2017/08/29
8月27日(日),Seattle Study Club of Japan(SSCJ)の主催する標記プログラムが行われた.
同会では国内外の著名な歯科医師を講師に招き,少人数制のラーニングスタイルによるクローズドカリキュラムとして講演やハンズオンプログラムを行っている.今回は医療法人悠生会 筒井歯科(大阪市中央区)を会場として鈴木貴規氏(ニューヨーク大)を講師に招聘し,デンタルフォトグラフィーに関する講義と実習が行われた.
鈴木氏は冒頭,視覚探索や潜在的運動制御,ゲシュタルト心理学といった知見を引きながら「ヒトは視界の一部しか見ていない」「過去の経験に基づく予測と感覚フィードバックの不一致が生じることがある」「同じ情報でも人によって解釈が異なってしまう」といったことが歯科においても治療の失敗につながってしまうと指摘.
そこで治療ステップの写真撮影を行っておけば,術中に気づけなかった失敗の原因を探ったり,何らかの見落としがあった場合にそれを客観的に判断したりできることから,「写真を好きになり,楽しみと思えるようにすることで治療の質も自ずと高まります」と語り,歯科における写真撮影の重要性を訴えた.
そして,写真がうまく撮れない場合の原因は「不適切なカメラの撮影設定」「撮影者の練習不足」の2点に集約されるとしたうえで,前者については「カメラのセッティング」「撮影の仕方」「撮影後の画像の調整,整理」に分けてそれぞれ詳しく解説を行った.
続いて鈴木氏による撮影のハンズオンレクチャーが行われ,模型や補綴物,顔貌,口腔内撮影について実演を交えながら撮影のコツやフラッシュ光の操り方が示された.