2017/09/06
8月27日(日),大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪,大阪市北区)にて,標記講演会が250名の歯科衛生士を集め,開催された.
はじめに品田和美氏(東京都・黒田歯科医院)が「患者さんの問題発見・問題解決のために“診る”ポイント」をテーマに登壇.歯周病・歯周治療の基本知識を整理することが大切であるとして,歯周基本治療とメインテナンスを適切に行うために必要となる,問診や口腔内写真,X線写真,歯周組織検査から読み取るべき所見を詳説した.加えて,それらの情報に基づいて,いかにSRPのプランを組み立てていくかを,症例とともに示した.
品田氏が現在の患者の状態を把握するための“診る”をテーマとしたのに対し,続く大住祐子氏(大阪府・医療法人貴和会 新大阪歯科診療所)は,時間軸の流れを意識した「的確に見る,継続して観る」に焦点を当てて,口腔内の変化を,患者の気持ち・悩み・健康観・生活などと照らし合わせながら解説.SPT期にいかに患者とかかわっていくべきかを示し,「患者が健康を維持しようとする自発的な意識と,それを実践することを継続的にサポートすることが重要である」と述べた.
最後に登壇した山本浩正氏(大阪府開業)は,「あなたのメンテは役に立っている?」をテーマとして,メインテナンスの成績に影響を与える要因を解説.専門家によるプラーク除去とセルフケア指導の両方が適切に行われることが健康な口腔を維持することに有効であることを示した一方で,歯科医療者と患者の信頼関係がメインテナンスの成否に大きく影響している可能性を示唆した.そのうえで,信頼関係構築のために欠かせないポイントや,担当を引き継ぐ際の注意点を紹介した.
そのほか「SRP」「口腔内撮影」「PMTC」をテーマとした選択制セミナーが催され,盛況のうちに閉会となった.