やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社


 再び,Subhash Bhatnagar博士による『Neuroscience for the Study of Communicative Disorders.3rd ed.』の序文を書く依頼を受け,大変光栄に感じている.Bhatnagar博士は,人のコミュニケーションとその障害を学ぶ者たちが興味深く読めるその分野のテキストを提供したいという観点から,学習者に必要であることに常に敏感に対応し続けている.重要なことは,Bhatnagar博士が,急速に進化している神経科学の世界標準を満たしつつ,そのテキストで学ぶ者たちが可能なかぎり最新の情報を得ることができるように改訂し続けていることである.これは息をのむような努力の賜物である.
 『Neuroscience for the Study of Communicative Disorders.3rd ed.』のエッセンスは,学習が良好に進むようにとくに強化された.この新版は,これまでの1,2版での成功を基本にしているが,学ぶ者たちのニーズに責任をもって対応していることについてはこれまで同様である.さらに,本書は,教師がテキストとして教育課程のなかで使用する際には,教師自身の特定の専門分野におけるニーズにも適用できるようになっている.旧版より多くの症例検討が紹介され,旧版よりさらに充実させた実用的な用語集が作られ,医療専門職が用いる医学専門用語に対しても光を当てている.これらの工夫によって,このテキストは,難解な世界である「人の問題」に関わる神経科学の多様な側面に入り込むための「経路」を多く提供している.
 人のコミュニケーションとその障害について学ぶ者にとって,この本はすぐにくつろいだ気分にしてくれる.本書は,成人での神経障害の基礎をなす神経科学の問題について述べており,さらに発生初期では,なぜ,どのようにして発達過程が迷走するのかを理解するために必要な理由を示してくれている.この理由は,自閉症から頭蓋顔面障害までの多様な領域に合理的に臨床的に介入するために必要なものである.本書で教授される問題解決技術,注意深く巧みに作られた復習問題,提示される学習目標,これらは全て学習者にとっての貴重な道標となる.
 この本の旧版は,人のコミュニケーション障害を学ぶ者に神経科学を教えるうえでのゴールドスタンダードとなった.その結果,教育職にとっては,個々の専門分野の最も重要な基礎科学の1つである神経科学の教育レベルを上げることになった.そしてこの最新版は,その確立された重要な伝統をさらに向上させることは明らかである.
 Audrey L.Holland,PhD
 名誉教授
 アリゾナ・トゥーソン大学(アリゾナ)

訳者の序(第3版)
 『NEUROSCIENCE─for the Study of Communicative Disorders─』の翻訳から10年を経て,第3版の翻訳も担当できた.旧版での翻訳の動機は,その「訳者の序」にも記したが,「言語臨床の視点での」良い神経科学書がなかったことにある.もちろん,総括的な神経学の教科書は当時もあったが,ほとんどの著者が言語病理学の専門家ではなく,一方で言語臨床家による書は既存の教科書の写しのようで,音声言語の臨床や研究には使えないものであった.
 さらに,当時は言語聴覚士資格が法制化された直後であり,多くの養成校で教育が行われるようになったものの,音声言語機能の基礎である生理学や解剖学とりわけ神経科学が言語病理学の視点で教育されているか疑問を感じ,臨床現場の要請に応えるだけの言語聴覚士の質が担保できるのか不安を感じていた.これらのことから音声言語に特化した神経科学書が必要であると思っていた.
