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267巻8号 2018年11月24日
ncRNAの医科学と医療I
はじめに
AYUMI ncRNAの医科学と医療I はじめに 林崎良英・赤井遥
  「遺伝子は蛋白質をコードするものだ」という“セントラルドグマ(中心教義)”は,かつて唯一の遺伝子機能発現のメカニズムとして教科書にも紹介された固定概念である.2001年,理化学研究所の著者らのグループと,理研が主宰している国際FANTOMコンソーシアムにより,大量の非蛋白コードRNA(non codingRNA:ncRNA)が発見され,さらにさまざまな生物学的機能を持つことが明らかにされた.もはや中心教義は遺伝子発現の数多くのメカニズムのひとつという位置づけになり,DNAの二重螺旋構造が明らかになってから約50年間のわれわれの理解と常識はncRNAの出現により大きな変貌を遂げた.DNAは遺伝情報を次世代に伝えるハードディスクのような役割を果たし,蛋白質はプリンターのような端末機器として,各分子機能が生物活動の末端分子としての機能を担っている.なかでもncRNAは遺伝子機能の発現をすべてコントロールするCPUのような役割を果たしており,遺伝子発現調節の要であると言える.
 2002年のFANTOM2の活動以降も蛋白コードRNAは22,000種類ほどであり,プロセッシングされたRNAを含め,細胞内に存在するRNAの種類数からいえば,ncRNAは圧倒的多数である.現在もncRNAのうち98%の機能はまったく知られておらず,まさにncRNAは暗黒大陸であるといえる.
 一方で,FANTOM2・FANTOM3の後,世界で出版されたncRNAの論文数は指数関数的に増加し,FANTOM5においてエンハンサーRNA(eRNA)をCAGE法で調べたことにより発見されたエンハンサーや長鎖ncRNA(lncRNA)は,遺伝病や癌などのヒト疾患の原因となる突然変異が最も集中した領域であることが判明した.さらに,RNA干渉などあらたに発見されたncRNAの機能は,RNA医薬など医薬・医療への分野を築くまでになっている.
 今回,“ncRNAの新展開”として,2つの特集号を企画した.第1回目の本特集号は,ncRNAの医科学分野や医療応用の新展開について,後に出版される第2回目の特集号は,遺伝子発現調節におけるncRNAのあらたな分子メカニズムに焦点を当てる.本特集が,読者の研究・臨床の一助になれば幸いである.
目 次
非蛋白コードRNA大陸の発見──FANTOM活動の歴史と未来のncRNA研究の展望……林崎良英・他
FANTOM CAT――疾患と細胞タイプに関連づけされた長鎖ノンコーディングRNA……長谷川未冴・他
lncRNAの発がんにおける役割……山本雄介・他
がん研究におけるncRNAの重要性――長鎖ncRNAのMALAT1の例……秋光信佳
ゲノム砂漠に潜むエンハンサーからみえる病気のメカニズム……小口綾貴子・村川泰裕
RNAを標的とする核酸医薬品の開発動向……井上貴雄
蛋白質発現量を向上するSINEUPsによる遺伝子治療の可能性とその研究動向……土岐直子・他
非コードRNAの一次構造・発現量データベース……廣瀬直毅・川路英哉
TOPICS
【免疫学】
補体C1qによる死細胞除去とMafBの役割……濱田理人・高橋智 
【感染症内科学】
プロカルシトニンとプレセプシン,どちらを選ぶ?……金光敬二 
【神経内科学】
Alzheimer病のエピジェネティクス……間野達雄・岩田淳 
連載
【地域包括ケアシステムは機能するか】
6.地域包括ケアシステムのケアマネジメント――ケアマネジメントが危ない……服部万里子 
【医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及】
3.Technology-enhanced simulation(TES)……淺田義和 
フォーラム
【がん教育の現状と課題】
7.がん経験者の生き様や勇気を伝えることこそが必要だ……阿南里恵 
雑誌特集
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267巻8号 2018年11月24日
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