序
本書の原点は,ちょうど20 年前に初版が刊行された医用放射線科学講座:第14 巻「医用画像工学」(1997 年10 月発刊以来2 版12 刷)に遡る.当時,すでに診療放射線技師育成の4年生大学が誕生し,その講義に活用されるべく,この分野では最初の本格的な教科書として定評があり,国家試験問題にも本書の中から多くの内容が使われていたと聞く.その後,平面検出器(FPD),液晶モニターの普及とそれによる読影,医療情報学の発展にも対処すべく大幅に改訂され,装いも新たに新 医用放射線科学講座「医用画像工学」(2010 年7 月発刊)が誕生している.そしていままた,「医用画像情報工学」と名称も新たに生まれ変わり上梓したのが本書である.
いま巷では,人工知能(AI)ブームに沸き,このブームは三度目と言われている.画像認識,音声認識,自動運転などへの応用が進んでおり,ディープ(深い)な人工ニューラルネットワーク(ディープラーニングと呼ばれる)技術がAIを牽引している.すでに将棋や囲碁などのゲームの世界では,人類の総知能をAIが上回る技術的特異点(シンギュラリティ)に達しており,医療の世界においてもその進出は目を見張るものがある.このような時代背景の中で誕生した本書では,AIやディープラーニング技術のわかりやすい解説にも触れ,また,3 Dプリンター技術にも言及している.
読者の多数を占めると思われる診療放射線技術学分野の学生のために,診療放射線技師国家試験への学習の一助ともなるよう,また,学習の理解度を確認できるようにと,巻末に演習問題を配置するように考慮した.さらに,より詳しい内容を学習したい読者のために,医歯薬出版社のウェッブページから,付録として参照できるように工夫が凝らされている.
今後とも皆様からの貴重なご指導・ご意見をいただき,時代に即したさらに完成度の高い「医用画像情報工学」書として育てていければ幸いです.
最後に,本書を発刊するにあたり,短期間に原稿をご執筆いただきました共同著者諸兄にお礼を申し上げるとともに,医歯薬出版の遠山氏はじめ関係各位に感謝申し上げます.
2018 年2 月
藤田広志
寺本篤司
岡部哲夫
本書の原点は,ちょうど20 年前に初版が刊行された医用放射線科学講座:第14 巻「医用画像工学」(1997 年10 月発刊以来2 版12 刷)に遡る.当時,すでに診療放射線技師育成の4年生大学が誕生し,その講義に活用されるべく,この分野では最初の本格的な教科書として定評があり,国家試験問題にも本書の中から多くの内容が使われていたと聞く.その後,平面検出器(FPD),液晶モニターの普及とそれによる読影,医療情報学の発展にも対処すべく大幅に改訂され,装いも新たに新 医用放射線科学講座「医用画像工学」(2010 年7 月発刊)が誕生している.そしていままた,「医用画像情報工学」と名称も新たに生まれ変わり上梓したのが本書である.
いま巷では,人工知能(AI)ブームに沸き,このブームは三度目と言われている.画像認識,音声認識,自動運転などへの応用が進んでおり,ディープ(深い)な人工ニューラルネットワーク(ディープラーニングと呼ばれる)技術がAIを牽引している.すでに将棋や囲碁などのゲームの世界では,人類の総知能をAIが上回る技術的特異点(シンギュラリティ)に達しており,医療の世界においてもその進出は目を見張るものがある.このような時代背景の中で誕生した本書では,AIやディープラーニング技術のわかりやすい解説にも触れ,また,3 Dプリンター技術にも言及している.
読者の多数を占めると思われる診療放射線技術学分野の学生のために,診療放射線技師国家試験への学習の一助ともなるよう,また,学習の理解度を確認できるようにと,巻末に演習問題を配置するように考慮した.さらに,より詳しい内容を学習したい読者のために,医歯薬出版社のウェッブページから,付録として参照できるように工夫が凝らされている.
今後とも皆様からの貴重なご指導・ご意見をいただき,時代に即したさらに完成度の高い「医用画像情報工学」書として育てていければ幸いです.