 米国ではASHA(American Speech,Language,and Hearing Association)が,その前身を含めて1925年に設立された後,多くの年月を費やして現在のCCC─SLP(Certificate of Clinical Competence in Speech─Language Pathology)の資格制度の確立に至り,主要な大学には音声言語病理学部が設置された.そこでは,神経科学等の基礎医学も,音声言語病理学の専門家によって著された参考書を使って行なわれている.1998年に機会を得て米国での教育資料についてイリノイ大(シャンペーン),アイオワ大,ウィスコンシン大(マジソン)で調査した.当時の資料リストを見ると,悔しいことではあるが,現在でも質と量において,本邦のそれらとは比較できないほどの高さである.本書は,その米国にあっても,初版から“米国内と海外での多くの大学や大学院でテキストとして使用され“(Bhatnagarによるまえがき),さらに“人のコミュニケーション障害を学ぶ者に神経科学を教えるうえでのゴールドスタンダード”(Hollandによる序)となっている.それは,「学習者に利する」ために,最新の情報を網羅し,多くの表,図,事例を提供し,言語病理との関係の薄い分野は大胆に少なくし,読みやすく理解しやすくという哲学が高く評価されているためであろう.読みやすくなっているとはいえ,その内容の高さについては,Bhatnagar自身が米国内外の多くの専門家の意見やコメント,指導を受けることで担保されている.この哲学は,拙監訳「ゼムリン言語聴覚学の解剖生理」(医歯薬出版)の原著者Zemlinも記しており,米国での言語病理学教育の共通する概念であると思われる.
 本書は原著第3版の翻訳であるが,原著第2版の翻訳は出版されていない.これは,第3版が第2版の翻訳完了直前に出版されたためである.旧版の翻訳完了は原著出版4年後,第2版の翻訳完了(未出版)は原著出版5年後であったが,第3版は2008年初めの出版であり,その翻訳は1年余りで完了できた.「学習する者に利する」という原著者の哲学は守ることができたのではないかと思う.旧版での読みづらい表現や図表と本文との用語の乖離,明らかな原著での誤りについては極力修正したが,完全ではない.読者からのご指摘を頂戴し修正できれば幸甚である.
 最後に,医歯薬出版の担当者の方々には,私の遅筆によって未出版となった第2版の翻訳から,第3版の翻訳完了まで変わらずご支援を頂戴したことを,心より深く感謝申し上げたい.
 2009年1月
 舘村 卓

訳者の序(第1版)
 米国では,ASHA(American Speech,Language,and Hearing Association)が,その前身を含めて1925年に設立された後,多くの年月を費やして現在のCCC─SLP(Certificate of Clinical Competence in Speech─Language Pathology)の資格制度が確立され,主要な大学には音声言語病理学部が設置されてきました.CCC─SLPの資格は,本邦には設置されることのなかった音声言語病理学部を卒業の後に修士もしくは博士の学位取得を条件とし,学位取得後375時間の研修を受けた後に国家試験に合格し,さらに常勤のSLPとして研修機関においてCCC─SLPの指導の下に36週間の研修を積んで初めて取得できます.さらに音声言語病理学部で行なわれる教育は,神経科学等の基礎医学も医科や歯科の流用ではなく,音声言語病理学者である教授によって音声言語病理学の視点で作られた成書を使って行なわれています.このように制度や教育の質には,本邦での言語聴覚士の認定制度や教育のそれとは比較できない程の格差を感じます.
 近年,医学の発展により救命率は向上してきた反面,音声言語障害のために社会へ復帰できない人々の数は増加しつつあります.この大きな社会問題に応えるためには,音声言語の専門職者の数を増やすことは重要なことですが,人数だけではなくその質の向上が同時に行なわれなければなりません.そのためには,音声言語病理学の視点から構築された神経科学や生理学を学ぶ機会を増やすことや教材の質を向上させることも必要と考えられます.原著は,鼻咽腔閉鎖機能に関する訳者の研究の協同研究者であるイリノイ大学David P.Kuehn教授(ASHAのVice president)と音声言語病理学についての教育や研究の現状について,日米の相違について対話している中で彼から薦められたものです.本書では,原著者も述べているように,音声言語病理学には直接関係の低い領域は必要最低限に留められ,一方,音声言語病理に密接に関わる部分については十分なページが割かれ,さらに親しみのある穏やかな文章により学習効果の増強に向けた多くの工夫が講じられています.本書は,言語聴覚士のみならず音声言語病理学を志す若き医師・歯科医師に,既存の医学書とは異なる音声言語病理学の立場からの神経科学を学ぶ良い機会を提供することと思います.原著同様,本書も学習者を音声言語病理学の立場からの神経科学へ誘い,日常臨床に有用な情報を供与できると確信しております.
