やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

刊行のことば

 放射線医学は1895年レントゲンがX線を発見したのを始まりとして,すでに1世紀を経過しました.とくに最近の40年間は,電子技術,コンピュータ,オプトエレクトロニクスなどの出現とあいまって著しい進歩がみられます.1960年代のX線テレビの開発に始まり,CT,DSA,CR,MRI,超音波,PET,重粒子線治療などの機器に新しい造影剤の開発と,枚挙にいとまがありません.これほど短い期間に新しい手法が登場したことは,過去の歴史になかったと考えます.
 放射線医学を医療の中で実践するのは,放射線科医,診療放射線技師,医学物理士,放射線管理者,そして放射線機器の開発にあたる医療機器メーカーの人たちです.これらの方々が十分な理解と友好関係のもとに協調していくことがきわめて大事なことであります.そのためには,各職種の人たちが,自己のもつ高度な知識と技術を提供しあうことが必要であるといえましょう.
 診療放射線技師教育は従来,3年制短大で行われてきました.しかし,その指定規則に盛られた科目と内容は,アメリカの医学物理学修士教育にも匹敵するものであります.このような高度な内容を教えていくには,少なくとも4年制の学部教育が必要であり,さらにその上に医学物理学・医用工学の研鑚を積む大学院課程が望まれます.今日,4年制教育機関が増加してきていることは,この観点からたいへん喜ばしいことといえましょう.
 4年制課程での教育に呼応するように,平成5年,診療放射線技師法が改正されました.診療放射線技師の業務は核磁気共鳴,超音波,眼底カメラなどの非放射線領域へと拡大され,今後ますますその傾向は顕著となっていくものと考えています.いまや放射線のみならず,光,音,熱,磁気などの物理事象を診断と治療へ応用する医療技術科学者としての性格を有し,21世紀には新しい医療スペシャリストとして発展していくでしょう.
 私たちは,このような観点から「医用放射線科学講座」のシリーズを編集し刊行することとなりました.単に学校の教科書としてでなく,一生座右において読んでいただき,病院の放射線科の現場でも十分参考に耐えるものをと念じました.いささか内容が広く,高度すぎる,ここまで必要ではないとのご批判もあるかとも存じます.しかし,私たちは編集の過程で寄せられた玉稿を読ませていただいたときに,これは医師・看護婦・臨床検査技師その他の医療職種にも十分に役立つものと自信を深めた次第です.
 どうぞご一読いただき,数多くの方々からのご指摘,ご叱正を得てさらによい講座となることができれば幸いです.
 平成8年5月
 企画・編集
 稲本一夫(大阪大学教授 医学部保健学科)
 瓜谷富三(藤田保健衛生大学教授 衛生学部)
 岡部哲夫(鈴鹿医療科学技術大学教授 医用工学部)
 大和谷 厚(大阪大学教授 医学部保健学科)

第2版の序

 1997年10月に第1版を刊行した本書は,幸いにして多くの読者のご好評をいただき,6刷を重ねることができました.編集者・執筆者一同喜んでおります.
 一方,いくつかの箇所で記述が不適当とのご指摘や,進歩の著しいこの分野にあって,内容が古いとのご意見も寄せられました.さらに,専門学校・短期大学レベルの教科書としては難解に過ぎるとの苦情もいただきました.
 これらのご期待に応えるべく,執筆者と多くの検討を重ねて,画像診断装置とX線基礎技術の2編に分けることにしました.
 第1編には,新たに画像診断機器の発展,X線一般撮影装置,血管造影装置,断層撮影装置の章を設け,また,X線CT,核医学診断装置を一新しました.
 第2編には,増感紙-フィルム,フラットパネル検出器の章を加えました.
 改訂版を一読していただくと,初版と比較して内容が一段と充実していることがおわかりいただけると思います.
 Evidence Based Medicineの一翼を担う“画像診断”はますます重要になってきており,技術の向上に迫られています.本書の水準は,大学・大学院レベルの教科書または参考書として使用していただける,しかし,記述はできるだけ平易にわかりやすくを目標にしております.
 診療放射線技師を目指す学生諸君はもちろん,この分野の研究者・技術者の方々にも,本書の編集方針をご理解いただき,前向きのご意見・ご指摘をお寄せくださるようお願いします.
