やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

監訳者の序
 1995年,米国でのCCC-SLP(Certificates of Clinical Competence-Speech Language Pathologist)の資格取得にかかわる教育についての調査を行うために,口蓋帆咽頭閉鎖機能(いわゆる鼻咽腔閉鎖機能)についての共同研究者であるDavid P.Kuehn教授(Univ.of Illinois at Urbana-Champaign)のもとに滞在し,同大,Univ.of Iowa,Univ.of Wisconsin-Madisonに調査に出かけた.
 調査対象に各大学でのシラバスとテキストリストの調査があり,興味深い二つのことに気づいた.一つは,解剖学や生理学などの基礎医学の講義も,先輩ともいうべきspeech&hearingの専任教授によって行われることであった.もう一つは,テキストの著者が,音声言語・聴覚の専門職でない場合でも,わが国とは異ってその内容からは,著者がspeech&hearingの臨床や研究にも深い造詣を有していることが感じられることであった.そのようなテキストの中で各大学でのリストに共通したテキストがあった.その内の1冊が,平成11年に翻訳した既刊「神経科学─コミュニケーション障害理解のために─(原題:NEUROSCIENCE for the study of communicative disorders)」であり,著者の一人Andyは神経学者である.もう1冊が,本書の原著「SPEECH AND HEARING SCIENCE-Anatomy and Physiology」である.
 解剖学者であるZemlinによる原著は,speechやhearingの臨床を知らない学者が屍体解剖の結果に基づいて著した『学問の枯れ枝』(Zemlinによる)のようなテキストではない.解剖学から生理学まで,そして基礎から臨床まで,間断なく往来する一流の読み物であり,ふんだんに使われた図表を含めて無味乾燥になりがちな解剖学・生理学を心地よく理解できるようにさまざまに工夫されている.著者の視点は常に学習者と同じ高さにある.本書は,学生だけでなく,すでに教育や臨床に携わる第一線の人々にとっても,言語・聴覚臨床の視点から解剖学,生理学を再構築し,指導するうえで有用な書物になると確信している.
 原著者は,本書の最後で,解剖学や生理学が一筋縄では捉えられない,常に学習を必要とする学問であり,一方,テキストというものは常に乗り越えられなくてはならない対象であると述べている.本書がさらなる研鑽のための礎となれば翻訳者として幸甚である.
 本書の翻訳は,監訳者である舘村が,1,2,3,4,7,8章を担当し,かつ用語の統一等全体を監修した.大阪大学医学部の浮田弘美先生に5章,九州保健福祉大学の山田弘幸先生に6章をご担当いただいた.両先生は,担当していただいた章の翻訳に最適の翻訳者であった.本書の翻訳上に問題があれば,それらはすべて舘村の責であり,読者からのご指摘を甘んじて受けたいと思っている.
 最後に,翻訳完了まで長期にわたり医歯薬出版の担当者には御支援いただいた.深く感謝の意を表したい.
 平成19年3月
 監訳者 舘村 卓


 35年前,一人の新任教授が,イリノイ大学で,解剖学と生理学の最初の講義を行った.彼は,学生に,扱うテーマについて示した謄写版による紫色の印刷物を与えた.諸君が,これから専門職としての人生で,参考にし,読み,学び,研究しようとしている,この本は,まさにその謄写版印刷から始まっている.この教科書の第1版のハードカバー版の序文で,Zemlin博士は「良いテキストというのは,それが学生たちを刺激して,興味を抱かせるきっかけになるものである」と述べている.その目標は今日でもまた同様である.このテキストの内容は,この領域における知見の増加に伴って増えている.かつて推測の域を出なかったことが,今日ではデータで支持される理論や方法になった.
 音声─言語病理学と聴能学を学んだ数世代の学生が,以前の版のこのテキストを使用して,発話の解剖学,生理学の基礎を学んだ.なかには,自分自身の研究者としての出発点として,このテキストを使った者もおり,そしてすべての学生は,このテキストの各章を熟読した後に,話し言葉と聴覚メカニズムがどのようにして作動するのかについて,自分自身で概念化できてきた.
