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28巻2号 2019年2月号
特集 人工呼吸器治療患者の早期リハビリテーション
特集にあたって
 平成30年度の診療報酬改定でICUでの多職種による早期離床・リハビリテーション(以下リハ)に対する「早期離床・リハビリテーション加算」が新設された.ICUの重症患者すべてに適用可能で,疾患別リハとは異なり介入時間の長短にかかわらず500点の加算が認められている.従来,リハは量の大きさで診療報酬が語られていたが,今回は質に焦点があてられたことになる.療法士にとっては急性期の呼吸循環に関係する専門的知識・技能が求められるのである.一方,リハの内容はポジショニング,排痰・呼吸,可動域運動,筋力維持,離床等,シンプルである.療法士のみがかかわるものではなく,看護師と分担できる内容である.療法士のスタッフ数が限られている一般病院の現状では,看護師のほうがこれらに時間を当てやすいし,麻酔深度やバイタルサインの変化に敏感な看護師のほうが適切ともいえるかもしれない.まさにリハと看護を中心とした多職種によるリハ介入に診療報酬が与えられたということである.
 この報酬新設にはICUの重症患者,特に人工呼吸器治療患者に対する積極的なリハが呼吸器離脱を早めること,ICU在室期間を短くできること,ICUせん妄を改善すること等,早期リハの効果が報告されたことが背景にあるが,加えてリハ介入に伴う事故がなかったことが重要と思われる.ICUの患者の多くには生命のリスクとともに,廃用症候群のリスクがある.しかし,医師,看護師の目は全身管理に奪われるのが常で,廃用症候群予防への対応は二の次にならざるを得ない.その点では療法士がチームに入る意義は高いと思われる.
 ICU患者のほうが廃用症候群に陥りやすいにもかかわらず,療法士が介入する割合は1割前後と一般病棟に比べて低いことが指摘されていた.通常,リハは対診,すなわち主治医からの依頼で開始される.今回の「早期離床・リハビリテーション加算」で想定されているのは,主治医に療法士が帯同することで日々の回診にリハの視点が加わる点にある.療法士はその場で対象患者の全身状態,呼吸状態の情報に接して,リハ介入におけるリスクを直接,知ることができる.主治医も療法士の視点を理解し,ICU入室直後からのリハ開始の意義・安全性を知るという好循環が生まれる.「ICUではリハに時間は割けないはず」といって,従来,レセプト審査で診療報酬が減額されるという事態もあったと聞くが,今回の「早期離床・リハビリテーション加算」は保険上での急性期リハの概念を変えることにつながると考える.
 しかし,現実問題として人工呼吸器管理下にある患者にどうリハ・アプローチすべきか,リハ上のプロブレムは何か,安全な介入のために必要な知識は何か,そもそも慣れない療法士スタッフがICU患者の離床を安全に進めることは可能なのか,といった疑問も生まれる.そこで本特集では人工呼吸器と急性期リハという切り口で,今回の診療報酬新設のもとになった報告を交えながら,人工呼吸器についてリハ従事者が知るべきこと,従来の肺理学療法の位置付け,神経筋疾患患者のための人工呼吸器治療等について,当該領域の第一人者の先生方にまとめていただくこととした.(編集委員会)
目 次
集中治療における早期離床・リハビリテーションの指針  高橋哲也藤原俊之
集中治療室で求められるリハビリテーション  飯田有輝,西田修
セラピストが知るべき人工呼吸器の知識と呼吸理学療法  花田匡利,及川真人・他
人工呼吸器装着中の患者に対する早期リハビリテーション治療  幸田剣,寺村健三・他
神経筋疾患患者のための人工呼吸  花山耕三,石川悠加
新連載
「地域づくり」を学ぼう! 
1.広島県広島市における地域リハビリテーション広域支援センターとしての地域づくりへの取り組み  岡光孝,岡本隆嗣 
連載
巻頭カラー  脳画像診断の進歩 
2.経食道 心臓超音波画像:心房内血栓,粘液腫等  寺澤由佳,井口保之 
現場で生かせるExcelシート付き! リハビリテーション自主トレーニング指導 
5.肩関節疾患―上腕骨近位端骨折後の自主トレーニング  植松大喜 
リハビリテーション医療が支える障がい者スポーツ―現状と課題 
8.障害とスポーツの現状F
知的障害  北洋輔,稲垣真澄・他 
基礎研究がリハビリテーション医療を変える 
10.骨軟骨  田信二郎 
医療的ケア児・重症心身障害児(者)への在宅地域生活支援 
7.特別支援学校における人工呼吸器使用に関する【ガイド】について  高田哲,三浦清邦 
ニューカマー リハ科専門医 
  橋田竜騎 
最近の人工関節置換術と術後のリハビリテーション 
7.人工指MP関節置換術  石川肇,水越真優美 
包括的リハビリテーション医療の構成要素としての栄養療法―リハビリテーション科医が知っておくべき基本知識 
6.高血圧と栄養療法  土橋卓也 
心に残ったできごと―リハビリテーション科の現場から 
スポーツ選手のリハビリテーションを通じて思うこと  津田英一 

学会報告 
第2回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会  斉藤公男
臨床研究 
リハビリテーション効果の年度間比較におけるFIM effectivenessの有用性  徳永誠,渡邊進・他
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