やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

序文
 1997年に保健師課程の教育が公衆衛生看護学から地域看護学となり新しいカリキュラムになりました.看護系大学が2003年4月に107校となり,保健師国家試験受験資格の単位を取得するために,大学で学ぶ学生が増えてきました.
 大学教育では学生が自主的に学習するときと,実習前の復習や国家試験を受験するときに手元に置くといったテキストの使い方だと思います.テキストにあることは学生の自己学習で,授業は教員が準備したレジュメを元に進行する方法が多いのではないでしょうか.
 また,地域看護学を学んだ学生の多くは看護師として就職しています.保健師として就職しなくても,地域看護の志向をもった看護師として働いてほしいのです.看護師として採用されても,看護基礎教育において大学で4年間学習した学生は,3年課程の教育を受けた学生とは違うはずです.個人や家族の個別の問題解決を考えるだけでなく,地域看護の志向のある,市民の立場で考えることができる,コミュニティ・ディベロップメントの発想ができる,コミュニティとしての問題解決や課題を考えられる看護職者になっていただきたいのです.
 本書は以上の点を考慮し,5人の編集者の意向にそって構成されています.編集会議では地域看護の夢を語り,地域看護は難しくわかりにくいという学生の問題に応えるにはどうしたらよいか,教育の場における規制や,地域看護として統一できていない現実の問題を話し合い検討しました.その結果,今,ここで,新しく,私たちができる努力をすることにしました.編集者は本書が完璧でないことをわかっています.地域看護学の成長に合わせて改訂版を出版し,完璧をめざしていきます.
 本書は,地域看護学の一貫性をめざし,地域看護の「対象」,対象を「看護過程」のプロセスで支援し,看護をするための「方法論」を理論,方法,技術でわけ,看護職者の活動する場により「役割」が異なるという4つの構成で成り立っています.ポイントで重要点を示し,図表を多くしてわかりやすくしています.キーワードはそのページと用語一覧で説明して,コラムではさらに詳しい説明をしています.事例は別冊にして,方法論を理解しやすいように学習課題で示しましたので,事例で十分考えていただきたいと思います.
 一言でいえば,地域看護学として一貫した内容で,地域看護の4分野の公衆衛生看護,在宅看護,産業看護,学校看護の特徴を表したテキストと言えるでしょう.
 本書をお読みいただき率直なご意見をお聞かせください.ご意見をいただくことで,読者のみなさまとご一緒にテキストを作っていきたいと願っております.
 2004年3月
 編集代表 木下由美子
エッセンシャル 地域看護学 目次

もくじ

■I 地域看護の考え方
 1.地域看護の目的と理念
  1)目的と理念  1 (木下由美子)
   (1)地域看護とは
    a.就業の場の変化 
    b.地域看護の文献から
    c.地域看護とは
   (2)地域看護に関連するキーワード
    a.地域と生活
    b.QOL(Quality of Life)
    c.ケアリング
    d.プライマリヘルスケアとヘルスプロモーション
    e.エンパワメント
    f.ノーマライゼーション
  2)看護職の活動の場と特性  17 (廣部すみえ)
   (1)免許と資格
   (2)活動の場
   (3)活動の場の違いによる看護職の役割
    a.保健所保健師と市町村保健師の役割
    b.在宅看護職の役割
    c.学校で働く看護職者の役割
    d.産業の場で働く看護職者の役割
  3)地域看護の歴史 22(沖 壽子)
   (1)地域看護のはじまり
   (2)公衆衛生看護の発展
    a.訪問看護からの出発
    b.公衆衛生訪問事業の開始
    c.公衆衛生訪問婦協会の活躍
    d.農村における公衆衛生事業
    e.保健婦の教育
    f.学校看護婦
    g.工場看護婦
   (3)公共としての公衆衛生看護の開始
    a.都市型および農村型保健館の設立
    b.「保健所法」の施行による保健婦の位置づけ
   (4)第二次大戦後の公衆衛生看護
    a.「保健所法」の全面改正
    b.「保健婦助産婦看護婦法」の公布
    c.保健婦の再教育
    d.開拓保健婦
    e.保健所保健婦の駐在制
    f.保健婦業務の指導指針
    g.国保保健婦の衰退と復活
   (5)高度経済成長期の時代
   (6)成人保健を中心とした時代
    a.国民健康づくり対策
    b.「老人保健法」の制定
    c.在宅ケアの整備
   (7)新たな地域保健をめざして
    a.地域保健の新たな体系の構築
    b.少子社会の子育て支援
    c.高齢者の地域生活を支える活動
    d.21世紀の国民健康づくり運動(健康日本21)
 2.コミュニティ・ケアシステムにおける地域看護 36(木下由美子)
  1)継続看護
   (1)ライフサイクルと継続看護
   (2)継続看護の選択
   (3)継続看護への介護保険の影響
   (4)保健・医療・福祉機関との継続した支援
