序
本書の目的は,作業療法士が義肢装具を用いて作業療法を行うことで対象者のQOLの向上に役立てることである.そして,臨床実践を通して作業療法における義肢装具分野の重要性を知ることで作業療法の発展に少しでも寄与できれば幸いである.
私は,作業療法士になってから長く上肢切断者に関わっている.これまで多くの上肢切断者と出会い,作業療法のすばらしさと義手のすごさを学んだ.作業療法はすばらしいと思う.義肢装具は作業療法にとって有効な道具であり,自立支援を行う作業療法における治療技術と支援技術のための重要な分野である.その知識と技術は,生活機能の回復・改善・再獲得に役立ち,対象者のQOLの向上につながる.
専門職である作業療法士の今後の発展を考えると,質の高い人材を育成することは重要課題である.この専門的技術のひとつに義肢装具学は位置付けられ,作業療法士養成課程では義肢装具学の履修は必須である.本書は,義肢装具の基本的な知識をふまえ,作業療法の臨床事例を疾患別に数多く紹介して作業療法評価と作業療法実践を統一された図・表でわかりやすく解説・編集した.
本書は大きく序章・第1 章〜第4章,付章で構成されている.序章では,作業療法における義肢装具の位置づけとその歴史を解説した.作業療法における義肢装具の意義と役割について考えてほしい.第1 章では,義肢総論として上肢切断の分類・評価・訓練内容などを解説し,義手の分類や部品とその機能・構造について解説した.また,作業療法士が知っておきたい下肢切断と義足についても解説した.第2章では,義肢各論(事例)として上肢切断者に対する作業療法の実践を切断レベルや義手の種類別に事例を通して紹介した.第3章では,装具総論として上肢・下肢・体幹に分類し装具の目的と役割や機能・構造について解説した.第4 章では,装具各論(事例)として脳卒中,脳性麻痺,関節リウマチ,頸髄損傷,骨折,腱損傷,末梢神経損傷の疾患別装具を解説し各疾患の事例を通して作業療法の実践を紹介した.付章では,義肢装具に関する社会保障制度について解説した.また,作業療法を学ぶ学生のために作業療法士国家試験の義肢装具分野の過去問題をまとめたので参考にされたい.そして,義肢装具関連の潮流を感じる情報をコラムとして掲載したのでぜひ読んでいただきたい.
本書は,作業療法における義肢装具の重要性,そして義肢装具を通した作業療法のすばらしさをまとめた本である.今後発展する義肢装具と作業療法の最新情報をアップデートし,読者の皆様のご意見を賜りながら,より役立つ教科書として発展を遂げていきたい.
最後に,本書にご協力いただきました対象者の皆様と保護者の皆様,本書の作成にあたりご助言・ご指導いただきました皆様に深謝申し上げます.
2017年8 月
編者代表 大庭潤平
本書の目的は,作業療法士が義肢装具を用いて作業療法を行うことで対象者のQOLの向上に役立てることである.そして,臨床実践を通して作業療法における義肢装具分野の重要性を知ることで作業療法の発展に少しでも寄与できれば幸いである.
私は,作業療法士になってから長く上肢切断者に関わっている.これまで多くの上肢切断者と出会い,作業療法のすばらしさと義手のすごさを学んだ.作業療法はすばらしいと思う.義肢装具は作業療法にとって有効な道具であり,自立支援を行う作業療法における治療技術と支援技術のための重要な分野である.その知識と技術は,生活機能の回復・改善・再獲得に役立ち,対象者のQOLの向上につながる.
専門職である作業療法士の今後の発展を考えると,質の高い人材を育成することは重要課題である.この専門的技術のひとつに義肢装具学は位置付けられ,作業療法士養成課程では義肢装具学の履修は必須である.本書は,義肢装具の基本的な知識をふまえ,作業療法の臨床事例を疾患別に数多く紹介して作業療法評価と作業療法実践を統一された図・表でわかりやすく解説・編集した.
