医歯薬出版のページサイトマップ
医学のあゆみTOP最新号通常号第1土曜特集号第5土曜特集号バックナンバー年間定期購読
ホーム雑誌一覧医学のあゆみ > 第5土曜特集号
234巻5号 2010年7月31日
第5土曜特集サイトカインと疾患あらたな病態モデルから治療へ
はじめに
第5土曜特集 サイトカインと疾患――新たな病態モデルから治療へ はじめに 平野俊夫
  いま,サイトカインはあらたな展開を迎えている.TLR 受容体の詳細な解析から,自然免疫の概念を分子レベルで語ることができるようになってきた.その結果, @ 自然免疫系の役割は外来抗原由来の分子のパターンを認識してサイトカインを産生すること, A ヘルパー T 細胞を代表とする適応免疫系に効率よく抗原を提示すること,の 2 点に集約されることがわかった.もちろん,適応免疫系も,その中心細胞であるヘルパー T 細胞の活性化の状態が自然免疫系の細胞から発現されるサイトカインの種類・量によって変化し,さらにサイトカインを産生するヘルパーエフェクターに分化する.
 このヘルパーエフェクター細胞の分化に関しても最近,サイトカインとの関連であらたな展開がみられている.1980 年代から免疫学のドグマとして君臨してきた Th1 と Th2 のパラダイムが Th17 の出現で大きく変化したことは周知の事実である.Th17 は T 細胞受容体刺激時の TGF−βと IL−6 などのサイトカイン刺激で分化してくる.一方,この反応時に IL−6 が存在しなければ制御性 T 細胞(Treg)が出現するのである.Th17 と Treg は疾患との関連も,日進月歩で新展開がみられる.
 また,免疫系からのサイトカインばかりではなく,非免疫系細胞・組織からのサイトカインも自然免疫・適応免疫系の活性化状態に大きな影響を与えていることが明らかとなってきた.感染,ワクチン形成,創傷治癒,自己免疫疾患,アレルギー,さらには癌などの誘導,治癒起点をサイトカインを中心に考えてみると,「自然免疫応答も適応免疫応答も,その存在意義はサイトカインを利用して炎症反応を誘導すること」といっても過言ではない.その炎症反応が制御されていれば疾患の治癒が望めるし,逆に制御できなくなれば疾患の増悪を招くのではなかろうか.
 今日ではリウマチ治療薬として抗 TNF−α抗体,抗 IL−1 抗体,抗 IL−6 受容体抗体が臨床に用いられて成果を得ている.サイトカイン研究がますます盛んになってあらたなサイトカインを起点とした病気の予防,治療法が開発されることを願って,本企画の巻頭言に代えたい.
目 次
概 論
OVERVIEW――サイトカイン機能の人為的制御をめざして……村上正晃 詳細
サイトカインシグナル伝達機構
JAK-STATの標準経路と非標準経路モデル……中嶋弘一・小島裕正 詳細
Smad経路を介したTGF-βファミリー分子のシグナル伝達機構……森川真大・宮園浩平 詳細
直鎖状ポリユビキチン鎖によるNF-κB選択的活性化機構……中原匡咲・岩井一宏 詳細
サイトカインの分泌刺激および産生調節機構
mRNAの安定性制御を介した免疫応答の調節……松下一史・審良静男 詳細
C型レクチンMincleによる結核菌の認識およびサイトカイン産生……三宅靖延・山ア晶 詳細
核酸認識Toll様受容体刺激による樹状細胞からのI型インターフェロン産生誘導機構……改正恒康 詳細
cAMPによる炎症性サイトカイン産生抑制機構……吉村昭彦・他 詳細
核内IκB蛋白質IκB-ζを介したサイトカイン産生制御……牟田達史 詳細
インフラマソームを介した炎症性サイトカインIL-1βの産生……齊藤達哉・審良静男 詳細
Th2サイトカイン産生制御機構……鈴木茜・中山俊憲 詳細
IL-4の産生制御……久保允人 詳細
IL-6/STAT3シグナル制御蛋白質――Daxx,KAP1,STAP-2によるSTAT3活性化制御……松田正・他 詳細
免疫細胞の分化/維持とサイトカイン
Th2細胞分化と好塩基球……善本知広 詳細
Th17分化……本田賢也 詳細