  2)地域看護で用いる理論
   (1)オレム看護理論
   (2)ヘルス・ビリーフ・モデル(保健信念モデル)
   (3)グループ・ダイナミックス(集団力学)
    a.レヴィンの場の理論
    b.集団規範
    c.集団凝集性
    d.リーダーシップ
    e.集団目標
   (4)変化理論
   (5)コミュニティ・アズ・パートナーモデル
   (6)プリシード・プロシードモデル
  3)地域看護における支援
   (1)個人や家族への支援
    a.ケースマネジメント
    b.家庭訪問
    c.健康相談
   (2)コミュニティへの支援
    a.健康教育/健康学習
    b.組織化/組織活動
    c.コミュニティ・ディベロップメント

■II 地域看護の特性/背景/対象論
 1.人々の生活と健康 55(塚崎恵子)
  1)日常生活と健康
   (1)地域看護における日常生活の捉え方
   (2)日常生活と健康との関わり
    a.生活リズム
    b.日常生活行動
    c.余暇活動
    d.生産活動
    e.日常生活の基盤
    f.保健行動
  2)家族と健康
   (1)地域看護からみた家族
    a.家族の構造と機能
    b.家族の発達
    c.家族システム
   (2)家族と健康の関わり
    a.家族が家族員個々の健康に及ぼす影響
    b.家族員の健康が家族に及ぼす影響
    c.家族と地域との関わり
   (3)地域看護における家族の捉え方
    a.背景・資源としての家族
    b.1つの単位としての家族
 2.地域看護と社会 65(佐伯和子)
  1)コミュニティとは
   (1)コミュニティの要件
   (2)コミュニティの集団
    a.コミュニティの階層システム
    b.集 団
   (3)生活圏
   (4)変貌するコミュニティ
  2)環 境
   (1)自然環境
    a.地理的条件
    b.気 候
   (2)環境破壊と環境保全
    a.大気環境
    b.騒音・振動・悪臭
    c.水・土壌・地盤環境
    d.環境保全
   (3)社会環境としての都市化と住環境
 ・コラム 「都市化と過疎化はなぜ起こった?」
  3)産業と経済
   (1)地域産業
    a.地場産業と基幹産業
    b.産業構造の変化に伴う雇用構造の変化
   (2)交通と輸送
  4)法律と行政
   (1)健康と法律
   (2)地域の組織
    a.地方自治体
    b.市民セクター
   (3)地方分権と住民参加
    a.地方分権
    b.住民参加
   (4)地域保健医療福祉システム
    a.地域保健医療計画と保健医療圏
    b.保健医療福祉施設
    c.救急医療,休日夜間医療,僻地医療
    d.地域保健医療福祉ネットワークと連携
   (5)安 全
  5)文 化
   (1)地域看護における文化
    a.価値観と生活様式
    b.教育システム
   (2)国際化と異文化理解
  6)倫 理
   (1)人権の尊重と権利擁護
    a.基本的人権の尊重
    b.障害者,痴呆性高齢者の権利
   (2)情報社会における倫理と保護

■III 地域看護の方法
 1.個人・家族への支援 83(原 礼子)
  1)個人・家族支援の目的
  2)個人・家族支援のプロセスの特徴と方法・技術
  3)個人・家族のアセスメントと実施計画
   (1)アセスメントの実際と方法
    a.個人のアセスメント
    b.家族のアセスメント
   (2)実施計画
  4)支援方法と支援技術
   (1)家庭訪問
    a.家庭訪問の特徴
    b.家庭訪問のポイント
    c.家庭訪問を実施する背景
    d.家庭訪問,訪問看護でとくに求められる支援技術
   (2)健康相談
    a.電話相談
    b.来所してくる場合
    c.健康診査,検診後の個別相談
    d.健康相談に求められる支援技術
   (3)健康教育
   (4)セルフヘルプ・グループ
   (5)ケースマネジメント
  5)評 価
   (1)記 録
   (2)評価の視点
 2.コミュニティへの支援
  1)コミュニティ支援の目的  103 (麻原きよみ)
  2)コミュニティ支援の方法と技術  104 (麻原きよみ)
  3)コミュニティのアセスメントと計画立案  104 (麻原きよみ,宮崎紀枝)
   (1)地域診断(コミュニティ・アセスメント)  105 
    a.地域診断の類型
    b.地域診断の留意点―コミュニティメンバーの参加と多様な方法の組み合わせ
   (2)支援計画の立案
  4)コミュニティ支援の実践方法  111 (麻原きよみ(1)〜(4),宮崎紀枝)
   (1)健康教育/健康学習プログラム  113 
    a.健康教育/健康学習プログラムの類型
    b.健康教育/健康学習プログラム実践方法
   (2)健康診査・健康診断
   (3)グループ支援と組織化/組織活動  118 
    a.地域看護職が支援するグループとは
    b.グループ支援の目的