 最後に,医歯薬出版の編集の方には,翻訳文の文調の調整から校正・装丁等までご尽力戴きましたことを感謝いたします.また,小生が行なうべき公務の処理等のために大阪大学歯学部附属病院顎口腔機能治療部部長,和田 健教授には多大なご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げるとともに翻訳に専念することを黙認くださったことを深く感謝いたします.同部助手,原 久永先生にはこの間の診療ならびに事務処理に小生の代りに多くの時間を割いていただき感謝いたします.同部大学院生,野原幹司君,藤田義典君には,年末年始の休暇中も図表を含めた諸々の翻訳作業に協力を戴いたことに深く感謝いたします.
 平成11年8月
 訳者 舘村 卓

まえがき
 私の信念,これは旧友であり,同僚であり,共著者であったOrland J.Andy医学博士と共有するものであるが,神経科学は単純化でき,神経学的概念を学ぶ際に,学生の胸に恐怖を呼び起こす必要はないということである.私たちは,行動科学を学ぶ者たちが神経科学の勉強がワクワクするものであり,合目的な経験であると悟ることができるように,この信念を持ち続けてきた.本書では,人の行動に関連した本質的で論述的な情報を提示するが,些細な百科事典的な事項については省略している.この視点によって著した過去2つの版では,米国と海外の多くの大学や学生たちから助言や示唆を頂戴した.このことは,私たちが目指していた,分析的思考法をより良く身につけられるようにするには,視覚的アプローチと臨床的アプローチを統合することが必要であるという考え方が正しいことを証明してくれたものと理解している.
 『Neuroscience for the Study of Communicative Disorders.3rd ed.』を著すに当たって,「資料」の効果性と自習する場合にも教育する場合にも用い得るように,視覚による分析的アプローチを強化しようと努力した.神経科学としては以前同様に単純化したが,この教科のもつ包括性の香りについては,学生がその固有の複雑さの感覚を失わないようにした.いくつかの点で,本書は,アルバート・アインシュタインの有名な警句:「可及的に全てのものを単純化しなさい,しかしより単純にするべきではない.」に則っている.
特色と構成
 この新版でも以前同様に神経科学を単純化して学習しやすくしているが,学習者はより学習効果を高めるために,付録として多くの分析的,視覚的,情報ツールを利用できるようにした.読者の基本的知識を充実させるために必要な,語彙,実際的な情報,神経学的概念,臨床応用について段階的なアプローチによって紹介する.技術上の問題は,人間行動との関係に視点をおいて簡潔に説明されている.旧版での多くの図を修正し,新しい画像を加えることで,より視覚的にアプローチして学習できるように強化した.解剖構造と神経路は,複数のかつ異なる方向からの図で示した.それらの図に精通することで脳機能と臨床上の問題を分析的に解決できるようになる.重要な臨床情報は,テキスト全体を通じて「Box」で強調した.神経学的に理由を説明できる能力は,学生が対話形式で臨床問題の解決に参加することで強化される.推理技術は,解決法とともに実際的な事例を提示することで,さらに強化される.