肝由来のIL-7によるT細胞応答の制御……澤幸久・村上正晃 詳細
制御性T細胞の分化および機能発現――外来性刺激およびサイトカインを介した制御性T細胞の分化……大倉永也・坂口志文 詳細
新しいリンパ球:ナチュラルヘルパー細胞――寄生虫感染における役割……茂呂和世・小安重夫 詳細
ナチュラルキラーT(NKT)細胞の発生と分化……渡会浩志・谷口克 詳細
TNF/iNOS産生DCとIgA分泌……樗木俊聡・手塚裕之 詳細
IL-5による自然免疫制御――B-1細胞と好酸球……紅露拓・津聖志 詳細
サイトカインと感染症
感染防御におけるIL-17AとIL-17Fの役割……石亀晴道・岩倉洋一郎 詳細
感染防御におけるIL-15,IL-17の役割……吉開泰信 詳細
細胞内寄生性原虫によるサイトカイン産生抑制機構――トキソプラズマ原虫キナーゼROP16による宿主Stat3活性化機構……山本雅裕 詳細
細胞障害性CD8T細胞応答におけるCD4ヘルプの役割――ウイルス感染に対する膣粘膜面での生体防御機構……中西祐輔・岩崎明子 詳細
C型肝炎とIL-28B(IFN-λ3)……伊藤清顕・他 詳細
サイトカインと疾患
IL-6誘導性の“炎症アンプ”と自己免疫疾患……小椋英樹・村上正晃 詳細
BMP/TGF-βシグナル伝達制御と結合組織疾患に関与する亜鉛トランスポーターZip13……深田俊幸 詳細
IL-33とアレルギー性疾患……善本知広 詳細
サイトカインのシグナル伝達異常により発症する免疫不全症――高IgE症候群……峯岸克行 詳細
メタボリックシンドローム……真鍋一郎 詳細
サイトカインネットワークと動脈硬化の病態……安川秀雄・今泉勉 詳細
腸炎とサイトカイン……金井隆典・日比紀文 詳細
癌とmilk fat globule growth factor-8(MFG-E8)――既存抗癌治療法と抗MFG-E8阻害抗体との併用による新しい戦略……田原秀晃 詳細
血管新生病とM-CSF阻害……久保田義顕 詳細
虚血性疾患とサイトカイン――おもに脳虚血の視点から……七田崇・吉村昭彦 詳細
p53依存性脂肪老化シグナルと糖尿病……清水逸平・小室一成 詳細
SOCS3と皮膚恒常性維持……許斐綾子・他 詳細
サイトカインによる中枢を介した摂食・エネルギー代謝調節作用……藤坂志帆・戸邉一之 詳細
慢性骨髄性白血病とTGF-β……仲一仁・平尾敦 詳細
表皮とStat3――両刃の剣としてのマスターシグナル……佐野栄紀 詳細
治療への応用
抗サイトカイン療法の現状……宮坂信之 詳細
抗TNF-α抗体とBehçet病……廣畑俊成 詳細
抗IL-6療法……西本憲弘 詳細
サイトカインシグナル伝達抑制分子(SOCS)の新規抗癌剤としての応用……世良田聡・仲哲治 詳細
自然免疫とワクチン開発……小檜山康司・石井健 詳細
サイトカインと疾患
234巻5号 2010年7月31日
週刊(B5判,308頁)
発行時参考価格 5,200円
注文コード:286260
雑誌コード:20475-7/31
ダウンロード購入
『医学のあゆみ』は発行から1年後に論文単位で全文検索可能なPDFファイルのダウンロード購入ができます.
詳細はPierOnline
Pier Online
当社発行の雑誌は発行から1年後に論文単位でPDFファイルのダウンロード購入が可能です.
詳細はメディカルオンライン
メディカルオンライン
この本を買った人はこんな本も買っています
生命を支える脂質  
生命を支える脂質

新井洋由 企画
呼吸器疾患 state of arts  
呼吸器疾患 state of arts

北村諭・巽浩一郎・石井芳樹 編
臨床免疫学  
臨床免疫学

福岡良博・佐藤進一郎・〆谷直人 ほか著
関節リウマチ  
関節リウマチ

竹内勤 編
お問い合わせ 会社案内 About us リンクについて オンラインショップの返品について
当サイトはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください.
Copyright (C) 2019 Ishiyaku Pub,Inc.