    c.グループ支援と組織化/組織活動
    d.グループの形成と育成の技術
    e.グループの育成―主体性と社会変容機能を高める
    f.グループ活動の評価
   (4)連携,調整  127 
    a.連携対象
    b.連携の類型
    c.連絡の手段
    d.調 整(コーディネーション)
  5)コミュニティ支援の評価  130 (麻原きよみ)
  6)施策化  134 (安齋由貴子)
   (1)政策,施策,事業とは
   (2)行政で働く保健師の活動と施策化
  7)健康危機管理  138 (羽山美由樹)
   (1)健康危機とは  138 
    a.背 景
    b.健康危機管理の定義
    c.健康危機を思わせる事例
   (2)地域健康危機管理の4つの対策
   (3)健康危機管理における保健師の活動  139 
    a.平常時の保健師活動
    b.健康危機発生時(災害の場合)の保健師活動
    c.その他の健康危機管理発生時の保健所保健師活動の特徴
   (4)被害者や被災者や活動に従事する支援者の理解
 IV 地域で実践する看護職の役割
 1.公衆衛生看護
  1)公衆衛生看護分野における看護の特性と役割  145 (後藤順子)
   (1)法的基盤に基づく活動  145 
    a.「地域保健法」と基本指針,保健師活動指針
    b.保健師活動指針の内容
   (2)行政組織における活動
   (3)地域保健医療計画に基づく活動
  2)公衆衛生看護分野における保健師活動の特性  147 (後藤順子)
   (1)保健所保健師活動
   (2)市町村保健師活動  149 
    a.健康分野における保健師活動
    b.福祉分野における保健師活動
  3)母子保健活動  153 (茅山加奈江)
   (1)活動対象となる人々
   (2)健康課題と社会背景
   (3)活動の基盤となる法律や制度  154 
    a.母子保健に関係する法律
    b.日本の母子保健施策
   (4)具体的活動  157 
    a.妊娠期における活動
    b.乳幼児期における関わり
    c.障害児,難病などを抱えた児への支援
    d.思春期の保健指導
    e.児童虐待予防への取り組み
  4)成人・高齢者保健活動  163 (斉藤恵美子)
   (1)活動の対象となる人々
   (2)健康課題と社会背景  164 
    a.成人の健康課題と保健活動
    b.高齢者の健康課題と保健活動
   (3)活動の基盤となる法律や制度
   (4)具体的活動
 ・コラム 「高齢者」は何歳から?
 ・コラム 「成人病」から「生活習慣病」になったわけは?
  5)難病保健活動  174 (後藤順子)
   (1)活動の対象となる人々
   (2)健康課題と社会背景
   (3)活動の基盤となる法律や制度(保健医療福祉の支援)  175 
    a.特定疾患治療研究事業
    b.難病特別対策推進事業
    c.難病患者等居宅支援事業
    d.介護保険
    e.在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業
    f.支援費
    g.その他
   (4)具体的活動  177 
    a.難病患者保健指導
    b.難病療養相談事業
    c.地域計画への反映
  6)精神保健活動  179 (萱間真美,柏木由美子)
   (1)活動の対象となる人々
   (2)健康課題と社会背景
   (3)活動の基盤となる法律や制度
   (4)具体的活動  180 
    a.精神保健福祉事業計画
    b.精神保健福祉相談
    c.個別支援
  7)感染症保健活動  183 (織田初江)
   (1)感染症の予防対策  183 
    a.感染源への対策
    b.感染経路への対策
    c.宿主の感受性への対策
   (2)健康課題と社会背景(感染症対策の動向)
   (3)活動の基盤となる法律や制度
   (4)具体的活動
  ● 結核の保健活動  186 
    a.患者管理
    b.家族・接触者への対応
    c.集団感染が疑われる場合の対応
    d.結核予防活動の評価
  ● HIV/AIDSの保健活動  190 
    a.啓発普及活動
    b.検査・相談体制の充実
    c.医療機関・関係機関との連携
    d.個別施策層に対する対策
  8)健康づくり  192 (安齋由貴子)
   (1)健康づくりの基本的な考え方
   (2)健康課題と社会背景
   (3)活動の基盤となる法律や制度
   (4)具体的活動
 2.在宅看護
  1)地域看護学における在宅看護の捉え方  196 (原 礼子)
   (1)在宅看護とは
   (2)在宅看護の2つの流れ
  2)在宅ケアシステム  198 (原 礼子)
   (1)在宅ケア支援サービスとチームアプローチ
   (2)訪問看護活動の実施主体による特性
    a.行政の訪問指導
    b.訪問看護ステーション
    c.医療機関の訪問看護
    d.民間事業者の訪問看護
 ・コラム 今後期待される在宅ケアサービスは?