 最初,大部分の学生は,このテキストの分量に気が重くなる.このテキストを使う多くの人々にとって,解剖学は一種の外国語であるが,解剖学を完全に理解するためには,まず最初に学ばなければならない言語である.外国語と同様,いったん基本的な言語を習得できたならば,より完全な理解をするのは比較的容易である.
 このテキストを使った学生は,学期末までにおどろくべき変化に気づくだろう.それは,「解剖学と生理学を勉強したくなる」感覚と両教科を特別に理解できるようになっていることである.
 ちょうど今,この分野に足を踏み入れたあなたにとって,病的なプロセスの勉強に先行して話し言葉と聴覚の正常な生成プロセスについて知ることが,この職の信念であることを理解することはよいことである.正常機能について理解することが病的機能を認識する前に先立っているのだということを理解することは,科学的な考え方の唯一の信念であるが,私たちの職業はこの信念に確実に立脚している.話し言葉の科学は,話し言葉と聴覚機構が「正常な状態」で作動することに焦点をあてている.
 臨床家として,あなたの望みは,どんな運動がどのように調整されれば,正確に発話が可能になるのかを知ることであろう.その結果,患者/クライアントの音声言語が,あなたが予想したのと異なる場合,その人がどのようにして正常範囲から逸脱した音をつくっていたかについて知ることができる.人の話し言葉でみられる協調運動の相違についての知識は,正常から逸脱した音声言語を修正するための基本である.話し言葉にかかわる筋系が,いかにして作動しているかについての勉強は,あなたが言語聴覚士として成功するうえで不可欠である.
 このテキストは,異常を理解するための基礎をあなたに提供する.このテキストは,音声言語臨床に利用でき,同等にあなたの理解を助ける情報源である.あなたは,忍耐強さがなくてはならない,十分に資料を学ぶ必要がある.
 あなたは,卒前過程の初めにこのテキストを使い,特定の病的音声言語障害について学ぶ卒後過程で再びこのテキストを使用するだろう.あなたが最終的にプロフェッショナルとしての言語聴覚士になったあと,再び何度も何度も参考書としてこの本を使用するだろう.プロフェッショナルの音声言語病理学者として,私は,このテキストのカバーがちぎれ,ページの角が折れ曲がるまで,この自分自身が作ったテキストを使用した.
 以前に出版した3版すべてが,私の職業人としての経歴の向上によく貢献してくれた.私たち職の臨床領域をみると,音声言語病理学者と聴覚科学者が,現在では,集中治療室,放射線検査室,呼吸管理部,脳神経科,耳鼻咽喉科にみられるまで拡がった.どんどんと重度化する患者さんとともに歩むようになっているが,それは,この領域が音声言語生理学についての知識に依存しているからである.話し言葉の解剖学と生理学を,詳細に理解し,知識を統合することが必須である.私たちの患者さんの生命は,私たちの理解と知識に依存している.あなたが学習を終了し,この分野の専門家になるとき,あなたは,他職の専門家が信頼する「音声言語生理学の専門家」にもなる.
 本書で学習している間に,音声言語を作り出す機構を頭の中に構築できるようになる.これまで,あなたは,より良い総合的な学習を経験できていなかったかもしれない.「解剖学からの言語学」を学び,可能な限り多くのことを学んでほしい.
 Patricia K.Monoson
 Associate Dean and Professor of Speech Pathology
 College of Health Related Professions University of Arkansas

まえがき
 このような教科書を書くことに関連して生じる問題の1つは,その書物の内容の範囲と深さをどうするかである.何を入れるか,どの内容に重みをかけるのがよいのか.また別の問題は,学生がある限られた学期内にどの程度を吸収することができるのかという問題に加えて,ある学期だけに使われるのか,それとも通年で使われるのかということを考えなければならない.コミュニケーションは信じられないほど複雑な過程であり,それを完全には理解することは決してできない.私たちは複雑な構造と機能をもつ人間であり,それらがまったく完全であるならば,スピーチと聴覚メカニズムの構造と機能もまた,当然,複雑でなければならない.現在の典型的なカリキュラムでは,スピーチと聴覚にかかわる解剖学と生理学は前期に,音響学と神経学が後期に組まれるか,あるいはこれらが若干組合わされて講義が行われる.
