やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

●序文●
 今回,多数の著者の協力を得て「言語聴覚士テキスト」を刊行することとなった.言語聴覚障害学という概念は,本来ことばの生成と聴取における障害を中心とし,コミュニケーション障害学とほぼ同義とされていたと考えられる.しかしわが国において平成10年に言語聴覚士法が施行され,翌年に国家資格を有する言語聴覚士が誕生するに至り,その受験資格を得るための養成校のカリキュラムとして,かなり広い領域にわたる課目が要求されるようになった.かくて現在の言語聴覚障害学の範囲はコミュニケーション機能とその障害に関連する科学のみならず,その周辺あるいは背景にある人文科学,社会科学なども含め,多くの分野を総合したものとなりつつある.
 このような時期にあたり,本書ではこうした総合的な見地に立って,言語聴覚士を目指す学生の卒前教育のみならず,言語聴覚士資格保持者の生涯教育をも視野に入れ,関連する多彩な学問領域のなかでとくに重要と思われる科目を選ぶこととした.したがって,本書は国家試験受験のための参考書とは一線を画するものを目指していることを強調しておきたい.
 言語聴覚士の社会的意義が認められつつある現況から,今後は言語聴覚士にとってさらに広く,しかも深い知識が要求される時代となっていくと思われる.本書がこれらの要求に応えるための一助となることを切望するものである.
 本書の刊行に当たっては,小松崎篤名誉教授,岩田誠教授,藤田郁代教授に編集者として参加していただき,さらに鹿取廣人名誉教授には企画段階から貴重なご意見を賜ることができた.この機会に監修者として心から御礼申し上げたい.また終始ご協力いただいた医歯薬出版株式会社編集担当者に深謝する.
 2005年1月
 廣瀬 肇
●序文(廣瀬 肇)
●執筆者一覧
I 基礎医学
 1 医学総論(井形昭弘)
  1.健康と疾病,障害の概念と社会環境
   1)健康の概念
   2)環境と健康
   3)疾病,障害の概念
   4)QOL(quality of life)
   5)ノーマライゼーション
  2.医の倫理
   1)医の倫理
   2)インフォームドコンセント
   3)守秘義務
  3.医学,医療の発展
  4.医療行為
   1)診療補助行為
   2)チーム医療
  5.人口,保健統計
   1)人口統計
   2)疾病,障害統計
  6.疫学
   1)疫学の概念
   2)臨床疫学
  7.健康管理
   1)健康づくり
   2)健康診断
   3)健康管理
  8.母子保健
  9.成人,老人保健
  10.精神保健
  11.感染症対策
  12.環境保健
   1)環境と保健
   2)環境汚染
   3)公害
  13.終末期医療
  14.医学の将来
  15.おわりに
 2  解剖学・生理学(小林 靖)
  1.人体の構成
   1)人体の階層性
   2)組織
   3)器官と器官系
   4)身体の部位や方向を表す用語
  2.運動器系
   1)骨格
   2)骨格筋
  3.循環器系
   1)心臓
   2)血管系
   3)リンパ系
  4.呼吸器系
   1)鼻腔・副鼻腔
   2)咽頭
   3)喉頭
   4)気管
   5)肺
   6)呼吸運動
  5.消化器系
   1)口腔
   2)咽頭・食道
   3)胃
   4)小腸
   5)大腸
   6)蠕動運動
   7)肝臓・胆嚢
   8)膵臓
  6.泌尿器系
   1)腎臓
   2)尿管
   3)膀胱
   4)尿道
  7.生殖器系
   1)男性生殖器
   2)女性生殖器
  8.内分泌系
   1)視床下部と下垂体
   2)松果体
   3)甲状腺
   4)上皮小体(副甲状腺)
   5)副腎
   6)性腺・胎盤
   7)膵島(ランゲルハンス島)
   8)消化管ホルモン
   9)その他のホルモン
  9.免疫系と血液
   1)免疫細胞
   2)リンパ節
   3)胸腺
   4)脾臓
   5)血液