 ・改訂版に固有の特徴は以下のことである:
 ・学生の学習効果を高めるために本質的に改訂した章がある
 ・各章の結びにクイズ形式の質問を載せた
 ・問題解決技術の向上を目指すために50問の対話形式での症例検討を追加した
 ・視覚的学習効果を向上させるために約70の図版について追加および修正した
 ・学ぶ者の学習効果を強化するために18の要約テーブルを追加した
 ・診断用MRIの進歩(機能的MRI,拡散加重MRI,潅流MRI,拡散テンソルイメージング,MRI分光検査)をカバーするために神経画像処理についての部分を書き直した
 ・細胞生物学と神経発生学(発生段階での脳での神経の刈り取りとシナプスの成立ならびに新生物の生理)に関する考察を最新のものに改訂した
 ・意識に関しての考察を最新のものに改訂した
 ・400以上の新しい専門用語と定義を用語集に追加した
 神経科学固有の詳細な事項のなかには,個々のインストラクターの教育目的にとっては重要でない場合もあるかもしれない.したがって,コース・インストラクターは,自分のコースに応じて,彼らの教育上のニーズに合わせるために,扱う本書の資料の領域とその詳細さを調整するために本書の情報を再構成することを勧める.を付けた「学習目標」によって,インストラクターが本書の内容を自分で優先順位をつけ直すことができるようになっている.
 Subhash C.Bhatnagar

謝辞
 私は,本書を執筆するうえで多くの同僚の支援を受けた:
 Audrey L.Holland博士(アリゾナ大学名誉教授).彼女には以前の2つの旧版での序文も書いていただいたが,本書の序文もお願いし,ご同意を頂戴した.大学院生時代以来ずっと,私は彼女から優先的に支援を受け,友好関係を築くことができている.
 Duane E.Haines博士(ミシシッピ大学医療センタージャクソン,解剖学講座).確立した名声をもち,多くの著作を著した神経学者.本書ならびに2つの旧版の執筆全体を通じて,いただいた励ましと支援に感謝する.彼は多くの脳画像を快く提供してくれ,彼の著書である“Neuroanatomy:An Atlas of Structures,Sections,and Systems”から多くの脳の連続切片像を自由に使用することを許していただいた.
 Robin L.Curtis博士(前ウィスコンシン医科大学,細胞生物学・神経生物学・解剖学講座).本書の多くの章の内容についての彼の思慮深い批評に感謝している.彼のコメントによって,感覚運動系の内容に関する多くの複雑な問題をもっと単純化して表現することができた.
 Alexandru Barboi医学博士(ウィスコンシン医科大学,神経学).神経学の症例検討と他の臨床情報をチェックしていただいたことに感謝している.彼のコメントによって,多くの重要な臨床概念の正しさを確実にすることができた.
 Howard Kirshner医学博士(ヴァンダービルト医科大学,神経学講座).神経科学の技術に関する事項についての助言に感謝している.また,高次機能についての章の執筆と陽電子放射断層撮影像を提供していただいたことについても感謝している.
 Varun K.Saxena医学博士(神経疾患センターミルウォーキー).何度も討論していただいたことと神経科学についての私の知識の隙間を満たしていただいたことに感謝する.
 Lotfi Hacein─Bay医学博士(ロヨラ医療センターシカゴ,放射線学講座).彼のコメントのおかげで20章の神経画像処理に関する内容を改善することができた.彼から受けた激励と一貫した支援に謝意を表する.
 George T.Mandybur医学博士(シンシナティ大学医学校,神経外科講座).神経外科を扱った部分での治療に関する問題についての支援に感謝する.
 Michelle Mynlieff博士(マルケット大学,生物科学講座).細胞生理学と神経伝達物質に関する章を書き直す際の彼女の支援に感謝する.
 Madhuri Behari医学博士(全インド医科学大学インドニューデリー,神経学講座,).彼女のおかげで,20章の多くの神経病学的概念と臨床上の問題を解明することができた.
 Kunwar P.Bhatnagar博士(ルイビル大学医学校,解剖科学・神経生物学講座).神経発生学の章を書く際の激励に感謝する.
 Xu Li医学博士(オハイオ大学アテネ),William Mustain博士(ミシシッピ大学医療センタージャクソン),Edward W.Korabic博士(マルケット大学)の3人に,特別な情報についての彼らのコメントに感謝する.
