序文(原著)
本書は理学療法士とその学生,それに医療・保健関連専門職を対象にしたものであり,神経筋障害患者評価のための臨床指針である.序論における診断および検査・測定案内表をうまく活用し,特異的な疾患・障害あるいは検査・測定に関する情報を手早く見つけて欲しい.
本書での内容に加え,読者には(原著の)出版元であるDavisのウェブサイトでボーナスともいえる付加的内容が提供されている.このウェブサイトから,読者は,特殊検査,付加的評価法,鑑別診断,予後,外科手術,およびその他の保健・介護職種への照会などをはじめとする,疾患・障害に関する神経学的診断・検査やその他の多くの有意義な情報を得ることができるだろう.本書にはまた,理学療法士が日常使用する神経学的専門用語の解説も載せてある.
ボーナスとなる情報・資料を総覧するには,次のアドレスへアクセス願えれば幸いである.
http://davisplus.fadavis.com
Claudia B.Fenderson
Wen K.Ling
監訳者序文
神経疾患はその性質上,日常生活動作に影響をきたすような後遺症を残すことが多く,このため理学療法の対象となることが多い.病院・施設によっては理学療法対象患者の大半が,脳卒中,脳性麻痺,あるいは脊髄損傷など神経系の障害によって占められているほどである.神経系障害では,運動機能のみならず,感覚・知覚機能,言語機能,そして精神・心理機能と,その機能面の喪失は広範囲に及び,しかもそれらが複雑に関連しているため,的確な理学療法実施には詳細で多面的な評価が不可欠である.したがってこれらの患者のリハビリテーションに携わる専門職には,神経学の基礎と臨床の両面における正確で広範な知識がそのベースとして必要とされる.
こうした点を踏まえ,本書は,理学療法士・学生をはじめ医療・保健関連専門職を対象に,神経系機能障害に対する理学療法評価のための臨床指針として出版されたものである.本書は,リハビリテーションに携わる専門職に対して,神経疾患・外傷の結果生じる機能障害の病態・特性や,病態・障害構造に応じた神経学的検査法の選択・概略を基本的コンセプトとして構成されているのが大きな特徴である.
本書が神経系障害の理学療法評価の「ナビゲーション」として臨床の場で広く愛読・活用されることを願ってやまない.
最後に,本書の出版に労をいとわれなかった医歯薬出版株式会社編集担当者に心から感謝する.
2011年4月
監訳者 嶋田智明
本書は理学療法士とその学生,それに医療・保健関連専門職を対象にしたものであり,神経筋障害患者評価のための臨床指針である.序論における診断および検査・測定案内表をうまく活用し,特異的な疾患・障害あるいは検査・測定に関する情報を手早く見つけて欲しい.
本書での内容に加え,読者には(原著の)出版元であるDavisのウェブサイトでボーナスともいえる付加的内容が提供されている.このウェブサイトから,読者は,特殊検査,付加的評価法,鑑別診断,予後,外科手術,およびその他の保健・介護職種への照会などをはじめとする,疾患・障害に関する神経学的診断・検査やその他の多くの有意義な情報を得ることができるだろう.本書にはまた,理学療法士が日常使用する神経学的専門用語の解説も載せてある.
ボーナスとなる情報・資料を総覧するには,次のアドレスへアクセス願えれば幸いである.
http://davisplus.fadavis.com
Claudia B.Fenderson
Wen K.Ling
監訳者序文
神経疾患はその性質上,日常生活動作に影響をきたすような後遺症を残すことが多く,このため理学療法の対象となることが多い.病院・施設によっては理学療法対象患者の大半が,脳卒中,脳性麻痺,あるいは脊髄損傷など神経系の障害によって占められているほどである.神経系障害では,運動機能のみならず,感覚・知覚機能,言語機能,そして精神・心理機能と,その機能面の喪失は広範囲に及び,しかもそれらが複雑に関連しているため,的確な理学療法実施には詳細で多面的な評価が不可欠である.したがってこれらの患者のリハビリテーションに携わる専門職には,神経学の基礎と臨床の両面における正確で広範な知識がそのベースとして必要とされる.
こうした点を踏まえ,本書は,理学療法士・学生をはじめ医療・保健関連専門職を対象に,神経系機能障害に対する理学療法評価のための臨床指針として出版されたものである.本書は,リハビリテーションに携わる専門職に対して,神経疾患・外傷の結果生じる機能障害の病態・特性や,病態・障害構造に応じた神経学的検査法の選択・概略を基本的コンセプトとして構成されているのが大きな特徴である.
本書が神経系障害の理学療法評価の「ナビゲーション」として臨床の場で広く愛読・活用されることを願ってやまない.
最後に,本書の出版に労をいとわれなかった医歯薬出版株式会社編集担当者に心から感謝する.
