<総合的特徴>
1.看護教育の新カリキュラムに沿った内容
平成9年4月より看護教育のカリキュラムを改正する省令が施行された.新カリキュラムでは従来の「解剖生理学」「生化学」「病理学」「薬理学」「微生物学」の各科目を「人体の構造と機能」および「疾病の成り立ちと回復の促進」の二つに統合した.この統合は看護の視点に立って専門職業人の育成のために成されたものである.また平成11年5月には,新しいカリキュラムに沿って看護国家試験において求められる知識・技術の適切なレベルが明示された.本書はこのような改定の主旨に沿って,職業人として必要十分な内容を修得できるよう工夫されている.
2.高度な内容を平易な言葉で
本書は解剖学,生理学,一部生化学の最新の進歩を取り込み,大学人養成のための高度な内容を順序よく解説した.難解な言葉をさけ,平易な言葉で説明するよう最大の考慮をした.
3.解剖学,生理学,一部生化学の融合
本書はこれまでそれぞれ独立した専門家によって書かれたため,時には詳細に渡りすぎる部分もあった解剖学,生理学,生化学の内容を極力融合させて,統合的に記述するように心がけた.「人体の構造と機能」という新しい科目にふさわしい内容とした.
4.学生が理解し易いよう模式図を多用
従来の解剖学・生理学の各教科書は各々形態と働きに重点を置きつつも,学生からすると重複する部分が多かった.この教科書では特に解剖学・生理学の分野で重複が多い章である,第1章生命とは,第3章循環,第11章神経,第13章運動の内容の統合に工夫を凝らし,模式図を多用して看護に必要充分な事実の理解をはかった.
5.専門の異なる先生でも教えられるよう工夫
看護学,解剖学,生理学,生物学を専門分野とする教師が本書を用いて学生に教える場合に,注,参考図,参考表を用いて,すべての部分を教えやすいように配慮した.
6.重要な内容を太字に
基本的な専門知識として重要な内容と思われる部位は太字で記してある.たとえば,第1章ではDNA,RNA,リボソームなどの単語が太字で記されている.太字で示した内容を理解すれば,国家試験には十分対応できるものとなっている.
7.国家試験出題内容を網羅
本書の内容は第80回(1991年)〜第90回(2001年)の過去11年に渡る看護婦国家試験に出題された問題の内容をほぼ網羅している.国家試験に出題された内容でも,基本的な知識としては必ずしも重要でない内容については,本書で取り上げることをあえてさけた.
8.解りやすい図表を多用
本書は,看護学生が理解し,覚えやすいように,解剖の筋肉の名称などは表にまとめて示す工夫をした.また,循環系の経路は,鉄道の路線図のようにして順次名称が変化するのが分かるよう工夫した.また,図は基本的には2色刷りであるが,循環の章では動脈血と静脈血を,神経の章では自律神経の交感神経と副交感神経を各々赤と青で示し,3色刷にして分かりやすくした.
9.臨床や病態とのつながりが解る注
解剖学と生理学を,単なる専門知識として終わらせるのではなく,臨床に必要な基礎知識として位置づけ,病態生理にも配慮した.ただし,本書はあくまでも基礎的な知識の理解に主眼を置いている.そのため,病態生理の部分は病態の注として述べることにした.
10.より深い知識“advanced”の内容を注・参考図・参考表に
本書は看護における人体の構造と機能の基本を理解させることに主眼を置いてある.しかし,学問は日進月歩である.そのために現在,advancedの知識と思われる部分も将来,基本的知識として要求される場合もある.現在は学生にとって基礎的知識としては要求されなくても,advancedを知ることにより,基本的な知識の理解が容易になることもある.本書ではそのような部分を特別な注,参考図,参考表として取り込んだ.
11.先生が教えるときにも役立つ参考図と表・化学記号
たとえばステロイドホルモンや神経伝達物質などの化学構造を看護のカリキュラムでは覚えることを要求されない.しかし物質の構造式を見ることによりホルモン同士の類似性(たとえば男性ホルモンと女性ホルモンの構造の類似や,グルタミン酸とγアミノ酪酸の構造の類似)が分かり易い.教える際に参考になるとともに,学生にとっても将来役に立つものである.