  10.神経系
   1)神経系の細胞とその機能
   2)神経系の区分
   3)中枢神経系の構造と機能
   4)末梢神経系
   5)自律神経系
  11.感覚器系
   1)皮膚感覚
   2)視覚
   3)聴覚・平衡感覚
II 臨床医学
 1 小児科学(斎藤加代子)
  1.小児科学とは
  2.成長と発達
   1)発育期の分類
   2)成長とその評価
   3)発達とその評価
  3.出生前の因子による疾患
   1)遺伝子病
   2)染色体異常症
   3)胎芽病
   4)胎児病
  4.小児神経疾患,精神疾患
   1)神経系の奇形
   2)痙攣性疾患
   3)神経系感染症
   4)脳腫瘍
   5)神経皮膚症候群
   6)変性疾患
  5.小児の神経筋疾患
   1)脊髄性筋萎縮症
   2)ギラン・バレー症候群(GBS)
   3)遺伝性ニューロパチー,シャルコ・マリー・トゥース病
   4)重症筋無力症
   5)筋ジストロフィー
   6)先天性ミオパチー
   7)代謝性ミオパチー
   8)筋強直性ジストロフィー
 2 精神医学(波多野和夫)
  1.精神疾患の分類
  2.正常と異常
  3.内因性疾患
   1)統合失調症(schizophrenia)
   2)躁うつ病(manic‐depressive psychosis)
  4.神経症と心因性疾患
   1)神経症(neurosis)
   2)心因性障害,心身症,など
  5.その他の精神障害
   1)中毒性精神障害
   2)各年齢期の障害の特徴
  6.精神保健
 3 リハビリテーション医学(江藤文夫)
  1.概論
   1)リハビリテーション医学の歴史
   2)リハビリテーションの理念と対象
   3)障害の概念と分類
  2.診断と評価
  3.治療学総論
  4.各種疾患のリハビリテーション
   1)脳損傷
   2)小児疾患
   3)神経筋疾患
   4)脊髄損傷
   5)骨関節疾患
   6)呼吸器・循環器疾患,その他
 4 耳鼻咽喉科学─症候学・疾患学─(市村恵一)
  A.耳科学
   1.聴器の構造
    1)外耳
    2)中耳
    3)内耳
    4)聴覚路と聴中枢
   2.聴覚系の機能
    1)集音機構
    2)伝音機構
    3)感音機構
    4)中枢聴覚路
    5)両耳聴と方向覚
   3.聴器の病態と検査法
   4.外耳疾患
    1)外耳奇形
    2)耳垢(栓塞)
    3)外耳道炎,湿疹
    4)鼓膜炎
   5.中耳疾患
    1)急性中耳炎
    2)滲出性中耳炎
    3)慢性中耳炎
    4)耳小骨奇形
    5)耳硬化症
   6.内耳疾患(聴覚系)
    1)突発性難聴
    2)ウイルス性難聴
    3)音響による難聴
    4)薬物中毒
    5)遺伝性難聴
    6)老人性難聴
   7.前庭・平衡系の構造
   8.前庭・平衡系の機能と検査
   9.めまい疾患
    1)メニエール病
    2)めまいを伴う突発性難聴
    3)良性発作性頭位めまい症
    4)前庭神経炎
    5)聴神経腫瘍
   10.顔面神経疾患
    1)顔面神経麻痺
    2)Bell麻痺
    3)Hunt症候群
    4)顔面痙攣
  B.鼻科学
   1.鼻腔と副鼻腔の構造
    1)外鼻
    2)鼻腔
    3)副鼻腔
   2.鼻腔と副鼻腔の機能
    1)鼻の働き
    2)嗅覚
    3)共鳴
    4)副鼻腔の役割
   3.鼻腔と副鼻腔の検査
    1)視診と画像診断
    2)鼻腔通気度検査
    3)嗅覚検査
    4)アレルギー検査
   4.鼻・副鼻腔疾患
    1)急性鼻炎
    2)アレルギー性鼻炎
    3)急性副鼻腔炎
    4)慢性副鼻腔炎
    5)副鼻腔嚢胞
    6)鼻出血
    7)鼻・副鼻腔癌
    8)嗅覚障害
  C.口腔・咽頭科学
   1.口腔・咽頭・唾液腺の構造