 Martha Jerme女史(マルケット大学健康科学図書館司書).参考文献を捜すうえでの協力に謝意を表する.
 それぞれ独自にチェックをしてくれた査読者(Martha A.Boose博士(セントローズ大学),Mary Jo German博士(ボールステイト大学),Jenis M.Jarecki─Liu(クラリトン大学ペンシルバニア),John W.Oller博士(ルイジアナ大学ラファイエット)たちに,貴重な示唆を頂戴したことを感謝する.
 Brooke Hallowell先生(オハイオ大学)には,本書ならびに旧版の執筆に,激励と支援を頂戴したことに感謝する.
 私は,心から私の大学院生たちの協力に感謝の意を表したい.彼らは,本書執筆上の色々な事象を念入りに手伝ってくれた.Julie Polzin先生(CCC─SLP)とTeresa Schwartz先生(CCC─SLP)には,原稿準備の初期の段階での援助に謝意を表する.Ashley Bohanan女史には本書の最終段階での支援に感謝する.Maria Fratangelo先生(CCC─SLP)には,2年間私とともに作業してくれ,完璧な結果を出してくれたことに感謝する.彼女は,本文,表,図を規格化する際に一貫性を賦与してくれることに才能を発揮してくれた.
 最後に,私の最高の親友である妻Pritiに感謝する;ManavとGauravの2人の息子に感謝する.家族から受けた激励と心からの支援に,私は最も勇気づけられた.彼女らの理解と協力なくては,この著作とこの版はできなかったであろう.
 序
 訳者の序(第3版)
 訳者の序(第1版)
 まえがき
 謝辞
1章 神経科学が扱う対象と原理,そして構成要素
 学習目標
 神経科学と音声言語病理学
  神経科学の領域
  音声言語病理学の領域
  神経科学の勉強の必要性
  神経科学の勉強の本態
  神経科学を勉強する利点
 神経科学の領域
  神経学
  神経外科学
  神経解剖学
  神経放射線学
  神経発生学
  神経生理学
  神経病理学
 脳の機能構造を制御する原理
  脳の相互内部結合性
  中枢神経系の中央集中化
  中枢神経軸の階層性
  脳機構の側方性
  機能的に特異化したネットワーク
  皮質経路における地図様構成
  脳の可塑性
  文化的に中立である脳
 基礎的な用語の学習に向けて
  脳の方向づけ
  脳切片の平面
  運動に関する用語
  筋肉に関連する用語
  解剖学的構造に関する用語
  細胞と機能に関する用語
  中枢神経系および末梢神経系の用語法
 中枢神経系の大まかな構造
 神経系の機能的分類
 細胞構成(大脳皮質の細胞構築)とブロードマン領野
 神経科学を学ぶうえで生じる種々の問題の解決法
  専門用語の単純化
  神経科学の視覚的アプローチ
  神経科学での位置づけと 臨床的位置づけ
  神経解剖を学習するための 機能的な方法
  演繹的理由づけと問題解決
  病変の部位同定のための法則
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
2章 中枢神経系の全体解剖
 学習目標
 中枢神経系および末梢神経系の構造
 脳の一次分裂
 脳の全体構造
  終脳
  間脳
  脳幹
  小脳
  脊髄
 脳室
  側脳室
  第三脳室
  第四脳室
 脳の髄質中枢
  投射線維
  連合線維
  交連線維
 脳の髄膜
  脳硬膜
  クモ膜
  軟膜
 脊髄の髄膜
  脊髄硬膜
  脊髄クモ膜
  脊髄軟膜
 脳神経
  命名法
  機能
 自律神経系
 病変部位の同定
  法則1:皮質病変を示唆する徴候
  法則2:皮質下疾患を示唆する徴候
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
3章 中枢神経系の内部解剖学
 学習目標
 方向づけのための解剖上の道標
  皮質脊髄路線維の形状
  脳室の形状
 横断面で見る脊髄
  仙髄切片
  腰髄切片
  胸髄切片
  頸髄切片
 横断面で見る脳幹
  延髄
  橋
  中脳
  中脳─間脳接合部
 冠状断で見る前頭部
  視床後部を通る冠状面
