序文
わが国に最初の理学療法士養成施設が設置されたのは,国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院(1963 年)である.その後,高齢社会の到来などにより,リハビリテーション関連職種への需要が高まり,2004 年3月現在,理学療法士養成施設は163校となり,一学年定員は 7,182 名となっている.将来的に,保健・医療・福祉領域におけるそれぞれの施設に理学療法士が理想的に配置されることを想定したその必要数は,最低でも約 100,000〜120,000 名と推定されている.
わが国における理学療法士養成制度は,3年制各種学校(その後専修学校)として始まり,1979 年には3年制短期大学(部),1992 年には4年制大学,1996 年には大学院修士課程,そして,1998 年には大学院博士課程が設置されるなど多岐に及ぶ様相を呈している.しかし,卒前教育の大多数は3年制もしくは4年制専修学校であり,最初の理学療法士養成施設が設置されて40年を経過した現在でも,わが国の理学療法士養成制度は全般的に複雑な構造となっている.
とはいえ,わが国の理学療法士養成は「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」に準じて行われていることから,一定の水準は保たれているといえる.さらに,臨床実習指導者を含め理学療法士養成に関係している方々は,少しでもその教育水準を高めるべく日々努力されている様子がうかがえる.たとえば,理学療法学教育に関連した演題が研究会や学術大会で報告されたり,総説や研究論文がジャーナルなどに掲載されている.また,日本理学療法士協会教育局や全国理学療法士・作業療法士学校施設連絡協議会などの活動も盛んである.
上記したように,わが国の理学療法士養成の背景を念頭におき,その水準を少しでも高めることに寄与できればと願い,このたび「理学療法学教育論」と題した本書を編集することになった.長年開催されている「理学療法士・作業療法士養成施設等教員講習会」においても,教育学関連の科目が教授されている.本書でも,それらを含め,理学療法学教育論,応用行動分析学からみた教育方法を追加した.そして,理学療法学教科目の教授法,臨床実習,学生指導に多くの紙面を割いた.その他,学生時代を振り返って,大学院における理学療法学教育,理学療法学教育施設・教材を盛り込んだ.
理学療法士の必要数推定の妥当性は別としても,理学療法士の数は確実に増えている.それと並行して今後は,理学療法士の質の確保がますます重要視される時代になるといえる.本書が少しでもその役に立てば幸いである.
2004年3月
奈良 勲
わが国に最初の理学療法士養成施設が設置されたのは,国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院(1963 年)である.その後,高齢社会の到来などにより,リハビリテーション関連職種への需要が高まり,2004 年3月現在,理学療法士養成施設は163校となり,一学年定員は 7,182 名となっている.将来的に,保健・医療・福祉領域におけるそれぞれの施設に理学療法士が理想的に配置されることを想定したその必要数は,最低でも約 100,000〜120,000 名と推定されている.
わが国における理学療法士養成制度は,3年制各種学校(その後専修学校)として始まり,1979 年には3年制短期大学(部),1992 年には4年制大学,1996 年には大学院修士課程,そして,1998 年には大学院博士課程が設置されるなど多岐に及ぶ様相を呈している.しかし,卒前教育の大多数は3年制もしくは4年制専修学校であり,最初の理学療法士養成施設が設置されて40年を経過した現在でも,わが国の理学療法士養成制度は全般的に複雑な構造となっている.
とはいえ,わが国の理学療法士養成は「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」に準じて行われていることから,一定の水準は保たれているといえる.さらに,臨床実習指導者を含め理学療法士養成に関係している方々は,少しでもその教育水準を高めるべく日々努力されている様子がうかがえる.たとえば,理学療法学教育に関連した演題が研究会や学術大会で報告されたり,総説や研究論文がジャーナルなどに掲載されている.また,日本理学療法士協会教育局や全国理学療法士・作業療法士学校施設連絡協議会などの活動も盛んである.
上記したように,わが国の理学療法士養成の背景を念頭におき,その水準を少しでも高めることに寄与できればと願い,このたび「理学療法学教育論」と題した本書を編集することになった.長年開催されている「理学療法士・作業療法士養成施設等教員講習会」においても,教育学関連の科目が教授されている.本書でも,それらを含め,理学療法学教育論,応用行動分析学からみた教育方法を追加した.そして,理学療法学教科目の教授法,臨床実習,学生指導に多くの紙面を割いた.その他,学生時代を振り返って,大学院における理学療法学教育,理学療法学教育施設・教材を盛り込んだ.