最後に,本書を発刊するにあたり,短期間に原稿をご執筆いただきました共同著者諸兄にお礼を申し上げるとともに,医歯薬出版の遠山氏はじめ関係各位に感謝申し上げます.
2018 年2 月
藤田広志
寺本篤司
岡部哲夫
序
第1編 画像形成論
第1章 医用画像の特徴と医用画像形成(寺本篤司)
1 医用画像の特徴
2 医用画像の形成
第2章 画像のデジタル化(藤田広志)
1 アナログ信号とデジタル信号
2 アナログ信号のデジタル化
1.標本化
2.量子化
3.デジタル化と画質
4.デジタル化パラメーター
5.3 次元画像
3 標本化間隔とエリアシング
1.標本化間隔
2.エリアシング
第3章 フーリエ変換と畳み込み積分(内山良一)
1 フーリエ級数展開
2 フーリエ変換
3 フーリエ変換の性質
1.線形性
2.対称性
3.平行移動
4.パーシバルの定理
4 フーリエ変換の例
1.矩形波
2.デルタ関数
3.デルタ関数列
5 画像のフーリエ変換
6 畳み込み積分
1.1 次元信号の畳み込み積分
2.2 次元信号の畳み込み積分
第4章 医用画像形成理論
1 X線像の形成(小寺吉衞,砂口尚輝)
1.X線の発生とその空間分布
2.X線スペクトルと画像
3.X線の減弱と画像
4.画像の検出と記録,表示
2 X線像のデジタル撮像
1.CR装置による撮像(藤田広志)
2.FPD装置による撮像(山ア達也)
3 乳房X線撮像装置の画像形成理論(篠原範充)
1.マンモグラフィ装置
2.トモシンセシス装置
4 X線CT装置の画像形成理論(寺本篤司)
1.機器構成
2.投影データの収集
3.投影データと断面の関係
4.画像再構成処理
5.3 次元データ収集のための工夫
6.CT値とCT画像の表示
5 MRI装置の画像形成理論(熊澤誠志)
1.MR信号の生成と収集
2.フーリエイメージングと画像再構成
6 核医学検査装置の画像形成理論(片渕哲朗)
1.核医学画像の特徴
2.ガンマカメラ・SPECT装置
3.PET装置
4.画像再構成
5.補正処理
7 超音波診断装置の画像形成理論(福岡大輔)
1.超音波の原理と表示
2.超音波の走査と超音波ビームの集束
3.超音波画像の空間分解能と画質
第2編 画像評価論
第1章 画質に影響する因子(藤田広志)
1 画質の3 因子
2 コントラスト
3 解像特性
4 ノイズ特性
5 物理評価と視覚評価
第2章 入出力特性の評価(松尾 悟)
1 特性曲線
1.アナログ系の特性曲線
2.デジタル系の特性曲線
2 実際の測定方法
1.距離法
2.ブーツストラップ法
3.タイムスケール法
第3章 解像特性の評価(井手口忠光)
1 解像特性と画質
解像力
2 広がり関数
1.点広がり関数
2.線広がり関数
3.エッジ広がり関数
3 MTF
1.重畳積分
2.レスポンス関数
3.空間周波数
4.MTFの定義
4 MTF測定法
1.スリット法
2.矩形波チャート法
3.デジタル画像システムのMTF
第4章 ノイズ特性(小川 亙)
1 粒状度と画質
2 RMS粒状度
3 WS(NPS)
1.自己相関関数
2.ウィナースペクトル
3.離散データによるWS
4 実際の測定方法
1.2 次元フーリエ変換法
2.仮想スリット法
第5章 信号検出理論(小寺吉衞,砂口尚輝)
1 統計的決定理論
1.刺激-反応行列
2.ベイズの決定則
2 ROC曲線
1.yes-no手続き
2.評定手続き
3.連続確信度法
4.強制選択手続き
3 C-Dダイアグラム
4 DQEとNEQ
1.DQE ―入力と出力のゆらぎの比
2.DQEとSN比
3.NEQ ― 雑音に等価な量子数
4.空間周波数特性としてのDQE,NEQ
第6章 さまざまな医用画像の評価
1 マンモグラフィ画像の画像評価(篠原範充)