  視床中央を通る冠状面
  視床前方を通る冠状面
  前交連を通る冠状面
  内包の前脚と尾状核頭部を通る冠状断面
  前角を通る冠状面
 横断面で見る前脳
 まとめ
 クイズ
 重要語句
4章 中枢神経系の発生学
 学習目標
 ヒトの染色体・遺伝子・細胞分化
  染色体数の異常
 発生初期
  配偶子形成
  受精と第1週目
  第2週目の成長
  第3週目の成長
 中枢神経系
  神経板,神経管,神経堤
  脳
  脊髄
 臨床で役立つこと
  中枢神経系の異常発達
  発達障害
  末梢神経系
 まとめ
 クイズ
 重要語句
5章 神経細胞
 学習目標
 神経細胞(ニューロン)
  神経細胞構造
  神経細胞のタイプ
  神経回路
  神経膠細胞
 中枢神経系ならびに末梢神経系
 脳でのニューロン死とシナプスの確立
 神経インパルス
  神経興奮性
  インパルス伝導
 脳外傷に対する神経反応
  軸索反応
  ワーラー変性
  神経膠細胞の反応
  末梢神経系での軸索再生
  中枢神経系での軸索再生
 神経伝達物質
  アセチルコリン
  モノアミン
  ペプチド
  薬物治療の原則
 臨床で役立つこと
  脳腫瘍
  多発性硬化症
  筋無力症
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
6章 間脳:視床と関連構造
 学習目標
 間脳の全体解剖
 視床
  視床の構造
  視床核の投射路と機能
  付加的な視床核
 視床核の機能的分類
  特殊視床核
  非特殊視床核
 視床上部
 視床腹部
 視床下部
 視床の認知機能
 視床症候群
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
7章 体性感覚系
 学習目標
 体性感覚
  感覚のタイプ
  特殊感覚受容器
  体性感覚の3つのニューロン構成
 神経支配のパターン
 体性感覚系の解剖学的分類
  脊髄背側柱─内側毛帯系
  前外側系
 三叉神経
  三叉神経の3つのニューロン構成
  顔面からの精細な識別接触感覚
  顔面からの痛覚と温覚
  顔面のび漫性接触感覚
 無意識の体性感覚
  神経支配のパターン
 病変部位の同定 法則3:脊髄の中心灰白質の病変
  現れる徴候と合理的な説明
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
8章 視覚系
 学習目標
 眼の解剖
  眼球
  網膜
 網膜の血管供給
 網膜の光化学
  スペクトル感受性
  色覚
  暗順応
 視覚機構
  屈折
  レンズのタイプ
  目の光学
  網膜像の形成
 視覚の中枢機構
  視野の網膜上での現れ方
  視交叉への網膜像の現れ方
  外側膝状体への網膜像の現れ方
  視覚皮質への網膜像の表現
  一次視覚皮質
 視覚皮質の発達
 視覚反射
  瞳の光反射
  遠近調節反射
 臨床で役立つこと
  屈折異常
  色覚異常
  視力検査
  視野障害
  一次および連合視覚皮質
 病変部位の同定 法則4:視覚の神経経路の病変
  現れる徴候と合理的な説明
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
9章 聴覚機構
 学習目標
 音,特性と計測
 解剖と生理
  外耳
  中耳
  内耳
  聴覚情報の神経的符号化
  後迷路性聴覚機構
 中枢性聴覚経路
 聴覚反射
 聴覚系への血液供給
 聴覚系の特性
  両側性の聴覚表現
  音源位置の同定
  周波数の部位ごとの表現
  下行性聴覚投射
 臨床で役立つこと
  聴覚障害
  聴覚障害の評価
  聴性脳幹反応検査
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
10章 前庭神経系
 学習目標
 前庭神経系の解剖
  半規管と前庭嚢
  前庭神経とその核
  膜迷路への血液供給
  一次前庭神経投射
 眼球運動を調節する神経機構
  共役眼球運動の前庭神経による制御
  随意的な眼球運動調節のための機序
 平衡覚の生理
