医学のあゆみ
269巻3号
悪性腫瘍の病理・遺伝子診断に基づくプレシジョンメディシン
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2019年4月
- 注文コード:926903
- 雑誌コード:20473-4/20
内容紹介
・従来のがん治療は殺細胞性抗がん剤の投薬が中心であったが,近年はがん細胞の生存に重要な特定の遺伝子(ドライバー遺伝子)を標的として個別化治療を行うプレシジョンメディシン(PM)が主流となりつつある.
・欧米ではすでに遺伝子パネル検査の導入により,多くの癌腫においてゲノム解析結果が臨床現場に還元され,PMが実践されている.わが国でも2019年中には遺伝子パネル検査の実施が認められる予定である.
・本特集では,従来の臓器別・組織型別の腫瘍の分類ではなく,ドライバー遺伝子に基づく悪性腫瘍の特徴と治療戦略を取りまとめることで,PMを適切に実施するための統合的病理・遺伝子診断の確立をめざす.
目次
はじめに 西原広史
悪性腫瘍の病理診断と遺伝子プロファイルのクロストーク:Overview 四十物絵理子・西原広史
KRAS/BRAF/MAPK 依存性悪性腫瘍の特徴と治療戦略 林 秀幸
HER2 がんの特徴と治療戦略(乳がん,胃がん,胆管がん,肺がんなど) 高橋健太・池田貞勝
受容体型チロシンキナーゼRTK がんの特徴と治療戦略 津田真寿美・田中伸哉
PI3K 経路分子をドライバーとする悪性腫瘍の遺伝子プロファイル病理診断 赤羽俊章・谷本昭英
ALK/ROS1/RET 融合遺伝子陽性がんの特徴と治療(肺がん) 堀池 篤
HBOC 関連がんの管理と治療 山下 瞳・他
Hypermutation がんの特徴と治療戦略 ファムグェンクィー・他
連載
医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及(16)
肺音聴診シミュレータ 吉井千春
健康寿命延伸に寄与する体力医学(4)
加齢に伴う免疫機能の変化 磯部健一
TOPICS
癌・腫瘍学 芽細胞発がん説−甲状腺からはじまったがん診療のパラダイムシフト 野 徹
生理学 視床のマトリックス細胞が覚醒状態を促進する 本城咲季子
消化器内科学 慢性膵炎と膵癌 菊田和宏・正宗 淳
FORUM
医師のバーンアウト(燃え尽き症候群)をふせぐためには?−脳神経内科領域の取組みから学ぶ(8) バーンアウト(燃え尽き症候群)に対する個人でできる対策 海野佳子
医療社会学の冒険(12) ケアの機械と人間主義 美馬達哉
次号の特集予告
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