2017/12/19
12月17日(日),大阪国際会議場 12階特別会議場にて標記講演会が開催された(大会長:末瀬一彦氏).
シンポジウム1「クラウン・ブリッジにおけるデジタルデンティストリー」ではまず伴 清治氏(愛学大)が登壇.「デジタルデンティストリーにおけるマテリアル選択」と題し,歯科用CAD/CAMシステムで切削加工されるレジン系材料,ジルコニアやガラスセラミックスなどのセラミックス材料について特性を比較した.「どう選ぶ,チェアサイド型CAD/CAMとネットワーク型CAD/CAM」では,小池軍平氏(神奈川県)がそれぞれのシステムの特徴を示すとともに,口腔内スキャナの適合精度を左右する因子として計測法式やSTLデータのメッシュ粗さなどに留意する必要があるとした.
シンポジウム2「インプラント治療におけるデジタルデンティストリー」では正木千尋氏(九歯大)が「インプラント治療におけるデジタルデンティストリーの有効性」との題で,サージカルテンプレートやデジタル印象採得の精度に影響を及ぼす因子を考察し,少数歯欠損に対してはインプラントのデジタルワークフローが確立しているが多数歯欠損や無歯顎症例では精度の面で現状,従来法との併用が求められるとした.「BUDDING DIGITAL IMPLANT DENTISTRY」と題して登壇した千葉豊和氏(北海道)は,ガイデッドサージェリーにおいてはCBCTのデータと光学印象によるSTLデータのマッチング精度を高めることが臨床の精度向上にも直結するとして,自身の臨床において実践しているマッチングの工夫を紹介した.
その他,各シンポジウムでは若手会員による発表が4題ずつ行われ,各会員が取り組んでいる研究内容や臨床を通じた知見を披露した.
なお,隔年開催であった本講演会は今回より毎年開催となり,次回は渡邉文彦氏(日歯大新潟)を大会長として開催される予定である.