やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

第4版の序
 第3版が発行されて6年余,この間に医学・医療の進歩は眼を見張るものがある.20世紀終盤,細胞分子生物学の登場により急速に発達した遺伝子学研究によりヒト遺伝子の解読がほぼ終了した.ヒト遺伝子を実験動物に応用し,さまざまな病態を発現させることにより治療不可能とされていた病気がその発症機構の解明とともに治療薬の開発が世界各地で進められる.脳卒中,とくに脳血栓の治療は発症後3時間以内に経静脈投与治療開始により片麻痺を残さずに治療することが可能とされ,2005年10月認定施設において専門医による血栓溶解療法が保険採用された.また2006年4月から脳血管疾患リハは他の運動器疾患と区別され,急性期や回復期に重点を置いた点数配分がされるようになった.さらに超急性期縲恚}性期脳血管障害患者の集中治療のためのケアユニットSCU利用も点数化されている.保険採用はされていないが片麻痺症状を減少させる神経細胞再生医学も登場しつつある.
 生活習慣病の一次縲恷O次予防に重要な高血圧・脂質異常症に対しては卓効を示す良薬が相次いで登場し,残る第三のリスク糖尿病の良薬も市販が目前である.2005年,第四のリスク「メタボリックシンドローム」の診断基準が発表され脳卒中の三大リスクは四大リスクとなった.メタボ激増は高血圧の治療の進歩による脳血栓発症率減少傾向を再び上昇させている.文明病ともされ,腹部内臓肥満を原因とするメタボ対策が急務になっている.しかし医学の進歩によりメタボ治療はすでに可能となっているのである.ただし医療の進歩を現場に生かすには,一般医師を含めた全医療人の医療レベルの向上が重要である.同時に医療を受ける一般人の医学常識向上と緊急時の対応教育がなければならない.病気の早期発見・早期治療が叫ばれて久しいが,今や差し迫ったテーマにもなっている.重症疾患は3時間以内の専門医受診と治療が保険上にも謳われているのである.
 医師任せの時代は終わり,予防・治療・早期リハ医療の質が問われている.超高齢化社会,単なる長寿は人を苦しめ,国を破綻させる.健康長寿こそ人類の夢であり医療人の使命である.救急救命対策は設備や職員整備だけではなく,救急車利用者の健康時からの指導がなければ片手落ちである.マスコミの認識不足もある.保険では発症6カ月で回復期リハ訓練は終了である.失語症などの高次神経機能障害は訓練不足が問題になっている.認知症の増加は社会問題になっているが平均寿命90歳に近づく今日,国家財政も無視するわけにはいかない.五里霧中であった大脳の神経機構も次第に明らかにされており,認知症を含めた障害老人のリハは今後の大きな課題でもある.しかし,骨粗鬆症や動脈硬化の予防と治療対策の展望が開かれた今日,医療と福祉を担当する者は患者を含め革命的に進んでいる医学情報を知り,医学常識レベルの向上に努めなければならない.これが障害老人を救う唯一の方法でもある.これに応えるべく本書第4版はかなりレベルの高い記述が多くなっている.患者さんへの情報源の一つになれば幸せである.
 2009年8月
 編者代表 藤田 勉

第3版の序
 鹿教湯温泉療養所の近代化,そしてリハビリテーションセンター鹿教湯病院への名称変更記念として出版された本書「脳卒中最前線」(初版1987年)は,1994年改訂第2版が発行になり一般書として再出発となった.以降,若手医師や理学療法士,作業療法士などに購読され現在までに11刷の発刊を数えている.「脳卒中最前線」の書名の意図は,最先端の知識というより,最前線で働く人たちに役に立つ本ということにあった.この点では成功したと思っている.
 しかし学問の発達,とくに1990年以降の医学の発達,脳卒中の場合ヘリカルCT・MRIに代表される医療検査機器や,細胞膜受容体や遺伝子レベルの研究が生物工学的手法により飛躍的に進歩した.これにより病態の解明と治療法の進歩は,質的にも量的にもわれわれ古い世代にとっては驚異的なものがある.21世紀の医療が遺伝子治療や臓器移植を含め,どのような発達を遂げるのか想像を絶するものである.