 読者諸氏のご協力により,より良い講座に育てていきたいと思っております.
 平成15年3月
 岡部哲夫



 本書は主として診療放射線技師教育の教科書として企画されたものです.
 放射線診断機器分野は進歩が早く,従来からの機器はますます高性能化・自動化していく一方で,診断価値の高い新原理の機器がつぎつぎに現れ,学ぶべきことがますます増えています.
 本書では初めて学ぶ方々にも理解しやすいように原理,構造,特性に重点を置き,ページ数を限定して単純明解に説明するように努めました.また,最新ナかつ正確な内容とするために,執筆者はそれぞれの分野で実務を担当している最高の方々にお願いしました.したがって,放射線医療に携わるすべての医療スタッフの方々にとっても,読みごたえのある内容となったと思います.
 最近,放射線診断機器は自動化が進み,操作が簡単になったため,家庭電化製品と同じく使用法だけ知ればよく,装置はもはや知る必要はないと極論を唱える人たちが現れ始めました.
 しかし装置の内容を知らずに,はたして技師の任務である患者被曝を抑え,診断に有用な最高の画像を得ることができるのでしょうか.管理や緊急時の対応についてもさまざまな疑問が湧いてきます.
 放射線機器は患者を対象とするため,誤った操作で計り知れない事故を引き起こす心配があります.中華航空機事件の原因は自動化の進んだシステムと操縦者との競合によるもので,ついに不幸な結果を招いてしまいました.放射線機器の操作についても同じことが起こる可能性があります.
 とくに最近では検査機器の周辺で種々の機器が使われているために,複合的な原因によって引き起こされる事故が数多く発生しています.安全性確保のうえからも,原理,構造,特性,安全基準を十分に知る必要があります.
 どうぞ本書をご一読いただき,ご指摘,ご意見をお寄せくださるようお願いし,序とさせていただきます.
 最後に,本巻出版に当たりご協力をいただいた医歯薬出版のスタッフの方に執筆者を代表して,厚くお礼を申し上げたいと思います.
 平成9年8月
 瓜谷富三
 岡部哲夫
第1編 画像診断装置
第1章 画像診断装置の概要
 1 画像診断機器の発展 (稲本一夫)
 2 画像診断装置と放射線機器工学 (瓜谷富三)
 3 関連法令,規格
第2章 X線一般撮影装置(新井正一)
 1 医用機器装置
 2 汎用撮影用装置
 3 胸部撮影装置
 4 腹部撮影装置
 5 小児用撮影装置
 6 頭部専用装置
 7 泌尿器,産婦人科専用装置
 8 歯科専用撮影装置
  8.1 回転式パノラマ撮影(オルソパントモグラフィ)装置
 9 付属器具
  9.1 自動露出機構
  9.2 グリッド(散乱線除去格子)
   9.2.1 固定グリッド
   9.2.2 移動グリッド
  9.3 フィルム,増感紙の選択
第3章 消化管診断用透視撮影装置(植松博明)
 1 概要
 2 装置構成
  2.1 透視撮影台
  2.2 天 板
  2.3 スポットフィルム装置
  2.4 X線テレビジョンシステム
  2.5 X線管およびX線可動絞り
 3 透視撮影装置の分類
  3.1 近接式透視撮影装置と遠隔式透視撮影装置
   3.1.1 近接式透視撮影装置
   3.1.2 遠隔式透視撮影装置
  3.2 オーバーテーブルチューブタイプとアンダーテーブルチューブタイプ
   3.2.1 オーバーテーブルチューブタイプ
   3.2.2 アンダーテーブルチューブタイプ
  3.3 カセッテ方式とカセッテレス方式
   3.3.1 カセッテ方式
   3.3.2 カセッテレス方式
 4 透視撮影装置のおもな動作
 5 多方向診断装置
 6 断層撮影機能付き装置
 7 今後の展望
第4章 血管造影装置(新井正一)
 1 装置の構成と種類
  1.1 頭部用システム
   1.1.1 回転撮影
  1.2 腹部用システム
  1.3 心血管用システム
  1.4 四肢用システム
   1.4.1 下肢ステッピング撮影
 2 X線装置
  2.1 X線管
  2.2 高電圧発生装置
 3 X線TV装置
  3.1 イメージインテンシファイア(I.I)39
  3.2 X線TVシステム
   3.2.1 TVカメラ
   3.2.2 TVモニタ
