やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第2版改訂の序
 2006年に合意されたWHOによる経穴の国際標準化により,前腕の骨度法や経穴の取穴法が変更されるなど,わが国における経絡経穴学の教科書もそれまでのものと比べ数多くの修正をする必要が生じました.そこで,本書も今までの訂正箇所の修正と合わせて,WHOの国際標準化,それにともなう教科書の修正に対応した改訂となりました.
 暗記を主体とする「経絡経穴概論」は,はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師国家試験の勉強の中でも難解で,日々の反復・継続した学習が不可欠な科目です.
 本書は前版と同様に,コンパクトで常時携帯できるよう作られており,基本的な事項の習得のみならず,「解剖学的特徴」と題して各経絡に所属する経穴の解剖学的な位置関係についても合わせて学習できるよう編集されております.入学当初の授業理解や学習到達度の確認,講義終了後の反復継続学習など,初年次から卒業年次にわたり長く活用して下されば幸いです.そして,本書が十分に活用され,読者の皆様が国家試験に合格されることを心から願っております.
 最後になりますが,本書を刊行する際し多大なるご助言,ご尽力を賜りました医歯薬出版株式会社の竹内 大氏,伊賀紀比古氏に深く御礼を申し上げます.
 2013(平成25)年3月 編著者および執筆協力者一同


 本書は,はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師国家試験受験者を対象にした「経絡経穴概論」における〇×解答式の問題集です.過去に出題された「経絡経穴概論」の試験問題を概観すると,所属経絡や経穴の取穴方法などを問われるような単純問題から,解剖学的な位置関係や他分野を絡めた理解度や応用力を問われるような問題など,年々難解になりつつあります.とくに,はり師・きゅう師国家試験ではこの傾向が顕著です.これらの傾向に対処するためには,まず基本的な知識の暗記が不可欠であると同時に,解剖学をはじめとする周辺知識の習得も必要となります.そこで本書では,「経絡経穴概論」の学習内容を9章に分類し,基本的な事項の習得を主眼に問題の編集を行いました.また,解剖学の知識が必要不可欠であることから,第3章以降に「解剖学的位置関係」と題して各経絡に所属する経穴の解剖学的な位置関係を取り上げ編集しました.
 「経絡経穴概論」の講義は暗記しなければならない事項が多く,難解な科目の一つではないかと思います.この暗記は日々繰り返して学習することが重要です.本書はコンパクトに編集されていますので,常時携帯していただき,ちょっとした時間での学習や平素の授業理解,授業進行にあわせた学習到達度の確認などに活用して下されば幸いです.そして,本書が国家試験の対策に十分活用され,読者の皆さん方が無事に合格されることを心から願っております.
 最後になりますが,本書を刊行するに際し多大なるご助言,ご尽力をいただきました医歯薬出版の竹内大氏,戸田健太郎氏に,深く御礼を申し上げます.
 平成20年1月 編著者および執筆協力者一同
第1章 経絡概説
 1.経絡の構成
 2.十二経脈
  2.1 名称 2.2 分布 2.3 起始・停止 2.4 表裏関係
  2.5 頭部の流注 2.6 体幹部の流注 2.7 上肢の流注
  2.8 下肢の流注 2.9 手の陰陽経間の接続(手先)
  2.10 足の陰陽経間の接続(足先)
  2.11 手足の陽経間の接続(頭部)
  2.12 手足の陰経間の接続(胸腹部) 2.13 解剖学的位置関係
 3.奇経八脈
  3.1 構成 3.2 分布 3.3 経穴との関連
第2章 経穴概説
 1.経穴沿革
  1.1 経穴の起源 1.2 経穴数の古典記載
 2.取穴法
  2.1 骨度法と同身寸法 2.2 頭部の骨度法
  2.3 体幹部の骨度法 2.4 上肢の骨度法
  2.5 下肢の骨度法 2.6 同身寸法
第3章 任脈と督脈の経穴
 1.任脈
  1.1 構成 1.2 取穴法 1.3 解剖学的位置関係
 2.督脈
  2.1 構成 2.2 取穴法 2.3 解剖学的位置関係
第4章 手足の太陰・陽明経穴
 1.手の太陰肺経
  1.1 構成 1.2 取穴法 1.3 解剖学的位置関係
 2.手の陽明大腸経
  2.1 構成 2.2 取穴法 2.3 解剖学的位置関係
 3.足の陽明胃経
  3.1 構成 3.2 取穴法 3.3 解剖学的位置関係
 4.足の太陰脾経
  4.1 構成 4.2 取穴法 4.3 解剖学的位置関係
第5章 手足の少陰・太陽経穴
 1.手の少陰心経
  1.1 構成 1.2 取穴法 1.3 解剖学的位置関係
 2.手の太陽小腸経
  2.1 構成 2.2 取穴法 2.3 解剖学的位置関係
 3.足の太陽膀胱経
  3.1 構成 3.2 取穴法 3.3 解剖学的位置関係
 4.足の少陰腎経
  4.1 構成 4.2 取穴法 4.3 解剖学的位置関係
第6章 手足の厥陰・少陽経穴
 1.手の厥陰心包経
  1.1 構成 1.2 取穴法 1.3 解剖学的位置関係
 2.手の少陽三焦経
  2.1 構成 2.2 取穴法 2.3 解剖学的位置関係
 3.足の少陽胆経
  3.1 構成 3.2 取穴法 3.3 解剖学的位置関係
 4.足の厥陰肝経
  4.1 構成 4.2 取穴法 4.3 解剖学的位置関係
第7章 経穴の相互関係
 1.頭部の経穴
 2.腹部・胸部の経穴
 3.背部の経穴
 4.上肢の経穴
 5.下肢の経穴
第8章 要穴
 1.五行穴
  1.1 概要 1.2 井穴 1.3 えい穴 1.4 兪穴 1.5 経穴
  1.6 合穴
 2.五要穴
  2.1 概要 2.2 原穴 2.3 げき穴 2.4 絡穴 2.5 兪穴
  2.6 募穴
 3.その他の要穴
  3.1 八会穴 3.2 四総穴 3.3 八総穴 3.4 下合穴
  4.組み合わせ穴
第9章 奇穴
第10章 経絡・経穴の現代医学的研究

 索引