 このような現状からして,「脳卒中最前線」第2版も古い医学になってしまった.そこで新進気鋭の先生方にもお願いし第3版を発行することになった次第である.
 改訂版として重点においた点は,脳卒中超急性期および急性期の診断と治療と早期リハの問題,退院後維持期の施設や自宅での介護保険関連の問題である.しかし,脳卒中そのものがますます複雑多彩となり,病態によりリスク因子や治療法が異なる面もあり,一口に脳卒中の早期リハといっても単行本になるほどの内容である.また,装具使用など必ずしも統一された基準がないので,「脳卒中治療の流れ」の項ではとりあげたが,文中項目としては割愛のやむなきに至った.
 今やリハ医療は国家的問題になっている.リハ医療が福祉医療のなかではたして患者のQOLにどのように役立っているか,QOR(リハビリテーションの質)を低下させ,ただ延命と介護を増加させているに過ぎないのではないかの問題も重要である.老人医療費や寝たきり老人介護福祉費用は国家財政をも圧迫しつつある.リハ医療は本来,障害を軽症化し,自立者を増し,医療費と福祉費用のトータルとしては節減に役立つ学問でもある.本書を通じてこの点でも少しでも役に立つことを願うものである.
 最後に,筆者選定にあたってお世話になった,伊藤梅男・前田道宣・田丸冬彦・金井敏男・望月秀郎の諸先生および執筆の諸先生,そして関係各位のご協力に感謝する.
 2003年4月
 編者代表 藤田 勉

第2版の序
 近代医学の進歩はきわめてめざましい.脳血管障害領域においても,特にその診断機器(X線CT,MRI,DSA等)の開発と普及は目を見張るものがある.各専門分野においても,疾患の病態の解明,そして治療分野においても特にICUを中心とする救命救急の分野が整備され新しい治療法も数多く開発されている.しかし,リハビリテーション医療分野は上記の発達に比べどうであろうか.
 厚生省は超高齢化社会を迎えリハビリテーション医療の重要性を認め,高齢者福祉法に基づく「ゴールドプラン」を発表し,1992年4月の診療報酬改定の中でようやくリハビリテーションという言葉を初めて使用した.しかし現実的には,発病初期から生活に戻るまでの質の良いリハビリテーション医療が実践されているかといえば,確かに施設や在宅のリハビリテーションを充実することにはなっているものの,現実的にはこれで良いのかと首をかしげなければならないと思うのは筆者だけではないと思われる.1958年に発刊されたRuskそして1964年のHirschbergの教科書の冒頭に述べられているリハビリテーション医学の基本を忘れがちではないか,もう一度原点に戻ってリハビリテーション医療を見直す必要があると思われる.それぞれの教科書の重要な部分を本文中に掲載してあるが,この中で最も重要な点は「リハビリテーション医療は医療人の倫理性および人間性が基盤になっている」ことにある.
 現代の医療はともすると医療機器や器具そして薬剤のみに頼りすぎ,患者の心を無視しがちである.最近の医師は「患者の病を診て人を診ない」ともいわれる傾向があるが,リハビリテーション医療こそ現代医療の信頼の回復につながる医療であることを全ての医療人が心得ることを念願して第2版の序文とする.
 1994年3月
 長野県厚生連
 リハビリテーションセンター鹿教湯病院
 名誉院長 藤田 勉


 中風の湯として知られる鹿教湯温泉に脳卒中の予防とリハビリテーションを目的として温泉療養所が開設されてから早くも30年を経過し,その後大発展をとげて,リハビリテーション病院ないし研究所合わせて560床の収容能力を持った脳卒中リハビリテーションのメッカとなったことは御同慶にたえない次第である.
 この間社会復帰の道を歩んだ何万・何十万の患者に対処した経験を生かし,近代的な進歩をとり入れて,藤田勉院長を中心に関係者の方々が,脳卒中の診断から治療,リハビリテーションにわたるすべての実際的な問題にかゆいところに手のとどくような行届いた解答を提示したのが,この度出版されることになった「脳卒中最前線」である.
