医学のあゆみ
275巻10号
臓器線維症を科学する −病態解明と治療法開発への展望
12月第1土曜特集
- 総頁数:120頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2020年12月
- 注文コード:927510
- 雑誌コード:20471-12/5
内容紹介
・現在,わが国において最も対応が急がれている生活習慣病は,医療費の3割,全死亡者数の6割を占め,急速に進む超高齢化を背景に,その対策は医学的また社会的にも一層重要となっている.
・これらの罹患臓器には線維化病変が共通して認められ,肺や肝臓ではがんの発生母地ともなるため,線維化の制御は生活習慣病の進展予防に直結する重要戦略と位置づけられる.
・本特集では多角的な視点と新たなツールを用いて臓器線維症の病態を掘り下げ,全身臓器の線維症にみられる共通性と臓器ごとの特異性を理解することで,新たな治療アプローチを模索することをめざす.
目次
分子細胞基盤
組織障害時におけるコラーゲンネットワーク形成に関わる分子機構 津山 翔・酒井尚雄
線維症とメタロプロテアーゼ−MMP・ADAM・ADAMTS 望月早月・岡田保典
コラーゲン産生細胞の起源 朝比奈欣治
コラーゲン産生細胞の形質転換による臓器線維症治療への応用 中野泰博
疾患特異的マクロファージの機能的多様性−線維化に関わるマクロファージと非免疫系のクロストークの研究 佐藤 荘
気道の組織線維化の病態形成機構 平原 潔・他
病態解明とそのツール
遺伝子改変マウス作製技術−PITT/i-PITT法とEasi-CRISPR法 三浦浩美
線維化疾患のモデル動物 浅野善英
炎症の進行過程解明のための一細胞トランスクリプトーム解析 松田秀雄
マイクロ流体デバイスを技術基盤とするOrgan-on-a−chipの臓器・疾患モデルへの応用 木村啓志
エクソソーム−生体内第3の情報伝達手段が開く未来 柳川享世
バイオイメージング−非線形光学現象を利用した線維化イメージング 今村健志・他
臓器特異性と共通性
肺線維症 神尾孝一郎・吾妻安良太
心臓疾患における線維化 芦田 昇
肝線維化の分子・細胞メカニズム 牧野祐紀・疋田隼人
クローン病の腸管線維性狭窄に対する治療開発の展望 今井 仁・他
腎線維化 横井秀基
全身性強皮症の皮膚線維化の機序と治療標的 長谷川 稔
代謝臓器の線維症における特異性と共通性 菅波孝祥・他
次号の特集予告
サイドメモ
シェディング
Desmoplastic reaction(DR)分類
細胞系譜追跡(genetic lineage tracing)
組織常在性記憶T細胞
疑似時系列解析(pseudotime analysis)
マイクロ流体デバイス
miRの名称
培養細胞と胎児血清(FBS)とエクソソーム
TGF−βおよびPDGFの治療標的としての可能性
種々の生物学的製剤と接着性侵入性大腸菌(AIEC)
Crown-like structure(CLS)
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