   3.2.3 映像分配機
   3.2.4 I.I.ブランキングユニット
  3.3 シネカメラ
  3.4 フィルムチェンジャ
 4 撮影系支持装置
  4.1 検査用テーブル
  4.2 2方向同時(バイプレーン)撮影装置
  4.3 ステレオ撮影
 5 ディジタル透視(DF)装置
  5.1 基本原理
  5.2 基本構成
 6 ディジタルサブトラクションアンギオグラフィ(DSA)
 7 付属装置
  7.1 造影剤自動注入器(インジェクタ)
  7.2 心電図モニタ,圧記録機器
  7.3 麻酔器,吸引装置,除細動装置
 8 最近のX線システム
  8.1 X線平面検出器
  8.2 DICOMによる動画像の記録
  8.3 動画像のオンラインネットワーク
第5章 特殊X線装置
 1 外科用X線装置 (川又雅次)49
  1.1 はじめに
  1.2 用 途
  1.3 構 成
   1.3.1 基本構成
   1.3.2 組み合わせ装置
  1.4 各部の仕様・性能
   1.4.1 X線発生装置
   1.4.2 X線制御装置
   1.4.3 移動形本体
   1.4.4 I.I.およびTV装置
   1.4.5 ビデオメモリ装置
   1.4.6 他の媒体への記録装置
   1.4.7 カセッテホルダおよび撮影用ハンドスイッチ
   1.4.8 透視用スイッチ
   1.4.9 手術室以外で外科用X線装置を使用する場合のスイッチ(遠隔操作用X線スイッチ)
   1.4.10 モニタ台車
  1.5 DSA機能付き外科用X線装置
  1.6 環境条件
   1.6.1 電源条件
   1.6.2 周囲条件
  1.7 装置使用上の注意
  1.8 今後の動向
 2 乳房用X線装置 (榊原俊文)
  2.1 乳房用X線装置の特徴
   2.1.1 構 成
   2.1.2 利用するX線の性質
   2.1.3 X線管
   2.1.4 乳房用撮影台
   2.1.5 X線高電圧装置
  2.2 乳房用X線装置の標準化および品質保証
  2.3 今後の課題
   2.3.1 CADシステム
 3 断層撮影装置 (小林一男)
  3.1 一般の断層撮影装置
  3.2 多軌道断層撮影装置
第6章 ディジタルX線撮影装置
 1 CR(コンピューテッドラジオグラフィ)81
  1.1 基本コンセプト (荒川 哲)
  1.2 原 理
  1.3 読み取りシステムの構成
  1.4 画質特性
   1.4.1 画像形成過程と画質決定要因
   1.4.2 レスポンス特性の決定要因
   1.4.3 ノイズ特性の決定要因
   1.4.4 画質特性の物理評価
   1.4.5 最近の高画質化技術(両面集光IP読み取り技術)
  1.5 画像処理 (山田雅彦)
   1.5.1 濃度/コントラストの自動設定処理(EDR)
   1.5.2 画像強調処理
   1.5.3 画像圧縮処理
   1.5.4 エネルギーサブトラクション処理
   1.5.5 コンピュータ支援画像診断(CAD)
 2 DR(ディジタルラジオグラフィ) (横内久猛)
  2.1 はじめに
  2.2 概 要
  2.3 動作原理
  2.4 I.I.-TV系の高精細化
   2.4.1 X線I.I.の高精細化
   2.4.2 TVカメラの高精細化
   2.4.3 光学系の高性能化
   2.4.4 総合特性
  2.5 画像処理
   2.5.1 並べ替え
   2.5.2 階調変換
   2.5.3 鮮鋭化
  2.6 応用例
  2.7 まとめ
第7章 X線CT装置(八木一夫)
 1 X線CTの原理
  1.1 X線CT装置の出現
   1.1.1 はじめに
   1.1.2 X線CT装置の開発
   1.1.3 X線CT装置の進歩
  1.2 X線CT装置の原理
   1.2.1 基本原理
   1.2.2 X線CT装置の基本機能
   1.2.3 投影データの収集
   1.2.4 画像再構成
   1.2.5 CT装置における計算機システム
  1.3 X線CTのデータサンプリング
   1.3.1 サンプリングの定理
   1.3.2 ビューサンプリング数
   1.3.3 サンプリング間隔とエリアシング誤差
