やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

■まえがき
 曲がった樹を根気よく真直ぐに矯正しようと短気を起こさず努めることこそ整形外科的療法である
 『よい整形外科医となるために』 神中正一
 世界保健機構(WHO)が,「脳血管障害の10年」に引き続いて,2001年から「骨と関節の10年」と銘うち,骨・関節疾患に対する予防と治療対策の世界的な取り組みを提唱している.これは,国際的に高齢化が進行していることに伴って,骨粗鬆症や変形性膝関節症など「骨と関節の疾患」の有症者が予想を超えて増加しており,そのため,医療・福祉費の高騰や,寝たきり高齢者など重度要介護者の増加を招くことなど社会問題となっていることが背景にある.
 しかしながら,「骨と関節の疾患」に対する予防となると,脳卒中における高血圧対策などと異なり,その具体的方策を見つけることは難しい.実際,「骨と関節の10年」が提唱されて数年が経つが,科学的に正当な方策はいまだに少ない.それは,これまで「骨と関節の疾患」を取り扱う整形外科学が,医療経済政策にも影響されてあまりにも手術中心の医療を追求してきたことが一因であろう.元来,整形外科学では,手術は治療選択肢の一つに過ぎず,それ以外の多くの方策を駆使し治療にあたるのがオーソドックスだったはずである.
 これは筆者が1970年に整形外科入局以来,ずっと抱き続けてきた疑問とつながる.関節の手術の際,もっと関節周囲の筋肉や上肢・下肢全体への考慮がなされるべきではなかろうか.手術をしないですむにはどうしたらいいのだろうか.このようなことが頭から離れなかった.それが予防医学を考えるきっかけとなった.
 ここで,筆者の尊敬する,日本の整形外科学の大先達である故・神中正一先生(九州大学名誉教授)が50年以上も前に発表された随想『よい整形外科医となるために』のなかで述べられていることに触れたい.先生は,整形外科学の象徴であるニコラス・アンドリーの曲がった樹木(次頁図参照)を引合いにして,整形外科と外科との違いを明確に述べられている.「曲がった樹を根気よく真直ぐに矯正しようと短気を起こさず努めることこそ整形外科的療法であって,外科的療法(註:図の左後方にある根元で伐られた一株)とは思想的に違ったところを示そうとしたのではあるまいか」.さらに,先生は「整形外科医として手術万能者でないことはいうまでもなく,もとより手術的療法は非観血的整形外科に充分習熟した人によって始めて良い成績が挙げられると信じている」とも述べられている.おそらく先生は,治療の前に予防法の探索を視野に入れるべきだと考えておられたのだろう.筆者は,医療も時代とともに変遷することを十分理解しているつもりである.しかし他方で,底に流れる精神は時の流れを超えると信じる.骨関節疾患に対し,種々の多くの治療法を選択肢のなかに取り入れ,臨床現場において個別的な予防・治療法を一体として探る姿勢が大切だと考える.
 そこで,筋の機能や働きを熟知したうえで骨関節疾患に取り組むことが運動器疾患を攻略する真っ当な方策と考え,本著作を試みた.従来の整形外科関連の成書においては,治療について手術法の詳細な記載はあっても,予防的視点から系統立てたものは少ない.まして,骨・関節疾患の予防と治療において,とくに筋の機能を十分に考慮した対策に焦点を当てた成書はない.幸い,最近,「パワーリハビリテーション」などの用語があるように,高齢者においても筋力アップの効果・効用が実証されはじめている.本書を通して治療の選択肢の広がることが,よりよい医療を患者へ提供できることにつながるのではないかと考えている.そして,さらに老化予防に生かす方策を考えるべきではないかと考えるのである.
 このような発想に至ったのも,元はといえば,神中教授の直弟子であり私の恩師でもある故・西尾篤人九州大学教授から,自由な発想での研究指導を賜り研究に挑戦できた結果である.感謝申し上げたい.
 最後に,多くの助言をいただいた諸先輩,さらに同僚や後輩に感謝を申し上げたい.本書の企画から完成まで助力していただいた医歯薬出版編集部に感謝する.
 2005年6月
 豊永 敏宏

■はじめに
1.治療へ繋がる予防の必要性
 最近,生活習慣病の予防に対する取り組み,および医療費の抑制を目的として予防医療の概念が広がりつつある.しかし,予防医療の概念はまだまだ一般的ではないので,ここで予防医療の定義について述べる.