本書は大きく序章・第1 章〜第4章,付章で構成されている.序章では,作業療法における義肢装具の位置づけとその歴史を解説した.作業療法における義肢装具の意義と役割について考えてほしい.第1 章では,義肢総論として上肢切断の分類・評価・訓練内容などを解説し,義手の分類や部品とその機能・構造について解説した.また,作業療法士が知っておきたい下肢切断と義足についても解説した.第2章では,義肢各論(事例)として上肢切断者に対する作業療法の実践を切断レベルや義手の種類別に事例を通して紹介した.第3章では,装具総論として上肢・下肢・体幹に分類し装具の目的と役割や機能・構造について解説した.第4 章では,装具各論(事例)として脳卒中,脳性麻痺,関節リウマチ,頸髄損傷,骨折,腱損傷,末梢神経損傷の疾患別装具を解説し各疾患の事例を通して作業療法の実践を紹介した.付章では,義肢装具に関する社会保障制度について解説した.また,作業療法を学ぶ学生のために作業療法士国家試験の義肢装具分野の過去問題をまとめたので参考にされたい.そして,義肢装具関連の潮流を感じる情報をコラムとして掲載したのでぜひ読んでいただきたい.
本書は,作業療法における義肢装具の重要性,そして義肢装具を通した作業療法のすばらしさをまとめた本である.今後発展する義肢装具と作業療法の最新情報をアップデートし,読者の皆様のご意見を賜りながら,より役立つ教科書として発展を遂げていきたい.
最後に,本書にご協力いただきました対象者の皆様と保護者の皆様,本書の作成にあたりご助言・ご指導いただきました皆様に深謝申し上げます.
2017年8 月
編者代表 大庭潤平
序章
義肢装具と作業療法(大庭潤平)
1 作業療法における義肢装具学
2 ICFのなかの義肢装具
3 義肢装具に関わる作業療法士の役割
4 義肢とその歴史
5 装具とその歴史
1章 義肢総論
1.上肢切断(柴田八衣子・大庭潤平)
1 切断原因
2 切断部位(切断レベル)
3 作業療法の捉え方
4 断端管理
2.義手─基本構造・分類・部品─(柴田八衣子・増田章人・中嶋友香)
1 義手の目的と意義
2 基本構造
3 分類
4 部品(装飾用義手・能動義手・作業用義手)
3.筋電義手(柴田八衣子・安藤 悠)
1 構成部品
2 筋電の制御システム
3 電極の数と手先具の操作方法(サイト・ファンクション)
4 部品
5 最先端の筋電義手の紹介
6 不具合の原因とその対応
4.義手の適合判定(チェックアウト)(柴田八衣子・岡本真規子)
1 義手の点検
2 義手の長さ
3 前腕義手(能動義手)の適合検査
4 上腕義手(能動義手)の適合検査
5 筋電義手の適合検査
5.上肢切断者の作業療法の流れ─義手操作能力の獲得と向上のために─(大庭潤平・柴田八衣子・溝部二十四)
1 オリエンテーション
2 義手装着前評価
3 義手装着前訓練
4 訓練用仮義手の処方と作製
5 訓練用仮義手のチェックアウト
6 義手操作訓練(能動義手・筋電義手)
7 自宅および職場,学校での試用
8 本義手の処方と作製
9 本義手のチェックアウト
10 フォローアップとメンテナンス
6.上肢欠損児(先天性上肢欠損児)の作業療法の流れ(柴田八衣子)
1 チームアプローチ
2 義手訓練プログラムの概要
3 義手訓練の実際
7.義手に関する評価(大庭潤平)
1 Assessment of Capacity for Myoelectric Control(ACMC)
2 Southampton Hand Assessment Protocol(SHAP)
3 Box and Block Test(BBT)
4 Prosthetic Upper Extremity Function Index(PUFI)
5 ゴール達成スケーリング(Goal Attainment Scaling:GAS)
6 カナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM)
7 その他の評価法
8.下肢切断・義足(高瀬 泉)
1 下肢切断
2 義足
3 下肢切断のリハビリテーション
2章 義肢各論(事例)