   2.口腔・咽頭の機能
   3.口腔・咽頭の検査
   4.口腔・舌疾患
    1)口腔アフタ
    2)口腔乾燥症
    3)全身性疾患の口腔内病変
   5.咽頭疾患
    1)急性扁桃炎
    2)習慣性扁桃炎
    3)扁桃周囲炎・膿瘍
    4)口蓋扁桃肥大・アデノイド増殖症
    5)睡眠時無呼吸症候群
    6)咽頭癌
   6.唾液腺疾患
    1)ムンプス(流行性耳下腺炎)
    2)唾石症
    3)耳下腺腫瘍
   7.鼻咽腔機能不全
    1)口蓋裂
    2)その他の鼻咽腔閉鎖不全を起こす疾患
   8.味覚とその障害
  D.喉頭科学
   1.発声発語器官の構造
    1)喉頭の枠組み
    2)内喉頭筋
    3)外喉頭筋
    4)喉頭のヒダ
    5)喉頭の神経
    6)声帯の微細構造
    7)声道
   2.喉頭の機能
    1)呼気調節
    2)発声における喉頭調節
    3)構音
    4)連続音の構音
    5)声の年齢変化,変声
   3.喉頭機能検査
   4.喉頭疾患
    1)急性喉頭炎
    2)声帯ポリープと類似疾患
    3)声帯麻痺
    4)喉頭癌
    5)クループ症候群
   5.音声外科
   6.無喉頭(喉頭全摘出術後)
  E.気管食道科学
   1.気管・気管支・食道の構造
   2.気道食道異物
    1)気管・気管支異物
    2)食道異物
   3.気管切開と気道確保
   4.嚥下障害
 5 臨床神経学─症候学・疾患学─(大石 実)
  A.神経症候
   1.神経系の解剖と生理
    1)神経系の分類
    2)神経細胞と情報伝達
    3)中枢神経系
    4)末梢神経系
   2.精神状態の異常
    1)意識障害
    2)記憶障害
    3)失語,失行,失認
    4)大脳皮質の機能局在
   3.脳神経の異常
    1)脳神経
    2)嗅神経
    3)視覚
    4)眼球運動
    5)眼底
    6)対光反射
    7)瞳孔
    8)三叉神経
    9)顔面神経
    10)内耳神経
    11)下部脳神経
   4.運動系の異常
   5.反射の異常
   6.感覚系の異常
   7.検査
   8.頭痛
  B.神経疾患
   1.脳血管障害
    1)脳梗塞
    2)脳出血
    3)くも膜下出血
    4)一過性脳虚血発作
    5)高血圧性脳症
    6)血管炎
   2.頭部外傷
    1)脳挫傷
    2)び漫性軸索損傷
    3)頭蓋内血腫
    4)水頭症
   3.脳腫瘍
    1)グリオーマ
    2)髄膜腫
    3)転移性脳腫瘍
    4)神経鞘腫
    5)下垂体腺腫
   4.感染症
    1)脳炎・髄膜炎
    2)脳膿瘍
    3)プリオン感染症
   5.変性疾患
    1)大脳基底核疾患
    2)運動ニューロン疾患
    3)脊髄小脳変性症と小脳萎縮症
    4)その他の変性疾患
   6.痴呆
    1)アルツハイマー型痴呆
    2)脳血管性痴呆
    3)クロイツフェルト・ヤコブ(Creutzfeldt‐Jakob)病
    4)その他の痴呆
   7.脱髄疾患
    1)多発性硬化症
    2)白質ジストロフィー
    3)急性散在性脳脊髄炎
   8.末梢神経障害
    1)多発ニューロパチー
    2)多発根ニューロパチー
    3)その他のニューロパチー
   9.筋疾患
    1)重症筋無力症
    2)ミトコンドリア筋症
    3)進行性筋ジストロフィー
    4)多発筋炎・皮膚筋炎
    5)周期性四肢麻痺
   10.てんかん
 6 形成外科学(一瀬正治)
  1.形成外科学総論
   1)形成外科の歴史
   2)形成外科の治療法
   3)創傷治癒
  2.組織移植
   1)皮膚の解剖と生理
   2)遊離植皮