 予防は3つに分けられる.疾患の発生そのものに対する予防が第1の予防(primary prevention)であり,疾患の悪化・進行を予防するのが第2の予防(secondary prevention),術後の管理や障害に対する管理,機能維持を目的とするのが第3の予防(tertiary prevention)である.例えば,急性腰痛症を治療した後,再発や症状悪化に対して行う対策は第2の予防である.また,脳卒中後の廃用症候群(筋萎縮や関節拘縮など2次的障害)の予防は第3の予防である.さらに,体重減量指導により変形性膝関節症の発生を予防することは第1の予防に含まれる.本書で述べる予防医療とは,ここでいう第2や第3の予防に当たるものが大半となる.
 運動器疾患の治療を進めていく際,このような予防医療を併せて行うことがとくに重要である.ある運動器疾患の実際の治療手段を探る場合,対症療法として目の前に現われた症状の除去を目的とするのがこれまでの治療スタイルであった.これに対して予防医療は,いまだに現われていない疾患特有の危険因子が,現に発症した疾患の背後に存在するのを認識することが出発点である.危険因子の把握をもとに加療し,再発を防止する.危険因子の把握により,疾患の本質を幅広く捉える可能性を高め,より論理的・実際的な治療方策を選択できるのである.つまり,これまでよりも「治療」の概念を拡張し,予防医療の発想を取り入れていくことによって,実用的医療に結びつくものと考えている.運動器疾患はその発症要因が個別的であることが多いため,このようなストラテジーがとくに必要となるのではなかろうか.成書においては,その発想が欠落していると感じられる.そこで本書においてはその点をとくに強調して論じたい.その際,最新の情報のなかから,EBM(evidence based medicine)に沿った論述を心がけていく.
2.本書の目的
 本書の目的は主として,(1)中・高年者(40〜65歳)における骨関節疾患の発生予防や進行防止のための予防・治療対策,(2)高齢者(65歳以上)の生活機能を維持するための骨関節疾患との共存に関する取り組み方について述べることにある.これらの対象者に起こる種々の運動器疾患を診断する際に必要となる,とくに筋肉の生理や機能的役割の重要性を取り上げる.その上で,予防と治療に反映できるエクササイズを中心として,エクササイズ以外の手段も含めた,最も有用な予防・治療戦略を探ることを目的としている.
3.本書の構成
 本書では,各章を以下の3つの部分に分けてある.
(1)OUTLINE
 ここでは,まず“概念“において,以前の定説から新しい知見まで一般的概念を概括的に述べる.次に,“疫学”として,具体的な数値をあげて,発症率や今後の疾患発生の動向について述べる.さらに,病態については次の生理・生体力学の項で詳細に述べるが,ここでも簡単に触れる.
(2)生理・生体力学
 ここでは,疾患ごとの解剖や生理的機能を取り上げ,とくに生体力学的観点からの研究をわかりやすく解説していきたい.それは,運動器疾患が,身体のダイナミックな動きを司る運動器の疾病であり,それらを理解するには生体力学の視点が最も重要であると考えるからである.従来の成書においては,ややもすれば骨と関節に焦点が絞られがちであり,筋からの考察や視点が足りなかったのではないかと考えている.そのため,本書では,運動器疾患の発症病態における筋の重要性を強調し,その視点から述べる.
(3)予防・治療・リハビリテーション
 ここでは,まず“診断のポイント“で診断における要点に触れる.次に“治療”で保存的治療を取り上げ,さらに,代表的な手術的治療の術後の運動療法のポイントや私見を簡単に述べる.その上で,臨床における予防医療の観点から,疾患独特の危険因子の探索や運動療法(エクササイズ)・装具療法などを具体的予防策として取り上げ,EBMに基づく知見を紹介する.最後に,私見を交えた観点から治療ガイドラインを提示する.
 以上が本書の構成である.各章の順は不同である.