理学療法士の必要数推定の妥当性は別としても,理学療法士の数は確実に増えている.それと並行して今後は,理学療法士の質の確保がますます重要視される時代になるといえる.本書が少しでもその役に立てば幸いである.
2004年3月
奈良 勲
理学療法学教育論 目次
序文 (奈良 勲)
■I 理学療法学教育論(乾 公美)
理学療法士教育の変遷を中心に
理学療法士の教育形態の変遷
理学療法教育のカリキュラム変遷
■II 応用行動分析学からみた教育方法(山本淳一・山崎裕司)
I 基礎編
1.応用行動分析学とは何か?
2.応用行動分析学の基礎:オペラント行動とレスポンデント行動
3.応用行動分析学の技法
4.応用行動分析学の技法の展開
II 実践編
1.応用行動分析学の観点からの教育方法
2.講義における応用行動分析学の適用
3.自学自習にむけた応用行動分析学の適用
4.実習における応用行動分析学の適用
5.まとめ
■III 教育学
1.教育原理(米山光儀)
1.教育原理を学ぶことの意味
2.辞書・辞典を手がかりに教育を考える
3.教育という言葉
4.教育の2つのモデル
5.教育のパラドックス
2.教育心理学(久保田まり)
1.学習のレディネス
2.学習の動機づけ
3.学習指導の形態
4.学習指導の方法
5.学習者-指導者関係
6.教育評価
3.教育方法(桜井 均)
1.「教育方法」の課題
2.学習のモデル-3 つの典型
3.授業の構造-6 つの要素
4.授業をつくる-2 つの視点
4.教育評価(畑尾正彦)
1.教育評価とは
2.教育評価の原則と手順
3.評価がもつべき特性
4.形成的評価と総括的評価
5.客観試験
6.評価基準
7.合格水準
8.教員の評価
■IV 理学療法学教科目の教授法
1.理学療法概論(中屋久長)
はじめに
I 理学療法概論の位置づけ
II 理学療法概論の概要と到達目標
III 単位(時間数),授業計画および講義内容など
IV 本学院における理学療法概論授業内容および計画
V 理学療法概論の授業に具備すべき事柄
1.倫理・思想・哲学
2.医療の理念と理学療法士
3.福祉の理念と理学療法士
4.より良い職業観の醸成
おわりに
2.基礎理学療法学(大橋ゆかり)
I 教科目としての「基礎理学療法学」の位置づけ
II 理学療法の基礎理論の範囲
III 「基礎理学療法学」の授業概要および到達目標
IV シラバス
V 授業形態および評価
VI 講義の要点
1.関節可動域障害に対する理学療法の基礎理論
2.筋力低下に対する理学療法の基礎理論
3.中枢神経系障害と運動制御理論
4.運動療法と運動学習理論
5.ADLと QOLに関わる基礎理論
6.障害者の社会参加に関わる理論
おわりに
3.理学療法評価学(久保 晃)
I 理学療法評価学の到達目標
1.理学療法評価学の目標
2.理学療法評価学の守備範囲
3.理学療法評価学の構成科目とその目標設定
II シラバス
1.主要構成科目のシラバス
III 教授法
1.教育方法の工夫
2.実技を主体とした評価学領域の授業の現状
3.動作分析学の教授法
IV 教育評価の実施
1.理学療法評価学に対する教育評価の3視点
2.教育評価の実際
4.運動療法学
[1] 成人中枢神経系(潮見泰藏)
1.到達目標
2.シラバス
3.教授法
[2] 小児中枢神経系(田原弘幸)
1.到達目標
2.シラバス
3.教授法
4.評価法
[3] 運動器系(小柳磨毅・橋本雅至・鈴木康三・上野隆司・平山朋子・河野健一郎・吉本陽二・田中則子)
はじめに
1.教育課程上の位置づけ
2.到達目標
3.教授法
4.学生評価
おわりに
[4] 呼吸・循環器系(居村茂幸・真寿田三葉)
I 呼吸器系の理学療法
1.到達目標
2.教授法およびシラバス
3.評価法
II 循環器系の理学療法
1.到達目標
2.教授法およびシラバス
3.評価法
[5] 代謝系(木村 朗)
1.到達目標
2.シラバス
3.教授法
4.各項目に対する教授法(例)
5.評価法
おわりに
5.物理療法学(篠原英記)
I 高等教育における「学び」の指導
II 物理療法学教育の目標
III 物理療法学教育のための適切なカリキュラム設定の重要性
1.概論の意味するもの
2.物理療法学のための基礎科目