   3)培養皮膚移植
   4)皮弁
  3.外傷,熱傷,潰瘍
   1)顔面外傷,顔面骨折
   2)顔面神経麻痺
   3)顔面熱傷
   4)褥瘡
   5)放射線潰瘍
  4.唇裂・口蓋裂
   1)分類,発生,原因
   2)手術時期,術式
   3)開鼻声
  5.頭蓋,顔面の異常
   1)ピエール・ロバン症候群
   2)トリーチャー・コリンズ症候群
   3)顔面裂
  6.頭頸部外科手術に伴う変形,機能障害
   1)舌,口腔,咽頭腫瘍摘出による障害
   2)マイクロサージャリーによる再建
  7.瘢痕とケロイド
   1)定義と臨床経過
   2)肥厚性瘢痕とケロイドの相違
   3)瘢痕拘縮
  8.皮膚の良性,悪性腫瘍
III 臨床歯科医学(道脇幸博)109
  1.歯と口腔の構造
   1)歯と歯周組織
   2)舌
   3)口蓋
   4)開口筋と閉口筋,顎関節
   5)唾液腺
   6)舌骨
  2.歯と口腔の発生
  3.歯と口腔の神経
  4.口腔の機能
   1)咀嚼・嚥下機能
   2)構音機能
   3)表情
   4)呼吸
  5.口腔ケア
   1)表面防御
   2)バイオフィルム感染症
   3)口腔ケアの効果
   4)口腔ケアの方法
  6.構音障害とその治療
   1)口腔疾患による器質性構音障害
   2)口腔疾患治療後の器質性構音障害
   3)運動障害性構音障害
  7.咀嚼・嚥下障害とその治療
   1)口腔疾患による器質性の咀嚼・嚥下障害
   2)口腔疾患治療後の器質性の咀嚼・嚥下障害
   3)中枢性疾患による咀嚼・嚥下障害
IV 心理学
 1  認知・学習心理学(篠原彰一)
  1.感覚
   1)感覚の種類
   2)感覚可能範囲と感度
   3)物理量と心理量
   4)感覚内の次元(感覚モダリティ) 5)感覚の統合
   6)順応と対比
  2.知覚,認知
   1)色彩知覚
   2)奥行き知覚
   3)図地の分化と形態知覚(パターン認識を含む)
   4)運動知覚
   5)知覚恒常性
   6)運動協応
   7)認知地図(空間定位)
   8)対人知覚
   9)感覚遮断
  3.学習
   1)古典的条件づけ
   2)オペラント条件づけ(道具的条件づけ)
   3)強化
   4)弁別学習
   5)技能学習
   6)社会的学習
   7)学習の転移
   8)動機づけ
   9)要求水準
  4.記憶
   1)記憶過程(記銘,保持,想起/符号化,貯蔵,検索)
   2)記憶の分類
   3)短期記憶
   4)長期記憶
   5)記憶範囲,記憶容量
   6)忘却
  5.思考
   1)問題解決
   2)概念形成
   3)概念の獲得
   4)概念の構造
   5)象徴(シンボル)機能
   6)イメージ
   7)図式(スキーマ)
   8)推理
  6.言語
   1)非言語的,前言語的コミュニケーション
   2)象徴,記号,言語
   3)言語使用と知識
   4)言語理解と産出
   5)言語と認知
   6)言語と思考
 2  臨床心理学(丹野義彦)
  1.臨床心理学とは
  2.人格心理学(パーソナリティを理解するための基礎理論)
   1)人格の記述(類型論と特性論)
   2)人格のダイナミクス(力動論)
  3.生涯発達心理学(発達各期における心理臨床的問題)
  4.異常心理学
   1)精神症状学
   2)診断基準
   3)異常心理の原因
   4)神経症の原因理論
  5.臨床心理アセスメント
   1)精神症状のアセスメント
   2)行動特徴のアセスメント
   3)知的能力のアセスメント
   4)性格のアセスメント
  6.心理的治療(心理療法や心理学的援助)
   1)精神分析療法
   2)カウンセリング(クライエント中心療法)
   3)行動療法・認知療法
   4)遊戯療法・芸術療法
   5)集団心理療法・家族療法
  7.危機への適応と障害受容
 3 生涯発達心理学(藤崎春代)
  1.発達の概念
   1)発達理論
