やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

はじめに

 第38回理学療法士・作業療法士国家試験は平成15年3月2日に実施され合格者は平成15年4月14日に発表されました.試験問題数は昨年と同じで,理学療法と作業療法それぞれに専門問題100問(午前),共通問題100問(午後)が出題され,問題はすべて5肢のなかから正解を1つ選択する従来の形式です.
 理学療法の専門では,難易度は変わらないものの,問題が簡潔になって解答しやすくなった印象がありました.作業療法の専門では,実地問題で実際に臨床の現場で経験していないと解答が導けない問題が出題されておりました.
 本年度の厚生労働省のホームページに,受験者数,合格者数,合格率,合格基準について以下のような内容が発表されております.
 1.受験者数等
受験者数 合格者数 合格率
 理学療法士 3686名 3629名 98.5%
 作業療法士 3205 2937 91.6%
 2.合格基準(理学療法士,作業療法士とも)
 一般問題1問1点(160点満点),実地問題1問3点(120点満点)とし,次の合格基準をすべて満たした者を合格とする.
 総得点 168点以上/280点
 実地問題 41点以上/120点
 なお本年度は採点除外等の扱いをした問題は,共通問題(午後)の39番と理学療法の専門(午前)の40番の2問で,いずれも複数回答を可とする採点処理がされたようです.なお,作業療法の専門問題はすべて出題通りとされております.
 厚生労働省は『理学療法士作業療法士国家試験の改善について』の文書を関連学校・養成所に通達しました(平成15年4月25日付).その骨子は以下の2点です.
 (1)出題形式の見直し:現行ではAタイプ(5つの選択肢のうちから1つの正解を選ぶ)とKタイプ(設問に対して5つの選択肢をおき,肢の2つまたは3つを組み合わせた回答コードのうちから1つを選ぶ)であったものを,Aタイプの増加とKタイプを減少(廃止)させて,新たにX(2)タイプ(設問に対して5つの選択肢を置き,複数(2つ)の正解を選ぶ)を導入する.
 (2)領域別の出題割合について:カリキュラム大綱化を踏まえた新カリキュラムに準じた教育に則して,領域別の出題割合を検討していく.
 出題形式の見直しについては,平成16年の試験から適用することになるようです.したがって,次回の試験からは従来と異なった形式の出題がなされることになるものと思われますのでご注意ください.ただし,X(2)タイプの問題は,当面は実地問題に限って出題することとし,将来的には出題領域の拡大について検討を行うこととされています.
 本書は第34回から第38回までの過去5年間の全問題が掲載されております.本書の構成は,問題,解答,解説からなります.
 問題は,可能な限り原文に則して記載し,図は縮小してあります.
 解答は,厳密には正解とはし難いものの,出題の意図をくみとって解答を導き出したものも一部あります.
 解説は,解答を導き出すのに参考となる事がらを限られたスペースのなかにメモ程度に記載しました.
 なお,パソコンで学習ができるように,付録にCD-ROM(第29-37回分を収録)を添付しました.今回から「理学療法士・作業療法士国家試験出題基準」に則して出題分野を変更しました.また実地問題だけを集中して選択できるようにしてあります.対応機器と操作方法は巻末のマニュアルを御覧ください.
 本書の解答,解説,CD-ROM等でお気づきの点,また構成についてご意見がございましたら編集部宛にご教示くださいますようお願い申し上げます.
 きたる第39回の理学療法士・作業療法士国家試験には,どうか本書を存分に活用されて,見事全員が合格されますよう編集部一同心からお祈り申し上げます.
 2003年5月
 医歯薬出版編集部
 はじめに

第34回理学療法士作業療法士国家試験問題 解答と解説  理学療法
 作業療法
 共通問題
第35回理学療法士作業療法士国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題
第36回理学療法士作業療法士国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題
第37回理学療法士作業療法士国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題
第38回理学療法士作業療法士国家試験問題 解答と解説
 理学療法
 作業療法
 共通問題

付録 CD-ROM版取扱説明書……後付