IV 物理療法学教育の方法
1.講義のすすめ方
2.演習のすすめ方
3.実習のすすめ方
V 物理療法学教育の効果をどのように評価するか
VI おわりに
6.日常生活活動と生活環境学(大津慶子・池田由美)
I 理学療法における日常生活活動学と生活環境学の位置づけ
II 日常生活活動学
1.学習目標
2.学習内容
3.教育方法と教育効果の評価方法
III 生活環境学教授法
1.学習目標
2.学習内容
3.教授方法と教育効果の評価方法
IV おわりに
7.補装具学と介護機器(林 義孝・淵岡 聡・奥田邦晴)
I はじめに
II 義 肢
1.義足についての学習到達目標
2.講義の構成
III 装 具
1.教育課程上の位置づけ
2.到達目標
3.講義の構成
4.授業の工夫
IV 介護機器
1.移動補助具
2.移乗補助具
3.講義の工夫
V 評価法
1.義 肢
2.装 具
3.介護機器
VI おわりに
8.理学療法研究法(臼田 滋)
I 理学療法学教育における理学療法研究法の位置づけ
1.理学療法研究法の目的
2.理学療法における研究法学習の必要性と期待される効果
II 到達目標と教授内容についての考え方
III 到達目標と授業計画
1.研究計画の作成(シラバス1)
2.模擬研究の実践(シラバス2)
3.論文の批判的吟味(シラバス3)
4.参加態度に対する評価
5.レポートに対する評価
6.発表に対する評価
IV 授業内容のポイント
1.理学療法と研究
2.研究計画
3.文献検索
4.測定方法
5.統計手法
6.論文の読み方
7.発表の方法
9.卒業研究(内山 靖)
はじめに
I 教科目設置の意義
II 講義計画の立案と実施
III よりよい卒業研究を実施するために
IV 群馬大学での現状
おわりに
■V 臨床実習
1.臨床実習の意義(嶋田智明)
はじめに
I 指定規則改定の歴史的変遷からみた臨床実習の位置づけ
II 臨床実習の意義
1.臨床実習はただ単に臨床技術のみの修得の場では決してない
2.臨床実習の到達目標とは?151
3.臨床実習の種類と目的
4.臨床実習の利点と欠点
III 臨床実習の指導方針
1.臨床教育目標からみた指導方針
2.問題基盤型学習に基づく指導方針
3.クリニカル・クラークシップを導入した指導
4.臨床推論を用いた問題解決能力重視の指導
IV 客観的臨床能力試験(OSCE)による臨床実習教育の効果判定
V 臨床実習の問題点と展望
2.臨床実習の実際
[1] 見学臨床実習(洲崎俊男)
1.見学臨床実習の必要性
2.見学臨床実習の意義
3.見学実習例
4.見学方法
5.見学内容
6.見学目的
7.立場の違いによる見学評価
8.学生評価
9.おわりに
[2] 評価臨床実習−実習の到達目標,指導法−(堀 秀昭)
1.評価臨床実習とは
2.評価臨床実習の形態
3.評価臨床実習における行動目標
4.評価臨床実習の課題
5.評価臨床実習の選択課題
6.評価臨床実習のモデルプラン
7.評価臨床実習の評価
8.評価臨床実習に向けた授業形態
[3] 医療施設での臨床実習−その1(浅川京子)
はじめに
1.臨床実習教育の目標
2.臨床実習教育の実際
3.臨床実習教育の課題と工夫
おわりに
[3] 医療施設での臨床実習−その2(永冨史子)
1.臨床実習の前提
2.医療施設とスーパーバイザーの立場で留意したいこと
3.養成校と学生の立場で考えてほしいこと
4.患者と家族の立場に配慮したいこと
5.実習到達目標はどこまでか
6.実習生へ何を指導,提供するか
7.おわりに
[3] 医療施設での臨床実習−その3(中川法一)
1.はじめに
2.臨床実習形態の転機
3.クリニカル・クラークシップの導入
4.従来の実習形態の検証
5.クリニカル・クラークシップによる臨床実習
6.臨床実習における指導体制
7.実習目標と成績評定
8.おわりに
[4] 保健・福祉施設での臨床実習(金谷さとみ)
1.理学療法の広がり
2.対象となる施設
3.保健・福祉施設における総合臨床実習の目標
4.生活機能・障害・健康の国際分類(ICF)に則した総合的把握
5.基本動作能力と活動(ADLと ASL)
6.マネジメントの視点
7.医学的知識獲得の弛まぬ努力を
