2018/05/16
5月12日(日),大阪市内にてSeattle Study Club of Japan(SSCJ)の主催する標記クローズドプログラムが開催された.今回は松丸悠一氏(フリーランス総義歯治療専門歯科医師)により「Fundamentals important to good complete denture construction」と題した講演が行われた.
松丸氏はまず,患者満足が得られなければ使用されない(外されてしまう)可撤式補綴装置を用いた治療では歯科医師と患者との関係が治療評価に影響すると指摘.関連するエビデンスも示しながら,人工歯排列等の治療の意思決定に患者にも加わってもらうことで満足度を高められ義歯を使い続けてもらえることになると述べた.
次いで治療用義歯に対する考え方や動的印象時にテクニカルエラーを防ぐヒント,小帯の動きに合わせた義歯外形や口輪筋(筋圧)を義歯の安定に活かすためのポイント,下顎顎堤吸収のシビアな症例において解剖学的知識に基づいて義歯の維持・安定を得るための方法等を示し,サンプル模型を用いた解剖学的ランドマークと義歯外形の記入操作を実演した.
最後に“失敗しない臨床へのヒント”として,患者背景と治療へのニーズを知るための問診,解剖学的ランドマークに基づく義歯外形線の設定のためのルールに基づく視診と骨を感じる触診の要点について詳説した.