  運動性平衡覚
  回転感覚
  静止性平衡覚
  眼振運動
  誘発前庭性眼球運動あるいは眼振運動
 臨床で役立つこと
  乗り物酔い
  目眩(めまい)
  迷路機能障害
  良性の体位性眩暈
 臨床的診断検査
  加速回転椅子検査
  温度刺激検査
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
11章 運動系1:脊髄
 学習目標
 脊髄切片
 神経支配のパターン
 脊髄の全体解剖
  内部解剖
  分節状の組織化
  運動単位
 脊髄路
  下行性脊髄神経路
  上行脊髄神経路
 脊髄運動核
  α運動ニューロン
  γ運動ニューロン
  介在ニューロン
 脊髄の運動機能
  筋紡錘と運動活動におけるその役割
  運動開始
 脊髄反射
  伸張反射
  引っ込め(屈曲)反射
  交差性伸展反射
 神経伝達物質
 臨床で役立つこと
  下位運動ニューロン症候群
  一般的脊髄症候群
 病変部位の同定
  法則5:脊髄を完全に冒す病変の徴候
  法則6:脊髄半離断を示唆する徴候:ブラウン・セカール症候群
  法則7:末梢病変か中枢病変を示唆する徴候
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
12章 運動系2:小脳
 学習目標
 入出力パターン
 小脳解剖
  横軸方向および縦軸方向から見た小脳領域
  小脳結合
 小脳皮質
  構造
  小脳の機能単位の神経回路
 運動学習
 臨床で役立つこと
  小脳機能障害の徴候
  小脳疾患
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
13章 運動系3:脳幹と大脳基底核
 学習目標
 脳幹の運動機構
  網様体運動機能
  脳幹運動機構のまとめ
 大脳基底核
  入出力パターン
  解剖
  大脳基底核環状回路
  大脳基底核回路の解剖学
  大脳基底核回路の生理学
  大脳基底核の神経伝達物質
 臨床で役立つこと
  随伴運動障害
  大脳基底核の疾患
  大脳基底核と高次精神機能障害
  大脳基底核と心理障害
  大脳基底核のまとめ
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
14章 運動系4:皮質レベル
 学習目標
 運動皮質の解剖
 入出力パターン
 臨床用語
 下行性神経路
  皮質脊髄路
  皮質延髄路
 臨床で役立つこと
  大脳疾患後の腕と脚の特異的な障害
  痙性片麻痺
  仮性球麻痺
  交代性片麻痺
  上位運動ニューロン症候群
 病巣の局在
  法則8:上位・下位運動ニューロン疾患を示唆する徴候
  法則9:脳幹病変を示唆する徴候
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
15章 脳神経
 学習目標
 脳神経の機能分類
  遠心性神経
  求心性神経
 鰓由来性の話し言葉に関連する筋
 脳神経系と自律神経系
 脳神経核
  中脳
  橋
  延髄
 運動路
  運動(遠心性)経路
  感覚(求心性)経路
 入出力パターン
 脳神経とその感覚運動機能
  嗅神経
  視神経
  動眼神経
  滑車神経
  外転神経
  三叉神経
  顔面神経
  内耳神経
  舌咽神経
  迷走神経
  (脊髄)副神経
  舌下神経
 機能から見た脳神経の組み合わせ
  眼筋の運動調整
  舌の感覚神経支配
  軟口蓋・咽頭への運動神経支配
  軟口蓋・咽頭の感覚神経支配
 臨床で役立つこと
  上位運動ニューロン症候群と下位運動ニューロン症候群
 一般的な脳神経症候群
  ウェーバー症候群(中脳病変)
  ミラール・グブラー症候群(橋病変)
  閉じ込め症候群(橋底部病変)
  ワレンベルグ症候群(外側延髄)
  内側延髄症候群
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
16章 軸索─辺縁脳:自律神経系,辺縁系,視床下部,網様体
 学習目標
 自律神経系
  解剖構造
  内臓遠心系
  内臓求心系