12.最低限の英語の表記
英語の表記は,臨床で良く用いられている用語そして今後ますます参加する機会が増加する国際社会での共通用語として役立つものと考え,重要な単語について表記した.また,人名が用語として使われている場合も,そのつづりを表記した.
13.用語
医学専門用語は一般的に医学用語辞典で確立されている.極力「生理学用語集(南山堂)」,「最新医学大辞典(医歯薬出版)」「医学大辞典(南山堂)」,「生化学辞典(東京化学同人)」の用語に従った.
14.難しい漢字にはルビ表記
解剖学の難しい用語には極力ルビを表記するよう心がけた.
15.化学記号,略号,単位の表
本書に用いられる化学記号,単位については巻頭に,略語については巻末に表にまとめて示し,本文の理解に役立つよう工夫した.
<各章の紹介>
第1章 生命とは
1.人体を学ぶ上で最も基本となる生命についての基本知識を最新の科学知識(たとえば,人間の遺伝子の数がほぼ確定したのは2001年である.p.7)も含めて解説した.
2.第2章以降の内容を理解する上で重要な組織学,解剖学,生理学の基本概念をこれまで高等学校で修得した生物学,化学の知識と融合させて説明した.
3.身体の区分と表示は身体について学ぶためのABCである.最初にしっかりと覚える必要があるので分かり易い図(図1-13)を用いて説明した.
4.体液とホメオスタシスはともに重要不可欠であるが,第1章ですべて学ぶのは無理である.第1章では必要事項のみ単純化(ホメオスタシスについてはp.2,体液についてはp.16〜)して説明した.体液については循環や腎臓などの章で詳しく学び,さらに第17章にホメオスタシスの章を設け,体液の調節やホメオスタシス,リズムについて統合して復習できるように配慮した.
5.従来の解剖学で詳しく取り上げていた組織は図1-9,図1-10,表1-1,図1-11にまとめた.
6.従来の生理学で詳しく取り上げている物質移動はp.18〜19に箇条書きとした.
第2章 血液
1.臨床で行われる血液検査の意味を理解できる内容となっている.大切な事柄をその意味するところを理解して覚えられるように配慮した.(たとえば,p.23で血球が造られる部分を単に“骨髄”と書かず,“骨の内部にある柔らかく細胞成分に富んだ骨髄”とした.また図2-2Aでどの骨髄で,いつ造血が起こるか,図2-2Bで骨髄中の血球生成過程と血中における血球の区分を分かりやすく示した.)
2.血漿の重要性はややもするとなおざりにされ易いが,成分(p.32),膠質浸透圧(p.33),緩衝作用(p.34)などは将来臨床の場で役立つ内容である.
3.凝固系と線溶系をバランスよく述べてある.血栓と血液凝固の区別が分かるように図2-8と図2-10を示し,学生が見て理解できるようにした.また血液凝固因子を単に並べて暗記させるのではなく,各因子が凝固過程のどこに関与するのかを図2-11に示した.
4.Rh因子を持たない女性の妊娠にどのような問題があるのかを図2-12で示した.
第3章 循環
1.脈の触れる動脈(図3-14),採血に用いる静脈(図3-16)など,看護に役立つ基礎的知識を解りやすく図示した.
2.心電図の記録(図3-10)や血圧の測定(図3-28)など,看護にとって大切な事項を丁寧に解説した.血液の流体力学的記載は看護では重要でないと考えて取り上げなかった.
3.心臓壁は複雑なので図3-6に単純化して示した.
4.血管をつないで重要な名前をつけた図(地下鉄の路線図のアイディアを用いた新しい図.図3-15と図3-17)を用いて学べる工夫をしてある.
5.すべての特殊循環を網羅せず,重要な最小限の例を用いて説明してある.複雑な胎児循環(p.65)についても極力簡略化して説明してある.