   2)発達の規定要因
   3)発達研究法
  2.新生児期・乳児期
   1)知覚・認知の発達
   2)運動の発達
   3)対人・情緒の発達
  3.幼児期・児童期
   1)遊びと認知機能の発達
   2)自己・他者認知の発達と仲間関係
   3)保育・学校教育と発達
  4.思春期・青年期
   1)知的機能の発達
   2)親子関係・友人関係
   3)自我同一性の確立
  5.成人期・老年期
   1)職業生活
   2)次世代の育成
   3)老年期の知能とパーソナリティ
   4)エイジングと発達の見直し
   5)死への対応
 4 心理測定法(桑野園子)
  1.はじめに
   1)測定の水準
   2)恒常誤差
  2.精神物理学的測定法
  3.尺度構成法
   1)直接法
   2)間接法
  4.テスト理論
   1)標準化
   2)妥当性
   3)信頼性
   4)因子分析
  5.調査法
   1)質問紙法
   2)サンプリング
V ことばの言語学的基礎
 1 言語学(副島昭夫)
  1.言語とは何か
  2.記述的態度と規範的態度
  3.言語の性質
  4.二重分節性と階層性
  5.音韻論
  6.アクセント
   1)韻律単位
   2)東京方言の名詞アクセント体系
   3)その他の問題
  7.形態論
   1)形態素
   2)漢字と形態論
   3)形態論的プロセス
  8.類型論と対照言語学
  9.統語論
  10.意味論と語用論
 2 音声学(益子幸江)
  1.音声学の位置づけ
  2.音声の分類
   1)IPA(国際音声字母)
   2)調音器官
   3)母音と子音
   4)子音の分類
   5)母音の分類
  3.音素
   1)最小対
   2)相補分布,異音,自由変音
  4.音の結びつき
   1)音節
   2)調音結合と同化
   3)音位転換
  5.表音文字と音声表記
  6.超分節的要素
   1)イントネーション
   2)アクセント
   3)リズム
  7.日本語の音声
   1)日本語の音素体系
   2)日本語の母音
   3)日本語の子音
   4)モーラ音素
   5)その他の特徴
 3 音響学(粕谷英樹)
  1.音の物理
   1)波動と振動
   2)音波の性質
   3)音圧・音の強さと音の大きさのレベル
  2.波形と周波数スペクトル
   1)周期的な波形と非周期的な波形
   2)周波数スペクトル
  3.音声生成の音響理論
   1)音源
   2)声道
   3)放射
   4)ソース・フィルタ理論
  4.音声の音響分析
   1)波形から得られる情報
   2)周波数分析
   3)ピッチ分析
  5.分節的特徴と韻律的特徴
   1)母音の特徴
   2)子音の特徴
   3)アクセントとイントネーション
   4)リズム
 4 聴覚心理学(松平登志正)
  1.音の情報の符号化
  2.可聴範囲(聴野)
  3.音の大きさ(ラウドネス)
  4.音の高さ(ピッチ)
  5.持続時間の短い音(短音)の知覚
  6.音圧,周波数,持続時間の弁別
  7.音色
  8.マスキング
  9.両耳聴の効果と音源定位
  10.環境と聴覚
 5 言語発達学(宮下孝広)
  1.言語発達を説明する理論
   1)学習説
   2)生得説
   3)認知説
   4)社会・相互交渉説
  2.前言語期の発達
   1)コミュニケーション行動の発達
   2)発声行動・言語音知覚の発達
   3)感覚運動的知能の発達
  3.1〜2歳の言語発達
   1)初語の出現・語彙の増加
   2)言語発達を促す大人の関わり
   3)構文の発達
   4)象徴機能の発達
  4.幼児期の言語発達
   1)語彙・構文の発達
   2)談話能力の発達
   3)音韻意識の発達
  5.児童期の言語発達
   1)読み書き能力の発達
   2)読解・作文の発達
VI 社会福祉・教育学(蟻塚昌克・朝日雅也)195
  1.社会保障制度
   1)社会保障と社会福祉