 ポイントは,ここにある:
 たいていの場合,講義の導入段階は,学生がこれから受ける音声言語学と聴覚学へのたった1回で唯一の経験である.話し言葉,言語,聴覚のリハビリテーションに関心をもつ私たち個人個人は,関係する解剖学的構造を視覚化し,それらの正常な機能を理解し,それがどのようになると逆の状況で機能してしまうのかを仮定することが可能にならなければならない.このテキストで,私はこれらの構造の基礎を形成する総合的かつ詳細な情報を記述するように試みた.しかし,いったんそれらをあなたが自分自身で獲得したならば,獲得するまでに覚えたことなどの詳細を持ち続けることに心を配る必要はない.
 同時に,私は,あなたの学術的な専門職としての生活においても使用できる参考書としての役割も本書が担えるように試みた.そのため,多くの引用文献についての深く掘り込んだ説明,胎生学と循環に関する章も加えた.必要に応じて,役立つ可能性がある短い臨床ノートと補足的な注意も付け加えた.テキストの終わりに胎生学の章を加えたことに疑問をもたれるかも知れない.なぜ,テキストの終わりに?そして何がテキストの初めに起こるのか?学生がテキストの資料に直面したとき,構造や用語に慣れ親しんでいて,把握するのが比較的簡単な主題は,胚発生である.だからそのように配列した.
 標本資料の作成にあたって,その作業だけでなく熱意においても素晴らしいパートナーである研究室の学生たちの世話になった.かれらの存在は,単調で孤独な研究室での作業を輝かせてくれた.特に,本書,第4版の標本資料作成のために協力してくれた私の研究室パートナーにお世話になった.私が特別教育プログラムセンターの一部担当者としてメンフィス州立大学のゲストとして不在であった間,Becky TaylorとFang Ling Luの両君は私に寄り添って作業をしてくれた.
 テネシー大学の健康科学センター,解剖学講座のDan Beasley博士とLeonard Murrell博士には,彼らの解剖学研究施設を開放し,われわれを歓迎してくれたことに心から感謝する.解剖学講座のTimothy Jones君は実に有能でよく支援してくれた.私がこの版を作成していたとき,イリノイ大学のElaine Paden博士は,新旧の原稿を査読してくれ,何度も貴重な支援をいただいた.第3版の出版以来,この版は劇的に変化した.
 Allyn and Bacon社のStephen Dragin氏には,Marjorie Payne,Marbern Houseからの支援の協力を得た.Champaign,IllinoisのOmegatype Typography社のYoram Mizrahi氏には,原稿を作成することをお願いした.すべてが,心地よい経験であった.
 何度も,私の妻,Eileenには感謝の気持ちを述べたい.原稿作成にあたっての貴重な役割,彼女の専門職としての意見と助言,彼女の激励,その他実に多くのことに,感謝したい.彼女の名前は私の名前とともに表紙にみられるが,彼女は公然と私と並んで名前があるのを躊躇している.
 W.R.Z.
 監訳者の序
 序
 まえがき
第1章 導入とオリエンテーション/Introduction and Orientation
 導入/Introduction
  解剖学の定義
  解剖学的多様性
  生理学の定義
 解剖学的命名法/Anatomical nomenclature
  解剖学的体位
  一般的解剖学用語
  基準平面
 細胞/Cells
 基本的組織/Elementary tissues
  上皮組織
   固有上皮組織
   内皮組織
   中皮組織
  結合組織
   疎性結合組織
   緻密結合組織
   特殊結合組織
  筋組織
   横紋筋
   平滑筋
   心 筋
   筋収縮
   筋肉の構造
   筋付着
   筋活動
   筋肉の命名
  神経組織
   運動単位
   脈管組織
 臓器・器官/Organ
 系/Systems
 発話/Speech production
  総合的アプローチの必要性
  音声生成
 文献
第2章 呼吸/Breathing
 導入/Introduction
  呼吸の定義
  呼吸の物理学
 気道/Respiratory passage
  気管
  気管支
   細気管支
   肺胞
  肺
   肺胞特性
   肺の概要
   胸膜
   肺伸展力に対する成長の影響