8.介護老人保健施設での臨床実習
9.おわりに
[5] 在宅・地域での臨床実習(平岩和美)
1.時代のニーズ
2.現在の学内カリキュラムのなかの地域理学療法の位置づけ
3.地域理学療法の視点,医療モデルから生活モデルへ
4.地域リハビリテーションにおけるサービスの種類
5.実習目標
6.まとめ
7.おわりに
3.臨床実習におけるケーススタディの方法論(鶴見隆正)
I はじめに
II 学生教育におけるレポート
III ケーススタディを課題とする意義
IV ケーススタディの進め方
V ケーススタディの実例とその指導要点
VI おわりに
4.臨床実習における評価法(前田哲男)
I 臨床実習における学生評価のあり方
1.臨床実習を開始できる学生の前提条件の評価
2.学生評価の基準となる到達目標
3.学生評価における Bottom-Upと Top-Down
4.臨床実習指導方法の実践的学習
II 臨床実習における学生評価の課題
1.評価の役割
2.資質の評価
3.学校間の違いをどのように考えるか
4.病院・施設間での学生評価の違い
5.自分自身が行っている臨床実習教育の評価
III 臨床実習における学生評価の展望
1.臨床実習指導者・臨床実習担当教員
2.発想の転換
■VI 教育・臨床実習(奈良 勲・藤村昌彦)
学生による教員・臨床実習指導者(supervisor)の評価(アンケート)
はじめに
学生による教員・supervisor評価(アンケート)の必要性
I 評価(アンケート) のための基礎知識
1.回答選択肢について
2.質問,選択肢をつくるときの留意点
II 教員(授業)の評価
1.学生による授業評価(アンケート)
2.「学生による授業評価」の実際
III supervisor(臨床実習)の評価
1.なぜ学生が supervisorを評価するのか
2.「supervisorの評価」の実際
おわりに
■VII 学生指導(丸山仁司)
I 学生の実態
1.生 活
2.健康状態
3.課外活動
II 指導体制
1.学生相談室
2.小グループ指導体制
3.医療相談
4.学生同士の指導
III 指 導
1.健康教育
2.教育活動の指導
3.課外活動
4.就職指導
5.進学指導
6.安全対策
おわりに
■VIII 学生時代を振り返って
「与えられる」だけではなく「求める」ことを(伊藤めぐみ)
PT教育に望むこと(下重孝幸)
臨床実習で得た「援助する喜び」と「自分自身が最大限に努力すること」(早川佳伸)
■IX 大学院における理学療法学教育(灰田信英)
I はじめに
II 大学院制度
1.目 的
2.入学資格
3.学位授与
4.大学院制度の弾力化
III 昼夜開講制大学院
1.社会人と大学院
2.リカレント教育としての大学院
IV 大学院教育と学部教育の違い
V 修士課程と博士課程の違い
VI 大学院で学ぶ意義
1.入学の目的
2.大学院の選び方
VII カリキュラムの概要
VIII 博士誕生のプロセス
1.米国の場合
2.日本の場合
IX 研究室と研究テーマ
1.研究室
2.研究室の行事
3.研究テーマの決まり方
X 修了者の社会的評価
XI これからの大学院
1.カリキュラム
2.大学院のゆくえ
XII おわりに
■X 理学療法学教育施設・教材(黒川幸雄・大西秀明・相馬俊雄)
I 教育施設・教材の歴史的な推移
II 現在の施設・教材の状況と問題点
1.呼吸・循環器関係
2.筋機能解析,運動分析関係
3.評価・測定関係
4.物理療法関係
5.運動療法関係
6.ADL関係
7.義肢装具関係
8.解剖・生理学関係
9.その他
10.模型および標本
III 今後の主な課題と展望
IV おわりに
資料■関係法規
1 理学療法士及び作業療法士法
2 理学療法士及び作業療法士法施行令
3 理学療法士及び作業療法士法施行規則
4 理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則
序文 (奈良 勲)
■I 理学療法学教育論(乾 公美)
理学療法士教育の変遷を中心に
理学療法士の教育形態の変遷
理学療法教育のカリキュラム変遷
■II 応用行動分析学からみた教育方法(山本淳一・山崎裕司)
I 基礎編
1.応用行動分析学とは何か?