   2)社会保障の体系と範囲
   3)社会保険を構成する制度
   4)社会福祉の法律と施策および運用
   5)身体障害者に関する施策と実施体制
   6)介護保険
   7)社会福祉援助技術
   8)社会保障の実施体制
  2.リハビリテーション概論
   1)リハビリテーションと障害論
   2)リハビリテーションの諸側面
  3.医療福祉教育・関係法規
VII 言語聴覚障害学総論(伊藤元信)221
  1.言語聴覚士の業務,言語聴覚士法,職業倫理
   1)言語聴覚士の業務
   2)言語聴覚士法
   3)職業倫理
  2.言語聴覚障害の特徴,種類,原因,発生率
   1)言語聴覚障害の特徴
   2)言語聴覚障害の種類・原因
   3)言語聴覚障害の発生率・有病率
  3.言語聴覚障害の評価・診断
   1)言語聴覚士の臨床における評価・診断の意味
   2)評価・診断の方法
   3)検査
  4.言語聴覚障害へのアプローチ
   1)言語聴覚療法に関することば
   2)言語聴覚療法の主な原理・技法
   3)言語聴覚障害の改善に影響する要因
VIII 成人言語障害学
 1 失語症(紺野加奈江)
  1.失語症の定義
  2.失語症の原因疾患と病巣
  3.言語症状と失語症候群
   1)失語症の言語症状
   2)古典的失語症候群(新古典的分類)
   3)別の失語症候群
  4.失語症の評価と診断
   1)評価法
   2)関連情報の収集
   3)失語症の経過と予後
  5.失語症の訓練・援助
   1)言語訓練の理論と技法
   2)訓練計画
  6.各期の訓練・援助
   1)機能回復訓練
  7.小児失語
 2 高次脳機能障害学(関 啓子)
  1.高次脳機能障害総論
   1)高次脳機能障害とは
   2)高次脳機能障害の原因疾患
   3)高次脳機能障害に影響する要因
   4)高次脳機能障害のリハビリテーション
  2.失行
   1)失行とは
   2)失行の分類と症状
   3)失行の発症メカニズムと病巣
   4)検査
   5)失行のリハビリテーション
  3.失認
   1)失認とは
   2)失認の分類と症状
   3)失認の発症メカニズムと病巣
   4)失認の検査
   5)失認のリハビリテーション
  4.記憶障害
   1)記憶障害とは
   2)記憶障害の分類と症状
   3)記憶障害の発症メカニズムと病巣
   4)記憶の検査
   5)記憶のリハビリテーション
  5.痴呆
   1)痴呆とは
   2)痴呆の分類と症状
   3)痴呆の発症メカニズムと病巣
   4)痴呆の検査
   5)痴呆のリハビリテーション
  6.視空間性障害
   1)半側空間無視とは
   2)半側空間無視の症状
   3)半側空間無視の発症メカニズムと病巣
   4)半側空間無視の検査
   5)半側空間無視のリハビリテーション
   6)その他の視空間性障害
   7)右半球損傷に付随する障害
  7.前頭葉症状
   1)遂行機能とは
   2)遂行機能障害の症状と病巣
   3)遂行機能障害の検査
   4)遂行機能障害のリハビリテーション
   5)前頭葉損傷にみられるその他の症状
  8.注意障害
  9.おわりに
IX 小児言語障害学
 1 言語発達障害(石田宏代)
  1.言語発達障害とは
  2.子どもの言語発達
   1)対人的コミュニケーション行動の発達
   2)発語行動の発達(音韻の発達)
   3)語彙の発達
   4)統語の発達
   5)意味の発達
   6)語用の発達
   7)学習言語の発達
  3.言語発達を支える要因とその障害
   1)特異的言語発達障害
   2)学習障害
   3)広汎性発達障害
   4)知的障害
   5)注意欠陥/多動性障害
  4.言語病理学的診断
   1)生育歴に関する情報の収集
   2)基本的な直接検査
   3)掘り下げ検査
   4)診断
  5.指導・訓練・療育
   1)言語発達段階に即した指導内容
   2)障害の特性に応じた指導
   3)種々の働きかけ方