 呼吸機構の枠組み/The framework for the breathing mechanism
  脊柱
   脊柱の解剖
   脊柱の関節
   脊柱のタイプ
   脊柱彎曲の発達
  胸骨
  肋骨
   胸郭
   肋骨の解剖
   肋骨関節
   呼吸時の肋骨運動
  腰帯
   胸帯
 呼吸メカニズムを担当する筋/The musculature of the breathing mechanism
  導入
  胸部の筋
   横隔膜
   肋間筋
   胸横筋
   肋骨挙筋
   後鋸筋
  胸部筋の活動
   横隔膜の活動
   内肋間筋の活動
   胸部の他の筋の役割
  頸部の筋とその活動
   胸鎖乳突筋(胸乳突筋)
   斜角筋(椎側筋)
  胴の筋系
   上肢と背中の筋
   深部の背部筋肉
   胸壁と肩の筋群
  腹部筋系とその役割
   導入
   前側腹筋
   後側腹筋
  呼吸力学/The mechanics of breathing
   導入
  肺気量分画の計測
  肺気量
   1回換気量(TV)
   予備吸気量(IRV)
   予備呼気量(ERV)
   残気量(RV)
  肺気(容)量
   最大吸気量(IC)
   肺活量(VC)
   機能的残気量(FRC)
   全肺気量(TLC)
  肺気量と肺容量の意義
   体位の影響
   残気量の役割
   肺活量に影響を及ぼす因子
  空気交換率
  機能単位の概念
  胸腔での圧力の関係
  肺胞内圧の調節
   強制呼気
   弛緩圧
   圧─容積図
  気流抵抗の効果
   気道抵抗
   電気的近似
  発話中の圧と気流の調節
   一定レベルでの声門下圧の維持
   Checking action(制御活動)
   発話に必要な肺気量
  発話のための胸壁解剖
  呼吸型の多様性
  呼吸サイクルの説明
 文献
第3章 発声/Phonation
 導入/Introduction
  喉頭の生物学的機能
  喉頭の非生物学的機能
  音声生成機構
 喉頭の支持構造/The supportive framework of the larynx
  舌骨
  舌骨筋群
  舌骨の解剖学
  変異についての注意
 喉頭軟骨の骨組/The cartilaginous framework of the larynx
  甲状軟骨
  輪状軟骨
  披裂軟骨
  小角軟骨
  喉頭蓋
   解剖
   機能
  楔状軟骨
  喉頭の関節
   輪状披裂関節
   輪状甲状関節
 喉頭の膜と靱帯/Membranes and ligaments of the larynx
  外喉頭膜
   舌骨甲状膜・靱帯
   舌骨喉頭蓋靱帯
   輪状気管膜
  内喉頭膜・靱帯
   弾性円錐(輪状声帯膜)
   四角膜
  喉頭の粘膜
 喉頭内部/The interior of the larynx
  喉頭腔
  声門上腔領域
   喉頭室
   喉頭室ヒダ
  声門下腔領域
  声帯
  声門
 喉頭筋/The muscles of the larynx
  外喉頭筋
   胸骨甲状筋
   甲状舌骨筋
   下咽頭収縮筋
  舌骨上筋群(喉頭挙上筋)
   顎二腹筋
   茎突舌骨筋
   顎舌骨筋
   オトガイ舌骨筋
   舌骨舌筋
   オトガイ舌筋
  舌骨下筋群(喉頭下制筋)
   胸骨舌骨筋
   肩甲舌骨筋
  内喉頭筋
   導 入
   甲状披裂筋(内転筋,張筋,ときには弛緩筋)
   上甲状披裂筋(弛緩筋)
   後輪状披裂筋(外転筋)
   外側輪状披裂筋(内転筋─弛緩筋)
   披裂(披裂軟骨間)筋(内転筋)
   輪状甲状筋(張筋)
  甲状腺
 喉頭生理の研究法/Methods of investigation of laryngeal physiology
  喉頭鏡検査の発達
  現代の評価方法
   内視鏡検査
   高速度映画撮影法
   グロトグラフィ(電気的グロトグラフィ)
   透過光型光伝導検査
   X線
  補助的な診断法および研究法
   筋電図
   気流量と声門下圧の数値
 喉頭の生理学と発音の機構/Laryngeal physiology and the mechanics of phonation
  導入
  発声開始
   前発声相
   起声相
  振動サイクルの特徴