  3)対象の特性と看護の役割 202(木下由美子)
   (1)選ばれる看護
   (2)看護アセスメントの決断
   (3)生活と環境,健康問題の調整
   (4)保健・医療・福祉制度との関連性
   (5)保健師資格のある看護職の役割
  4)在宅看護に関係する法律の理解 205(原 礼子)
   (1)訪問看護実施の根拠に関わる法
    a.医療法
    b.健康保険法
    c.介護保険法
    d.老人保健法
    e.その他
   (2)看護職の責務に関わる法
  5)訪問看護ステーションの管理と経営 210(野島あけみ)
   (1)運営の基本
   (2)訪問看護ステーションの管理者の役割
   (3)訪問看護ステーションの経営・管理とは
    a.訪問看護の質の管理
    b.リスクマネジメント(安全管理)
    c.顧客管理・地域診断(マーケティング・販売管理)
    d.経営管理(財産・会計)
    e.人事・労務管理
  6)ケアマネジメントと介護保険 216(白井京子)
   (1)ケアマネジメントの必要性
   (2)介護保険制度におけるケアマネジメント
   (3)公的介護保険
    a.介護保険制度のしくみ
    b.介護支援専門員
    c.介護保険の現状の問題・課題
    d.介護保険を活かす保健師の役割
 3.学校看護 227(荒木田美香子)  1)学校看護の目的
   (1)学校保健の目的と養護教論の職務
   (2)学校看護の対象
   (3)養護教諭に求められる能力の拡大
  2)学校保健・学校看護の特徴
   (1)教育の場で,教育の一端を担う教師という立場で展開する支援活動であること
    a.学校保健の構造
    b.保健教育(健康教育)
    c.保健管理
    d.組織活動
   (2)校長,担任,学校医といった多職種との協働
    a.学校保健関係のヒューマンリソースと協働
    b.緊急時・救急時の組織的対応
   (3)発達段階,発達課題を意識した援助活動
    a.おもな疾病や異常の推移
    b.保健室登校や不登校など精神的な問題をもつ児童生徒の増加
    c.性感染症,十代の妊娠など性に関する問題
    d.発達障害,疾病,難病など障害をもった児童生徒への対応
    e.危険な行動の防止
  3)学校看護で行われる支援の方法および技術
   (1)幼児・児童・生徒・学生個人を対象とした支援の方法および技術
   (2)集団を対象とした支援の方法および技術
    a.アセスメントと学校保健安全計画の立案
    b.計画の実施
   (3)評価とフィードバック
  4)養護教諭の養成教育
  5)学校看護と地域保健・公衆衛生看護との連携
  6)今後の課題と展望
 4.産業看護 243(荒木田美香子)  1)産業保健と産業看護の目的と対象
  2)就労者を対象とした看護が展開される場
  3)産業保健・産業看護の特徴
   (1)健康に有害な影響をもたらす労働活動についての理解
    a.職業病,労働災害と作業関連疾患
    b.職業病,労働災害の推移
   (2)多専門職と労働者とともに行う活動
   (3)5領域の枠組:労働衛生管理体制,作業管理,作業環境管理,健康管理,労働衛生教育
    a.労働衛生管理体制
    b.作業環境管理
    c.作業管理
    d.健康管理-健康診断と事後措置
    e.労働衛生教育
   (4)対象者は幅広い年齢の,家計を養う人である
    a.労働者の高齢化と増加する健康診断異常率
    b.長時間労働,ストレスによる業務上疾病とその対策
    c.男女共同参画とリプロダクティブヘルス
  4)産業看護で行われる支援の方法および技術
   (1)就労者個人を対象とした支援の方法および技術
   (2)事業所としての集団を対象とした支援の方法および技術
  5)産業看護と地域保健・公衆衛生看護との連携
   (1)小規模事業所の産業保健活動の推進と公衆衛生看護との連携
    a.都道府県産業保健推進センター
    b.地域産業保健センター
   (2)健康日本21,健康増進法を契機とした連携活動
  6)産業看護の今後の発展に向けて