1.前腕能動義手の使用により「生きがいである農作業」が可能となった事例〈前腕切断・能動義手〉(妹尾勝利)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
2.上腕能動義手を用いて農業に復帰できた事例〈上腕切断・能動義手〉(宮口 優)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
3.右肩甲胸郭離断術後にニーズに合わせた義手を検討し主婦業が可能となった事例〈肩甲胸郭離断・能動義手〉(安藤芽久美)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
4.左肩甲帯離断術後に装飾用義手を装着して職場復帰した事例─軟部肉腫(希少がん)による上肢切断後の作業療法─〈肩甲胸郭間切断・装飾用義手〉(櫻井卓郎)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
5.筋電義手と能動義手の活用により職場復帰と新たな生活スタイルを得た両側上肢切断者の事例〈両側上肢切断・筋電義手・能動義手〉(大庭潤平)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 作製した義手とチェックアウト
6 経過
7 作業療法の結果・効果と考察
8 まとめ(義肢装具の役割・有効性)
6.筋電義手訓練による両手動作が確立した後,早期復職が可能となった事例〈前腕切断・筋電義手〉(中村恵一)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 結果・効果と考察
6 まとめ
7.筋電義手に挑戦し,義手が生活の一部となった事例─断端を使用した生活から義手を活用した生活へ─〈前腕切断・筋電義手〉(福元知可子)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ(義肢装具の役割・有効性)
8.先天性前腕横軸性欠損児への筋電義手の取り組み─ A君が筋電義手を使いこなすまで─〈先天性前腕横軸性欠損・筋電義手〉(柴田八衣子)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ(義肢装具の役割・有効性)
9.義足歩行の獲得によりADL動作能力や身体機能の維持につながった症例(理学療法)〈下腿切断・義足〉(高瀬 泉)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 理学療法評価
4 理学療法計画と実施
5 まとめ
3章 装具総論
1.上肢装具/スプリント(西村誠次)
1 目的と意義
2 目的別・構造別にみたスプリントの分類
3 代表的な疾患のスプリント療法
4 スプリント療法の原則と注意点
2.スプリント作製の方法とポイント(蓬莱谷耕士)
1 スプリント作製の方法
2 スプリント作製の一般的な工程
3 スプリント材の特性
4 スプリント作製の実際とポイント
3.下肢装具(岡田 誠)
1 目的と意義
2 装具の種類
3 下肢装具の適応
4 代表的なリハビリテーション経過
5 装着型ロボットの現状と課題・展望
4.頸椎体幹装具(勝平純司・笹本嘉朝・前田 雄)
1 目的と意義
2 脊柱に生じる負担
3 体幹装具の効果と使用によるデメリット
4 分類
5 新しい体幹装具
4章 装具各論(疾患別・事例)
1.脳卒中(片麻痺上肢)(阿部 薫)
1 脳卒中(片麻痺上肢)の概要と特徴
2 脳卒中(片麻痺上肢)で用いる装具・スプリントの概要と特徴
3 適応する装具・スプリントの実践
4 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
5 脳卒中(片麻痺上肢)の装具・スプリントの課題と展望
6 事例「麻痺側上肢の短期集中機能訓練における装具の使用」
2.脳性麻痺(加藤雅子・田中克佳)
1 脳性麻痺の概要と特徴
2 脳性麻痺で用いる装具の概要
3 作業療法における装具導入のポイントと注意点