   1.3.4 サンプリング間隔と解像力
  1.4 X線CT画像の保存系
   1.4.1 画像の保存
   1.4.2 画像表示
   1.4.3 画像の記録
 2 システム仕様と性能
  2.1 概 説
   2.1.1 X線出力とX線管球容量
   2.1.2 スキャン時間
   2.1.3 再構成時間とスキャンサイクル
   2.1.4 撮影領域とスライス厚
   2.1.5 ピクセルとスライス厚
   2.1.6 CT画像の表示法とCT値
   2.1.7 ウインドウレベル
   2.1.8 ウインドウ幅
   2.1.9 高濃度域と低濃度域
  2.2 空間分解能(高コントラスト分解能)
  2.3 密度分解能(低コントラスト分解能)
  2.4 スループット
  2.5 被曝線量
  2.6 性能評価
   2.6.1 ノイズ(雑音)
   2.6.2 コントラストスケール
   2.6.3 空間分解能
   2.6.4 スライス厚
   2.6.5 高コントラスト分解能
   2.6.6 低コントラスト分解能
   2.6.7 被曝線量
 3 アーチファクト
  3.1 CTの原理から発生するアーチファクト
   3.1.1 モーションアーチファクト
   3.1.2 パーシャルボリウムアーチファクト
   3.1.3 ビームハードニング
   3.1.4 メタルアーチファクト
   3.1.5 散乱線によるアーチファクト
  3.2 CT装置の故障・調整不良によるアーチファクト
   3.2.1 リング状アーチファクト
   3.2.2 ストリーク,シャワー状アーチファクト
 4 CTのハードウェアおよびコンピュータシステム
  4.1 X線発生装置
   4.1.1 X線管
   4.1.2 X線高電圧装置の概要
  4.2 検出器とデータ収集系
   4.2.1 検出器とデータ収集系の性能
   4.2.2 X線CT用検出器
   4.2.3 データの流れと各種処理
  4.3 ガントリィと寝台
   4.3.1 ガントリィの機能と構造
   4.3.2 寝台の機能と構造
  4.4 コンピュータシステム
   4.4.1 CTのコンピュータシステム
   4.4.2 制御のためのコンピュータシステム
   4.4.3 CT内部のデータの流れ
   4.4.4 データ処理部
   4.4.5 対話用入力デバイス
   4.4.6 画像の表示
   4.4.7 データの保存と周辺機器
   4.4.8 データ転送
 5 ヘリカルCT(らせんCT)
  5.1 ヘリカルスキャン
   5.1.1 原 理
   5.1.2 ヘリカルスキャンの画像再構成法(補間再構成法)
   5.1.3 ヘリカルスキャンの特徴
  5.2 三次元画像
   5.2.1 三次元画像の表示法
   5.2.2 MIP表示
   5.2.3 シネ表示
   5.2.4 MPR表示
  5.3 ヘリカルスキャンの応用
   5.3.1 種々のヘリカルスキャンモード
   5.3.2 CT透視法
   5.3.3 胸部集団検診
 6 X線CTの応用
  6.1 体積測定
  6.2 密度測定
  6.3 ダイナミックCT
   6.3.1 ダイナミックCT検査
   6.3.2 脳のダイナミックCT検査
第8章 MRI装置(西村 博)
 1 NMRの原理
  1.1 緩和現象
  1.2 緩和時間
  1.3 パルスシーケンスとNMR信号の検出
   1.3.1 FID(自由誘導減衰)
   1.3.2 SE(スピンエコー)
 2 MRIの画像形成方法
  2.1 フーリエ変換イメージング
  2.2 フーリエ変換
  2.3 傾斜磁場コイルの役割
  2.4 k空間と計測方法
  2.5 信号計測空間内での軌道
 3 MRI装置
  3.1 超電導磁石方式
   3.1.1 概 要
   3.1.2 超電導
   3.1.3 超電導磁石とクライオスタット
  3.2 常電導磁石方式
  3.3 永久磁石方式
   3.3.1 永久磁石
   3.3.2 永久磁石の磁気回路
 4 MRIの基本構成と動作
  4.1 MRIの基本構成
   4.1.1 概 要
   4.1.2 システム構成