 ・まえがき
 ・はしがき
 ・日本語索引
 ・外国語索引
第1章 運動器疾患の予防:総論
 OUTLINE
  概念
  いくつかの留意点
  まとめ:筋力の増強が運動器疾患の予防的治療の最適手段
 運動器の生理・生体力学
  骨・関節の生理・生体力学
  腱の生理・生体力学
  筋の生理・生体力学-その1
   1.骨格筋の特性
   2.筋の老化と不動による影響
  筋の生理・生体力学-その2
   1.運動器疾患と筋の機能
    (1)筋の収縮 (2)筋の骨関節への影響
  運動器疾患発症と筋力低下の順序-筋力低下が先行
 予防的治療
  予防的治療の手法
   1.一般論
   2.危険因子の探索-とくに職業的因子
   3.予防・治療の選択手段
  運動療法
   1.筋力トレーニング
    (1)等尺性筋力増強訓練 (2)等張性筋力増強訓練 (3)等運動性筋力増強訓練
   2.筋力のバランス能力への寄与
   3.体力の向上-physical fitness
  これからの研究課題
   1.介入手段の効果の比較
   2.運動処方も個別的に
   3.エビデンスの強弱の解釈
第2章 変形性膝関節症
 OUTLINE
  概念
  疫学
  病態
  膝OAの実証
   1.実験的研究
   2.臨床的研究
 生理・生体力学
  膝OA発症のメカニズム
   1.軟骨破壊・喪失のメカニズム
    (1)かつての定説(生体力学的要因)
    (2)現在の定説(生化学的要因)
   2.膝関節の運動
   3.膝関節の易外傷性
   4.膝関節における筋:大腿四頭筋とハムストリングスの重要性
   5.筋力の老化
   6.関節拘縮(屈曲拘縮) のメカニズム
 予防・治療・リハビリテーション
  診断のポイント
   1.診断の基礎
   2.他覚的検査など
    (1)X線検査(前後・側面・軸写・立位前後撮影) (2)その他:MRI,関節鏡,骨シンチグラフィー,下肢軸変化の検索(CT) (3)年代別の鑑別疾患 (4)膝OAの型の分類 (5) 膝OAの経時的変化
  評価
  治療
   1.保存的治療のポイント
    (1)治療の選択肢を広げること
    (2)保存的治療か手術的治療か
   2.治療手段
    (1)非薬物的治療(理学療法)をまず試みること (2)物理療法の効用 (3)薬物療法(投薬) (4)薬物療法(関節内注入) (5)装具療法 (6)代替療法
   3.手術的療法
    (1)高位脛骨骨切り術 (2)人工関節置換術 (3)膝蓋骨大腿骨関節症(PF型)の治療
  予防
   1.病期と各種の予防・治療法
   2.危険因子
    (1)体重過多 (2)外傷既往 (3)職業的要因 (4)スポーツ活動
   3.危険因子と発症メカニズム
    (1)膝OAには複雑多岐な要因が絡んでいる (2)膝OAと加齢現象 (3)生活活動要因 (4)遺伝的要因 (5)膝OAと骨(骨量) (6)膝OAと筋力の関係 (7)膝OAは両側性の発生が多い
  具体的予防策-発生の予防
   1.等尺性筋収縮訓練
   2.SLRの鎮痛効果
   3.大腿四頭筋セッティングの意義
   4.クローズド・キネティック・チェイン・エクササイズとオープン・キネティック・チェイン・エクササイズ
   5.バランス訓練
   6.実現可能な予防策
  具体的予防策-進行・悪化の予防
   1.膝OAの進行
   2.異常歩容からのOA進行
   3.エクササイズは膝OA悪化・進行予防の主役
   4.エクササイズに関するEBMに沿った比較研究
    (1)筋力増強訓練の効果 (2)ホームエクササイズの効果 (3)歩行運動(ウォーキング)効用 (4)水中歩行運動の効用 (5)神経-運動器協調運動の訓練の効果 (6)エルゴメーターの強度 (7)マニュアルセラピー(徒手療法)の意義
第3章 腰痛症
 OUTLINE
  概念
  疫学
   1.若年者でも5人に1人の発生
    (1)発生率
   2.MRIなどによる確定診断率
  病態
   1.腰痛症の理解は筋がKey
   2.腰痛変性の進行
    (1)Kirkaldy-Willisの病期分類
   3.再発予防の最重要戦略
    (1)病期による病態:急性腰痛症と慢性腰痛症
   4.筋疲労と神経・筋機能不全
    (1)部位による腰痛症の病態
   5.腰痛症の実証
    (1)屍体による検証 (2)臨床報告 (3)腰痛発症のメカニズム
 生理・生体力学
  背柱ユニットの解剖・生理
   1.椎間板
   2.椎間関節
   3.筋
   4.靭帯
  背柱の生体力学
   1.Nachemsonによる人体実験
   2.Morrisによる腹圧実験
   3.Grakovetskyによる靭帯と筋の負荷分担説
   4.Floydの背筋筋活動の屈曲弛緩現象
   5.Marrasによる不意の負荷での筋放電実験
  筋の生体力学
   1.固有位置感覚獲得の重要性
   2.持ち上げ動作では背柱支持性だけでなく股関節や膝関節も重要
   3.背柱周囲筋の筋力(瞬発力・持久力)
   4.腹筋筋力増強ははたして腰痛発生予防につながるか?