1. ACR推奨ファントムとステップファントムを用いた視覚評価
2. マンモグラフィのためのC-Dダイアグラム
3. デジタルマンモグラフィの品質管理のための画像評価
4. デジタルブレストトモシンセシス用ファントム
2 CT画像の画質評価(川嶋広貴)
1.品質管理用のファントム
2.CT値の精度
3.ノイズ特性
4.面内の空間分解能
5.体軸方向の空間分解能
6.低コントラスト検出能
第3編 画像処理論
第1章 画像処理の基礎
1 画像情報の可視化(川下郁生)
1.ヒストグラム
2.プロファイル
2 階調処理
1.濃度ウインドウ処理
2.ヒストグラム平坦化
3 空間フィルタ処理
1.画像の平滑化
2.画像の鮮鋭化
4 エッジ検出
1.1 次微分処理
2.2 次微分処理
5 空間周波数フィルタ処理(石田隆行)
1.畳み込み積分とフーリエ変換
2.空間周波数フィルタ処理
6 画像の2 値化
7 ラベリング
8 モルフォロジカルフィルタ
1.膨張と収縮
2.オープニングとクロージング
9 画像の拡大・縮小
1.座標変換
2.濃度補間
10 画像間演算
四則処理
11 画像認識処理
1.特徴量
2.パターン分類
第2章 情報理論と画像圧縮(寺本篤司)
1 情報理論の概要
2 情報の定量化
1.情報量の定義
2.画像データの情報量
3.平均情報量(エントロピー)
3 情報の符号化
4 可逆圧縮と非可逆圧縮
1.可逆圧縮のアルゴリズム
2.離散コサイン変換を用いた画像圧縮
3. ウェーブレット変換を用いた画像圧縮
第3章 3 次元画像の可視化
1 医学領域における3 次元画像とその可視化方法(小田敍弘,田畑慶人)
2 多断面再構成法
3 サーフェスレンダリング法
4 ボリュームレンダリング法
5 最大値投影法(MIP)
6 加算投影法(RaySum)
7 仮想内視鏡(小倉敏裕)
1.仮想大腸内視鏡
2.仮想血管内視鏡ほか
8 3Dプリンティング技術の医療応用(森 健策)
1.3Dプリンティングとは
2.3Dプリンタによる臓器モデル造形の流れ
3.3Dプリンティングの医療応用
4.3Dプリンティングの形式
5.3Dプリンティングによる臓器形状表現
6.3Dプリンタによる造形物の後処理加工
第4章 コンピュータ支援診断
1 コンピュータ支援診断とは(松原友子)
1.コンピュータ支援診断の定義・目的
2.処理の概要
2 AIとニューラルネットワーク(藤田広志)
1.人工知能(AI)概論
2.次世代型CADの開発に向けて
3.ニューラルネットワーク
3 ディープラーニング(寺本篤司)
1.ニューラルネットワークの学習
2.畳み込みニューラルネットワーク
3.医用画像処理への応用
4 医用情報の統合による診断支援(内山良一)
1.radiomicsとは
2. オミクス研究とradiomics研究の統合による新しい診断支援の形
3.radiomicsに基づくCAD研究の動向
5 CADの性能評価(下瀬川正幸)
1. 病変候補を提示するCADシステムの性能評価
2. 良・悪性などのクラス分類の結果を提示するCADシステムの性能評価
6 CAD応用事例
1. 胸部X線画像を対象としたCAD(田中利恵)
2. 乳房X線画像を対象としたCAD(村松千左子)
3. X線CT画像を対象としたCAD(李 鎔範)
4.MR画像を対象としたCAD(内山良一)
5. 核医学画像を対象としたCAD(原 武史)
6.放射線治療へのCAD応用(有村秀孝)
7. 超音波断層画像を対象としたCAD(福岡大輔)
第4編 医療情報論
第1章 医療用モニタ(市川勝弘)
1 医療用モニタの構造
1.液晶方式の構造
2.マトリックス駆動方式
3.液晶の視野角特性と動作モード
