2018/04/25
4月22日(日),ホテル椿山荘東京(東京都文京区)にて,標記会が開催された.
はじめに開会の辞として,会長の竹内千惠氏(チエデンタルクリニック)が登壇.2010年4月の第1回開催以来,9年目を迎える本会の,今後の展望・さらなる充実化についてまとめた.また,会長在任中に進めてきた,女性歯科医師のこれからの働き方の検討・次世代への引き継ぎを示し,次期会長・高野博子氏(高野歯科クリニック)へとバトンを渡した.
講演会では,「いのちのバトンを渡されて」をテーマに,坂本洋子氏(「里親ひろば ほいっぷ」グループ代表)が登壇した.坂本氏は,1985年から現在まで35年にわたり,17人の子どもたちの里親をしている.里親制度とは,育てられない親の代わりに一時的に子どもを預かり養育する制度で,里親と子に法的な親子関係はなく,親権は実の親がもつものである.諸外国と比べ,わが国では里親等への委託率は20%台と伸び悩んでおり,戦前は父母の死亡による理由が多かったが,現在では父母による虐待,養育拒否,父母の精神障害等による理由が多くを占めるという.このような「社会的養護」の必要な子どもの数(約46,000人),都における養育家庭の現状等が解説された.
また,坂本氏自身が養育上大切にしていることとして,子をたくさん甘えさせてあげること(ただし,わがままと見極めること),褒め,認めて子どもの自己肯定感・自己受容感を高めること,前向きになれる言葉のシャワーをかけること,養育者としてぶれないこと,身ぎれいな服装に特に気を配ること等を,エピソードとともに解説した.
坂本氏の講演後,本会より,医療機関における実務情報として,養護施設・里親家庭等で生活する子どもの医療費について,窓口での取扱い,レセプト請求等についてが解説された.
次回(秋の講演会)は12月に開催される予定である.