  4.2 受信コイル
   4.2.1 受信から信号計測まで
   4.2.2 信号受信の方式
   4.2.3 QDコイル
   4.2.4 頭部高感度コイル
   4.2.5 アレイ型コイル
   4.2.6 画像例
  4.3 傾斜磁場コイル
 5 MRIの画質
  5.1 MRIの画質
  5.2 グラジェントエコーの画質
  5.3 三次元映像法
  5.4 水脂肪分離画像
  5.5 拡散強調画像
  5.6 高速スピンエコー法
  5.7 パラレルイメージング
  5.8 アーチファクト
   5.8.1 エリアシングアーチファクト
   5.8.2 トランケーションアーチファクト
   5.8.3 アーチファクト様の黒い境界
   5.8.4 中心アーチファクト
   5.8.5 スパイクノイズ,オーバーフロー,モアレ,金属アーチファクト
   5.8.6 フローボイド,化学シフト,磁化率アーチファクト
   5.8.7 点対称アーチファクト
   5.8.8 動き/流れアーチファクト
 6 MRアンギオグラフィ
  6.1 強度情報を利用した手法
  6.2 位相情報を利用した手法
  6.3 三次元血管描画法
  6.4 造影MRアンギオグラフィ
 7 新機能撮像
  7.1 脳機能撮像
  7.2 MRスペクトロスコピィ
 8 まとめ
第9章 核医学診断装置(村瀬研也)
 1 はじめに
 2 核医学診断装置の歴史
 3 シンチレーション検出器
  3.1 原 理
  3.2 シンチレータ
  3.3 光電子増倍管
  3.4 波高(エネルギー)分析器
 4 半導体検出器
 5 試料測定装置
 6 体外計測用機器
  6.1 シンチレーションカメラ
  6.2 コリメータ
   6.2.1 平行多孔コリメータ
   6.2.2 ピンホールコリメータ
   6.2.3 コンバージング(収束多孔)コリメータ
   6.2.4 ダイバージング(拡散多孔)コリメータ
   6.2.5 スラントホールコリメータ
   6.2.6 ファンビームコリメータ
   6.2.7 コーンビームコリメータ
  6.3 多結晶型ガンマカメラ
  6.4 ホールボディスキャナ(全身イメージング装置)
 7 SPECT装置
  7.1 ガンマカメラ回転型SPECT装置
  7.2 リング型SPECT装置
  7.3 多検出器型SPECT装置
 8 ポジトロン核種用SPECT装置
 9 PET装置
  9.1 原 理
  9.2 装 置
  9.3 三次元PET
 10 加速器
  10.1 サイクロトロン
 11 半導体検出器の利用
  11.1 半導体検出器型ガンマカメラ
 12 画像再構成法
  12.1 SPECTにおける吸収補正
   12.1.1 均一吸収補正法
   12.1.2 不均一吸収補正法
  12.2 PETにおける吸収補正
  12.3 SPECTにおける散乱線補正
   12.3.1 デコンボリューション法
   12.3.2 エネルギーウインドウ法
   12.3.3 トランスミッション法
  12.4 PETにおける散乱線補正
 13 核医学診断装置の品質管理
  13.1 ガンマカメラの品質管理
  13.2 SPECT装置の品質管理
  13.3 PET装置の品質管理
第10章 超音波画像診断装置(柳川 隆)
 1 超音波画像診断装置の特徴と限界
 2 超音波の生体特性
  2.1 生体内音速と波長
  2.2 超音波の伝搬特性
  2.3 超音波の反射と散乱
  2.4 超音波の減衰
 3 超音波画像診断装置
  3.1 原 理
  3.2 超音波の走査方法
   3.2.1 機械走査
   3.2.2 電子走査
   3.2.3 機械走査と電子走査の比較
  3.3 超音波診断装置の性能
 4 超音波ドプラ法
  4.1 超音波ドプラ法
  4.2 カラードプラ断層法
   4.2.1 概 要
   4.2.2 応 用
 5 超音波画像のアーチファクト
 6 各種プローブによる臨床応用
  6.1 超音波内視鏡プローブ
   6.1.1 腹部用内視鏡プローブ
   6.1.2 循環器用内視鏡プローブ
  6.2 経直腸プローブ
  6.3 経腟プローブ