 わが国の死因の中で,幸いに対策が成功して減少傾向が見えてきたとはいえ,依然,最も重要な位置を占めている脳卒中の具体的な処理に関心のある医師はもちろん,理学療法士,作業療法士,言語療法士,看護婦,ソーシャルワーカーや医学生にも必読の書として,江湖に推薦する次第である.
 最後に蛇足ながら,鹿教湯に脳卒中を対象とする温泉療養所建設を初めて提唱し,その実現をはかった当時の長野県厚生連塩川会長と,リハビリテーション施設の整備を指導して下さったDacso博士,鹿教湯に療養所が建設される前に早くも実際の湯治客について麻痺の回復と高血圧の低下を実証し,さらに実験的な粥状硬化症の温泉浴による抑制を証明した丸山大司博士に,改めて敬意を表する次第である.
 1987年9月
 東京大学名誉教授
 埼玉医科大学名誉教授
 大島良雄


 脳卒中のリハビリテーションについての近年の技術の進歩は,まことに著しいものがある.思えば,私どもが今から30年前,鹿教湯温泉に農民の医療のために温泉療法の利用を思いたった時には,率直にいって,単なる“湯治”的発想に過ぎなかった.私などはまだリハビリテーションなる言葉さえ知らなかった.その頃はまだ老年学(gerontology)の学会さえなく,成人病に対する社会の関心も薄いものがあった.それが,昭和40年代になると,人口の急速な老齢化が,社会問題として論じられるようになり,老人の医療問題からそのリハビリテーションまでが,国民の日常的テーマとなるに至ったのである.
 もともと脳卒中は,農村医学の最も重要なテーマであった.“中風にあたる“農民の数が多いということだけでなく,食塩の過剰摂取から,肉体的ならびに精神的過労,さらには“冷え”などの農民の生活自体が,その発病に深く関連していた.しかしながら,高度経済成長の時期を経て,農家の暮らしは大きく変貌し,今日では,かつての脳出血は減少の傾向をみせるに至ったが,しかし高齢者の脳梗塞の方はむしろ増えている実情である.そして,増加する“寝たきり““痴呆”の老人のケアが,今や重要な社会問題となるに至った.
 今度,リハビリテーションセンター鹿教湯病院が,その設立30周年を記念して,「脳卒中最前線」を発行される.まことに快挙と言いたい.藤田現院長が真先になって,歴代の院長,所長をはじめ,関係の各専門家が顔をならべて,それぞれの部門における最新の技術の発展を紹介しておられる.しかも,誰にも分りやすくである.
 好むと好まざるとにかかわらず,今日では“在宅ケア“が重要な時代となりつつある.その“寝たきり”の6割以上が,脳卒中の後遺症なのである.医者,看護婦だけでなく,リハビリ専門家や地域保健婦はもちろん,そのような老人のケアに直接あるいは間接にタッチする地域住民の皆が,この「脳卒中最前線」によって,その最新の情報を知り,その実践的技術を学ぶことは,新しい老人ケアの時代を迎えるに当っての,重要な社会的ニーズを満たすことになるに相違ない.
 1987年9月
 長野県厚生連
 佐久総合病院
 院長 若月俊一

はじめに
 脳卒中はその死亡率の順位を癌,心疾患にゆずったものの,その有病率は相変わらず高く,近年激症型の脳出血が減少し,多発脳梗塞が増加するなど疾患の様相を変えながら減少することのない疾病であるといえます.医療にたずさわる人達で脳卒中の患者に接したことのない人は,まずあるまいと思われます.
 昭和31年9月1日長野県厚生連(塩川藤一会長)は,佐久総合病院若月俊一院長や,当時の信州大学第二内科大島良雄教授(東京大学物療内科へ転任)の御協力を得て鹿教湯温泉療養所を設立致しました.以後30年余りの歴史の中に横山巖初代所長,福井圀彦第二代所長の御努力により,脳卒中リハビリテーションのメッカの地として多くの患者に評価を受けると同時に,多くの業績も鹿教湯の地から発表されました.この間,昭和40年には,鹿教湯温泉治療研究所(現鹿教湯総合リハビリテーション研究所)が郵政省および東京都その他の御協力により設立されました.