6.大動脈の分類(上行大動脈,胸大動脈,腹大動脈の区別)を理解し易いよう,単純に図3-13Cに示した.
7.血圧,血流,脈拍について,理解を深めるように配慮した.血圧測定の注意事項p.72や最新の血圧の分類(参考表3-1,高血圧治療ガイドライン2000年版より)も取り上げた.
8.循環の調節系について,簡単ではあるが,メカニズムを理解し,全体像を把握できるように配慮した.腹腔内循環は非常に理解しにくい.3色刷りを利用して肝臓周囲の3つの血管を理解できるよう工夫した(図3-19).
9.臨床で役立つリンパ(p.76〜)の循環について説明した.
第4章 呼吸
1.呼吸に関する知識は看護の現場において非常に重要である.臨床で役立つための基礎知識の理解を図った.(たとえば副鼻腔の解剖を図4-4,その働きをp.82に文章で,その障害をp.82の注で,続けて説明した).
2.外呼吸と内呼吸(図4-1)の重要性を理解できるように工夫した.
3.外呼吸については,呼吸器系の名称の理解を図った.
4.吸息・呼息時の呼吸筋の変化を図4-13で分かり易く解説している.胸腔内圧が陰圧である事実を充分に理解させる必要があるので,分かり易い図(図4-14)を工夫した.臨床的に重要な症状は注を用いて説明するようにした(気胸はp.91の注).
5.肺機能とその検査値を理解できるように工夫してある(図4-15).
6.呼吸調節のメカニズムと呼吸に影響を与える因子(p.99-100)について分かり易く説明した.
第5章 生体の防御機構と免疫
1.生体防御機構と免疫は血液の中で扱われることも多いが,本書では血液の章より独立させて,重点的に学べるようにした.その理由は身体を護る仕組みの防御系が単に病気のときにだけ白血球が作用して働きだすのではなく,健康なときにも常時働いている機能だからである.
2.自己と非自己の識別についての基本から説明を始めた(p.104).
3.生体の防御系を,生体表面のバリアと白血球全般より捕らえた(p.105〜).リンパ球(p.108)についても分かり易く説明した.
4.免疫学は年々その知識が進歩している.そのような新しい知識を取り入れ分かりやすく解説している.(例:1987年に日本人として初めてノーベル医学・生理学賞を受賞した利根川進の遺伝子組み換えによる多様性の獲得について参考図とともに極力単純化して解説した.p.114).
5.これまでに使われてきた自然免疫と獲得免疫(p.113),液性免疫と細胞性免疫(p.115)なども新しい考え方を入れ説明してある.
6.リンパ系器官(p.111)を循環系とは別にこの章でも取り上げた.
7.近年多くなっているアレルギー(p.116)と自己免疫疾患(p.117)についても簡単にその意味を説明した.
第6章 消化と吸収
1.消化器系の重要な名称を覚えやすいように図6-1Aで示し,さらに図6-1Bでは消化器系の各部位での働きを要約した.
2.消化管壁については,図6-3の模式図で全体的な特徴を示すとともに,消化管の各部位で特徴的な構造を胃壁では図6-8,小腸壁は図6-10のように分かりやすく説明した.
3.糖質,タンパク質,脂肪などの栄養素が消化液によって分解される経過を,一目で分かるように図6-12に工夫した.
4.消化管運動や消化液分泌は,自律神経と消化管ホルモンによって複雑に修飾される.それぞれの関与の特徴を分かりやすく述べた(たとえば胃液分泌の調節はp.127).
5.臨床の看護の場で役立つ大切な知識として,排便や坐薬についてもp.136に取り上げて分かりやすく説明した.
6.膵臓,肝臓,胆嚢の構造と機能も重要視し,分かりやすく説明した.(たとえば,膵臓については構造を図6-15に機能はp.137で説明している).
7.腹膜と腹膜腔,腹水について(p.141)も臨床につながる基礎知識として重要視している.
8.食欲のメカニズムも扱った.近年見いだされた摂食を調節する生体内物質についても,p.142の注で説明した.
