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264巻1号 2018年1月6日
第1土曜特集腸内細菌と臨床医学
はじめに
第1土曜特集 腸内細菌と臨床医学 はじめに 安藤朗
  ヒポクラテスは“Death sits in the bowels”,“Bad digestion is the root of all evil”と述べている.この言葉が示すように,腸と健康のかかわりは古代から認識されてきた.一方,ロシアのノーベル賞学者メチニコフは,腸内細菌がつくる腐敗物質こそが老化の原因で,それを防ぐことができれば不老長寿も可能であるという学説(メチニコフの不老長寿説)を提唱した.彼は長寿者が多いブルガリア旅行中の見聞から,ヨーグルト(乳酸菌)が長寿に有用であると唱えた.現在のプロバイオティクスの概念が20世紀初頭に提唱されたことになる.
 長い間,培養法に依存していた腸内細菌研究も,シークエンス技術の進歩により,ここ10年あまりの間に飛躍的な進歩を遂げた.さらに,腸内細菌研究に興味をもつ研究者の増加により,これまで高額であった腸内細菌の解析費用もかなり安価になりつつある.これらの成果として,ヒトの消化管には約1,000種,100兆個の細菌が存在し,腸内細菌のもつ総遺伝子数は,ヒトのもつ遺伝子の100倍以上に上ることが明らかとなっている.さらに,これまで予想されていなかった腸内細菌のあらたな機能や病態との関連がつぎつぎと明らかになっている.
 本特集では腸内細菌に関する最近の話題について,各方面でもっとも活躍中の先生方に解説いただいた.総論では腸内細菌研究の歴史から腸内細菌の生理的・免疫的な役割,機能についての解説を通して,基礎知識の整理をめざした.後半の各論では,各臨床の分野で腸内細菌研究の第一人者の先生方に腸内細菌と疾患のかかわり,腸内細菌を標的とした治療法の開発状況などを解説いただいた.
 どの論文も最先端の情報が網羅されており,今回の特集を読んでいただければ現在の腸内細菌に関する知識の概要が理解できると思われる.今回の特集が,多くの先生方の興味を刺激し,ぜひ腸内細菌研究の世界に加わっていただけることを期待している.
目 次
【総論】
腸内細菌叢研究の歴史……神谷茂 詳細
ヒト腸内細菌叢の形成と加齢に伴う変化……伊藤喜久治 詳細
腸内微生物叢を対象としたメタゲノム解析――現状と今後の展望……井上亮・安藤朗 詳細
日本人腸内細菌叢のユニークさと国間多様性……服部正平・西嶋傑 詳細
腸内細菌による腸管免疫システムの誘導と制御……香山尚子・竹田潔 詳細
腸内細菌と肥満――宿主エネルギー代謝制御における腸内細菌の役割……木村郁夫 詳細
腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構……新藏礼子 詳細
【各論】
過敏性腸症候群における腸内細菌の役割……福土審 詳細
NSAIDs/アスピリン起因性小腸傷害と腸内細菌……灘谷祐二・藤原靖弘 詳細
炎症性腸疾患の病態と腸内細菌のかかわり……溝口充志 詳細
大腸発癌と腸内細菌――Serrated pathwayとのかかわり……能正勝彦 詳細
慢性便秘症と腸内細菌叢……内藤裕二 詳細
肝疾患と腸内細菌……中島淳 詳細
循環器疾患と腸内細菌……山下智也・平田健一 詳細
2型糖尿病・メタボリックシンドロームと腸内細菌……入江潤一郎・伊藤裕 詳細
妊娠・出産と関連した腸内細菌叢の変化……塩ア有宏・齋藤滋 詳細
多発性硬化症の腸内細菌叢解析からみえてきた将来の医療……山村隆 詳細
自閉症スペクトル障害──Clostridiales-associated dyshomeostasis……渡邉邦友 詳細
糞便微生物移植法の現状と今後の展望──Clostridium difficile腸炎に対する効果も含めて……水野慎大・金井隆典 詳細
プロバイオティクスの臨床応用の現状と将来展望……角田洋一・下瀬川徹 詳細
腸内細菌と臨床医学
264巻1号 2018年1月6日
週刊(B5判,120頁)
定価 2,592円(本体 2,400円+税8%)
注文コード:926401
雑誌コード:20471-1/6
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