4 事例(1)「姿勢が安定,安心して“ こんなこともできたよ! ”」
5 事例(2)「幼稚園や学校でみんなと一緒に参加したよ!」
6 事例(3)「身体の崩れを防ぐことで本人も介助者も楽になりました」
7 脳性麻痺の装具の課題と展望
3.関節リウマチ(松尾絹絵)
1 関節リウマチの概要と特徴
2 関節リウマチで用いる装具・スプリントの概要と特徴
3 適応する装具・スプリントの実践
4 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
5 関節リウマチの装具・スプリントの課題と展望
6 事例「仕事用のスプリントにより左示指尺側偏位の改善と手関節への負担軽減を図ったRAの一例」
4.頸髄損傷(佐々木 貴)
1 頸髄損傷の概要と特徴
2 頸髄損傷で用いる装具の概要と特徴
3 作業療法における装具の活用と導入のポイント
4 事例「PSBを使用した上肢機能への介入(復職を目指して)」
5.骨折(櫛邉 勇・垣下真宏)
1 骨折の概要と特徴
2 PIP関節背側脱臼骨折の概要と特徴
3 骨折に用いる装具・スプリントの概要と特徴
4 適応する装具・スプリントの実践
5 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
6 骨折に用いる装具・スプリントの課題と展望
7 事例「小指PIP関節開放性背側脱臼骨折症例の趣味活動への参加に向けた作業療法」
6.腱損傷(中山幸保)
1 腱損傷の概要と特徴
2 腱損傷で用いられる装具・スプリントの概要と特徴
3 腱縫合術後の作業療法の実践
4 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
5 腱損傷の作業療法や装具・スプリントの課題と展望
6 事例「両側神経血管束断裂を合併した左示指深指屈筋腱損傷」
7.末梢神経損傷(岡野昭夫)
1 末梢神経損傷の概要と特徴
2 末梢神経損傷に用いる装具の概要と特徴
3 適応する装具・スプリントの実践
4 作業療法における装具導入のポイントと注意点
5 末梢神経損傷に対する装具療法の課題と展望
6 事例「左正中・尺骨両神経麻痺手の装具療法と復職へのアプローチ」
7 まとめ
付章
1.義肢装具(補装具)の公的支給制度(大庭潤平)
1 補装具とは
2 義肢装具(補装具)の公的支給の体系
3 障害者総合支援法における補装具支給制度
4 今後の課題
2.国家試験過去問題と解答・解説(大庭潤平)
索引
コラム(大庭潤平)
(1)日本義肢装具学会と国際義肢装具協会世界大会
(2)用語の整理と理解
(3) SIGと切断者の生活支援研究会
(4)次世代義肢の開発
(5)当事者ネットワークの支援「おやこひろば」
(6)ロボットテクノロジーとリハビリテーション
(7)自動車ハンドル旋回装置
(8)機能性とデザイン性を両立させた義肢装具
(9)治療用装具と訓練用仮義肢
(10)筋電義手の支給について
義肢装具と作業療法(大庭潤平)
1 作業療法における義肢装具学
2 ICFのなかの義肢装具
3 義肢装具に関わる作業療法士の役割
4 義肢とその歴史
5 装具とその歴史
1章 義肢総論
1.上肢切断(柴田八衣子・大庭潤平)
1 切断原因
2 切断部位(切断レベル)
3 作業療法の捉え方
4 断端管理
2.義手─基本構造・分類・部品─(柴田八衣子・増田章人・中嶋友香)
1 義手の目的と意義
2 基本構造
3 分類
4 部品(装飾用義手・能動義手・作業用義手)
3.筋電義手(柴田八衣子・安藤 悠)
1 構成部品
2 筋電の制御システム
3 電極の数と手先具の操作方法(サイト・ファンクション)
4 部品
5 最先端の筋電義手の紹介
6 不具合の原因とその対応
4.義手の適合判定(チェックアウト)(柴田八衣子・岡本真規子)
1 義手の点検
2 義手の長さ
3 前腕義手(能動義手)の適合検査
4 上腕義手(能動義手)の適合検査
5 筋電義手の適合検査
5.上肢切断者の作業療法の流れ─義手操作能力の獲得と向上のために─(大庭潤平・柴田八衣子・溝部二十四)
1 オリエンテーション
2 義手装着前評価
3 義手装着前訓練