   5.体幹の柔軟性
 予防・治療・リハビリテーション
  診断
   1.診断のポイント
    (1)主訴 (2)腰痛の経過 (3)リスク因子 (4)姿勢変化による痛みの再現 (5)腰痛症の検査
   2.鑑別診断
   3.評価
  治療
   1.理学療法の効用
  予防
   1.危険因子への対策
    (1)個人的要因 (2)身体的要因 (3)作業関連要因 (4)心理的要因 (5)心理・社会的要因
   2.危険因子の探索
  具体的予防策
   1.職業性腰痛症の予防
   2.腰痛学級の効用
   3.腰痛ベルトや装具の装着
   4.初発腰痛の病態解明の重要性
  具体的予防策としてのエクササイズ
   1.エビデンスの有無
    (1)急性腰痛症の効果に関するエビデンスはない (2)慢性腰痛症の90%は治癒
   2.運動療法
    (1)ウイリアムズ体操 (2)マッケンジー体操 (3)脊柱固定運動 (4)腰痛症におけるクローズド・キネティック・チェイン・エクササイズ (5)Mensendieck法
   3.訓練効果の比較
   4.パリ腰痛委員会の合意
    (1)腰痛症の概念 (2)急性腰痛症発作後の指導 (3)エクササイズの有効性 (4)一般的訓練法 (5)科学的に正しい事実
   5.椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の手術後のエクササイズ
    (1)ヘルニア摘出術後のエクササイズ (2)脊柱管狭窄症の保存的治療におけるエクササイズ
  私見-腰痛症再発予防の個別的戦略の手順
  まとめ
   1.腰痛症の発生予防についての総説
第4章 頸肩腕痛
 OUTLINE
  概念
  疫学
   1.発症率
  病態
   1.病態概念:見解の差異
   2.首凝りといわゆる肩凝りの発症機転
   3.筋疲労・筋緊張と痛みとの悪循環
   4.病態の実証
 生理・生体力学
  頸肩腕痛における筋の意義
   1.筋力維持の意義
   2.頸肩腕痛と腰痛症における筋の意義
  頸椎の解剖
  生理・生体力学-肩凝り=僧帽筋疲労
   1.シンデレラ筋線維の仮説
   2.筋収縮活動の個人的差異
   3.睡眠中の筋収縮
   4.ストレスと筋収縮活動
   5.筋生検による研究
   6.脊柱(姿勢)のバイオメカニクス
   7.肩凝りの一因としての猫背
 予防・治療・リハビリテーション
  診断
   1.診断のポイント
    (1)肩凝り,頸肩腕痛の診断 (2)検査所見
   2.鑑別診断
    (1)胸郭出口症候群 (2)頸椎症(頸椎症性神経根症),頸椎椎間板症,椎間板ヘルニア (3)肩関節周囲炎 (4)心理的な要因によるもの
  治療
   1.物理療法
   2.頸椎椎間板障害はまず保存的治療で
   3.鞭打ち症の5%は慢性化
  予防
   1.危険因子の把握
   2.危険因子の修飾
    (1)生体力学的要因 (2)心理・社会的要因 (3)個人的要因
  具体的予防策
   1.エクササイズの実際
    (1)リズミックスタビリゼーション (2)ストレッチングやマイオセラピー (3)筋力増強運動:腕立て伏せ運動
   2.エクササイズの比較研究
    (1)テラピーバンド法 (2)適切な訓練の選択法(ストラテジー)の検討 (3)訓練法の相違による筋増強の効果 (4)訓練の強弱と効果との差 (5)頸肩腕痛の臨床的経過のレビュー
  まとめ
第5章 関節リウマチ
 OUTLINE
  概念
  疫学
  病態
   1.病態の種々の仮説
    (1)Hollanderの説 (2)分子レベルでの説
   2.自己免疫の成立・関節破壊の機序
   3.発症後の経過
 生理・生体力学
   1.MP関節の尺側偏位変形
   2.後足部の外反・扁平・踵回内・槌趾変形
   3.関節炎の対称性のメカニズム
   4.RAにおける筋と神経
 予防・治療・リハビリテーション
  診断
   1.診断のポイント
    (1)米国リウマチ協会の診断基準 (2)RAの評価 (3)RFの意義 (4)手・手関節の早期診断 (5)特異的な関節外症状 (6)鑑別診断
  治療
   1.治療の基本型
   2.薬物療法は逆ピラミッド(ステップダウン)で早期治療
   3.手術療法の早期介入
   4.治療ストラテジーとしての教育
  具体的予防策