   声帯面積
   開放と速さの指数
   声帯ヒダの振動モード
  ピッチ変化の機構
   導入
   ピッチを上昇させるメカニズム
   ピッチを下降させるメカニズム
   外喉頭筋とピッチ変化メカニズム
  声の強さを調節するメカニズム
   声帯ヒダの運動と強さの変化
   声門下圧と声の強さ
   声門抵抗,気流,声の強さ
   声の強さの変化を担当する筋系
   ピッチと声の強さの関係
  声門上下圧差
   声門上下圧差に対する構音の影響
   声門上下圧差の意義
   checking actionと気流抵抗
  声区
   声域と声帯ヒダの振動モード
   声区基準
  ピッチ範囲の限界
   ファルセット
   喉頭の笛
   グロッタルフライ(パルス・レジスター)
  ビブラート
  声品質(意味論のメリーゴーランド)
  音声生成の特異的パラメータ
  ささやき声
  喉頭の年齢と性差
   幼児の喉頭
   喉頭の降下
   若者の喉頭
   声帯ヒダ(真声帯)
   喉頭軟骨角
   喉頭の加齢
  音声生成の理論
  喉頭モデルと声道モデル
   導入
   1自由度モデル
   2自由度モデル
   16運動体モデル
 文献
第4章 構音/Articulation
 導入/Introduction
 頭蓋骨/The skull
  全体像
  顔面頭蓋骨
   下顎
   上顎
   鼻骨
   口蓋骨
   涙骨
   頬骨
   下鼻甲介
   鋤骨
  頭蓋骨
   篩骨
   前頭骨
   頭頂骨
   後頭骨
   側頭骨
   蝶形骨
  副鼻洞(副鼻腔)
   導入
   前頭洞
   上顎洞
   篩骨洞
   蝶形骨洞
   副鼻腔の機能
   乳突蜂巣
 声道腔/The cavities of the vocal tract
  導 入
  頬腔(口腔前庭)
  口腔
  口峡
  咽頭腔
   鼻咽頭
   口咽頭
   喉頭咽頭
  鼻と鼻腔
   鼻部の軟骨
   鼻部の筋肉
   鼻腔
   鼻の機能
 構音に関する構造/The articulators and associated structures
  口の機能
   生物学的機能
   非生物学的機能
   多機能のピラミッド
  口唇(口裂)
   解剖
   機能
  頬
   腺
   頬部脂肪体(ビシャの脂肪床)
  顔面と口腔の筋肉
   口輪筋
   横顔面筋
   口角にかかわる顔面筋
   垂直顔面筋
   平行な顔面筋群
   広頸筋─浅頸筋
   補助的な表情筋
  歯牙
   導入
   歯牙の構造
   歯周靱帯
   歯の形態学
   歯牙の一生
   脱落性(一次)歯列弓(乳歯列弓)
   混合歯列
   永久歯列弓
   歯の障害にかかわる先天障害
   歯の空間関係
   咬合
  舌
   導入
   舌の概要
   表面解剖
   浅層解剖
   深層解剖
   内舌筋
   外舌筋
   舌奇形
   構音器官としての舌
  下顎
   導入
   顎関節
   下顎下制筋(下顎内筋)
   下顎挙上筋
   下顎運動
   顎関節の奇形
  口蓋
   硬口蓋
   口蓋(弓)
   軟口蓋(口蓋帆)
  扁桃腺
   舌扁桃
   アデノイド(咽頭扁桃)
   口蓋扁桃
   話し言葉との関連
  咽頭
   鼻咽頭
   口咽頭
   喉頭咽頭
   咽頭の筋肉
   脊柱に対する咽頭の関係
  口蓋帆咽頭閉鎖機構(鼻咽腔閉鎖機構)
   発話での役割
   X線映画法
   筋電図学的研究
   他の研究
   パッサバント隆起
   ハリントンの研究
  嚥下
   第1期(口腔期)
   第2期(咽頭期)
   最終段階(第3期食道期)
  頭部の成長
   研究方法
   頭部X線規格写真研究
   頭蓋骨の成長に対する影響
   骨と軟骨の成長
   幼児の頭蓋骨
   頭蓋の成長
   顔面頭蓋の成長
  頭蓋骨の性差
 構音器官の音声言語機能への寄与/Contributions of the articulators
  研究方法
   挑 戦
   空気力学的計測
   筋電図
   写真撮影法
   X線
   パラトグラフィー
   構音追跡装置
  音声生成:レビュー
  共鳴
   固有振動数
   強制振動
   エネルギーの放射
