骨折
 12.2 恥骨・坐骨・仙骨・尾骨骨折ほか
 12.3 骨盤骨環骨折
 13.大腿骨近位
 13.1 大腿骨骨頭・大腿骨頸部骨折
 13.2 大転子・小転子骨折
 14.大腿骨中央
 15.大腿骨遠位
 15.1 大腿骨顆上骨折
 15.2 大腿骨遠位端骨端線離開
 15.3 大腿骨顆部骨折ほか
 16.膝蓋骨
 16.1 膝蓋骨骨折
 16.2 分裂膝蓋骨
 17.下腿骨
 17.1 脛骨顆部骨折
 17.2 脛骨顆間隆起骨折
 17.3 脛骨粗面剥離骨折
 17.4 脛骨骨幹部・腓骨頭骨折
 17.5 足関節果部骨折
 18.足・足趾
 18.1 距骨骨折
 18.2 踵骨骨折
 18.3 舟状骨・立方骨・楔状骨骨折
 18.4 中足骨・足趾骨折

第6章 脱 臼
 1.頭部・顔面
 2.脊 椎
 3.鎖 骨
  3.1 胸鎖関節脱臼
  3.2 肩鎖関節脱臼
 4.肩関節
 5.肘
  5.1 肘関節脱臼
  5.2 肘関節前方脱臼・側方脱臼
  5.3 肘内障・橈骨頭脱臼
 6.手関節・手指部
  6.1 手関節脱臼
  6.2 月状骨・月状骨周囲・手根間脱臼
  6.3 CM・MP・IP関節脱臼
 7.股関節
 8.膝蓋骨・膝関節
 9.足関節および足部

第7章 軟部組織損傷
 1.頭部・顔面・胸部
 2.脊 椎
  2.1 腕神経叢損傷
  2.2 頸部捻挫
 3.肩 部
  3.1 腱板炎・腱板損傷
  3.2 上腕二頭筋長頭腱断裂
  3.3 肩関節周囲炎・野球肩
 4 肘部
  4.1 内側・外側上顆炎
  4.2 離断性骨軟骨炎ほか
 5.上肢の変形・腱損傷
 6.上肢の神経障害
  6.1 橈骨神経障害
  6.2 正中神経障害
  6.3 尺骨神経障害
  6.4 その他
 7.股関節・大腿部
  7.1 股関節損傷
  7.2 大腿部損傷
 8 膝関節
  8.1 側副靭帯損傷
  8.2 前・後十字靭帯損傷
  8.3 半月板損傷・ベーカー嚢腫
 9.下腿部
  9.1 腓骨神経麻痺・腓腹筋肉離れ
  9.2 コンパートメント症候群・シンスプリント
  9.3 アキレス腱断裂
 10.足 部
 10.1 足関節捻挫
 10.2 足根管症候群・その他

第8章 その他の整形外科的疾患
 1.全身の骨・軟部疾患
  1.1 先天性骨系統疾患
  1.2 側 弯
  1.3 脊椎カリエス・強直性脊椎炎
  1.4 脊椎分離症・椎間板ヘルニアほか
  1.5 その他
 2.感染性疾患
  2.1 化膿性骨髄炎
  2.2 その他
 3.非感染性軟部疾患・関節疾患
 4.骨端症
 5.神経・筋の系統疾患
 6.骨および軟部腫瘍
  6.1 骨腫瘍総論
  6.2 悪性骨腫瘍
  6.3 良性骨腫瘍
  6.4 骨腫瘍類似疾患・軟部組織腫瘍

索引