 第三の医学として登場致しましたリハビリテーション医学も,現在では脳卒中治療の一環として,脳卒中発症直後から始められなければならないことが常識となりつつあります.昭和47年に,重症患者用室を含む病棟が鹿教湯療養所に併設され,49年にはリハビリテーションセンター鹿教湯病院と改称しました.昭和61年,ICUを含む重症患者専用病棟および,脳血流測定装置を含めた放射線検査棟の完成により,脳卒中センターとしての機能も発揮し得る病院に脱皮することができました.一般病院にリハ科の併設が日常的であると同時にリハ病院が一般病院の機能を持つこと,すなわち一般治療とリハ治療がインテグレートすることが時代の要求でもあるのです.過去,脳卒中治療に対し一般治療とリハ医療が別々のものであるような書物が出され,脳卒中治療に混乱や手遅れが出る原因になったこともあったと思われます.医学の目的は決して救命だけにあるのではなく,人間に与えられている生きぬく権利を回復することにあるのです.この書を脳卒中患者に接するすべての人にぜひ読んでいただき,脳卒中のために寝たきりになる人が,また最大の不幸に陥っている人が生きがいのある生活に戻れるように活用し参考にしていただきたいと思っております.
 三人の編集者および第一線で脳卒中治療に活躍されながら執筆をいただいた58名を代表して序文と致します.
 1987年9月
 長野県厚生連
 リハビリテーションセンター鹿教湯病院
 院長 藤田 勉
I 脳卒中治療の流れ
 脳卒中治療の流れ
  脳卒中治療の流れ(福井圀彦・藤田 勉・宮坂元麿)
  脳卒中ケアユニット(光増 智・石合純夫)
  回復期リハビリテーション病棟(片井 聡)
  脳卒中リハビリテーションにかかわる人々とその役割(宮坂元麿)
II 脳卒中の診断と治療
 急性期に何をすべきか
  1 Brain attackの超急性期にどこまで治せるか(田畑賢一)
  2 昏睡患者を診たとき,まず何から始めればよいか(田畑賢一)
  3 脳卒中の画像診断はどのように進めるか(田畑賢一)
  4 意識障害のない脳卒中は軽症といえるか(宮坂元麿)
  5 急性期の全身管理はどうするか(宮坂元麿)
  6 急性期にとくに注意すべき合併症は(鳥養省三)
  7 内科的治療はどう進めるか(宮坂元麿)
  8 血栓溶解療法の実際(田畑賢一)
  9 急性期に手術が必要な脳卒中(伊藤梅男)
  10 急性期にしてはいけないことは(宮坂元麿)
  11 脳卒中急性期リハビリテーションの進め方(森泉茂宏・石合純夫)
 運動・感覚
  12 脳卒中の麻痺の特徴は(宮坂元麿)
  13 脳卒中片麻痺の評価法は(金井敏男)
  14 脳卒中片麻痺は回復するのか(原 行弘)
  15 脳卒中片麻痺回復の手段と根拠は(金井敏男)
  16 筋トーヌスの異常とその対策(田幸健司・松山 徹)
  17 関節拘縮の予防とROM訓練(山田雪雄)
  18 体軸傾斜症候群とは──いわゆるpusher症候群を中心として(福井圀彦)
  19 歩行訓練はいつから進めるか──杖・歩行補助具の使用は(松山 徹)
  20 歩行分析とは(高見正利)
  21 反張膝・内反尖足・槌趾などをきたさないためには(島野晃雄)
  22 内反尖足があるのだが──手術とブレースの適応(前田道宣)
  23 短下肢装具の使い分けは(中村信幸)
  24 内反尖足・槌趾など足の変形に対する手術は(前田道宣)
  25 転倒の予防対策(田丸冬彦)
  26 歩行をあきらめるのはどんなときか(田丸冬彦・金井敏男)
  27 上肢訓練の目的と実際──その特異性は(坂口辰伸)
  28 上肢に対する神経生理学的アプローチ──CI療法(坂口辰伸)