2 液晶モニタの解像度と階調特性
1.解像特性
2.階調特性
3 医療用モニタの校正
1.適用範囲
2.試験とキャリブレーション
3.JESRAにおける評価
第2章 医療情報の電子化と標準化
1 医療情報の電子化(細羽 実)
1.医療情報電子化の背景
2.医療情報の電子保存の要件
2 医療用コードの標準化(石垣陸太)
1.病名に関する標準コード
2.薬品に関する標準コード
3.1 次元シンボルと2 次元シンボル
3 画像・文字フォーマットの標準化
1.DICOM規格
2.HL7
4 IHEによるシステム統合(細羽 実)
1.標準規格による接続の問題点
2.IHEとは
3.IHEの展開
第3章 医療情報システム
1 医療情報の基礎(谷 祐児,小笠原克彦)
1.コンピュータとは
2.コンピュータの5 大要素
3.コンピュータの種類
4.OSとは
5.情報とは
2 病院情報システム(HIS)(谷 祐児)
1.HIS導入のメリット
2.病院情報システムの構成
3.システム更新
4.データや通信規格などの標準規格
3 放射線情報システム(RIS)
1.RISの機能
2. 放射線業務一般における情報の具体的な流れ
3.規格とプロトコル
4.システム更新
4 PACS(上杉正人)
1.PACSとは
2.PACSの構成と機能
3.PACSのメリットとデメリット
4.PACSの未来
5 遠隔医療
1.遠隔医療の歴史
2.遠隔医療の背景にある医師不足
3.遠隔医療の種類
4.遠隔医療のメリットとデメリット
6 検像システム
1.検像とは
2.検像システムの機能
3. 検像システムのメリットとデメリット
7 情報セキュリティと個人情報(谷 祐児,小笠原克彦)
1.情報セキュリティとは
2. 医療情報の安全管理(法律,ガイドライン)
3.電子保存の三原則
4.リスクへの対策
5. コンピュータウイルス対策(ウイルス対策ソフト)
6.個人情報保護
第5編 演習問題
(寺本篤司)
参考文献
索引
執筆分担一覧
第1編 画像形成論
第1章 医用画像の特徴と医用画像形成(寺本篤司)
1 医用画像の特徴
2 医用画像の形成
第2章 画像のデジタル化(藤田広志)
1 アナログ信号とデジタル信号
2 アナログ信号のデジタル化
1.標本化
2.量子化
3.デジタル化と画質
4.デジタル化パラメーター
5.3 次元画像
3 標本化間隔とエリアシング
1.標本化間隔
2.エリアシング
第3章 フーリエ変換と畳み込み積分(内山良一)
1 フーリエ級数展開
2 フーリエ変換
3 フーリエ変換の性質
1.線形性
2.対称性
3.平行移動
4.パーシバルの定理
4 フーリエ変換の例
1.矩形波
2.デルタ関数
3.デルタ関数列
5 画像のフーリエ変換
6 畳み込み積分
1.1 次元信号の畳み込み積分
2.2 次元信号の畳み込み積分
第4章 医用画像形成理論
1 X線像の形成(小寺吉衞,砂口尚輝)
1.X線の発生とその空間分布
2.X線スペクトルと画像
3.X線の減弱と画像
4.画像の検出と記録,表示
2 X線像のデジタル撮像
1.CR装置による撮像(藤田広志)
2.FPD装置による撮像(山ア達也)
3 乳房X線撮像装置の画像形成理論(篠原範充)
1.マンモグラフィ装置
2.トモシンセシス装置
4 X線CT装置の画像形成理論(寺本篤司)
1.機器構成
2.投影データの収集
3.投影データと断面の関係
4.画像再構成処理
5.3 次元データ収集のための工夫
6.CT値とCT画像の表示
5 MRI装置の画像形成理論(熊澤誠志)
1.MR信号の生成と収集
2.フーリエイメージングと画像再構成
6 核医学検査装置の画像形成理論(片渕哲朗)
1.核医学画像の特徴
2.ガンマカメラ・SPECT装置
3.PET装置