4 訓練用仮義手の処方と作製
5 訓練用仮義手のチェックアウト
6 義手操作訓練(能動義手・筋電義手)
7 自宅および職場,学校での試用
8 本義手の処方と作製
9 本義手のチェックアウト
10 フォローアップとメンテナンス
6.上肢欠損児(先天性上肢欠損児)の作業療法の流れ(柴田八衣子)
1 チームアプローチ
2 義手訓練プログラムの概要
3 義手訓練の実際
7.義手に関する評価(大庭潤平)
1 Assessment of Capacity for Myoelectric Control(ACMC)
2 Southampton Hand Assessment Protocol(SHAP)
3 Box and Block Test(BBT)
4 Prosthetic Upper Extremity Function Index(PUFI)
5 ゴール達成スケーリング(Goal Attainment Scaling:GAS)
6 カナダ作業遂行測定(Canadian Occupational Performance Measure:COPM)
7 その他の評価法
8.下肢切断・義足(高瀬 泉)
1 下肢切断
2 義足
3 下肢切断のリハビリテーション
2章 義肢各論(事例)
1.前腕能動義手の使用により「生きがいである農作業」が可能となった事例〈前腕切断・能動義手〉(妹尾勝利)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
2.上腕能動義手を用いて農業に復帰できた事例〈上腕切断・能動義手〉(宮口 優)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
3.右肩甲胸郭離断術後にニーズに合わせた義手を検討し主婦業が可能となった事例〈肩甲胸郭離断・能動義手〉(安藤芽久美)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
4.左肩甲帯離断術後に装飾用義手を装着して職場復帰した事例─軟部肉腫(希少がん)による上肢切断後の作業療法─〈肩甲胸郭間切断・装飾用義手〉(櫻井卓郎)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ
5.筋電義手と能動義手の活用により職場復帰と新たな生活スタイルを得た両側上肢切断者の事例〈両側上肢切断・筋電義手・能動義手〉(大庭潤平)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 作製した義手とチェックアウト
6 経過
7 作業療法の結果・効果と考察
8 まとめ(義肢装具の役割・有効性)
6.筋電義手訓練による両手動作が確立した後,早期復職が可能となった事例〈前腕切断・筋電義手〉(中村恵一)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 結果・効果と考察
6 まとめ
7.筋電義手に挑戦し,義手が生活の一部となった事例─断端を使用した生活から義手を活用した生活へ─〈前腕切断・筋電義手〉(福元知可子)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ(義肢装具の役割・有効性)
8.先天性前腕横軸性欠損児への筋電義手の取り組み─ A君が筋電義手を使いこなすまで─〈先天性前腕横軸性欠損・筋電義手〉(柴田八衣子)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 作業療法評価
4 作業療法計画と実施
5 まとめ(義肢装具の役割・有効性)
9.義足歩行の獲得によりADL動作能力や身体機能の維持につながった症例(理学療法)〈下腿切断・義足〉(高瀬 泉)
1 事例紹介
2 医学的情報
3 理学療法評価
4 理学療法計画と実施
5 まとめ
3章 装具総論
1.上肢装具/スプリント(西村誠次)
1 目的と意義
2 目的別・構造別にみたスプリントの分類
3 代表的な疾患のスプリント療法
4 スプリント療法の原則と注意点