  29 上肢の協調性・巧緻性を妨げる因子は,また上肢の機能回復の予測は(花岡寿満子)
  30 よくみられる手の拘縮と変形(福井圀彦・前田道宣)
  31 利き手交換とその意義(花岡寿満子)
  32 片手で日常生活ができるか──ADL訓練の実際(望月秀郎)
  33 「できるADL」,「しているADL」,「するADL」(藤井忠重・小林俊夫)
  34 麻痺肢の回復にこだわって,片手動作訓練や利き手交換を拒否しているがどうするか(福井圀彦)
  35 失調を呈する脳卒中は──失調に対するリハはどうするか(宮坂元麿・金井敏男・花岡寿満子)
  36 脳卒中にみられる不随意運動は(田幸健司)
  37 脳卒中にみられる感覚障害は──感覚障害に対するリハはどうするか(山田雪雄・花岡寿満子)
 意識障害
  38 意識障害とは(田丸冬彦)
  39 通過症候群と意識障害の関係(田中恒孝)
  40 軽い意識障害の評価と対策(田中恒孝)
 高次脳機能障害・精神障害
  41 失語症と構音障害の違いは(牧下英夫)
  42 失語症はどのように検査するのか(遠藤邦彦)
  43 失語症患者には知能障害があるのか(平林 一)
  44 言語治療はどのように行うか(中村 淳)
  45 非アルツハイマー型認知症と失語(福井俊哉)
  46 失語症はよくなるか(遠藤邦彦)
  47 ほとんど言語機能を失った患者にはどのように接したらよいか(遠藤邦彦)
  48 communication ADL(平林順子)
  49 記憶障害とそのリハビリテーション(平林 一)
  50 眼はなんともないのに物を見誤る──失認とは(遠藤邦彦)
  51 左に注意が向かない,何が考えられるか──半側空間無視とその対策(石合純夫)
  52 右片麻痺があり,左手で歯ブラシが使えない──失行症とその対策(遠藤邦彦)
  53 重度の左片麻痺があるのに左手足は動くという──病態失認とその対策(坂爪一幸)
  54 右半球症候とは(田丸冬彦)
  55 自立を妨げる精神機能障害は──感情・意欲・注意障害など(坂爪一幸)
  56 脳卒中に伴う,うつの特徴は(田中恒孝)
  57 脳卒中後の疲労(坂爪一幸)
  58 血管性認知症の特徴は(田中恒孝)
  59 認知症患者に対するアプローチの工夫(鎌田ケイ子)
  60 認知症のリハビリテーション(福井俊哉)
 多発脳梗塞症候群
  61 多発脳梗塞症候群とは(宮坂元麿)
  62 多発脳梗塞症候群で生じる麻痺性構音障害のしゃべり方の特徴──構音失行との違いは(遠藤邦彦)
  63 嚥下障害の評価と対策(牧下英夫)
  64 脳血管性パーキンソニズムの特徴は(丸山哲弘)
  65 両側片麻痺の理学療法はどうしたらよいか(栗木淳子)
 その他/眼症状
  66 眼症状が教えてくれるものは(宮坂元麿)
  67 半盲の病巣と対策(江本博文・清澤源弘)
  68 複視の対策(江本博文・清澤源弘)
 その他/めまい
  69 めまい──神経内科の立場から(田丸冬彦)
  70 めまい──神経耳科の立場から(八木昌人)
 その他/疼痛
  71 肩の痛みとその対策は(丹澤章八)
  72 上肢痛・肩手症候群の対策は(中村信幸)
  73 腰痛・膝痛の対策は(島野晃雄)
  74 異所性骨化──その予防と対策(中村信幸)
 その他/痙攣
  75 脳卒中にみられる痙攣とその対策(大木弘行)
 その他/排尿・排便障害
  76 急性期の尿路管理はどうするのか(福井準之助)
  77 尿失禁が続くときはどうするか──尿・便失禁とその対策(福井準之助)
  78 夜間頻回に尿意を訴えるが,何が考えられるか(福井準之助)
 その他/褥瘡
  79 褥瘡の対策と予防(近藤恵子)
 その他/性生活