  神経伝達物質
  中枢性自律神経経路
  臨床で役立つこと
  自律神経系のまとめ
 辺縁系
  解剖構造
  臨床で役立つこと
  辺縁系のまとめ
 視床下部
  解剖構造
  視床下部機能
  神経伝達物質と行動
  臨床で役立つこと
  視床下部のまとめ
 網様体
  解剖構造
  機能面からの考察
  臨床で役立つこと
  網様体のまとめ
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
17章 脳循環系の概観
 学習目標
 血管網
  大脳血管系
  ウィリス動脈輪
  脊髄への血液供給
  側副循環
  脳血管系の病的状態
 無酸素症に対する特異的脆弱さ
 危険因子
 静脈洞系
  硬膜静脈洞
  大脳静脈
  脊髄の静脈
 大脳の血液流の調整
 血管疾患の治療
 血液脳関門
 病変の部位同定 法則10:血管系病変を示唆する徴候
  現れる徴候と合理的な説明
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
18章 脳脊髄液の概観
 学習目標
 脈絡叢
 脳脊髄液循環
 脳脊髄液の吸収
 臨床で役立つこと
  循環障害
  治療
  脳脊髄液の診断上の意義
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
19章 大脳皮質:高次脳機能
 学習目標
 研究手法
 脳機能の局在性
  前頭葉
  頭頂葉
  側頭葉
  後頭葉
 皮質機能の障害
  大脳優位性と機能特異性
  音声言語障害
 症例検討
 まとめ
 クイズ
 重要語句
20章 診断テクニックとその神経学的概念
 学習目標
 脳の画像化
  脳血管造影法
  コンピュータ断層撮影法CT
  磁気共鳴画像法MRI
 MRIの進歩
  機能的磁気共鳴画像法 functional MRI(fMRI)
  拡散加重イメージング法 diffusion weighted imaging(DWI)
  パーフュージョンMRI法 perfusion MRI
  拡散テンソルイメージング法 diffusion tensor imaging(DTI)
  磁気共鳴分光法 magnetic resonance spectroscopy(MRS)
  磁気共鳴血管造影法 magnetic resonance angiography(MRA)
 追加的な他の画像テクニック
  局所脳血流量測定法 regional cerebral blood flow(rCBF)
  陽電子放射断層撮影法 positron emission tomography(PET)
  単一光子放射コンピュータ断層撮影法 single photon emission computed tomography(SPECT)
 大脳優位性を評価するための アミタール注射法
 脳波図
 筋電図
 誘発電位
  視覚的誘発電位 visual evoked potential(VEP)
  体性感覚誘発電位 somatosensory evoked potential
  聴覚誘発電位 auditory evoked potential
 両耳異音聴
 腰椎穿刺
 神経外科的方法
  開頭術craniotomyと皮質マッピング cortical mapping
  定位脳手術stereotactic surgeryと皮質下マッピング subcortical mapping
  脊髄神経路切断術 cordotomy
  内頸動脈─外頸動脈吻合術 internal carotid─external carotid anastomosis
  頸動脈内膜切除術 carotid endarterectomy
  動脈瘤クリップ aneurysm clipping
 遺伝
  優性遺伝
  劣性遺伝
  X連鎖性遺伝
 特殊神経疾患
  発作と癲癇
  睡眠と変化する意識
  中毒性脳症
  筋無力症
  末梢ニューロパチー
  新生物
  脳の感染症
 まとめ
 クイズ
 重要語句

 用語集
 必読文献集
 図・表出典
 和文索引
 欧文索引