第7章 栄養と代謝
1.生理で必要とされる栄養と栄養所要量について述べた.栄養学で扱うような詳しい説明は避けてある.
2.糖質,脂質,タンパク質,ビタミン,無機質,核酸,水を扱ったが,糖質(p.148),脂質(p.151),タンパク質(p.154)と核酸(p.159)については,生化学の立場から臨床で必要と思われる内容を取り出し,基本的説明をした.
3.体内でのエネルギー生成過程を解りやすい図7-1を用いて解説した.これまで多くの生理学や生物学の教科書では,体内でエネルギーが作られる過程を,まず酸素のない状態における解糖系が起こり,酸素のある場合には呼吸が起こるという説明が成されている.しかし,人間は酸素のある状態におかれている.本書では,これまでの生理学・生物学の解説の仕方とは異なるが,まず酸素のある状態における呼吸を説明し,酸素のない場合には解糖系が起こるという順序で説明した.
4.核酸の代謝を理解しておくと,将来痛風の理解に役立つのでp.161の参考図に説明した.
第8章 体温の調節
1.発汗による体温調節は,皮膚の項目に入れることも可能であるが,臨床的にも重要であるので体温調節の独立の章を設けて説明した.外気温が変化したときの体温調節のメカニズムについてわかりやすく説明した(p.168〜169).
2.発熱は臨床で大切な知識となるので重要視し,図8-6を用いて発熱時のセットポイントのズレとその際の生体反応が解るように説明した.
3.体温の異常として重要な,うつ熱,熱射病(日射病),低体温はp.170の注で取り上げた.
第9章 皮膚と膜
1.これまでの生理学では扱われてこなかった皮膚は身体の状態を知る上で欠かせない情報を含んでいる.皮膚について,独立した章を設け,皮膚の多用な働きを説明した.
2.看護にとって大切な皮膚に関連する事項として,貧血やチアノーゼにおける皮膚の色をp.179で,「皮内注射」「皮下注射」「筋肉内注射」を解りやすいp.179の参考図で,褥瘡についてp.175注で説明した.
第10章 尿の生成と排尿
1.尿生成から蓄尿・排尿の仕組みを,解剖学と生理学を統合させて解りやすく解説した.たとえば,図10-2では尿生成の3つの過程(ろ過,再吸収,分泌)を要約した.
2.腎機能の測定は臨床検査の数値の理解の助けになるのでp.189〜に取り上げた.種々の物質のクリアランスが理解できるように模式図(図10-11)で示した.
3.尿の組成の特徴をp.192で詳しく説明した.さらに尿と血漿の組成が著しく異なることが分かるように表10-2で比較した.
4.蓄尿と排尿の神経性調節(p.194〜)の基本を説明した.失禁の基礎的理解にも配慮した.
第11章 神経
1.神経系は解剖学・生理学の分野がもっとも重複する部分である.重複を避け,看護の臨床に必要な基礎知識としての神経系を理解できるようにもっとも工夫を凝らした.
2.神経の伝導と伝達は言葉が似ているが,意味がまったく異なることを図11-4に示した.
3.神経伝達物質については,p.207の参考図を用いて,化学構造式も示して理解し易いように配慮した.
4.中枢神経系については,反射機能,種々の統合機能,高次神経機能をバランスよく扱うように配慮した(p.209-211).
5.高次神経機能(p.221-222)は,患者と付き合う場合にどうしても必要な知識である.基礎的な内容を分かりやすく説明した.
6.中枢神経系の保護と栄養を重要視した(p.226).
7.末梢神経系の名称は分かり易い図と表を工夫して理解を図った.たとえば脳神経は,解剖を図11-31に,機能を図11-32と表11-3にまとめている.
8.交感神経と副交感神経よりなる自律神経については,3色刷で理解しやすいように工夫した(図11-25,図11-26,表11-1).
第12章 感覚
1.感覚の種類ごとにそれぞれの感覚のしくみを解説した.それぞれの感覚で,たとえば視覚では図12-1のように,初めに仕組みの概略を示す図を入れ,感覚器系の最小限の名称の理解を図るようにした.