   4)環境への働きかけ
   5)今後に向けて
 2 小児の重複障害(脳性麻痺,重度重複障害など)(森永京子)
  1.脳性麻痺の基礎知識
   1)脳性麻痺とは
   2)脳性麻痺の原因と発生率
   3)脳性麻痺の合併症
   4)脳性麻痺の分類と症状
  2.脳性麻痺の発達障害とコミュニケーション発達障害
   1)コミュニケーション発達を阻害する要因
   2)コミュニケーション発達障害
  3.脳性麻痺の話しことばの特徴
  4.脳性麻痺のコミュニケーション評価
   1)前言語期から言語の成立までの評価
   2)言語の成立以降の評価
   3)拡大・代替コミュニケーション(AAC)学習のための情報収集および評価
  5.コミュニケーション発達支援
   1)コミュニケーション発達を支援するにあたっての基本的な考え方
   2)姿勢コントロールとオーラルコントロール
   3)前言語期から言語成立までの支援
   4)ことばの習得期の支援
   5)拡大・代替コミュニケーション(AAC)の獲得
   6)話しことばの準備段階へのアプローチ
   7)話しことばの改善
  6.チームアプローチ
  7.家族支援
  8.脳性麻痺のライフサイクルと療育
X 聴覚障害学
 1 聴覚医学総論(検査を含む)(大島猛史)
  1.成人聴覚検査(検査法の種類と適用)
   1)純音聴力検査
   2)語音聴力検査
   3)中耳機能検査
   4)内耳機能検査
   5)マスキング
   6)他覚的聴覚検査
  2.乳幼児聴覚検査
   1)聴覚系の成熟と聴覚機能の発達
   2)聴覚障害の早期発見と早期療育
   3)検査法の種類と適用
   4)聴性行動反応聴力検査(behavioral observation audiometry:BOA)
   5)条件詮索反応聴力検査(conditioned orientation reflex audiometry:COR)
   6)ピープショウ検査(peep‐show test)
   7)遊戯聴力検査(play audiometry)
   8)他覚的聴覚検査
   9)新生児聴覚スクリーニング
   10)乳幼児聴覚検診
  3.小児聴覚障害の原因
   1)遺伝性
   2)胎生期性
   3)周生期性
   4)後天性
 2 補聴器(小寺一興)
  1.補聴器の概要
   1)補聴器の適応
   2)補聴器の効果
  2.補聴器の構造と種類
   1)補聴器の構造と基本的機能
   2)補聴器の機能からの分類
   3)補聴器の外観の種類と特徴
  3.補聴器の特性
   1)最大出力音圧
   2)周波数レスポンスと利得
  4.補聴器のフィッティング
   1)耳せん
   2)利得
   3)最大出力音圧レベル
   4)周波数レスポンスの調整
  5.補聴器装用効果の評価と指導
 3 人工内耳(本庄 巖)
  1.はじめに
  2.人工内耳の原理,構造と機能
   1)原理
   2)機器の構造と機能
  3.人工内耳適応判定のための検査
   1)適応基準
   2)医学的検査
   3)聴覚検査
   4)言語検査
   5)その他の検査
  4.人工内耳手術
  5.人工内耳のコード化法とマッピング
   1)コード化法
   2)T/Cレベルの測定とマッピング,電極間バランス調整
   3)他覚的検査
  6.人工内耳装用効果の評価と指導
   1)成人の場合
   2)小児の場合
 4 小児聴覚障害(視覚聴覚二重障害含む)(中村公枝)
  1.聴覚の発達
  2.聴覚障害とその影響
  3.検査・評価
   1)難聴の発見とスクリーニング検査
   2)乳幼児聴覚検査
   3)ことばの聞き取り検査
   4)言語検査
  4.指導・訓練・療育
   1)ハビリテーションの枠組み
   2)コミュニケーション指導
   3)聴覚活用と言語学習
   4)発声・発語ハビリテーション
   5)両親指導・家族支援
   6)環境調整・情報保障
   7)視覚聴覚二重障害