2.応用行動分析学の基礎:オペラント行動とレスポンデント行動
3.応用行動分析学の技法
4.応用行動分析学の技法の展開
II 実践編
1.応用行動分析学の観点からの教育方法
2.講義における応用行動分析学の適用
3.自学自習にむけた応用行動分析学の適用
4.実習における応用行動分析学の適用
5.まとめ
■III 教育学
1.教育原理(米山光儀)
1.教育原理を学ぶことの意味
2.辞書・辞典を手がかりに教育を考える
3.教育という言葉
4.教育の2つのモデル
5.教育のパラドックス
2.教育心理学(久保田まり)
1.学習のレディネス
2.学習の動機づけ
3.学習指導の形態
4.学習指導の方法
5.学習者-指導者関係
6.教育評価
3.教育方法(桜井 均)
1.「教育方法」の課題
2.学習のモデル-3 つの典型
3.授業の構造-6 つの要素
4.授業をつくる-2 つの視点
4.教育評価(畑尾正彦)
1.教育評価とは
2.教育評価の原則と手順
3.評価がもつべき特性
4.形成的評価と総括的評価
5.客観試験
6.評価基準
7.合格水準
8.教員の評価
■IV 理学療法学教科目の教授法
1.理学療法概論(中屋久長)
はじめに
I 理学療法概論の位置づけ
II 理学療法概論の概要と到達目標
III 単位(時間数),授業計画および講義内容など
IV 本学院における理学療法概論授業内容および計画
V 理学療法概論の授業に具備すべき事柄
1.倫理・思想・哲学
2.医療の理念と理学療法士
3.福祉の理念と理学療法士
4.より良い職業観の醸成
おわりに
2.基礎理学療法学(大橋ゆかり)
I 教科目としての「基礎理学療法学」の位置づけ
II 理学療法の基礎理論の範囲
III 「基礎理学療法学」の授業概要および到達目標
IV シラバス
V 授業形態および評価
VI 講義の要点
1.関節可動域障害に対する理学療法の基礎理論
2.筋力低下に対する理学療法の基礎理論
3.中枢神経系障害と運動制御理論
4.運動療法と運動学習理論
5.ADLと QOLに関わる基礎理論
6.障害者の社会参加に関わる理論
おわりに
3.理学療法評価学(久保 晃)
I 理学療法評価学の到達目標
1.理学療法評価学の目標
2.理学療法評価学の守備範囲
3.理学療法評価学の構成科目とその目標設定
II シラバス
1.主要構成科目のシラバス
III 教授法
1.教育方法の工夫
2.実技を主体とした評価学領域の授業の現状
3.動作分析学の教授法
IV 教育評価の実施
1.理学療法評価学に対する教育評価の3視点
2.教育評価の実際
4.運動療法学
[1] 成人中枢神経系(潮見泰藏)
1.到達目標
2.シラバス
3.教授法
[2] 小児中枢神経系(田原弘幸)
1.到達目標
2.シラバス
3.教授法
4.評価法
[3] 運動器系(小柳磨毅・橋本雅至・鈴木康三・上野隆司・平山朋子・河野健一郎・吉本陽二・田中則子)
はじめに
1.教育課程上の位置づけ
2.到達目標
3.教授法
4.学生評価
おわりに
[4] 呼吸・循環器系(居村茂幸・真寿田三葉)
I 呼吸器系の理学療法
1.到達目標
2.教授法およびシラバス
3.評価法
II 循環器系の理学療法
1.到達目標
2.教授法およびシラバス
3.評価法
[5] 代謝系(木村 朗)
1.到達目標
2.シラバス
3.教授法
4.各項目に対する教授法(例)
5.評価法
おわりに
5.物理療法学(篠原英記)
I 高等教育における「学び」の指導
II 物理療法学教育の目標
III 物理療法学教育のための適切なカリキュラム設定の重要性
1.概論の意味するもの
2.物理療法学のための基礎科目
IV 物理療法学教育の方法
1.講義のすすめ方
2.演習のすすめ方
3.実習のすすめ方
V 物理療法学教育の効果をどのように評価するか
VI おわりに
6.日常生活活動と生活環境学(大津慶子・池田由美)
I 理学療法における日常生活活動学と生活環境学の位置づけ
