やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

温故知新─序文にかえて─
 “そうだ,ここ,ここだよ!”日々の診療を終えて後,手元の経穴本を調べていて,思わず感歎の声をあげることがよくあるでしょう.
 「故きを温ねて,新しきを知る.以て師と為すべし」臨床家は経穴をただ丸呑みするのではなく,よく使い,診療後に改めてその意義を吟味する.このことにより,新しい知見を心得ることができる.
 WHO/WPRO標準経穴はEBMに基づく鍼灸教育・研究および臨床のための土台を築いたといえる.しかし,臨床家は百家争鳴して,経穴の基礎研究にエネルギーを注いでいる.
 名医・孫思バクは,『大医精誠』で次のように述べている.「医業に精通しないものは,医学書を三年座学すれば,世間の病すべてを治せないことはないと自負する.しかし,臨床診療三年にして,適切な処方がないことを知るであろう.
 故に,医を学ぶ者は必ず医の源流を極め尽し,精勤して倦むべからず」と.
 経穴についても,座学ですらすら丸暗記するのに留まることなく,臨床―吟味―再臨床を繰り返し,臨床鍼灸の真の流儀を極めたい.
 本書の最たる特徴は,臨床経穴における利便性に重心を置き,WHO/WPRO標準経穴を身体部位別に構成している.臨床に携わる方々には座右に置いて愛読し,活用していただければ幸いである.
 最後に,文末であるが,医歯薬出版の竹内 大氏の心労に対し,謝意を表したい.
 2013年白露
 王 暁明
 豊洲にて
 温故知新─序文にかえて
 本書の使い方
第1章 経穴の基礎
 1.体表指標
  1.解剖学的肢位と方向 2.解剖学的指標
 2.骨度法
  1.前面 2.後面と側頭部
 3.同身寸法(指寸取穴法)
 4.WHO/WPRO基準経穴
第2章 局所の体表解剖と経穴
 I.頭頸部
  1.頭部前面 2.頸部前面 3.頭部外側面
  4.頸部外側面 5.頭部後面 6.頸部後面
 II.体幹部
  1.胸部 2.腹部 3.体幹外側 4.肩甲部
  5.上背部 6.腰部 7.仙骨部・会陰部
 III.上肢部
  1.肩関節部 2.上肢前面 3.上肢後面
  4.手部
 IV.下肢部
  1.股関節 2.下肢前面 3.下肢内側面
  4.下肢後面 5.下肢外側面 6.足部
  ・主要な神経・動脈と相関経穴
第3章 十四経脈・奇経の気血流注
 1.任脈
 2.督脈
 3.手太陰肺経
 4.手陽明大腸経
 5.足陽明胃経
  1.頭頸部・体幹部 2.下肢部
 6.足太陰脾経
  1.下肢部 2.体幹部
 7.手少陰心経
 8.手太陽小腸経
 9.足太陽膀胱経
  1.頭頸部・体幹部 2.下肢部
 10.足少陰腎経
  1.下肢部 2.体幹部
 11.手厥陰心包経
 12.手少陽三焦経
 13.足少陽胆経
  1.頭頸部 2.体幹部 3.下肢部
 14.足厥陰肝経
  1.下肢部 2.体幹部
 15.奇経
  1.衝脈 2.帯脈 3.陽キョウ脈 4.陰キョウ脈
  5.陽維脈 6.陰維脈
 付.
  1.十二経脈流注の方向・接続順序と部位
  2.要穴表 3.主要参考図書

 索引