2.眼の反射(p.251)を重要視した.これは臨床検査で大切な知識となる.
3.平衡感覚(p.256〜),体性感覚(p.260〜)と姿勢調節(p.257)は,患者の身体を支える際に大切な知識となるので,丁寧に解説した.
4.臨床で重要となる痛み(p.265〜)についても,解りやすく解説した.
5.鎮痛系は看護で特に重要であり,看護の臨床で役立つと思われるので,p.267の注に取り上げた.
6.内臓感覚(p.263-264)も理解できるように配慮した.
第13章 運動
1.骨,関節,筋など,重要なものについて,形態と働きの特徴を把握しやすいように工夫した表と図を多く用いながら解説した.名称は重要なもののみ図示して覚えやすくした.たとえば大腿の運動(股関節の運動)に働く下肢帯の筋の解剖と機能,神経支配をp.318の表13-15にまとめ,図13-44で解剖を示し,さらに具体的にどのような運動の時にどの筋が働くのかをp.321の表13-18と図13-47に示した.
2.運動の調節(p.283〜)に重点を置いて,運動神経,運動反射,中枢神経系の働きについてまとめて説明した.
3.運動反射(p.284〜)については,基本を説明すると同時に,病的反射についても注を用いて述べた.stretch
reflexの用語は生理学では伸張反射,臨床では伸展反射と呼ばれる事実を説明した.
4.屈曲反射については,弱い刺激で新生児で見られるが早い時期に消失する屈曲反射と,成人でも強い刺激で見られる防御的屈曲反射についてp.286に注意深く説明した.生理で学んだ知識と小児科で経験する知識との間に矛盾が無いように注意深く説明した.
5.運動の実行については,運動のプログラムと計画のメカニズムの理解ができるように説明した(p.288,図13-17).
第14章 内分泌
1.内分泌腺,ホルモン,その作用が一目で解るように表14-1に工夫して示した.それぞれの内容を本文中に丁寧に説明した.また,それぞれのホルモンの分泌異常についても代表的な疾患とその症状を簡単に注で説明した.
2.ホルモンを学ぶ場合,カリキュラムにしたがって作用機序に重点をおいたが,分泌調節を理解することが大切であるので簡単に説明するようにした.甲状腺ホルモンでは図14-10,糖質コルチコイドでは図14-15のように分泌調節が理解できるように図を工夫した.
3.ホルモンの構造式も参考図を用いて最小限理解の便を図った.たとえばp.344の参考図に性ホルモンの生合成過程と構造を示し,女性ホルモンと男性ホルモンの構造が非常に類似していることが理解できるようにした.
第15章 生殖
1.男性・女性の生殖器の構造や働きを,要約してp.353とp.355に箇条書きにした.
2.女性の月経周期が,性ホルモンの変化,卵胞の変化,子宮内膜の変化の関連性が一目で見えるように図15-6に工夫した.
第16章 個体の発生・成長・老化
1.本章の内容は母性看護学,小児看護学,老年看護学などと重複するが,生理学の立場からできるだけ簡単にふれておき,他の領域で学ぶ際に基礎的理解ができるようにした.
2.初期発生において,外胚葉,内胚葉,中胚葉から生じる組織を表16-1にまとめた.
3.老化についての知識は高齢者の患者との接触で今後大切なものと考えられるのでp.370〜p.372に丁寧に説明した.
第17章 ホメオスタシスと生体リズム
1.生体の体液のpH,浸透圧,体温などに関するホメオスタシス調節について,各論で述べた事柄について再度復習をしながら総合的に理解できるようにまとめた.ホメオスタシス調節を理解しやすいように,たとえば血圧調節では図17-2の模式図のように,要約した図をつける工夫をした.これによって人体の総合的調節について学ぶことが可能となる.
2.生体リズムの基礎的知識は看護に携わる場合にも重要である.図17-8に種々の自律機能・内分泌機能の日内リズムが解る図を示した.ジェットラグや日勤や夜勤の交代制による日内リズムの変更についても,p.382-383に解説した.
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