II 日常生活活動学
1.学習目標
2.学習内容
3.教育方法と教育効果の評価方法
III 生活環境学教授法
1.学習目標
2.学習内容
3.教授方法と教育効果の評価方法
IV おわりに
7.補装具学と介護機器(林 義孝・淵岡 聡・奥田邦晴)
I はじめに
II 義 肢
1.義足についての学習到達目標
2.講義の構成
III 装 具
1.教育課程上の位置づけ
2.到達目標
3.講義の構成
4.授業の工夫
IV 介護機器
1.移動補助具
2.移乗補助具
3.講義の工夫
V 評価法
1.義 肢
2.装 具
3.介護機器
VI おわりに
8.理学療法研究法(臼田 滋)
I 理学療法学教育における理学療法研究法の位置づけ
1.理学療法研究法の目的
2.理学療法における研究法学習の必要性と期待される効果
II 到達目標と教授内容についての考え方
III 到達目標と授業計画
1.研究計画の作成(シラバス1)
2.模擬研究の実践(シラバス2)
3.論文の批判的吟味(シラバス3)
4.参加態度に対する評価
5.レポートに対する評価
6.発表に対する評価
IV 授業内容のポイント
1.理学療法と研究
2.研究計画
3.文献検索
4.測定方法
5.統計手法
6.論文の読み方
7.発表の方法
9.卒業研究(内山 靖)
はじめに
I 教科目設置の意義
II 講義計画の立案と実施
III よりよい卒業研究を実施するために
IV 群馬大学での現状
おわりに
■V 臨床実習
1.臨床実習の意義(嶋田智明)
はじめに
I 指定規則改定の歴史的変遷からみた臨床実習の位置づけ
II 臨床実習の意義
1.臨床実習はただ単に臨床技術のみの修得の場では決してない
2.臨床実習の到達目標とは?151
3.臨床実習の種類と目的
4.臨床実習の利点と欠点
III 臨床実習の指導方針
1.臨床教育目標からみた指導方針
2.問題基盤型学習に基づく指導方針
3.クリニカル・クラークシップを導入した指導
4.臨床推論を用いた問題解決能力重視の指導
IV 客観的臨床能力試験(OSCE)による臨床実習教育の効果判定
V 臨床実習の問題点と展望
2.臨床実習の実際
[1] 見学臨床実習(洲崎俊男)
1.見学臨床実習の必要性
2.見学臨床実習の意義
3.見学実習例
4.見学方法
5.見学内容
6.見学目的
7.立場の違いによる見学評価
8.学生評価
9.おわりに
[2] 評価臨床実習−実習の到達目標,指導法−(堀 秀昭)
1.評価臨床実習とは
2.評価臨床実習の形態
3.評価臨床実習における行動目標
4.評価臨床実習の課題
5.評価臨床実習の選択課題
6.評価臨床実習のモデルプラン
7.評価臨床実習の評価
8.評価臨床実習に向けた授業形態
[3] 医療施設での臨床実習−その1(浅川京子)
はじめに
1.臨床実習教育の目標
2.臨床実習教育の実際
3.臨床実習教育の課題と工夫
おわりに
[3] 医療施設での臨床実習−その2(永冨史子)
1.臨床実習の前提
2.医療施設とスーパーバイザーの立場で留意したいこと
3.養成校と学生の立場で考えてほしいこと
4.患者と家族の立場に配慮したいこと
5.実習到達目標はどこまでか
6.実習生へ何を指導,提供するか
7.おわりに
[3] 医療施設での臨床実習−その3(中川法一)
1.はじめに
2.臨床実習形態の転機
3.クリニカル・クラークシップの導入
4.従来の実習形態の検証
5.クリニカル・クラークシップによる臨床実習
6.臨床実習における指導体制
7.実習目標と成績評定
8.おわりに
[4] 保健・福祉施設での臨床実習(金谷さとみ)
1.理学療法の広がり
2.対象となる施設
3.保健・福祉施設における総合臨床実習の目標
4.生活機能・障害・健康の国際分類(ICF)に則した総合的把握
5.基本動作能力と活動(ADLと ASL)
6.マネジメントの視点
7.医学的知識獲得の弛まぬ努力を