2011年4月
監訳者 嶋田智明
Tab 1 診断および検査・測定案内表
ICD-9-CMコード疾患/障害名
検査・測定ツール
Tab 2 神経筋系障害患者のための理学療法検査
神経解剖学
神経筋系検査に必要な機器
理学療法検査
バイタルサイン
検査・測定
有酸素能・持久力
形態学的特徴
覚醒・注意・認知
介助・適応用具
循環機能(動脈,静脈,リンパ系)
脳神経・末梢神経の統合性
環境・家庭・仕事(就労/就学/遊び)のバリア評価
人間工学,ボディメカニクス
歩行・移動・バランス機能
外皮系の統合性
関節の統合性と可動性
運動機能(運動コントロールと運動学習)
筋パフォーマンス(筋力,パワー,持久力を含む)
神経運動発達および感覚統合
装具,保護用具,および支援用具
疼痛
姿勢
関節可動域(ROM)(筋の長さのチェックを含む)
反射の統合性
セルフケア・家事動作(ADLとIADLを含む)
感覚の統合性
換気・呼吸機能およびガス交換
仕事(就労/就学/遊び)・コミュニティー・レジャーの統合あるいは再統合(IADLを含む)
Tab 3 小児障害
脳性麻痺
発達性協調運動障害
てんかん
水頭症
筋ジストロフィー
新生児神経疾患・異常
分娩時腕神経叢麻痺(分娩麻痺)
レット症候群(小児期におけるその他の特異的脳変性症)
揺さぶられっ子症候群
二分脊椎
Tab 4 中枢神経系の非進行性障害
中枢性前庭機能障害(中枢性障害に起因するめまい)
脳血管障害
外傷性脳損傷
Tab 5 中枢神経系の進行性障害
アルツハイマー病
筋萎縮性側索硬化症
脳腫瘍
小脳変性症
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染
ハンチントン病/ハンチントン舞踏病
ライム病
多発性硬化症
パーキンソン病
Tab 6 末梢神経系の損傷
末梢神経損傷
ベル麻痺
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染
下肢の末梢神経損傷
坐骨神経痛
手根管症候群
橈骨神経障害
尺骨神経障害(絞扼)
末梢性前庭機能障害
良性発作性頭位性めまい
メニエール病
三叉神経痛(疼痛性チック)
Tab 7 急性または慢性多発性ニューロパチー
軸索性多発性ニューロパチー
ギラン・バレー症候群
Tab 8 非進行性脊髄障害
脊髄損傷
文献(原典)
索引
ICD-9-CMコード疾患/障害名
検査・測定ツール
Tab 2 神経筋系障害患者のための理学療法検査
神経解剖学
神経筋系検査に必要な機器
理学療法検査
バイタルサイン
検査・測定
有酸素能・持久力
形態学的特徴
覚醒・注意・認知
介助・適応用具
循環機能(動脈,静脈,リンパ系)
脳神経・末梢神経の統合性
環境・家庭・仕事(就労/就学/遊び)のバリア評価
人間工学,ボディメカニクス
歩行・移動・バランス機能
外皮系の統合性
関節の統合性と可動性
運動機能(運動コントロールと運動学習)
筋パフォーマンス(筋力,パワー,持久力を含む)
神経運動発達および感覚統合
装具,保護用具,および支援用具
疼痛
姿勢
関節可動域(ROM)(筋の長さのチェックを含む)
反射の統合性
セルフケア・家事動作(ADLとIADLを含む)
感覚の統合性
換気・呼吸機能およびガス交換
仕事(就労/就学/遊び)・コミュニティー・レジャーの統合あるいは再統合(IADLを含む)
Tab 3 小児障害
脳性麻痺
発達性協調運動障害
てんかん
水頭症
筋ジストロフィー
新生児神経疾患・異常
分娩時腕神経叢麻痺(分娩麻痺)
レット症候群(小児期におけるその他の特異的脳変性症)
揺さぶられっ子症候群
二分脊椎
Tab 4 中枢神経系の非進行性障害
中枢性前庭機能障害(中枢性障害に起因するめまい)
脳血管障害
外傷性脳損傷
Tab 5 中枢神経系の進行性障害
アルツハイマー病
筋萎縮性側索硬化症
脳腫瘍
小脳変性症
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染
ハンチントン病/ハンチントン舞踏病
ライム病
多発性硬化症
パーキンソン病
Tab 6 末梢神経系の損傷
末梢神経損傷
ベル麻痺
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染
下肢の末梢神経損傷
坐骨神経痛
手根管症候群
橈骨神経障害
尺骨神経障害(絞扼)
末梢性前庭機能障害
良性発作性頭位性めまい
メニエール病
三叉神経痛(疼痛性チック)
Tab 7 急性または慢性多発性ニューロパチー
軸索性多発性ニューロパチー
ギラン・バレー症候群
Tab 8 非進行性脊髄障害
脊髄損傷
文献(原典)
索引