  6.4 その他体腔内特殊用途プローブ
 7 新しい技術
  7.1 三次元画像合成表示
  7.2 高調波影像法
 8 超音波診断の安全性
 9 超音波診断機器の将来

第2編 X線基礎技術
第1章 X線の物理(松本政雄)
 1 X線の発生
  1.1 X線の発生
  1.2 X線の発生効率
  1.3 特性X線
  1.4 連続X線
 2 X線の減弱
  2.1 X線撮影系での減弱
  2.2 指数関数の法則と減弱係数
  2.3 X線スペクトルの減弱
  2.4 照射線量減弱係数と半価層
 3 X線像の形成
  3.1 X線による画像の形成
   3.1.1 増感紙-フィルム系の画像形成
   3.1.2 散乱X線の影響
  3.2 画像の幾何学的形成
   3.2.1 画像の拡大
   3.2.2 画像の歪み
第2章 X線管装置と付属器具(絞り)(土肥元達)
 1 X線管装置
  1.1 X線の発生と熱電子
  1.2 X線管の歴史
   1.2.1 ガスX線管
   1.2.2 クーリッジ管
   1.2.3 回転陽極X線管
  1.3 診断用X線管の構造
   1.3.1 固定陽極X線管
   1.3.2 回転陽極X線管
   1.3.3 X線管装置の構成
  1.4 X線管の特性
   1.4.1 焦点の形成とその測定
   1.4.2 X線の放射強度分布
   1.4.3 X線管の管電流特性
   1.4.4 焦点外X線
  1.5 許容負荷と熱容量
   1.5.1 X線管と熱
   1.5.2 許容負荷
   1.5.3 短時間負荷
   1.5.4 長時間負荷
   1.5.5 混合負荷
   1.5.6 CT負荷
   1.5.7 負荷による焦点面荒れ
 2 付属機器(絞り)
  2.1 X線装置用可動絞り
   2.1.1 透視時のX線照射野
   2.1.2 焦点外X線
   2.1.3 固有濾過と付加フィルタ
  2.2 CT装置用可動絞り
第3章 X線高電圧装置(畠山敬信)
 1 概要
  1.1 X線高電圧装置とは
  1.2 用語の説明
  1.3 X線高電圧装置に要求されること
  1.4 X線高電圧装置の種類と用途
   1.4.1 X線高電圧装置の種類
   1.4.2 おもな用途
 2 変圧器式X線高電圧装置
  2.1 2ピーク形X線高電圧装置
   2.1.1 高電圧発生の原理と基本回路
   2.1.2 高電圧発生装置
   2.1.3 X線制御装置
   2.1.4 2ピーク形装置の特性
  2.2 6および12ピーク形X線高電圧装置
   2.2.1 高電圧発生の原理
   2.2.2 全体構成
   2.2.3 高電圧発生装置
   2.2.4 X線制御装置
   2.2.5 12ピーク形装置の特性
  2.3 定電圧形X線高電圧装置
 3 コンデンサ式X線高電圧装置
  3.1 高電圧発生装置
   3.1.1 高電圧発生の原理
   3.1.2 高電圧充電回路
   3.1.3 X線の曝射,遮断
  3.2 制御装置
   3.2.1 mAsとX線量の関係
   3.2.2 曝射時間と特性
 4 インバータ式X線高電圧装置
  4.1 概 要
  4.2 インバータ式X線高電圧装置に必要な技術
   4.2.1 電力の変換と制御
   4.2.2 高電圧変圧器
   4.2.3 X線管電圧,管電流の制御
  4.3 変圧器形インバータ式X線高電圧装置
   4.3.1 共振形(周波数固定位相差制御方式)
   4.3.2 共振形(周波数可変制御方式)
   4.3.3 非共振形
  4.4 エネルギー蓄積形インバータ式X線高電圧装置
   4.4.1 蓄電池エネルギー蓄積形
   4.4.2 コンデンサエネルギー蓄積形
  4.5 インバータ式X線高電圧装置の特性と特徴
第4章 自動露出制御装置と操作パネル(畠山敬信)
 1 自動露出制御装置
  1.1 概 要
  1.2 原 理
   1.2.1 フォトタイマの原理
   1.2.2 X線テレビシステム用自動露出制御装置の原理
  1.3 センサ
   1.3.1 センサの種類
   1.3.2 光電子増倍管とその特性
   1.3.3 センサの位置による分類
   1.3.4 センサの形状による分類