  80 脳卒中患者の退院後の性生活(福井準之助)
 その他/歯科
  81 歯科・口腔衛生の問題点(小泉真一)
 活動(activity)と参加(participation)へのアプローチ
  82 訓練治療後,片麻痺を残した──どのように職業復帰すべきか(山田恵美子)
  83 杖歩行,ADLが自立した──家庭での工夫は(小野千恵)
  84 歩行が完全に自立しない──どのような移動方法があるか(丸山陽一)
  85 座位がとれる──家庭に帰る準備は(丸山朋子)
 脳卒中の病態と診断:どこまでわかるか
  86 X線CTでどこまでわかるか(田畑賢一)
  87 MRでどこまでわかるか──脳血管障害のMRI(五十嵐博中・渡邉正人)
  88 脳血流測定(SPECT)でどこまでわかるか(田畑賢一)
  89 脳波・誘発電位で何がわかるか(林 良一)
  90 脳卒中のリスクファクターと主たる合併症(藤田 勉・大和眞史・鳥養省三・出浦照国・小林俊夫・福井準之助)
 脳卒中の治療:どこまで治せるようになったか
  91 脳梗塞の治療の進歩は(田畑賢一)
  92 脳出血の治療の進歩は──脳出血の外科治療(富田博樹)
  93 くも膜下出血の治療の進歩は──脳血管内手術について(戸根 修)
  94 脳卒中慢性期の血圧管理はどうすべきか(宮坂元麿)
  95 脳卒中の再発予防はどうすべきか(宮坂元麿)
  96 抗凝血療法の適応と方法──脳塞栓の一次予防を中心に(大和眞史)
  97 抗血小板療法の適応(鳥養省三)
  98 古くて新しい治療法──温泉療法(藤田 勉)
  99 古くて新しい治療法──物理療法(福井圀彦)
  100 古くて新しい治療法──漢方・鍼(泉 從道)
III 脳卒中治療のゴールとその後にくるもの
 101 身体障害者手帳の申請はどうすればよいか(深瀬文啓)
 102 介護保険制度について(芹沢弘子)
 103 介護保険制度の問題点──見直しの動向と課題(近藤克則)

 使用頻度の高いリハビリテーション用語(福井圀彦)

 索引

コラム目次
 ・JSS(Japan Stroke Scale)
 ・EBMと仮説
 ・胸部ではなく上腹部を圧迫,1人でも可能な心肺蘇生法を考案
 ・右脳の脳卒中は見過ごされやすい
 ・中枢神経系は「再生」できる
 ・インクレチン関連薬DPP4阻害薬とインスリン抵抗性
 ・t─PA療法適用可能な年齢と発作後経過時間を再検討
 ・親の癌生存傾向は子にも遺伝
 ・癌幹細胞(cancer stem cell)とは?
 ・単関節炎患者はRAを発症しにくい
 ・午睡が記憶の強化を加速──脳の遂行能力が向上
 ・線状体にT1高信号域を呈するhemiballism
 ・老化とRLS(restless legs syndrome,下肢静止不能症候群──むずむず足症候群)
 ・男性のアルコール依存症の原因は遺伝子に
 ・一過性全健忘の機序
 ・動作の巧緻性の獲得
 ・アルツハイマー病の兆候
 ・記憶とコルチゾール
 ・脳梗塞早期の音楽療法で認知・記憶能力が改善
 ・結晶化知能と流動化知能
 ・コーヒーの癌死抑制効果を示唆
 ・CARASIL
 ・長寿とテロメア(telomere)と幹細胞
 ・強制笑い・泣き(forced laughing and crying)
 ・HDLコレステロールも質が問題
 ・加齢性黄斑変性
 ・テストステロン値と男性の死亡との間に逆相関関係
 ・スタチン薬とフィブラート薬の抗老化作用
 ・最近注目を集めている超悪玉コレステロールとは small dense LDL
 ・LDL─Cが低くても安心ならず
 ・死亡率高い胸痛のない心筋梗塞
 ・高齢者の認知機能──若年期の知能よりむしろ老後の白質病変が影響