2018年3月18日(日),新東京歯科技工士学校(東京都大田区)にて,日本アンチエイジング歯科学会(会長:松尾 通氏)の第3回デンチャー部会主催セミナー「勝ったぜ義歯組」が開催され,約120名の歯科医師・歯科技工士らが集まった.
「義歯ほど楽しい仕事はない」村岡秀明氏(歯科医師/千葉県開業)
コピーデンチャーを活用した新義歯製作法により患者のデンチャースペースと咬合高径の回復を図り,審美性を改善した症例を供覧.各手技について動画で分かりやすく解説するとともに,ときおりダジャレも挟みながら義歯づくりの魅力をユーモラスに語った.
「使えている!パーシャルデンチャー!」金井孝行氏(歯科技工士/カナイナビデント)
金井氏は歯科技工士として義歯製作に携わる一方,自身も患者としてパーシャルデンチャーを装着しており,今年で装着8年目になるという.講演では自身の食事風景を撮影した動画も交えつつ,快適に義歯を使用している様子を発表した.
「Back to the Premium Denture~多数歯欠損補綴の多様なアプローチ」川島 哲氏(歯科技工士/ユニデント)
臨床における適合へのこだわりや適合性向上のためのポイント,氏の提唱する“TKデザイン三角理論”など設計に関する考え方について紹介した.また,義歯製作にあたっては,患者の「義歯に対する思い」を汲み取りそれに寄り添う「心の歯科技工」が重要であると訴えた.
「安定した品質のCAD/CAM 義歯を患者様に」木下隆之氏(歯科技工士/STLデザイン)
歯科技工士の高齢化や学生数減少により技能継承が危ぶまれる中,患者に良質な歯科技工物を継続的に提供していくためには,CAD/CAM技術の利用が不可欠であると強調.現状のCAD/CAMシステムにおける義歯製作の流れから,CAD/CAMシステム導入のメリット・ポイントを紹介した.
「ソシャクと笑顔の間」宝田恭子氏(歯科医師/東京都開業)
自身の義歯臨床の歩みを症例を挙げて振り返るとともに,その折々で触れた患者の歯・義歯への思いを紹介.会場に映し出された患者へのインタビュー映像では,義歯によって咀嚼機能や審美性が改善した喜びが笑顔で語られていた.