  1.4 自動露出制御装置の各種特性とその補正
  1.5 用途による特殊性
   1.5.1 一般撮影用
   1.5.2 断層撮影用
   1.5.3 消化器用
   1.5.4 循環器用
   1.5.5 乳房撮影用
 2 操作パネル
  2.1 概 要
  2.2 おもな操作器とその機能
  2.3 操作パネルの形状と配置
  2.4 プログラム撮影機能
  2.5 制御回路
  2.6 用途と特徴
   2.6.1 一般撮影システム
   2.6.2 X線テレビシステム
   2.6.3 循環器システム
   2.6.4 多目的システム
第5章 X線映像装置(岡部哲夫)
 1 X線テレビシステム
 2 X線イメージインテンシファイア(X線I.I)
 3 光学系
 4 撮像管
 5 画像表示装置
  5.1 CRT表示装置
  5.2 その他の画像表示装置
   5.2.1 投写型ディスプレイ
   5.2.2 液晶ディスプレイ
 6 信号と雑音,ダイナミックレンジと空間分解能
 7 X線TVの応用例
  7.1 DFとDSA
  7.2 透視と撮影
  7.3 消化器透視と循環器撮影
   7.3.1 消化器透視
   7.3.2 循環器撮影
  7.4 自動露出制御
第6章 画像センサ
 1 増感紙-フィルム (花田博之)
  1.1 X線フィルム
   1.1.1 乳剤とフィルムの構造
   1.1.2 X線フィルムの分光感度
  1.2 増感紙
   1.2.1 青色発光増感紙
   1.2.2 緑色発光増感紙
  1.3 X線フィルムに起因するボケ
  1.4 増感紙-フィルムシステムの撮影法
  1.5 増感紙-フィルムシステムの物理的特性
   1.5.1 感 度
   1.5.2 階調性
   1.5.3 鮮鋭性
   1.5.4 粒状性
  1.6 レギュラーシステムとオルソシステム
 2 イメージングプレート(IP) (高橋健治)
  2.1 輝尽性螢光体
  2.2 IPの種類と用途
  2.3 IPの構造
  2.4 IPの発光特性
  2.5 画質に影響を与えるIP因子
  2.6 輝尽性螢光体およびIP関連技術の進展
  2.7 今後の展望
 3 フラットパネル検出器 (岡部哲夫)
  3.1 セレン検出器の沿革と概要
  3.2 直接方式
   3.2.1 セレン検出器の原理
   3.2.2 セレン検出器の構造
   3.2.3 セレン検出器の性能
  3.3 間接方式
   3.3.1 螢光体検出器の原理
   3.3.2 検出器の構造
   3.3.3 検出器の諸性能
  3.4 直接方式と間接方式の比較
  3.5 動画用検出器の開発
  3.6 市販されている製品
  3.7 今後の課題
 4 X線イメージインテンシファイア(X線I.I) (遠藤哲朗)
  4.1 X線I.I.の種類
  4.2 構造と動作原理
   4.2.1 入力面
   4.2.2 電子レンズ
   4.2.3 出力螢光面
  4.3 性 能
   4.3.1 変換係数
   4.3.2 解像度
   4.3.3 コントラスト比
   4.3.4 DQE
   4.3.5 歪 み
  4.4 まとめ
 5 撮像管 (高橋健二)454
  5.1 撮像管の概要と動作
  5.2 撮像管の種類
  5.3 撮像管の諸特性
   5.3.1 膜面の種類と光電変換特性
   5.3.2 解像度
   5.3.3 信号雑音比(SN比)
   5.3.4 残像・焼き付き特性
   5.3.5 その他の特性
 6 CCD(電荷結合素子) (高橋健二)461
  6.1 CCDの原理と動作
  6.2 CCD撮像素子の種類と特徴
  6.3 CCDの諸特性
   6.3.1 感度(分光感度と光電変換特性)
   6.3.2 解像度特性
   6.3.3 信号雑音比(SN比)
   6.3.4 垂直スミア特性
   6.3.5 その他
  6.4 医用画像機器への応用時の留意点
   6.4.1 CCD撮像素子の感度での選択
   6.4.2 素子の大きさ,フォーマット
   6.4.3 解像度に関する考慮
   6.4.4 信号雑音比(SN比)

 参考文献
 和文索引
 欧文索引