医学のあゆみ
277巻2号
ここまでわかった細胞老化と腫瘍
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2021年4月
- 注文コード:927702
- 雑誌コード:20472-4/10
内容紹介
・生体内では細胞にDNA損傷などの細胞傷害が生じた際に,腫瘍化や傷害細胞の蓄積を防ぐため,これら傷害を受けた細胞の細胞周期を不可逆的に停止し,生体系から排除しようとする機構が知られている.
・この現象を“細胞老化”とよび,老化した細胞では種々の特徴的な形態学的変化(細胞質の膨化や空胞化など)や,ミトコンドリアを主体とした細胞内小器官の機能不全が生じることが示されてきた.
・細胞老化は種々の疾患の病理/病因に密接に関係するが,近年注目されているのが細胞老化機構の破綻と腫瘍化の関連性である.本特集が癌研究の領域でも比較的新しい本分野への理解を深めていただけると幸いである.
目次
はじめに 笹野公伸
細胞老化と腫瘍化−防御機構の破綻 城村由和・中西 真
がんにおける細胞老化の多彩な機能 宮田憲一・高橋暁子
細胞老化随伴分泌現象(SASP)のがん微小環境における役割 大谷直子
細胞老化と肺がん発生 杉山悠真・丸山光生
CAFs(cancer associated fibroblasts)と細胞老化 井上千裕
副腎腫瘍と細胞老化−コルチゾール/ストレスと細胞老化 笹野公伸・他
乳癌・前立腺癌ホルモン療法後の細胞老化を介した治療抵抗性獲得 田中 亨
連載
この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症(3)
赤痢アメーバ症(海外には行っていないのにどうして?) 倉井華子
いま知っておきたい最新の臨床検査−身近な疾患を先端技術で診断(2)
血液検査によるがん診断の展望 堀江沙良・他
TOPICS
泌尿器科学 前立腺肥大症の薬物療法の最前線 黒田秀也
放射線医学 頭頸部腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法の現状 鈴木 実
放射線医学 ポリビニルアルコールでホウ素中性子捕捉療法の治療効果を向上 野本貴大
FORUM
天才の精神分析−病跡学(パトグラフィ)への誘い18(最終回) デイヴィッド・リンチ−“発症”する映画 斎藤 環
次号の特集予告
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