   振動する空気柱の共鳴周波数
  音声生成のソース・フィルタ理論
   音源特性
   声道の伝達関数
   声道─単調な構造の管
   フォルマント周波数(レゾナンス)
   声道の絞扼の効果
   放射抵抗
  母音
   分類
   母音構音
  子音
   母音と子音の比較
   子音の分類
  発話時の語環境の因子
   目標
   音声学と音素論
   分節の特徴
   超分節性要素
   移行
  同化
  発話でのフィードバックの役割
   聴覚フィードバック
   遅延性聴覚フィードバック
   運動フィードバック
  代償運動の促進
 文献
第5章 神経系/The Nervous System
 導入/Introduction
 仕事の道具/Tools of the trade
 神経系の一般的構成/General organization of the nervous syatem
  神経系の分類
  ニューロン・神経・神経路
  シナプス
  中枢神経系
   脳
   脊髄
   髄膜
  末梢神経系
   脊髄神経と脳神経
   自律神経系
 中枢神経系の機能解剖学/Functional anatomy of the central nervous system
  髄膜
   硬膜
   クモ膜
   軟膜
  脳
   終脳(前脳)
   間脳
   中脳
   菱脳
  脊髄
   外見的特徴
   内部構造
   脊髄の損傷
  大脳皮質(外套)
   皮質のマッピング
   半球優位性
   大脳皮質損傷
  網様体
 末梢神経系の機能的解剖/Functional anatomy of the peripheral nervous system
  脳神経
   第I脳神経(嗅神経)
   第II脳神経(視神経)
   第III脳神経(動眼神経)
   第IV脳神経(滑車神経)
   第V脳神経(三叉神経)
   第VI脳神経(外転神経)
   第VII脳神経(顔面神経)
   第VIII脳神経(前庭蝸牛神経)
   第IX脳神経(舌咽神経)
   第X脳神経(迷走神経)
   第XI脳神経(副神経あるいは脊髄副神経)
   第XII脳神経(舌下神経)
  脊髄神経
  自律神経系
   交感神経系あるいは胸腰系
   副交感神経系あるいは頭蓋仙骨系
 ニューロンの構造的・機能的側面/The structural and functional aspects of neurons
  ニューロンの構造
   細胞質の構造
   ニューロンの派生
   軸索と樹状突起
  神経膠(支持)細胞
   膠細胞の成長
   神経膠細胞と神経突起
  神経組織の結合組織外皮
  末梢神経線維の変性と再生
  ニューロンの興奮と伝導
   荷電粒子と静止膜電位
   ナトリウム─カリウム・ポンプ
   活動電位
  神経シナプス
   神経伝達物質
   加重
  神経筋シナプス(または接合部)
  受容器
   受容器のタイプ
   受容器電位
   形と機能
   特殊化した受容器
   筋肉と腱の受容器
  伸張反射
  反射弓
 神経路/Neural pathways
  疼痛と温度のための神経路
  圧と接触のための経路
  固有受容・微細な接触・振動のための経路
  錐体路(皮質延髄路,随意運動性経路)
   皮質脊髄路
   皮質延髄路
  錐体外路
 発話機構の神経支配/Nervous control of the speech mechanism
  呼吸
   呼吸中枢
   呼吸調節刺激
   神経叢
  舌
  咀嚼筋
  咽頭
  軟口蓋
  喉頭
 内分泌系序論/An introduction to the endocrine system
  甲状腺
  副甲状腺
  副腎
  下垂体
  生殖腺
  膵 臓
  胸腺
 文献
第6章 聴覚/Hearing
 音の性質/The nature of sound
  音波の特性
  振動
   振動運動の測定可能な特性
   単純調和振動
  音波
   空気分子の圧縮と希薄化
   音波の位相関係
   振動のタイプ
   波長,周波数,速度
   音波のエネルギー
   空気中の音波
   球状の放射と平面波
   反射
   回折
   干渉
   複合音
  共鳴とフィルタ
   共鳴体の同調
   受動フィルタ
