2017/10/16
10月15日(日),都市センターホテル(東京都千代田区)にて,2017年第6回救歯塾が開催された.
救歯塾は,年間を通じてのテーマ「黒田式コーヌスクローネをマスターしよう」のもと,グループ討論と実習を中心とした,受講者の主体的な参加が求められるセミナー.第6回目の話題は「コーヌスクローネのトラブルと対処法」.義歯装着後に起こりうるトラブルについて,その原因から対策,対応法まで,活発なディスカッションが展開された.
午前のグループ討論では,義歯装着後に起こりうるコーヌスクローネ義歯特有のトラブルとして,「内冠の脱離」「コアの破折」「内冠の喪失」「義歯の破折」を取り上げ,その原因と対策をディスカッション.そこでは,問題点の所在が支台歯にあるのか,築造なのか,内冠なのか,義歯なのか,を見極めることが対策・対応につながることが整理され,トラブルへ向き合うには,コーヌス義歯の製作工程への理解が改めて試されることが共有された.
午後のグループ討論では,日高大次郎氏(東京都・六本木駅前歯科)より,コーヌスクローネ義歯を装着した症例が提示され,予測されるトラブルについてディスカッション.討論後には実際の経過が呈示され,いくつかのトラブルに直面しながらも,義歯の改変等の適切な対応により,支台歯を失うことなく長期に経過している報告に,受講者の注目が集まった.
最後に黒田昌彦氏(東京都・黒田歯科医院)より,コーヌスクローネ義歯の20年以上の長期経過が示され,トラブル回避のための対策,トラブルへの対応の実際が詳細に提示された.
次回は本年度の最終回となり,受講者全員のプレゼンテーションが行われる.