やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに

 本テキストは,1999年,大阪府社会福祉協議会大阪社会福祉研修センターが実施しました「介護支援専門員習熟研修会」の講義録をもとにしたものです.
 「介護支援専門員習熟研修会」は,本会が担当実施いたしました大阪府第1回介護支援専門員実務研修受講者(約1,000名)の意見・要望を受けとめて企画をしたものです.講師・受講者共々モチベーションを高めながら研修が進行し,大きな手応えとさらなる課題を感じています.
 介護支援専門員の不安は,ケアプラン作成および面接技術のフォローアップを内容とした研修では解消できない状況にあります.「介護保険制度の要」と期待されながら十分なトレーニングを受ける機会が少ない,また実務研修修了証明書を取得したらゴールと考える周辺環境も少なからずあり,真摯に取り組む姿勢をもっている方ほど力量アップの必要性を感じておられます.
 このようななかで,講師や現場のエキスパートの方々のご支援をいただき研修会を企画いたしました.目的は,介護支援専門員が,利用者の人権の尊重をふまえて資質・力量として身につけなければならない知識・技術の範囲と水準を明らかにして,トレーニングすることでした.
 また,多くの関係者からの要望により,別添の「介護支援専門員習熟研修体系」を作成しました.さらに本会に要望が寄せられています介護支援専門員組織化についても構想を立案して呼びかけ,多くの関係団体から賛同をいただき,2000年3月5日(日)に「大阪府介護支援専門員協会」の結成総会を行います.皆様方がこのテキストを手にされた時期には,大阪で福祉・医療・保健等のすべての分野を横断した職能団体が誕生しているでしょう.
 ご参考に,(1)介護支援専門員習熟研修会開催要項,(2)介護支援専門員習熟体系,(3)大阪府介護支援専門員協会の結成のご案内を掲載させていただきます.
 本テキストが全国の介護支援専門員の方々,また資格取得をめざしている方々に活用いただければ幸いです.
 最後に,習熟研修会の講師の方々および習熟研修会の企画・運営および本テキストの編集を担当していただきました杉村和子氏と田村満子氏に対し,要援護者と家族の信頼を得られる介護支援専門員の誕生に強い情熱をもって多大のご協力をいただきましたことに,深く感謝申し上げます.
 2000年3月 社会福祉法人大阪府社会福祉協議会
はじめに 社会福祉法人大阪府社会福祉協議会
執筆者プロフィール
介護支援専門員習熟研修会開催のご案内
介護支援専門員習熟研修会プログラム
大阪府介護支援専門員協会結成のご案内
介護支援専門員習熟研修体系

I 講義・演習編
 一般市民の介護保険制度理解と介護支援専門員に期待するもの 芹澤隆子
 介護支援専門員に求められる役割 杉村和子
 [演習] 介護支援専門員に求められる役割とは 田村満子
 成年後見制度とサービスの利用者支援を考える 池田恵利子
 地域福祉権利擁護事業について 真田政稔
 苦情対応―システムと苦情のとらえかた― 國光登志子
 法医学からみた高齢者虐待 辻洋子

II 資料編
 資料I 民法の一部を改正する法律のあらまし(法律第149号)
 資料II 任意後見契約に関する法律(法律第150号)
 資料III 後見登記等に関する法律(法律第152号)
 資料IV 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準について(老企第22号)
 資料V 指定居宅サービス等の事業の人員,設備及び運営に関する基準について(老企第25号)
 資料VI 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準を定める件(厚生省告示第19号)
 資料VII 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を定める件(厚生省告示第20号)
 資料VIII 指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準を定める件(厚生省告示第21号)
 資料IX 厚生大臣が定める一単位の単価を定める件(厚生省告示第22号)
 資料X 支給限度基準額を定める件(厚生省告示第33号〜第35号)
 資料IX 介護報酬の設定に関する基本的考えかた(医療保険福祉審議会介護給付費部会,2000年1月17日資料)
 資料 XII 「福祉サービスに係る苦情解決に関する検討会」報告書(社会福祉法人全国社会福祉協議会)
 資料 XIII 「介護保険にかかる苦情処理の手引き」第1版抜粋(国民健康保険中央会)