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DENTAL SQUARE JAPAN設立記念講演会開催される
 3月17日(土),18(日)の両日,レソラホール(福岡市中央区)にて標記臨床コース(DSJ)開講に合わせたキックオフイベントとなる標記講演会が開催された〔主宰:築山鉄平氏(福岡県)〕.
▲DSJ主宰の築山氏
▲会場の入るレソラ天神(左)
 初日にはGianluca Paniz氏とLuca Gobbato氏(いずれもイタリア・パドヴァ)が「インプラント補綴において審美的に安定した長期予後を得るために」と題して登壇.審美エリアにおける抜歯即時埋入,暫間補綴装置でのオベイトポンティック応用,審美的な軟組織形態獲得のためのサブジンジバルカントゥア,アバットメントのマテリアルセレクション,外科処置を成功に導くためのキーファクター等の多岐にわたるテーマについて,多彩な臨床例に加えて古典的文献と最新のエビデンスを駆使して語った.
▲講演後のディスカッション.左から,築山氏,Paniz氏,(通訳),Gobbato氏,木戸氏,土屋氏
 2日目午前中にはSahng G. Kim氏(コロンビア大学歯内療法科)が「臨床家のための歯内再生療法」と題し,根管に歯髄-象牙質複合体を再生する意義,歯内再生療法に関する過去の臨床研究,ADA(アメリカ歯科医師会)が定めたPulpal Regenerationのプロトコルおよび自身がモディファイした点,同法の理解に重要となるTissue engineeringのストラテジーを説明した.
▲講演後のディスカッション.左から,嘉村氏,Kim氏,田中氏
 2日目午後には本会ボードメンバーの5名が登壇.まず嘉村康彦氏(アメリカ・テキサス州/米国歯内療法専門医)が「バイオロジーに基づいた根管形成」として根尖性歯周炎の病因論を平易に解説したうえで,根管の解剖学的構造の理解に基づく根管形成の重要性を訴えた.
 続いて田中利典氏(東京都/米国歯内療法専門医)が「根管洗浄の限界と挑戦」として,根管洗浄においては洗浄剤の物理的効果もその化学的効果と同様に重要だとして,有効なデリバリー法や関連する最新機器について紹介・考察した.
 土屋嘉都彦氏(大分県/米国補綴学会ボード認定専門医)は「良好な長期予後を目指した補綴治療」として,特に複雑な治療ステップや補綴装置の構造が求められる症例では補綴医の診査診断,治療計画(治療シークエンスの設定)が重要になると,臨床例を通じて述べた.
 木戸淳太氏(福岡県/米国補綴専門医)は「論理的に考えるスマイルデザイン」として,スマイルデザイン構築に際しすべての患者に適用できる方程式はないが,判断の拠り所となる基準をもって臨むことで論理的に説明可能な審美性を提供できるとして,垂直・水平基準線などの各種指標について解説した.
 最後に築山氏(米国歯周病学会ボード認定専門医,ヨーロッパインプラント学会認定専門医)が「DSJが日本の歯科医療に提供できる価値―20年先の社会を見据えて―」として登壇.予防やメインテナンスに対する自身の取り組みや理念を供覧し,「自立して診査診断し,自律して治療を進めることができる歯科医師」を育成し,「日本国民の口腔健康価値の革新への貢献」をともに目指すことが本会の目的であると訴えた.
▲会場風景

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