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229巻9号 2009年5月30日
第5土曜特集細胞医療Update
はじめに
第5土曜特集 細胞医療Update はじめに 梅澤明弘・谷本光音
  本特集“細胞医療 Update”はヒト細胞を用いた治療法が急激に発展するなかで,幹細胞の基礎的な研究から幹細胞移植法,造血幹細胞移植の臨床,そして再生医療とこれら細胞医療を取り巻く社会環境までの幅広い分野を総合的に俯瞰することを目的として,各分野の最先端で日本を代表する研究者に執筆をお願いした.
 幹細胞の基礎研究はわが国の研究成果が世界をリードしている分野であり,毎日のようにあらたな展開がみられている分野でもある.また一方で,細胞医療の一部は造血幹細胞移植などの形ですでに臨床的に患者の治療に応用されつつある.こうした時代的背景のなかで,本特集により,近い将来に細胞治療が広範な医療分野で大きな変貌を及ぼすことを皆さんに実感していただくとともに,多分野の統合的な医学・医療である細胞医療の今後のさらなる発展に本特集が寄与できれば幸甚である.(谷本光音)
 細胞医療には 3 つの側面があると理解している.1 つ目は薬事法の下で現実の医療としてはじまった細胞医療であり,医療産業との関連から注目を浴びている.日本国内においては,2008 年 12 月に中央社会保険医療協議会が,やけど治療用に自分の皮膚の一部を切り取って培養した表皮を公的医療保険の対象とすることを決め,ヒトの細胞・組織を利用した再生医療製品へのはじめての保険適用となった.アメリカにおいては,オバマ政権下にてヒト ES 細胞の臨床治験の承認がおりた.2 つ目は,医療法の下で行われていくと思われる,細胞医療の臨床研究である.これは組織幹細胞および体性幹細胞を用いた臨床研究であり,この 2009 年 5 月から“ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針”の改訂作業がはじまり,それに伴う形で進展すると予想する.3 つ目は,細胞医療にかかわる基盤研究である.これは iPS 細胞による牽引力が,とくに日本では大きい.多くの国費が iPS細胞研究に投入されることになっており,研究費といった面からみると,細胞医療の分野のみならず,実際にはわが国の自然科学研究全体に対して大きな影響を及ぼすことは明らかである.これからの 5 年間の発展と競争がすさまじいものになることは間違いない.本特集“細胞医療 Update”では,この 3 つの側面がバランスよく,教科書のように配置されている.一度通して読むことによって臨床・基礎・行政の現在がおおまかにみえてくる.
少々,大きな特集号であるが,週末に楽しんでいただければ幸甚である.(梅澤明弘)
目 次
幹細胞の基礎研究
ヒトES細胞株間の分化指向性の違い……長船健二 詳細
iPS細胞研究の進展……吉田善紀・山中伸弥 詳細
米国における細胞治療システムの課題……Mahendra Rao・阿久津英憲
間葉系幹細胞……梅澤明弘 詳細
幹細胞ニッチ……新井文用 詳細
脂肪幹細胞の新展開……松山晃文 詳細
造血幹細胞……熊野恵城・黒川峰夫 詳細
ヒトES細胞からの造血細胞への分化――好中球産生を中心として……佐伯久美子・湯尾明 詳細
心筋細胞の誘導と分化――心筋マスター因子は存在するのか……竹内純・小柴和子 詳細
幹細胞とウイルス感染症……小杉伊三夫・梁明秀 詳細
ヒト細胞自動培養装置……紀ノ岡正博 詳細
細胞移植の方法
PuraMatrix®の細胞移植床への応用――自己組織化ナノペプチドにより構成される三次元ゲルの細胞移植床としての可能性……永井敏雄・小室一成 詳細
生体シグナル因子と細胞足場による細胞移植……田畑泰彦 詳細
細胞シートによる再生医療――効率的な細胞デリバリーシステム……関根和希・清水達也 詳細
造血幹細胞移植の臨床
同種移植後の選択的GVL効果誘導は可能か?――GVL効果とGVHDとの微妙な関係……赤塚美樹 詳細
急性GVHDの発症・重症度に関与する遺伝的因子……川瀬孝和 詳細
慢性移植片対宿主病(CGVHD)――その病態解明に基づいた新規治療……岡本真一郎 詳細
ミニ移植――同種移植のbreakthrough……和氣敦 詳細
臍帯血移植の最近の進歩――とくに移植後早期合併症の克服……谷口修一 詳細
体外増幅造血細胞移植……伊藤仁也・中畑龍俊 詳細
骨髄内幹細胞移植――次世代の移植方法……池原進 詳細
間葉系幹細胞を用いた急性GVHDの治療……小澤敬也 詳細
再生医療
多能性幹細胞,神経幹細胞を用いた神経再生……岡田洋平 詳細
骨関節疾患への自己(患者由来)間葉系幹細胞を用いた治療――間葉系幹細胞の血管再生能とそれを利用した骨壊死治療技術開発……大串始・川手健次 詳細
角膜再生医療……林竜平・西田幸二 詳細
末梢性動脈疾患に対する血管再生療法の進歩……南野徹・小室一成 詳細
心筋再生医療――Cardiosphere由来心臓幹細胞を用いた心不全細胞治療……赤壁佳樹・松原弘明 詳細
虚血性心疾患に対する心血管再生医療……濱野公一・李桃生 詳細
肝細胞移植と肝組織工学の現状……大橋一夫 詳細
生体肝移植と肝細胞移植……笠原群生 詳細
腎の再生……林松彦 詳細
先天代謝異常症に対する細胞治療……小須賀基通・奥山虎之 詳細
難聴に対する内耳細胞治療法の開発……神谷和作 詳細
ヒト奇形腫とはどのようなものか――その臨床病理像と組織発生……森永正二郎 詳細
小耳症耳介形成術の現況と再生医療の可能性――現在用いられている再建材料を検証し再生医療の可能性を探る……金子剛 詳細
胎児に対する細胞治療……林聡 詳細
行政・社会環境
再生医療の実用化推進のための指針等の整備と運用……早川堯夫・嶽北和宏 詳細
ヒト細胞・組織加工医薬品などの安全性確保……佐藤陽治 詳細
再生医療における審査・承認体制のあるべき姿 のあるべき姿……川上浩司 詳細
再生医療の社会への普及に向けた課題……倉田健児 詳細
創薬支援のための医薬基盤研究所(NIBIO)における取組み状況……木下勝美 詳細
iPS細胞研究と知的財産……隅藏康一 詳細
再生医療分野へ参入している企業の動向――欧米を中心とした企業動向……神山祥子 詳細
ES細胞,iPS細胞の臨床応用が期待される疾患……小清水右一 詳細
心臓再生医療における人工心臓開発戦略……川島大・五條理志 詳細
自家培養表皮における医療機器としての製品化に向けた取組み……畠賢一郎 詳細
細胞医療Update
229巻9号 2009年5月30日
週刊(B5判,280頁)
発行時参考価格 5,200円
注文コード:286210
雑誌コード:20475-5/30
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