4.画像再構成
5.補正処理
7 超音波診断装置の画像形成理論(福岡大輔)
1.超音波の原理と表示
2.超音波の走査と超音波ビームの集束
3.超音波画像の空間分解能と画質
第2編 画像評価論
第1章 画質に影響する因子(藤田広志)
1 画質の3 因子
2 コントラスト
3 解像特性
4 ノイズ特性
5 物理評価と視覚評価
第2章 入出力特性の評価(松尾 悟)
1 特性曲線
1.アナログ系の特性曲線
2.デジタル系の特性曲線
2 実際の測定方法
1.距離法
2.ブーツストラップ法
3.タイムスケール法
第3章 解像特性の評価(井手口忠光)
1 解像特性と画質
解像力
2 広がり関数
1.点広がり関数
2.線広がり関数
3.エッジ広がり関数
3 MTF
1.重畳積分
2.レスポンス関数
3.空間周波数
4.MTFの定義
4 MTF測定法
1.スリット法
2.矩形波チャート法
3.デジタル画像システムのMTF
第4章 ノイズ特性(小川 亙)
1 粒状度と画質
2 RMS粒状度
3 WS(NPS)
1.自己相関関数
2.ウィナースペクトル
3.離散データによるWS
4 実際の測定方法
1.2 次元フーリエ変換法
2.仮想スリット法
第5章 信号検出理論(小寺吉衞,砂口尚輝)
1 統計的決定理論
1.刺激-反応行列
2.ベイズの決定則
2 ROC曲線
1.yes-no手続き
2.評定手続き
3.連続確信度法
4.強制選択手続き
3 C-Dダイアグラム
4 DQEとNEQ
1.DQE ―入力と出力のゆらぎの比
2.DQEとSN比
3.NEQ ― 雑音に等価な量子数
4.空間周波数特性としてのDQE,NEQ
第6章 さまざまな医用画像の評価
1 マンモグラフィ画像の画像評価(篠原範充)
1. ACR推奨ファントムとステップファントムを用いた視覚評価
2. マンモグラフィのためのC-Dダイアグラム
3. デジタルマンモグラフィの品質管理のための画像評価
4. デジタルブレストトモシンセシス用ファントム
2 CT画像の画質評価(川嶋広貴)
1.品質管理用のファントム
2.CT値の精度
3.ノイズ特性
4.面内の空間分解能
5.体軸方向の空間分解能
6.低コントラスト検出能
第3編 画像処理論
第1章 画像処理の基礎
1 画像情報の可視化(川下郁生)
1.ヒストグラム
2.プロファイル
2 階調処理
1.濃度ウインドウ処理
2.ヒストグラム平坦化
3 空間フィルタ処理
1.画像の平滑化
2.画像の鮮鋭化
4 エッジ検出
1.1 次微分処理
2.2 次微分処理
5 空間周波数フィルタ処理(石田隆行)
1.畳み込み積分とフーリエ変換
2.空間周波数フィルタ処理
6 画像の2 値化
7 ラベリング
8 モルフォロジカルフィルタ
1.膨張と収縮
2.オープニングとクロージング
9 画像の拡大・縮小
1.座標変換
2.濃度補間
10 画像間演算
四則処理
11 画像認識処理
1.特徴量
2.パターン分類
第2章 情報理論と画像圧縮(寺本篤司)
1 情報理論の概要
2 情報の定量化
1.情報量の定義
2.画像データの情報量
3.平均情報量(エントロピー)
3 情報の符号化
4 可逆圧縮と非可逆圧縮
1.可逆圧縮のアルゴリズム
2.離散コサイン変換を用いた画像圧縮
3. ウェーブレット変換を用いた画像圧縮
第3章 3 次元画像の可視化
1 医学領域における3 次元画像とその可視化方法(小田敍弘,田畑慶人)
2 多断面再構成法
3 サーフェスレンダリング法
4 ボリュームレンダリング法
5 最大値投影法(MIP)
6 加算投影法(RaySum)
7 仮想内視鏡(小倉敏裕)
1.仮想大腸内視鏡
2.仮想血管内視鏡ほか
8 3Dプリンティング技術の医療応用(森 健策)