   1.危険因子(発症誘因)の探索
    (1)遺伝的要因 (2)性ホルモンとの関係 (3)ストレスの大小 (4)社会経済・環境的要因 (5)気候との関連 (6)仕事と発症 (7)サーカディアンリズムや睡眠障害との関与 (8)喫煙 (9)輸血の既往 (10)骨粗鬆症と筋力維持
   2.運動療法
    (1)運動療法の比較試験 (2)水中訓練 (3)自転車こぎと下肢荷重訓練 (4)訓練と疾患活動性との関連
   3.装具治療
   4.早期RAに対するストラテジー
  おわりに
第6章 骨粗鬆症
 OUTLINE
  概念
  疫学
  病態
 生理・生体力学
  これまでの定説:骨への物理的・機械的刺激
  最近の研究
   1.骨量と非荷重
   2.骨量と筋力
   3.骨量と荷重
   4.骨量と振動
 予防・治療・リハビリテーション
  診断・治療
   1.診断
    (1)診断のポイント (2)骨密度の定量 (3)その他の補助診断
   2.治療-薬物治療
  危険因子
   1.危険因子の回避(避けられない因子)
   2.避けられる因子
   3.座位生活スタイルと骨量
   4.女性が早期から運動を始めた場合の効果
   5.Ca摂取不足と骨量低下
   6.日光暴露不足と骨量低下
   7.ライフスタイル(嗜好品)と骨量
   8.職業と危険因子
   9.スクリーニングとしての骨量測定
  具体的予防策
   1.教育・指導
   2.運動療法
    (1)運動の種類や方法 (2)負荷量の設定 (3)実際の骨量増加 (4)今後の運動療法の課題
   3.装具療法
第7章 五十肩
 OUTLINE
  疫学
  病態
   1.一般論
    (1)五十肩の一般的分類
   2.最近の研究
   3.新しい見解
 生理・生体力学
  肩関節の解剖学的特徴(1)-6つの関節
  肩関節の解剖学的特徴(2)-肩関節安定機構
  私見-胸椎の軸異常に注目
 予防・治療・リハビリテーション
  診断のポイント
  危険因子
   1.外傷後
   2.不動
   3.職業的要因
   4.心理的要因
  治療
   1.各種の治療
    (1)関節造影 (2)薬物治療 (3)物理療法 (4)肩関節内注射 (5)肩甲上神経ブロック (6)関節受動術(マニピュレーション) (7)振り子運動 (8)滑車訓練などの自動介助運動 (9)関節包拡張法 (10)その他
   2.各種訓練法の比較検討
   3.システム化された治療方針-時期に応じた治療の選択
  予防策-筋力増強訓練に関する私見
第8章 骨折
 A 大腿骨頸部骨折
  OUTLINE
   概念
   疫学
   病態
  生理・生体力学
  予防・治療・リハビリテーション
   骨折予防の一般論
   転倒の危険因子
   バランス能力
   具体的予防策
    1.転倒予防訓練
    2.装具=ヒッププロテクター
    3.合併症予防
    4.最後に-転倒予防プログラムは個別的な対策を
 B 橈骨末端骨折
  疫学と病態
  予防・治療
   危険因子
   具体的予防策
   合併症予防
   おわりに-予防・治療の個別的ガイドラインを
第9章 腱炎
 A アキレス腱(周囲)炎
  OUTLINE
   疫学
   病態
  予防・治療・リハビリテーション
   危険因子
    1.腱炎の発症素因
    2.踵骨回内足と足部関節可動域低下
    3.トレーニングの問題
    4.下腿三頭筋のディコンディショニング
    5.体質的な問題-血液型O型に多い
    6.職業的危険因子
   診断のポイント
   治療
    1.腱内へのステロイド注入
    2.ヒールの高さや足底装具の効果
    3.ストレッチングなど
    4.ストレッチング後の筋力
    5.筋力増強訓練
   具体的予防策
 B 上腕骨外側上顆炎
  OUTLINE
   疫学
    1.発生の性別
    2.仕事やスポーツとの関連
    3.年齢,活動量の程度との関連性
   病態
  予防・治療・リハビリテーション
   診断のポイント
    1.自発痛・圧痛の存在と手および指伸展の疼痛誘発テスト
    2.軸異常の検索
   治療
    1.腱へのステロイド注入
    2.テニス肘バンドの装着
    3.ストレッチング
    4.手術
   具体的予防策-筋力増強訓練は予防効果があるか