8.介護老人保健施設での臨床実習
9.おわりに
[5] 在宅・地域での臨床実習(平岩和美)
1.時代のニーズ
2.現在の学内カリキュラムのなかの地域理学療法の位置づけ
3.地域理学療法の視点,医療モデルから生活モデルへ
4.地域リハビリテーションにおけるサービスの種類
5.実習目標
6.まとめ
7.おわりに
3.臨床実習におけるケーススタディの方法論(鶴見隆正)
I はじめに
II 学生教育におけるレポート
III ケーススタディを課題とする意義
IV ケーススタディの進め方
V ケーススタディの実例とその指導要点
VI おわりに
4.臨床実習における評価法(前田哲男)
I 臨床実習における学生評価のあり方
1.臨床実習を開始できる学生の前提条件の評価
2.学生評価の基準となる到達目標
3.学生評価における Bottom-Upと Top-Down
4.臨床実習指導方法の実践的学習
II 臨床実習における学生評価の課題
1.評価の役割
2.資質の評価
3.学校間の違いをどのように考えるか
4.病院・施設間での学生評価の違い
5.自分自身が行っている臨床実習教育の評価
III 臨床実習における学生評価の展望
1.臨床実習指導者・臨床実習担当教員
2.発想の転換
■VI 教育・臨床実習(奈良 勲・藤村昌彦)
学生による教員・臨床実習指導者(supervisor)の評価(アンケート)
はじめに
学生による教員・supervisor評価(アンケート)の必要性
I 評価(アンケート) のための基礎知識
1.回答選択肢について
2.質問,選択肢をつくるときの留意点
II 教員(授業)の評価
1.学生による授業評価(アンケート)
2.「学生による授業評価」の実際
III supervisor(臨床実習)の評価
1.なぜ学生が supervisorを評価するのか
2.「supervisorの評価」の実際
おわりに
■VII 学生指導(丸山仁司)
I 学生の実態
1.生 活
2.健康状態
3.課外活動
II 指導体制
1.学生相談室
2.小グループ指導体制
3.医療相談
4.学生同士の指導
III 指 導
1.健康教育
2.教育活動の指導
3.課外活動
4.就職指導
5.進学指導
6.安全対策
おわりに
■VIII 学生時代を振り返って
「与えられる」だけではなく「求める」ことを(伊藤めぐみ)
PT教育に望むこと(下重孝幸)
臨床実習で得た「援助する喜び」と「自分自身が最大限に努力すること」(早川佳伸)
■IX 大学院における理学療法学教育(灰田信英)
I はじめに
II 大学院制度
1.目 的
2.入学資格
3.学位授与
4.大学院制度の弾力化
III 昼夜開講制大学院
1.社会人と大学院
2.リカレント教育としての大学院
IV 大学院教育と学部教育の違い
V 修士課程と博士課程の違い
VI 大学院で学ぶ意義
1.入学の目的
2.大学院の選び方
VII カリキュラムの概要
VIII 博士誕生のプロセス
1.米国の場合
2.日本の場合
IX 研究室と研究テーマ
1.研究室
2.研究室の行事
3.研究テーマの決まり方
X 修了者の社会的評価
XI これからの大学院
1.カリキュラム
2.大学院のゆくえ
XII おわりに
■X 理学療法学教育施設・教材(黒川幸雄・大西秀明・相馬俊雄)
I 教育施設・教材の歴史的な推移
II 現在の施設・教材の状況と問題点
1.呼吸・循環器関係
2.筋機能解析,運動分析関係
3.評価・測定関係
4.物理療法関係
5.運動療法関係
6.ADL関係
7.義肢装具関係
8.解剖・生理学関係
9.その他
10.模型および標本
III 今後の主な課題と展望
IV おわりに
資料■関係法規
1 理学療法士及び作業療法士法
2 理学療法士及び作業療法士法施行令
3 理学療法士及び作業療法士法施行規則
4 理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則