1.3Dプリンティングとは
2.3Dプリンタによる臓器モデル造形の流れ
3.3Dプリンティングの医療応用
4.3Dプリンティングの形式
5.3Dプリンティングによる臓器形状表現
6.3Dプリンタによる造形物の後処理加工
第4章 コンピュータ支援診断
1 コンピュータ支援診断とは(松原友子)
1.コンピュータ支援診断の定義・目的
2.処理の概要
2 AIとニューラルネットワーク(藤田広志)
1.人工知能(AI)概論
2.次世代型CADの開発に向けて
3.ニューラルネットワーク
3 ディープラーニング(寺本篤司)
1.ニューラルネットワークの学習
2.畳み込みニューラルネットワーク
3.医用画像処理への応用
4 医用情報の統合による診断支援(内山良一)
1.radiomicsとは
2. オミクス研究とradiomics研究の統合による新しい診断支援の形
3.radiomicsに基づくCAD研究の動向
5 CADの性能評価(下瀬川正幸)
1. 病変候補を提示するCADシステムの性能評価
2. 良・悪性などのクラス分類の結果を提示するCADシステムの性能評価
6 CAD応用事例
1. 胸部X線画像を対象としたCAD(田中利恵)
2. 乳房X線画像を対象としたCAD(村松千左子)
3. X線CT画像を対象としたCAD(李 鎔範)
4.MR画像を対象としたCAD(内山良一)
5. 核医学画像を対象としたCAD(原 武史)
6.放射線治療へのCAD応用(有村秀孝)
7. 超音波断層画像を対象としたCAD(福岡大輔)
第4編 医療情報論
第1章 医療用モニタ(市川勝弘)
1 医療用モニタの構造
1.液晶方式の構造
2.マトリックス駆動方式
3.液晶の視野角特性と動作モード
2 液晶モニタの解像度と階調特性
1.解像特性
2.階調特性
3 医療用モニタの校正
1.適用範囲
2.試験とキャリブレーション
3.JESRAにおける評価
第2章 医療情報の電子化と標準化
1 医療情報の電子化(細羽 実)
1.医療情報電子化の背景
2.医療情報の電子保存の要件
2 医療用コードの標準化(石垣陸太)
1.病名に関する標準コード
2.薬品に関する標準コード
3.1 次元シンボルと2 次元シンボル
3 画像・文字フォーマットの標準化
1.DICOM規格
2.HL7
4 IHEによるシステム統合(細羽 実)
1.標準規格による接続の問題点
2.IHEとは
3.IHEの展開
第3章 医療情報システム
1 医療情報の基礎(谷 祐児,小笠原克彦)
1.コンピュータとは
2.コンピュータの5 大要素
3.コンピュータの種類
4.OSとは
5.情報とは
2 病院情報システム(HIS)(谷 祐児)
1.HIS導入のメリット
2.病院情報システムの構成
3.システム更新
4.データや通信規格などの標準規格
3 放射線情報システム(RIS)
1.RISの機能
2. 放射線業務一般における情報の具体的な流れ
3.規格とプロトコル
4.システム更新
4 PACS(上杉正人)
1.PACSとは
2.PACSの構成と機能
3.PACSのメリットとデメリット
4.PACSの未来
5 遠隔医療
1.遠隔医療の歴史
2.遠隔医療の背景にある医師不足
3.遠隔医療の種類
4.遠隔医療のメリットとデメリット
6 検像システム
1.検像とは
2.検像システムの機能
3. 検像システムのメリットとデメリット
7 情報セキュリティと個人情報(谷 祐児,小笠原克彦)
1.情報セキュリティとは
2. 医療情報の安全管理(法律,ガイドライン)
3.電子保存の三原則
4.リスクへの対策
5. コンピュータウイルス対策(ウイルス対策ソフト)
6.個人情報保護
第5編 演習問題
(寺本篤司)
参考文献
索引
執筆分担一覧