   (1)社会の変動,制度の変動に敏感であること
   (2)産業看護師の継続教育の充実
 V 発展・これからの展望
 1.地域看護の発展 259(野村陽子)  1)活動の場の拡大
   (1)地域保健における発展
    a.保健所,市町村の今後
    b.保健所と市町村の保健師活動
    c.今後の活動の場の広がり
   (2)産業看護における発展
    a.産業看護の今後
    b.保健師の役割
    c.今後の活動の場の広がり
   (3)医療機関における発展
    a.医療機関の現状と今後
    b.保健師など看護職員の役割と今後の活動
   (4)在宅サービスにおける発展
    a.在宅サービスの今後
    b.保健師など看護職員の役割と今後の活動
  2)地域看護学の発展
   (1)研究の現状
   (2)具体的な研究の状況
    a.保健指導方法に関する研究
    b.保健師の専門性に関する研究
    c.活動の評価に関する研究
   (3)地域看護研究の今後
 2.地域看護管理 269(荒木田美香子)  1)地域看護と情報
   (1)情報公開と個人情報保護
   (2)医療情報の電子化とセキュリティ
   (3)保健医療専門職の守秘義務とインフォームドコンセント
  2)地域看護管理
   (1)地域看護管理の要素とプロセス
   (2)スクラップアンドビルド
   (3)人材管理
   (4)予算管理
    a.組織における予算管理の原則
    b.予算編成の流れについて
    c.決算と事業評価について
  3)リスクマネジメント
   (1)リスクマネジメントのプロセス
   (2)医療事故防止とリスクアセスメント
   (3)医療過誤と法的責任
   (4)地域看護研究
 3.地域看護の国際的視点
  1)諸外国の地域看護活動 278(松田正己(1)(2)(4),鈴木千智(3))
   (1)イギリスの地域看護
    a.NHSと地域看護の原則
    b.イギリスの地域看護活動とPrimary Health Care Team
   (2)アメリカの地域看護
   (3)オーストラリアの地域看護
    a.地域看護師の教育
    b.保健・医療システムとヘルスプロモーション活動
    c.Noarlunga Community Health Centerの地域看護師の活動
   (4)タイのPHC開発と健康
    a.健康水準の推移
    b.保健・医療システムの歴史と現状
    c.タイのPHCの発展と現在の健康問題
 ・コラム “自己実現”とは何か?
  2)国際協力 287(奥野ひろみ)
   (1)国際保健・医療協力の方向性と現状
   (2)日本の国際保健医療協力
    a.ODAによる資金協力
    b.ODAによる技術援助
    c.NGOによる技術援助
   (3)開発途上国の健康課題と対策
    a.リプロダクティブヘルス
    b.小児保健
    c.栄 養
    d.感染症(風土病)の予防
   (4)国際協力の事例
    a.インドネシア(母子健康手帳の普及)
    b.ネパール(乳児栄養改善プログラム)
用語説明
索引

・事例集内容

1 新生児と家族の支援―家庭訪問を通して(茅山加奈江)
2 精神疾患をもつ対象者と家族の支援(柏木由美子,萱間真美)
 (1)本人の生活が破綻し早急な対応を求められた例
 (2)多くの問題を抱える家族へのかかわり
3 グループ支援:セルフヘルプ・グループ―「野の花会」の支援プロセスから―(安齋由貴子)
4 住民主体の「いきいき健康ひろば」を拠点としたコミュニティ・エンパワメント(百瀬由美子)
5 災害時における保健師の活動―現地保健所保健師の活動を中心に―(羽山美由樹)
6 在宅で医療処置が必要な人の継続看護(角田直枝)
7 在宅で終末期を迎えた人のケア(三戸部由喜子)
8 多職種との連携,在宅ケアシステム―Werding-Hoffmann病の患児とその家族の在宅療養を支援する―(原 礼子)
9 職場組織におけるヘルスプロモーション活動―メンタルヘルス対策ワーキンググループ立ち上げについて―(荒木田美香子)
10 学校でパニックを起こす児童と家族を支えるコミュニティ・ケアシステム(荒木田美香子)