2.スプリント作製の方法とポイント(蓬莱谷耕士)
1 スプリント作製の方法
2 スプリント作製の一般的な工程
3 スプリント材の特性
4 スプリント作製の実際とポイント
3.下肢装具(岡田 誠)
1 目的と意義
2 装具の種類
3 下肢装具の適応
4 代表的なリハビリテーション経過
5 装着型ロボットの現状と課題・展望
4.頸椎体幹装具(勝平純司・笹本嘉朝・前田 雄)
1 目的と意義
2 脊柱に生じる負担
3 体幹装具の効果と使用によるデメリット
4 分類
5 新しい体幹装具
4章 装具各論(疾患別・事例)
1.脳卒中(片麻痺上肢)(阿部 薫)
1 脳卒中(片麻痺上肢)の概要と特徴
2 脳卒中(片麻痺上肢)で用いる装具・スプリントの概要と特徴
3 適応する装具・スプリントの実践
4 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
5 脳卒中(片麻痺上肢)の装具・スプリントの課題と展望
6 事例「麻痺側上肢の短期集中機能訓練における装具の使用」
2.脳性麻痺(加藤雅子・田中克佳)
1 脳性麻痺の概要と特徴
2 脳性麻痺で用いる装具の概要
3 作業療法における装具導入のポイントと注意点
4 事例(1)「姿勢が安定,安心して“ こんなこともできたよ! ”」
5 事例(2)「幼稚園や学校でみんなと一緒に参加したよ!」
6 事例(3)「身体の崩れを防ぐことで本人も介助者も楽になりました」
7 脳性麻痺の装具の課題と展望
3.関節リウマチ(松尾絹絵)
1 関節リウマチの概要と特徴
2 関節リウマチで用いる装具・スプリントの概要と特徴
3 適応する装具・スプリントの実践
4 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
5 関節リウマチの装具・スプリントの課題と展望
6 事例「仕事用のスプリントにより左示指尺側偏位の改善と手関節への負担軽減を図ったRAの一例」
4.頸髄損傷(佐々木 貴)
1 頸髄損傷の概要と特徴
2 頸髄損傷で用いる装具の概要と特徴
3 作業療法における装具の活用と導入のポイント
4 事例「PSBを使用した上肢機能への介入(復職を目指して)」
5.骨折(櫛邉 勇・垣下真宏)
1 骨折の概要と特徴
2 PIP関節背側脱臼骨折の概要と特徴
3 骨折に用いる装具・スプリントの概要と特徴
4 適応する装具・スプリントの実践
5 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
6 骨折に用いる装具・スプリントの課題と展望
7 事例「小指PIP関節開放性背側脱臼骨折症例の趣味活動への参加に向けた作業療法」
6.腱損傷(中山幸保)
1 腱損傷の概要と特徴
2 腱損傷で用いられる装具・スプリントの概要と特徴
3 腱縫合術後の作業療法の実践
4 作業療法における装具・スプリント導入のポイントと注意点
5 腱損傷の作業療法や装具・スプリントの課題と展望
6 事例「両側神経血管束断裂を合併した左示指深指屈筋腱損傷」
7.末梢神経損傷(岡野昭夫)
1 末梢神経損傷の概要と特徴
2 末梢神経損傷に用いる装具の概要と特徴
3 適応する装具・スプリントの実践
4 作業療法における装具導入のポイントと注意点
5 末梢神経損傷に対する装具療法の課題と展望
6 事例「左正中・尺骨両神経麻痺手の装具療法と復職へのアプローチ」
7 まとめ
付章
1.義肢装具(補装具)の公的支給制度(大庭潤平)
1 補装具とは
2 義肢装具(補装具)の公的支給の体系
3 障害者総合支援法における補装具支給制度
4 今後の課題
2.国家試験過去問題と解答・解説(大庭潤平)
索引
コラム(大庭潤平)
(1)日本義肢装具学会と国際義肢装具協会世界大会
(2)用語の整理と理解
(3) SIGと切断者の生活支援研究会
(4)次世代義肢の開発
(5)当事者ネットワークの支援「おやこひろば」
(6)ロボットテクノロジーとリハビリテーション
(7)自動車ハンドル旋回装置
(8)機能性とデザイン性を両立させた義肢装具
(9)治療用装具と訓練用仮義肢
(10)筋電義手の支給について