  増幅器(アンプ)
  デシベル
   比率尺度と間隔尺度
   対数尺度あるいは指数尺度
   ベル(Bel)
   標準的な基準値
   デシベルで表した音圧レベル
 耳/The ear
  導入
  外耳
   耳介
   外耳道
   外耳道の音響特性
   外耳の共鳴効果
  中耳
   鼓膜
   鼓室(中耳腔)
   耳管(エウスターキオ管)
   耳小骨
   鼓室筋
   防御機構としてのアブミ骨の動き
   中耳の変換運動
  内耳
   骨迷路
   膜迷路
   ラセン器(コルチ器)
 内耳の機能/The function of the inner ear
  導入
  聴覚説
   導入
   共鳴説
   非周波数分析説(電話説)
   定常波説
   圧力パターン説
   進行波説
   周波数分析説
   ベケシーの進行波説
   分析説
  有毛細胞の興奮
   ずれ運動
   不動線毛の変形
  蝸牛の電気生理学
   膜理論
   電気性電位
   蝸牛での変換
  蝸牛への神経供給
   求心性神経供給
   遠心性神経供給
   自律神経供給
   要約
   遠心性システムの役割
   聴覚上行路
  骨導
   頭蓋の変位
   耳小骨連鎖の慣性による遅れ
   閉鎖効果
 文献
第7章 スピーチと聴覚メカニズムの胎生学/Embryology of the Speech and Hearing Mechanism
 初期の胚発生/Early emboryonic development
  細胞分裂
  有糸分裂の細胞分裂
   間期
   前期
   中期
   後期
   終期
  配偶子形成
  減数分裂
  受 精
  卵黄嚢の発生
  羊膜腔の発生
  母体/胎児間の交通の確立
   絨毛
   体柄
  原始線条(原条)と脊索
  神経管の発生
  体節の形成
   椎板
   筋節
   皮節
  胚の屈曲
 話し言葉と聴覚のための器官構造の発生/Development of the structures for speech and hearing
  顔面領野と口蓋の初期の発生
   3つの原始的な層組織の誘導物
   原始口腔の発生
   鰓弓とその誘導体
  顔面領域の発生
   第3─4週
   第5週(原始領域)
   第6週
   第7週
  一次口蓋と二次口蓋の発生
   一次口蓋
   下顎弓の変化
   顔面の時間差成長
   二次口蓋
   口蓋の発生のまとめ
  舌の発生
  呼吸器系の発生
   喉頭
   肺
  外耳(と舌骨)の発生
   鰓弓の軟骨
   外耳
  歯の発生
   発生順序
   発生初期
   帽状期
   鐘状期
   歯胚
  エナメル質の成熟
  象牙質の形成
 神経系の発生/Development of the nervous system
  発生初期
   神経褶の融合
   神経管の誘導構造
   原始髄質上皮細胞
  原始髄質細胞の分化
   分化の種類
  神経単位
  神経管の分化
  神経堤の分化
   ミエリン形成性細胞
  神経管の帯域(層)
   縦溝と中隔の発生
   体性,内臓柱の形成
  脊髄神経の発生
  脊髄の発生
   ベルの法則
   神経分節
  原始脳胞
   屈曲段階
   菱脳
   中脳
   前脳
 内耳の発生/Development of the inner ear
  初期の内耳の発生
  膜迷路の発生
  骨迷路の発生
 文献
第8章 循環/Circulation
 導入/Introduction
 循環系/The circulatory system
  心循環器系
  リンパ系
  循環体液
   血液
   組織液とリンパ
 心循環系の一般の特徴/General features of the cardiovascular system
  肺循環
  体循環
   体動脈
   体静脈
  心臓
 スピーチと聴覚機構のための血液供給/Blood supply for the speech and hearing mechanism
  喉頭
  顔面
  舌
  口蓋扁桃
  中枢神経系
  脳
   脊髄
   頭蓋静脈洞
  耳
   外耳
   外耳道と鼓室と鼓膜
   迷路骨包
  あとがき
 文献
 用語集
 人名索引
 和文索引
 欧文索引