 5 成人聴覚障害(視覚聴覚二重障害含む)(倉内紀子)
  1.成人聴覚障害の種類と特性
   1)伝音難聴と感音難聴
   2)先天性難聴と後天性難聴
   3)ライフステージによる違い
  2.成人聴覚障害の評価と訓練
   1)関連情報の収集
   2)コミュニケーションモダリティの種類
   3)指導・訓練の基本方針
   4)聴取能力の評価と訓練
   5)読話能力の評価と訓練
   6)発声発語の評価と訓練
   7)文字言語能力の評価と訓練
  3.環境調整
   1)聴覚障害をサポートする各種機器
   2)関連団体の紹介
  4.視覚聴覚二重障害の評価と訓練
XI 発声発語障害学
 1 音声障害(小池三奈子)
  1.音声障害の定義,分類,症状,発現機序
  2.情報収集・検査・評価
   1)面接
   2)生理学的検査
   3)音声の検査
   4)聴覚印象評価
   5)発声の能力と機能の検査
   6)空気力学的検査
   7)音響学的検査
   8)その他の検査
  3.治療
   1)治療法の種類
   2)音声治療
  4.無喉頭音声
   1)喉頭全摘後の呼吸と発声・発語の機能変化
   2)音声リハビリテーションの流れ
   3)各種の無喉頭音声の特徴と訓練
  5.気管切開例のコミュニケーション
 2 小児構音障害(今井智子)
  1.構音障害の概念と分類
  2.小児の構音障害について
  3.構音(音韻)の発達
  4.小児にみられる構音の誤り
   1)構音の誤り
   2)発達途上の構音の誤り
   3)発達途上の誤り以外の構音の誤り
  5.機能性構音障害
   1)機能性構音障害にみられる音の誤り
   2)評価・診断
   3)構音訓練
  6.口蓋裂に伴う構音障害
   1)構音障害の原因となる口蓋裂類似疾患
   2)評価
   3)治療・訓練
   4)チームアプローチ
 3 成人構音障害(熊倉勇美)
  1.はじめに
  2.運動障害性構音障害
   1)定義
   2)発声発語の神経・筋系のしくみ
   3)構音障害の種類
   4)原因疾患と発話特徴
   5)検査・評価
   6)訓練
  3.口腔癌術後の構音障害
   1)障害の種類
   2)障害の原因
   3)構音障害の特徴
   4)検査・評価
   5)訓練・指導
 4 吃音(府川昭世・小澤惠美)
  1.吃音の定義・鑑別診断
  2.発症メカニズム
  3.発達性吃音の生理学的特徴
   1)吃音者の喉頭調節
   2)吃音者の聴覚情報処理
   3)speech motor control(SMC)
  4.吃音についてのいくつかの事実
  5.評価
  6.治療
 5 摂食・嚥下障害(矢守麻奈)
  1.摂食・嚥下過程
  2.摂食・嚥下障害の原因疾患
  3.摂食・嚥下機能の加齢性変化
  4.情報収集
   1)患者・家族への問診
   2)診療録情報
   3)臨床的観察
   4)音声・構音機能
   5)高次脳機能,聴力
   6)摂食観察
  5.摂食・嚥下機能の評価
   1)嚥下器官機能検査(理学的所見)
   2)嚥下の誘発
   3)反復唾液嚥下テスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)
   4)摂食試行(trial feeding)
   5)段階的水飲み検査
   6)頸部聴診法
   7)嚥下造影検査(swallowing videofluorography:SVF)
   8)嚥下前後単純X線検査法
   9)内視鏡検査(endoscopy)
   10)筋電図(electromyography:EMG)
   11)超音波断層法
   12)肺シンチグラフィ(lung scintigraphy)
   13)内圧測定
   14)電気声門図(electroglottgraphy)
  6.誤嚥のタイプとその原因
  7.基礎的嚥下訓練(間接訓練,機能改善アプローチ)
  8.摂食訓練(直接訓練,代償的アプローチ)
   1)嚥下法と代償姿勢
   2)食物形態
●索引